- 売上高: 147.99億円
- 営業利益: 10.36億円
- 当期純利益: 23.93億円
- 1株当たり当期純利益: 1,179.90円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 147.99億円 | 146.46億円 | +1.0% |
| 売上原価 | 105.73億円 | 105.58億円 | +0.1% |
| 売上総利益 | 42.26億円 | 40.87億円 | +3.4% |
| 販管費 | 31.89億円 | 31.17億円 | +2.3% |
| 営業利益 | 10.36億円 | 9.70億円 | +6.8% |
| 営業外収益 | 1.57億円 | 2.89億円 | -45.7% |
| 営業外費用 | 1.20億円 | 1.42億円 | -15.5% |
| 経常利益 | 10.72億円 | 11.16億円 | -3.9% |
| 税引前利益 | 34.52億円 | 10.57億円 | +226.6% |
| 法人税等 | 10.58億円 | 2.69億円 | +293.3% |
| 当期純利益 | 23.93億円 | 7.87億円 | +204.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 23.86億円 | 7.81億円 | +205.5% |
| 包括利益 | 23.86億円 | 7.75億円 | +207.9% |
| 支払利息 | 48百万円 | 42百万円 | +14.3% |
| 1株当たり当期純利益 | 1,179.90円 | 389.49円 | +202.9% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 1,170.71円 | 386.67円 | +202.8% |
| 1株当たり配当金 | 20.00円 | 20.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 110.59億円 | 95.05億円 | +15.54億円 |
| 現金預金 | 21.21億円 | 17.03億円 | +4.18億円 |
| 売掛金 | 54.83億円 | 39.88億円 | +14.95億円 |
| 棚卸資産 | 14.42億円 | 12.42億円 | +2.00億円 |
| 固定資産 | 96.92億円 | 129.51億円 | -32.59億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 16.1% |
| 粗利益率 | 28.6% |
| 流動比率 | 170.0% |
| 当座比率 | 147.8% |
| 負債資本倍率 | 0.92倍 |
| インタレストカバレッジ | 21.58倍 |
| 実効税率 | 30.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +1.0% |
| 営業利益前年同期比 | +6.8% |
| 経常利益前年同期比 | -3.9% |
| 税引前利益前年同期比 | +226.6% |
| 当期純利益前年同期比 | +204.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +205.3% |
| 包括利益前年同期比 | +207.6% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 2.33百万株 |
| 自己株式数 | 301千株 |
| 期中平均株式数 | 2.02百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,327.09円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 20.00円 |
| 期末配当 | 35.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 229.00億円 |
| 営業利益予想 | 18.00億円 |
| 経常利益予想 | 17.50億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 22.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 1,095.78円 |
| 1株当たり配当金予想 | 35.00円 |
第3四半期(2026年度Q3)連結業績は、売上高147.99億円(前年同期比+1.0%)に対し、営業利益10.36億円(同+6.8%)と増益を確保した。営業利益率は7.0%(営業利益/売上高)で、前年同期の6.6%程度から改善している。経常利益は10.72億円(同-3.9%)とやや減少したが、特別利益(固定資産売却益)25.19億円を計上したことにより税引前当期純利益は34.52億円と大幅に拡大した。最終的に親会社株主に帰属する当期純利益は23.86億円(同+205.3%)と一過性項目の寄与で大幅増益となっている。純利益率(報告値)は16.1%と高水準だが、この高率の大部分は固定資産売却益などの一時的項目によるものである。営業活動からの継続的な収益創出力を示す指標は限定的なため、利益の質には慎重な評価が必要である。売掛金が54.83億円へ(+37.5%)と大幅増加し、売上高伸長以上に債権回収が遅延していることが懸念される。短期借入金は5.00億円へ(-41.2%)と大幅に縮小し、有利子負債は25.41億円で保守的な水準にある。総資産は207.65億円、純資産は108.12億円へと増加し、報告上のROEは22.1%と高いが、一時利益の影響が大きい。セグメント別では化学品事業(各種塩事業)が主力で、セグメント利益は10.36億円と前年同期からやや改善している。B/Sでは有形固定資産が78.54億円へ減少(-28.3%)し、同時に固定資産売却益25.19億円を計上していることが読み取れる。流動比率170.0%、当座比率147.8%と流動性は良好だが、DSO(売掛金回転日数)135日、DIO 103日、CCC 143日と運転資本効率は業界基準を大きく下回り改善が必要である。配当は期末35円を含む年間方針(通期予想で35円)を提示しており、当期の配当性向は低水準(計算値で5.4%)にとどまる。通期業績予想は売上高229.0億円、営業利益18.0億円、純利益22.0億円(予想EPS 1,095.78円、期末配当35円)で、中期的な回復を見込んでいる。要点としては、収益性の改善は確認される一方で、その大幅増益の多くが一時的項目に依存しているため営業CFや運転資本の改善状況を確認する必要がある。今後は(1)売掛金回収の改善、(2)在庫適正化、(3)固定資産売却による資金使途の明確化が重要である。経営陣が示す資本配分(配当と設備投資・借入の返済)と、営業からのキャッシュ創出力が一致するかを注視すべきである。
dupont_3factor:
- ROE_reported: 22.1%
- net_profit_margin: 16.1% (純利益率)
- asset_turnover: 0.713 (総資産回転率)
- financial_leverage: 1.92倍 (総資産/自己資本)
- calculated_ROE: 16.1% × 0.713 × 1.92 = 22.1%
dupont_5factor:
- tax_burden_coefficient_NI_over_EBT: 0.691
- interest_burden_coefficient_EBT_over_EBIT: 3.332
- EBIT_margin: 7.0%
largest_driver: 純利益率(16.1%)がROEを最も大きく押し上げている。だがこの高い純利益率は、固定資産売却益などの特別利益(+25.19億円)を含む結果であり、営業ベースの利益(営業利益10.36億円、営業利益率7.0%)との差が大きい点に注意が必要。
business_reason_for_change: 一時的な固定資産売却が税引前利益を大きく押し上げたため、純利益率が急拡大した。営業利益は増加しているが伸びは限定的で、売上高の横ばい成長(+1.0%)に対して販管費はほぼ横ばいのため営業レバレッジは限定的に発現している。
sustainability_assessment: 営業ベースのEBITマージン(7.0%)と純利益率(16.1%)の乖離から、現在の高ROEは一時的要因によるものと判断される。持続的なROE維持には営業利益率の向上、もしくは持続的な投資利益の確保が必要であり、現状は一時的と評価するのが妥当である。
concerns: 販管費成長率は売上成長率を上回っていないが、運転資本コスト(売掛金・在庫増)により資金効率が低下している点。, 金利負担係数がEBT/EBITで3.332と高い値になっているが、これはEBT(税引前利益)が特別利益により膨らんでいるための算出上の影響であり、実態としては利息負担は軽微(支払利息0.48億円、インタレストカバレッジ21.58倍)。
sales_sustainability: 売上高は147.99億円(+1.0%)とほぼ横ばい。通期予想で+9.6%成長を見込んでいるが、Q3ベースの動きは穏やかで、外部環境に左右されやすい化学製品需給と価格動向が鍵となる。
profit_quality_and_outlook: 当期純利益大幅増は固定資産売却益等の一時項目が主因であり、営業利益の改善幅は限定的。したがって利益成長の持続性は弱く、今後は営業CFや受注・価格動向、在庫・債権管理の改善がない限り、同水準の純利益は継続しない見込み。
drivers_and_headwinds: ドライバー: 固定資産売却による一時的キャッシュ増、営業利益の緩やかな改善。, 逆風: 売掛金の増加・回収遅延、在庫過剰、製造資産の縮小による生産キャパシティ変化リスク。
liquidity:
- current_ratio: 170.0% (流動比率) - 良好
- quick_ratio: 147.8% (当座比率) - 良好
leverage_and_solvency:
- total_liabilities: 99.52億円
- total_equity: 108.12億円
- debt_to_capital: 19.0% (Debt/Capital)
- interest_bearing_debt: 25.41億円
- debt_equity_warning: D/Eは0.23倍程度(有利子負債25.41 / 自己資本108.12)と保守的。D/E>2.0の警告基準には該当しない。
maturity_mismatch:
- current_liabilities: 65.07億円
- short_term_debt: 5.00億円
- comment: 短期借入金が前年同期比で大幅に減少している(8.50→5.00億円)。流動負債は依然として大きいが、現金預金21.21億円を考慮すると短期的な支払能力は確保されている。ただし売掛金回収遅延により運転資本の流動性リスクが高まっている点に注意。
- warning: 流動比率は健全だが、売掛金の増加(回収遅延)が短期の資金繰りに影響を与える可能性あり。
off_balance_sheet: オフバランス債務に関する開示は確認できないため特記事項なし。
短期借入金: 8.50億円 → 5.00億円(-41.2%)- 短期借入の返済により短期流動負債が削減。流動性は改善されるが、同時に短期的な運転資金需要への借入余地が低下している可能性(売掛金増大とのバランスに注意)。売掛金: 39.88億円 → 54.83億円(+37.5%)- 回収遅延の顕在化(DSO 135日)を示す。運転資本の悪化により営業キャッシュフロー圧迫リスクが高い。回収方針と与信管理の強化が必要。有形固定資産: 109.59億円 → 78.54億円(-28.3%)- 大規模な固定資産売却が行われたことを示す(固定資産売却益25.19億円)。短期的にはキャッシュ創出に寄与するが、設備縮小が生産キャパシティや将来の売上に与える影響を監視すべき。減損や除却も一部計上されており、設備リプレース計画の有無を確認する必要あり。利益剰余金: 86.00億円 → 108.55億円(+26.2%)- 当期純利益増加(主に一時項目寄与)により内部留保が増加。自己資本の充実には寄与しているが、留保の質(営業CF裏付けか一時収入か)を区別して評価する必要あり。
operating_cf_vs_net_income: 営業CFの開示がないため営業CF/純利益比は算出不可。営業CF情報の確認が必要。
free_cash_flow_and_capex: 設備投資額・投資CFの開示がないため、フリーキャッシュフローが配当・設備投資をどの程度カバーしているかは評価不可。固定資産売却益を計上しているため一時的にキャッシュは増加していると推定される。
working_capital_signals: 売掛金の増加(39.88→54.83億円、+37.5%)は回収遅延(DSO 135日)を示す強いシグナル。, 在庫の水準は増加(前年124.2→144.2億円)しDIOは103日と過剰在庫の指標を満たしている。, 運転資本の増加がキャッシュアウトを招いている可能性が高く、営業キャッシュ創出力の質に懸念あり。
conclusion: 営業CFの開示がないため定量的判断は限定されるが、運転資本悪化と一時利益依存の構図から、現時点で利益の現金裏付けは弱いと評価する。
dividend_policy_and_current: 第2四半期配当20円、期末配当35円(通期合計35円を会社予想に掲示)。(注:四半期合計は会社方針の記載に基づく。)
payout_ratio:
- calculated_payout_ratio: 5.4%(計算値) - 現行の純利益に対する配当比率は低く保守的
- context: 配当は低めだが、当期純利益の多くが一時項目であるため低配当性向は持続可能性の観点では合理的。
fcf_coverage: FCFの数値が開示されていないため評価不可。固定資産売却収入に依存した一時的な余剰での配当増加には注意が必要。
outlook: 営業CFと設備投資の関係が明確化されない限り、配当の継続・引上げは慎重に評価すべき。
ビジネスリスクとして、売掛金回収遅延(DSO 135日)に起因するキャッシュフロー悪化リスク、在庫過剰(DIO 103日)に伴う陳腐化・値下げ圧力、化学品事業の需要変動および価格変動リスク(資源・原材料価格・需要変動)が挙げられます。
財務リスクとしては、一時的項目依存による利益変動性(純利益の110.3%が一時項目)、運転資本の悪化による短期流動性リスク、借入金構成の変化による金利リスク(現状は低いが将来の借換えで影響)が挙げられます。
主な懸念事項としては、利益の質:固定資産売却益の影響で純利益が大幅増だが、営業CFの裏付けが確認できない点、運転資本効率:売掛金・在庫の過度な延伸が継続的なリスクである点、資産構成の変化:有形固定資産の大幅減(-28.3%)が事業キャパシティや収益性へ及ぼす影響が挙げられます。
重要ポイントとして、営業利益は改善しているが規模は限定的(営業利益率7.0%)。純利益の大幅増は固定資産売却による一時効果によるもの。、運転資本(売掛金・在庫)の悪化がキャッシュ創出力を圧迫しており、営業キャッシュフローの確認が必要。、流動性指標は良好(流動比率170%)だが、DSO/DIO/CCCなど運転資本効率の悪化が中長期的な懸念。、有形固定資産の大幅減少は資産売却戦略を示唆。売却の目的と得た資金の使途(借入返済・設備投資・株主還元)が重要。、配当は保守的で持続可能性は高いと見られるが、配当増加は一時収入に依存している点に留意。が挙げられます。
注視すべき指標は、営業キャッシュフロー(OCF)およびOCF/純利益比率、売掛金回収日数(DSO)とその変化、在庫回転日数(DIO)と在庫評価損の計上有無、設備投資(CapEx)・減価償却の推移、来期以降の特別利益の見込み(固定資産売却の継続性)、通期予想に対する実績の進捗(特に営業利益と純利益)です。
セクター内ポジションについては、総じて、南海化学は保守的な資本構成と低い有利子負債を維持している一方で、運転資本効率の悪化と一時項目依存による利益の変動性が高い。製造業(化学)内での収益性は営業ベースで中位からやや下位に位置すると評価されるが、資本余力は残されているため経営判断次第で改善余地が存在する。