- 売上高: 242.62億円
- 営業利益: 20.93億円
- 当期純利益: 17.59億円
- 1株当たり当期純利益: 164.33円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 242.62億円 | 233.70億円 | +3.8% |
| 売上原価 | 161.07億円 | 162.46億円 | -0.9% |
| 売上総利益 | 81.55億円 | 71.24億円 | +14.5% |
| 販管費 | 60.61億円 | 58.60億円 | +3.4% |
| 営業利益 | 20.93億円 | 12.63億円 | +65.7% |
| 営業外収益 | 4.37億円 | 2.26億円 | +93.4% |
| 営業外費用 | 1.67億円 | 1.08億円 | +54.6% |
| 経常利益 | 23.63億円 | 13.81億円 | +71.1% |
| 税引前利益 | 23.63億円 | 13.81億円 | +71.1% |
| 法人税等 | 6.04億円 | 3.76億円 | +60.6% |
| 当期純利益 | 17.59億円 | 10.05億円 | +75.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 15.31億円 | 8.47億円 | +80.8% |
| 包括利益 | 5.77億円 | 26.80億円 | -78.5% |
| 減価償却費 | 8.95億円 | 9.40億円 | -4.8% |
| 支払利息 | 59百万円 | 42百万円 | +40.5% |
| 1株当たり当期純利益 | 164.33円 | 91.09円 | +80.4% |
| 1株当たり配当金 | 40.00円 | 40.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 377.47億円 | 384.53億円 | -7.06億円 |
| 現金預金 | 132.11億円 | 145.38億円 | -13.27億円 |
| 売掛金 | 146.37億円 | 139.28億円 | +7.09億円 |
| 棚卸資産 | 44.97億円 | 47.79億円 | -2.82億円 |
| 固定資産 | 240.46億円 | 249.07億円 | -8.61億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 17.23億円 | 17.22億円 | +1百万円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -18.37億円 | -20.42億円 | +2.05億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.3% |
| 粗利益率 | 33.6% |
| 流動比率 | 263.7% |
| 当座比率 | 232.3% |
| 負債資本倍率 | 0.62倍 |
| インタレストカバレッジ | 35.47倍 |
| EBITDAマージン | 12.3% |
| 実効税率 | 25.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +3.8% |
| 営業利益前年同期比 | +65.7% |
| 経常利益前年同期比 | +71.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +80.6% |
| 包括利益前年同期比 | -78.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 9.42百万株 |
| 自己株式数 | 94千株 |
| 期中平均株式数 | 9.32百万株 |
| 1株当たり純資産 | 4,080.75円 |
| EBITDA | 29.88億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 40.00円 |
| 期末配当 | 40.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| BuildingMaterials | 2百万円 | 78百万円 |
| ElectronicAndFunctionalProducts | 29百万円 | 7.22億円 |
| Engineering | 87百万円 | 1.90億円 |
| FilmsAndSheets | 104.60億円 | 14.13億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 490.00億円 |
| 営業利益予想 | 33.00億円 |
| 経常利益予想 | 34.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 23.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 247.01円 |
| 1株当たり配当金予想 | 41.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の日本カーバイド工業は、売上が堅調な中でコストコントロールとミックス改善により利益が大幅増加し、収益性が顕著に改善した四半期だったと評価します。売上高は242.62億円で前年同期比+3.8%増、営業利益は20.93億円で+65.7%増、経常利益は23.63億円で+71.1%増、当期純利益は15.31億円で+80.6%増と、トップラインの伸びを大幅に上回る利益成長を達成しました。営業利益率は8.6%(20.93/242.62)で、前年の約5.4%(逆算)から約+322bp拡大し、粗利益率33.6%と併せて採算の改善が示唆されます。販管費率は約25.0%(60.61/242.62)で、売上伸長に対し販管費の伸びが抑制された結果、強い営業レバレッジが発現しました。営業外では受取利息などで営業外収益4.37億円、営業外費用1.67億円と純額+2.70億円が経常増益を後押しし、経常利益率は9.7%に達しました。純利益率は6.3%(15.31/242.62)で、EPSは164.33円まで改善しています。一方、ROEは4.0%にとどまり、資本効率は依然として低位です(財務レバレッジ1.62倍、総資産回転率0.393)。ROICは4.7%と5%を下回り、資本コストを十分に上回れていない可能性があり、投資採算の改善が課題です。営業CFは17.23億円で純利益の1.13倍を確保し、利益のキャッシュ化は妥当な品質です。現金預金132.11億円に対し有利子負債合計は推定82.54億円(短期53.83・長期28.71)で、ネットキャッシュ約+49.6億円と財務の安全性は高いです。流動比率263.7%、当座比率232.3%と流動性も厚く、満期ミスマッチのリスクは限定的です。包括利益は5.77億円と純利益を下回り、その他包括損失(評価換算差額等)のマイナスが示唆され、保有有価証券や為替の評価影響が逆風となりました。営業外収入比率28.5%と、非業務収益の貢献も一定程度見られるため、持続的な営業利益成長での稼ぐ力の確立が次の焦点です。半期の設備投資は4.13億円と抑制的で、営業CFからのカバーが可能な水準であり、FCF(近似)もプラスとみられます。総じて、短期的にはコスト環境の改善と価格転嫁の進展で高収益化が進んだ一方、ROIC/ROEの水準はなお低位で、構造的な資本効率の引き上げ(事業ポートフォリオ最適化、稼働率改善、固定費効率化)が中期課題と捉えます。今後は営業外の寄与に依存しない営業利益の底上げ、在庫・売掛の適正化によるCFの安定、ならびに包括損益の揺らぎ抑制(有価証券ポートフォリオ管理)が重要です。
デュポン分解: ROE 4.0% = 純利益率6.3% × 総資産回転率0.393 × 財務レバレッジ1.62倍。最も改善が大きいのは純利益率で、営業利益率が前年約5.4%から今期8.6%へと約+322bp拡大し、営業レバレッジの効果が顕著でした。ビジネス上の背景として、原材料・エネルギーコストの低下や販売価格の維持・改定、製品ミックスの改善、ならびに販管費の伸び抑制が想定されます。総資産回転率は0.393と低めで、半期売上に対する売掛金の水準(146.37億円)や豊富な現金保有が回転率を圧迫している可能性があります。財務レバレッジは1.62倍と保守的で、ROE押し上げ効果は限定的です。収益性向上は短期的には持続し得るものの、資源・エネルギー価格や為替の反転、価格競争の再燃でマージン逆風となるリスクは残ります。販管費率(約25%)は妥当ですが、売上成長が鈍化する局面では営業レバレッジが逆回転する懸念もあり、販管費成長率が売上成長率を上回らない運営が重要です。営業外の純寄与(+2.70億円、経常利益の約11%)もあり、非業務要因への依存度には注意が必要です。
売上は+3.8%と緩やかな拡大に留まる一方、営業利益は+65.7%と大幅増で、価格改定・コスト低下・ミックス改善が主要ドライバーとみられます。粗利率33.6%・営業利益率8.6%は、前期比で採算改善を示唆。非営業項目(受取利息等)が経常段階を押し上げたが、営業増益が主因であり質は相対的に良好です。先行きは、需要環境(エレクトロニクス、自動車、建材など当社エンド市場)の循環回復、原燃料価格と為替の安定、価格転嫁の持続が続けば、二桁営業利益率に向けた余地がある一方、外部環境反転時には成長鈍化の可能性。成長の持続性確保には、付加価値の高い用途展開、設備投資の選択と集中、在庫・与信管理による回転率改善が鍵です。
流動比率263.7%、当座比率232.3%と強固で、短期支払能力に懸念はありません。負債資本倍率0.62倍、インタレストカバレッジ35.5倍と財務耐性は高く、利払い負担は軽微です。短期借入金53.83億円に対し、現金132.11億円と売掛金146.37億円を保有しており、満期ミスマッチリスクは低いと評価します。長期借入金は28.71億円で、償還リスクも限定的です。自己資本比率は未記載ながら、純資産380.55億円・総資産617.94億円から推計すると約61.6%と高水準です。オフバランス債務については開示情報がなく、重要なリース・保証・コミットメント等の有無は確認が必要です。包括利益が純利益を大幅に下回った点は、有価証券評価や為替換算差額のボラティリティを示唆し、資本変動リスクとして注視が必要です。
営業CFは17.23億円で純利益15.31億円の1.13倍、利益のキャッシュ化は良好です。EBITDA29.88億円に対する営業CFコンバージョンは約58%で、運転資本の吸収が一定程度生じた可能性があります(売掛高水準を勘案)。半期設備投資4.13億円は営業CFで十分に賄えており、FCF(近似)= 約13.10億円と推計されます(投資CF全体未記載のため参考値)。売掛金は半期売上比でやや厚く、概算DSOは約109日と推定され、集金改善余地があります。棚卸資産は概算在庫日数約50日で過大感は限定的。運転資本の最適化(与信・回収・在庫回転の改善)が進めば、キャッシュ創出力の持続性はさらに高まります。運転資本操作の明確な兆候はデータ不足で断定できませんが、利益伸長に見合うCFが出ている点はポジティブです。
配当情報は未記載ですが、配当性向(計算値)49.2%が示されており、純利益15.31億円ベースでは配当総額は概算で約7.5億円に相当します(参考推計)。FCF(近似)13.10億円を前提とすれば、配当カバレッジは約1.7倍と持続可能性は良好に見えます。ネットキャッシュ基調で追加の配当余力はある一方、ROIC 4.7%と低位であることから、成長投資と株主還元のバランスが中期的な課題です。方針見通しとしては、利益水準の維持とCF創出が続く限り、安定配当または段階的な増配余地はあるが、包括損益の変動や外部環境次第で慎重姿勢を維持する可能性があります。
ビジネスリスク:
- 原材料・エネルギー価格の上昇に伴う粗利率悪化リスク
- 為替変動(円安反転/円高進行)による採算・評価影響
- エレクトロニクス・自動車・建材等エンド市場の景気循環による需要変動
- 製品価格競争激化による価格転嫁余地の縮小
- サプライチェーン混乱による調達・物流コスト上昇
財務リスク:
- ROIC 4.7%と資本コスト下回りの可能性(価値毀損リスク)
- 包括利益のマイナス(有価証券評価・為替換算差額のボラティリティ)
- 売掛金水準の高さに起因する回収・与信リスク(DSO長期化)
- 金利上昇による調達コスト上昇(影響は限定的だが注視)
主な懸念事項:
- ROE 4.0%・ROIC 4.7%と資本効率が低位で、構造的な改善が必要
- 非営業利益の寄与(経常利益の約11%)への一定依存
- 営業成長が鈍化した場合の逆営業レバレッジとマージン低下リスク
- 包括損失発生により自己資本が評価影響を受けやすい点
重要ポイント:
- 売上+3.8%に対し営業利益+65.7%と強い営業レバレッジが顕在化
- 営業利益率は8.6%に上昇(前年約5.4%から+322bp)、採算が大幅改善
- 営業CF/純利益1.13倍で利益のキャッシュ化は妥当、FCF(近似)もプラス
- ネットキャッシュ約+50億円、流動性・支払能力は極めて良好
- ROIC 4.7%と資本効率はなお課題、構造的改善が必要
- 包括利益の弱さ(評価損)と非営業寄与は注意ポイント
注視すべき指標:
- ROICのトレンド(目標7-8%以上への改善度合い)
- 営業利益率の持続性(価格転嫁・原燃料コスト・ミックス)
- 売掛金回転(DSO)と在庫回転(DIO)
- 営業CF/純利益とFCF創出力(投資拡大局面でのカバレッジ)
- 非営業収益の寄与比率とOCI変動(有価証券評価・為替)
- 販管費率のコントロール(売上成長率対比)
セクター内ポジション:
国内中堅化学・素材セクター内では、財務安全性は上位、収益性は中位以下(ROE/ROIC低位)。直近はマージン回復が進むが、資本効率面で同業上位(ROIC>8%)には劣後。非営業要因の寄与やOCIボラティリティが相対的に大きい点は慎重評価。
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