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40252026 第1四半期プライムJGAAP

多木化学(4025) 2026年度第1四半期決算 増収・営業益37%増

2026年度第1四半期の売上高は107.8億円(前年同期比+9.2%)、営業利益は9.5億円(同+37.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥107.8億¥98.7億+9.2%
営業利益¥9.5億¥6.9億+37.1%
経常利益¥9.8億¥7.7億+27.4%
純利益¥7.0億¥5.6億+25.6%
ROE1.5%1.3%-

Executive Summary

増収を上回る営業増益により、収益性が明確に改善した好調な決算となった。売上高は107.8億円(前年比+9.2%)、営業利益は9.5億円(同+37.1%)、経常利益は9.8億円(同+27.4%)、親会社株主に帰属する純利益は7.0億円(同+25.0%)となった。営業利益率は8.8%で前年同期の約7.0%から改善しており、化学品セグメントの高採算品の伸長と費用吸収が主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は107.8億円、前年比+9.2%増収。化学品(50.4億円、構成比46.8%、+12.6%)とアグリ肥料(33.0億円、構成比30.6%、+12.5%)が牽引役となった。建材(9.6億円、+2.8%)、運輸(8.6億円、+9.6%)も増収に寄与した一方、石油(5.1億円、-16.1%)は市況・需要の弱含みで減収となった。不動産は3.5億円とほぼ横ばい(-1.1%)。

【損益】営業利益は9.5億円、前年比+37.1%と増収率を大きく上回る伸びを示した。化学品の営業利益は5.9億円(前年比+51.4%)で全セグメント利益の51.4%を占め、利益率も11.7%と最も高い。建材は利益率6.3%(+215.8%)と急回復、運輸は13.1%(+21.7%)、アグリは6.0%(+5.3%)といずれも増益。経常利益は9.8億円(+27.4%)で、営業外収支は受取配当金0.2億円中心に0.4億円の黒字にとどまり本業中心の利益構成。特別損益は特別利益0.0億円、特別損失0.1億円(固定資産除却損等)と軽微で、純利益への影響は限定的である。増収増益、かつ営業レバレッジが明確に効いた決算といえる。

セグメント別分析

化学品は売上50.4億円(構成比46.8%)、営業利益5.9億円(セグメント利益合計の51.4%)と、増収・増益ともに全社を牽引する中核事業である。水処理薬剤(33.1億円)と機能性材料(16.7億円)の伸長が寄与したとみられる。アグリ肥料は売上33.0億円(構成比30.6%)、営業利益2.0億円で増収増益。運輸(売上8.6億円、利益率13.1%)と建材(売上9.6億円、利益率6.3%、利益+215.8%)は低水準からの急回復が目立つ。不動産は利益率51.6%と最も高収益だが、売上・利益とも小幅減少。石油は売上高が前年比-16.1%と唯一の減収セグメントであり、利益率も1.0%と低く、ポートフォリオ内で相対的に弱い。

主要財務指標

【収益性】営業利益率8.8%は前年同期の約7.0%から改善し、純利益率は6.5%(親会社株主帰属純利益ベース)。EPS(基本)は83.41円(前年65.61円、+27.1%)。【キャッシュ品質】売上債権112.9億円、棚卸資産52.1億円(うち製品52.1億円、原材料22.8億円、仕掛品4.6億円)と運転資本の規模が大きく、売上・在庫の伸びとの比較で資金滞留の水準を注視する必要がある。【投資効率】自己資本比率は66.3%と厚い水準にあり、総資産684.1億円に対し投資有価証券が201.8億円(総資産比29.5%)を占め、資産構成が総資産回転率を抑制している。ROE(四半期累計ベース)は1.5%。【財務健全性】流動資産299.1億円は流動負債110.4億円の約2.7倍で、現金及び預金67.8億円は短期借入金4.8億円を大きく上回り、短期支払能力は良好。長期借入金3.9億円と有利子負債水準は低く、財務レバレッジは保守的である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別データは限定的だが、BS推移から資金動向を確認すると、現金及び預金は67.8億円で前年末の71.7億円から減少した一方、投資有価証券は201.8億円から218.4億円規模へ増加しており、余資の一部が有価証券投資に向かった可能性がある。売上債権は112.9億円、棚卸資産は52.1億円と前年から増加しており、増収に伴う運転資本の積み増しが資金使途の一部となったとみられる。買掛金は76.1億円で前年から増加しており、仕入債務の活用も一定程度見られる。有利子負債は8.7億円と小規模であり、財務活動を通じた資金調達への依存度は低い。

収益の質

営業利益9.5億円に対し経常利益9.8億円との差は0.4億円にとどまり、営業外収益(受取配当金0.2億円中心)への依存度は低く、利益の中心は本業由来である。特別利益0.04億円、特別損失0.05億円はいずれも僅少で、固定資産除却損など一時的要因の影響は限定的であり、純利益7.0億円は経常的な収益力をおおむね反映していると考えられる。一方、包括利益は26.9億円と純利益を大幅に上回っており、その他有価証券評価差額金20.0億円を主因とする評価益がその他の包括利益を押し上げている。この乖離は投資有価証券の時価変動によるものであり、本業の収益力とは区別して捉える必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画に対する進捗率は、売上高25.1%(430.0億円計画)、営業利益38.6%(24.5億円計画)、経常利益32.2%(30.5億円計画)であり、いずれも標準的な25%を上回る。ただし通期計画は営業利益で前期比-22.6%、経常利益で-19.3%の減益を織り込んでおり、Q1の高い進捗率は下期以降の減速を前提とした保守的な計画に対する上振れとも解釈できる。当四半期において業績予想・配当予想の修正は行われていない。

株主還元

2026年12月期の予想年間配当は1株当たり80.00円である。会社予想EPS317.79円に対する配当性向は約25.2%と、利益水準に対して保守的な水準にある。前期(2025年12月期)の期末配当は普通配当60円、創業140周年記念配当5円、特別配当10円の合計75円であり、今期予想80円は一時的な記念・特別配当を除いた普通配当ベースでの増配計画にあたる。自社株買いに関する開示は確認されない。

リスク要因

  1. セグメント集中リスク: 化学品セグメントが売上高構成比46.8%、営業利益構成比51.4%を占め、水処理薬剤・機能性材料の需要や原材料・エネルギーコストの変動が全社収益に与える影響が大きい。

  2. 石油事業の減収継続: 石油セグメントの売上高は前年同期比-16.1%と唯一の減収事業であり、市況の弱含みが続く場合はポートフォリオ内の下押し要因となり得る。

  3. 運転資本の滞留: 売上債権112.9億円、棚卸資産52.1億円(製品在庫52.1億円が中心)は増収に伴い増加しており、回収・在庫消化の状況によっては運転資本負担が増幅する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.8%7.2% (3.2%–12.5%)+1.6pt
純利益率6.5%5.9% (2.9%–12.5%)+0.6pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を上回り、収益性は業種内で相対的に良好な水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.2%5.6% (1.1%–13.9%)+3.6pt

売上高成長率は業種中央値を上回るが、上位レンジ(13.9%)には届かない水準である。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率8.8%は増収率9.2%を上回る伸び(+37.1%)によって実現しており、化学品セグメントの高採算品構成が全社利益率改善の中心である。通期計画は営業減益(-22.6%)を織り込むため、この収益性がQ2以降も維持されるかが構造的な注目点となる。

  2. 予想配当性向は約25.2%と利益水準に対して低く、前期の記念・特別配当を除いた普通配当ベースでの増配計画(75円→80円)となっている。現金及び預金と低い有利子負債水準が配当の継続性を支える構造にある。

  3. 包括利益26.9億円は純利益7.0億円を大幅に上回り、その差の大半は投資有価証券の評価差額によるものである。本業の収益力と資産評価変動を分けて捉える必要がある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,833円
base(基準)4,913円
bull(強気)4,978円
算出前提
1株純資産(BPS)5,443円
調整後予想EPS341.6円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向25.2%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.90倍 / 14.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 4,776円〜5,056円、ω±0.1で 4,895円〜4,925円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。