- 売上高: 764.59億円
- 営業利益: 73.71億円
- 当期純利益: 56.62億円
- 1株当たり当期純利益: 147.66円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 764.59億円 | 745.22億円 | +2.6% |
| 売上原価 | 548.03億円 | 576.15億円 | -4.9% |
| 売上総利益 | 216.55億円 | 169.06億円 | +28.1% |
| 販管費 | 142.83億円 | 142.53億円 | +0.2% |
| 営業利益 | 73.71億円 | 26.53億円 | +177.8% |
| 営業外収益 | 19.78億円 | 17.66億円 | +12.0% |
| 営業外費用 | 8.49億円 | 19.33億円 | -56.1% |
| 経常利益 | 85.01億円 | 24.86億円 | +242.0% |
| 税引前利益 | 77.41億円 | 23.44億円 | +230.2% |
| 法人税等 | 20.78億円 | 15.80億円 | +31.5% |
| 当期純利益 | 56.62億円 | 7.63億円 | +642.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 56.49億円 | 7.27億円 | +677.0% |
| 包括利益 | 58.32億円 | 28.95億円 | +101.5% |
| 支払利息 | 4.03億円 | 3.63億円 | +11.0% |
| 1株当たり当期純利益 | 147.66円 | 19.03円 | +675.9% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,627.24億円 | 1,548.30億円 | +78.94億円 |
| 現金預金 | 389.64億円 | 249.48億円 | +140.16億円 |
| 売掛金 | 370.63億円 | 404.18億円 | -33.55億円 |
| 棚卸資産 | 452.39億円 | 492.48億円 | -40.09億円 |
| 固定資産 | 760.84億円 | 702.67億円 | +58.17億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 202.75億円 | 182.45億円 | +20.30億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -21.77億円 | -75.87億円 | +54.10億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 7.4% |
| 粗利益率 | 28.3% |
| 流動比率 | 283.1% |
| 当座比率 | 204.4% |
| 負債資本倍率 | 1.04倍 |
| インタレストカバレッジ | 18.29倍 |
| 実効税率 | 26.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +2.6% |
| 営業利益前年同期比 | +177.8% |
| 経常利益前年同期比 | +241.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +676.9% |
| 包括利益前年同期比 | +101.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 40.38百万株 |
| 自己株式数 | 2.13百万株 |
| 期中平均株式数 | 38.26百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,063.58円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 85.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| InorganicChemistry | 330.08億円 | 36.99億円 |
| OrganicChemistry | 0円 | 57.56億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,520.00億円 |
| 営業利益予想 | 160.00億円 |
| 経常利益予想 | 164.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 122.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 318.90円 |
| 1株当たり配当金予想 | 70.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の石原産業は、増収かつ大幅な増益で、営業面・財務面ともに改善が鮮明な四半期でした。売上高は764.59億円で前年比+2.6%と緩やかな伸びにとどまった一方、営業利益は73.71億円(+177.8%)と急増し、収益性の回復が顕著です。営業利益率は9.6%まで改善し、前年の約3.6%から約+608bpの大幅なマージン拡大を達成しました。粗利率は28.3%で、販管費率は18.7%とコストコントロールが奏功し、営業レバレッジが効きました。営業外収入は19.78億円、営業外費用は8.49億円で、ネットで+11.29億円の押し上げがあり、経常利益は85.01億円(+241.9%)と営業段階を上回る伸びです。純利益は56.49億円(+676.9%)、純利益率は7.4%に達し、税負担(実効税率26.8%)も標準的に留まりました。営業外寄与は経常段階利益の上振れ要因で、営業外収入比率は35.0%とやや高めです。キャッシュ面では営業CFが202.75億円と純利益の3.59倍に達し、利益の質は非常に高い水準です。バランスシートは流動比率283%、当座比率204%と厚い流動性バッファを維持し、インタレストカバレッジも18.29倍と強固です。一方、ROEは4.8%、ROICは3.7%と資本効率は依然として低位で、資本コストを下回る水準が続く点は構造的課題です。負債資本倍率は1.04倍で過度なレバレッジは見られず、短期借入金173.9億円に対し現金預金389.64億円と満期ミスマッチも限定的です。配当は開示不足ですが、計算上の配当性向60.8%はやや高めで、FCF情報欠如により持続可能性の評価には留保が必要です。商社型の持分法投資利益への依存は確認できず、今回の利益拡大は主として本業と営業外収益のネット改善に起因したとみられます。総じて、収益性の急改善と高品質なキャッシュ創出がポジティブ要因である一方、ROIC・ROEなど資本効率の低さと営業外依存度の上昇が今後の課題です。今後は、原材料・エネルギー価格、販売価格の転嫁状況、在庫水準の適正化が収益の持続性を左右します。投下資本の入替や高収益案件への資源配分、非中核資産の圧縮が資本効率の改善に不可欠です。
ROE(4.8%)= 純利益率(7.4%)× 総資産回転率(0.320)× 財務レバレッジ(2.04倍)。今回の改善ドライバーは主として純利益率で、営業利益率の顕著な改善(約+608bp)と営業外収支の純増が寄与しました。売上の伸びは+2.6%と小さく、総資産回転率0.320は大きく変わりにくい水準のため、マージン主導の改善と位置づけられます。営業面では粗利率28.3%、販管費率18.7%により営業利益率9.6%を確保し、原材料コスト低下・価格改定・製品ミックス改善のいずれか(または組合せ)が示唆されます。営業外は受取配当金2.38億円、受取利息0.85億円などに加え、その他収益と費用の差引で+11.29億円の純寄与と、利益押し上げに一定の役割を果たしました。持続性については、営業マージンの改善はコスト環境と価格転嫁が継続する限り一定の再現性が見込まれる一方、営業外収益の一部は市況・金利・評価損益等に左右されやすく、ブレやすいと評価します。留意点として、売上成長率(+2.6%)に対し営業利益成長率(+177.8%)が大幅に上回っており、短期的な営業レバレッジはポジティブですが、販管費の絶対額は増加余地があるため、次期以降の固定費増(人件費・物流費等)で逆回転するリスクを注視します。
売上は+2.6%の緩やかな成長にとどまる一方、マージン改善で利益が急伸しました。数量よりも単価・ミックス改善やコスト低減が業績を牽引した可能性が高い構図です。営業外収益の寄与(経常段階で+11.29億円の純押上げ)は、成長の持続性評価において慎重さを要します。粗利率28.3%と販管費率18.7%のギャップ拡大は、当面の営業利益率の下支え要因です。今後は原材料・エネルギー価格の安定、在庫水準の適正化、販売価格政策の継続が利益持続の鍵です。投下資本効率(ROIC 3.7%)が低位にあるため、非中核資産の圧縮、稼働率の向上、選択的な高採算案件への再配分による成長の質改善が必須です。
流動比率283.1%、当座比率204.4%と流動性は非常に健全です。総資産2,388.08億円に対し純資産1,171.98億円、負債合計1,216.10億円で、負債資本倍率1.04倍と保守的な資本構成です。短期借入金173.90億円に対し現金預金389.64億円、売掛金370.63億円、棚卸資産452.39億円があり、短期の満期ミスマッチリスクは低いと評価します。長期借入金495.63億円はあるものの、インタレストカバレッジ18.29倍で利払い能力は十分です。オフバランス情報(リース債務・保証等)は未開示のため評価に限界があります。D/E>2.0や流動比率<1.0の警告水準には該当しません。
営業CFは202.75億円で純利益56.49億円の3.59倍、利益のキャッシュ化は非常に良好です。運転資本の増減内訳は未開示ですが、営業CFが純利益を大幅に上回っており、在庫圧縮・与信回収・前受金の増加などのポジティブ要因が示唆されます。一方、投資CF・設備投資・FCFは未開示で、FCFベースの持続性評価は留保が必要です。財務CFは-21.77億円で、借入返済や配当支払いの実行が推察されますが、配当金額の詳細は不明です。営業CF/純利益<0.8の品質問題には該当せず、むしろ高品質と評価します。運転資本操作の可能性は現時点で低いと見ますが、在庫・売掛の回転期間推移が未開示のため最終判断は保留します。
配当実績は未開示ながら、計算上の配当性向は60.8%とやや高めです。営業CFが潤沢であるため短期的な支払い余力は高いものの、投資CF・FCFが未開示のため、配当と設備投資の同時カバー能力は判定不能です。資本効率(ROE 4.8%、ROIC 3.7%)が低位であることを踏まえると、成長投資と株主還元のバランス最適化が課題です。持続可能性を高めるには、FCF創出力の安定化と配当性向の中期レンジ明確化が有効です。
ビジネスリスク:
- 原材料・エネルギー価格の上昇に伴うマージン圧迫リスク
- 販売価格への転嫁遅延・需要軟化による数量減少リスク
- 製品ミックス悪化による粗利率低下リスク
- 海外事業の為替変動リスク(円高時の採算悪化)
財務リスク:
- ROIC 3.7%と資本効率が資本コストを下回る構造的リスク
- 営業外収益への依存度上昇(営業外収入比率35%)による業績変動リスク
- 長期借入金495.63億円のリファイナンス・金利上昇リスク
- 在庫452.39億円の評価損リスク(市況変動時)
主な懸念事項:
- 資本効率の低位(ROE 4.8%、ROIC 3.7%)が継続する可能性
- 利益伸長がマージン改善と営業外収益に偏重し、売上成長が鈍い点
- FCF・投資CFの未開示により、配当・投資の同時継続可能性評価が困難
- 次期における販管費の固定費化・人件費上昇の逆風
重要ポイント:
- 売上は小幅増にとどまる中、営業利益率が約+608bp改善して収益性が急回復
- 営業CF/純利益3.59倍とキャッシュ創出は極めて良好
- ROIC 3.7%、ROE 4.8%と資本効率は依然課題で、構造的改善が必要
- 営業外収益の寄与が大きく、持続性の見極めが重要
- 流動性・利払い耐性は強固で財務の安全性は高い
注視すべき指標:
- 粗利率と販管費率(マージン持続性)
- 在庫回転期間・売掛回転期間(運転資本の健全性)
- 投資CF・FCFおよび設備投資計画(配当の持続性)
- 金利感応度と借入金の期間構成(リファイナンスリスク)
- 為替および原材料価格の感応度(利益感応度)
セクター内ポジション:
同業化学メーカーの中では、短期の収益・キャッシュ創出は上位だが、ROIC/ROEなど資本効率は業界平均を下回る可能性が高く、中期的な効率改善のアクションが競争力の鍵となる。
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