- 売上高: 226.98億円
- 営業利益: 28.60億円
- 当期純利益: 20.46億円
- 1株当たり当期純利益: 262.06円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 226.98億円 | 218.49億円 | +3.9% |
| 売上原価 | 173.51億円 | 176.34億円 | -1.6% |
| 売上総利益 | 53.46億円 | 42.14億円 | +26.9% |
| 販管費 | 24.85億円 | 25.16億円 | -1.2% |
| 営業利益 | 28.60億円 | 16.97億円 | +68.5% |
| 営業外収益 | 2.57億円 | 94百万円 | +173.4% |
| 営業外費用 | 1.68億円 | 1.80億円 | -6.7% |
| 経常利益 | 29.50億円 | 16.12億円 | +83.0% |
| 税引前利益 | 29.50億円 | 16.06億円 | +83.7% |
| 法人税等 | 9.03億円 | 6.32億円 | +42.9% |
| 当期純利益 | 20.46億円 | 9.73億円 | +110.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 20.46億円 | 9.73億円 | +110.3% |
| 包括利益 | 23.93億円 | 14.87億円 | +60.9% |
| 減価償却費 | 8.75億円 | 9.40億円 | -6.9% |
| 支払利息 | 62百万円 | 63百万円 | -1.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 262.06円 | 123.54円 | +112.1% |
| 1株当たり配当金 | 48.00円 | 48.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 236.39億円 | 235.81億円 | +58百万円 |
| 現金預金 | 45.91億円 | 50.54億円 | -4.63億円 |
| 売掛金 | 114.40億円 | 116.65億円 | -2.25億円 |
| 棚卸資産 | 34.56億円 | 35.06億円 | -50百万円 |
| 固定資産 | 234.43億円 | 222.57億円 | +11.86億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 30.19億円 | 28.88億円 | +1.31億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -15.18億円 | -16.51億円 | +1.33億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 9.0% |
| 粗利益率 | 23.6% |
| 流動比率 | 209.2% |
| 当座比率 | 178.6% |
| 負債資本倍率 | 0.58倍 |
| インタレストカバレッジ | 46.13倍 |
| EBITDAマージン | 16.5% |
| 実効税率 | 30.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +3.9% |
| 営業利益前年同期比 | +68.5% |
| 経常利益前年同期比 | +82.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +110.3% |
| 包括利益前年同期比 | +60.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 7.94百万株 |
| 自己株式数 | 132千株 |
| 期中平均株式数 | 7.81百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,805.44円 |
| EBITDA | 37.35億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 48.00円 |
| 期末配当 | 72.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 492.00億円 |
| 営業利益予想 | 51.00億円 |
| 経常利益予想 | 49.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 33.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 422.40円 |
| 1株当たり配当金予想 | 64.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のラサ工業は、緩やかな売上成長のもとで大幅な利益改善を達成し、収益性の転換が鮮明となった四半期でした。売上高は226.98億円で前年同期比+3.9%、営業利益は28.60億円で+68.5%、経常利益は29.50億円で+82.9%、当期純利益は20.46億円で+110.3%と、利益の伸びが売上を大きく上回りました。粗利益は53.46億円、粗利率は23.6%と堅調で、販管費24.85億円を吸収して営業利益率は12.6%に上昇しました。前年同期の営業利益率は約7.8%(営業利益16.97億円/売上約218.36億円)と推計され、約483bpの大幅なマージン拡大となりました。純利益率は9.0%で、売上から最終利益への落ちが良化しています。営業外収入は2.57億円(うち受取配当金0.19億円)で、営業外収入比率は12.6%と一定の寄与があるものの、収益の主たる牽引役はコアの営業利益です。営業CFは30.19億円で、純利益20.46億円に対し1.48倍と十分に裏付けがあり、利益の質は良好です。流動比率209.2%、当座比率178.6%と流動性は厚く、負債資本倍率0.58倍、インタレストカバレッジ46.13倍と財務安全性も高水準です。設備投資は20.00億円を実行し、営業CFからの簡便FCF(営業CF−設備投資)は約10.2億円と前向きに確保しています(投資CF細目未開示のため概算)。一方、ROEは6.9%と改善するも、ROICは6.1%で一般的な目標水準(7–8%)にはやや届かず、資本効率の更なる引き上げが課題です。短期借入金43.82億円と現金45.91億円のバランスは概ね良好で、満期ミスマッチのリスクは限定的です。原材料・エネルギー価格の安定化や販売価格政策の浸透がマージン改善に寄与した可能性が高い一方、これらの外部環境が逆風化した場合の逆回転には注意が必要です。配当性向は46.6%と無理のない水準で、営業CFと概算FCFから見て当面の持続性は高いと評価します(配当総額は未開示)。営業外収入の寄与は限定的で、持分法投資利益の開示はなく、総合商社型の利益構造ではない点も安定性に寄与しています。総じて、同社は利益率の体質改善と健全なキャッシュ創出を示しつつ、資本効率の上振れ余地と外部コスト環境の感応度が今後の焦点です。次四半期以降は、粗利率の維持、販管費の伸びの抑制、ROICの7%台乗せ、ならびに運転資本効率の改善がキードライバーとなるでしょう。
デュポン分解では、ROE 6.9% = 純利益率9.0% × 総資産回転率0.482 × 財務レバレッジ1.58倍。今期の改善に最も寄与した要素は純利益率の上昇で、営業利益率が約7.8%→12.6%へと約483bp拡大したことが主因です。売上の伸び(+3.9%)に対して利益の伸びが大きいことから、粗利改善(プロダクトミックス、価格転嫁、コスト低減のいずれか)と販管費効率の改善が同時に進んだと解釈できます。財務レバレッジ(1.58倍)は低位安定で、ROEを押し上げる効果は限定的ながら健全性と両立しています。総資産回転率0.482は化学・素材系として妥当な水準で大きな変動要因ではなく、今期のROE上昇は主としてマージン主導と評価します。こうしたマージン改善は、原材料・エネルギーコストの安定化や値上げ浸透が背景にある可能性が高く、需要環境が維持される限り一定程度の持続性が期待できますが、コモディティ価格や為替の反転には脆弱です。懸念点として、売上成長率(+3.9%)に対し販管費の伸び率は未開示であるものの、利益の伸びが大きい局面では翌期以降に人件費や開発費が追随しやすく、販管費成長が売上成長を上回るリスクには留意が必要です。
売上成長は+3.9%とマイルドですが、営業利益+68.5%、純利益+110.3%と高い営業レバレッジが発現しました。営業外収入は2.57億円(受取配当0.19億円)で全体への影響は限定的、成長の主因はコア事業のマージン改善です。粗利率23.6%、営業利益率12.6%は前年からの明確な上振れで、価格政策・コストコントロールの有効性を示唆します。研究開発費は未開示ですが、減価償却費8.75億円、設備投資20.00億円から、将来成長のための足元の投資姿勢は維持されています。総資産回転率0.482からみると効率性は大きくは変わっていないと推察され、今後の売上持続性には新製品・高付加価値領域の伸長が鍵となります。ROICは6.1%と目標レンジ(7–8%)に未達で、成長投資の収益化・稼働率引き上げ・運転資本回転の改善が必要です。見通しとしては、粗利率の維持可否と販管費の伸びの管理、ならびに外部コスト環境の推移(原材料・エネルギー・為替)が売上・利益の持続性を左右します。
流動比率209.2%、当座比率178.6%と短期の支払能力は非常に良好です。総負債173.53億円、株主資本297.30億円で負債資本倍率0.58倍と保守的な資本構成です。短期借入金43.82億円に対し現金預金45.91億円、売掛金114.40億円を擁し、満期ミスマッチリスクは限定的です。長期借入金30.04億円と固定負債60.53億円は適度で、金利負担は支払利息0.62億円にとどまり、インタレストカバレッジ46.13倍と余力は大きいです。オフバランス債務の開示はなく、リース等の潜在債務は把握できません。自己資本比率は未記載ですが、総資産470.83億円に対し純資産297.30億円で概算63%程度とみられ、財務の健全性は高いと評価します。D/E > 2.0や流動比率 < 1.0に該当する警告はありません。
営業CFは30.19億円で純利益20.46億円の1.48倍、利益の現金裏付けは良好です。運転資本の詳細内訳は未開示ですが、営業CFが純利益を上回ることから、棚卸や売掛の増加が過度にキャッシュを圧迫している兆候は見られません。投資CFは未開示ながら、設備投資20.00億円が示されており、営業CF−設備投資の簡便FCFは約10.2億円とプラスを確保しています(M&Aや金融投資の有無は不明)。財務CFは−15.18億円で、借入返済や株主還元に充当された可能性があります(内訳未開示)。営業CF/純利益 < 0.8の品質問題には該当せず、現時点での利益の質は高いと判断します。今後は運転資本の季節性や需要変動による売掛・在庫の積み上がりに注意しつつ、FCFが配当と成長投資を安定的に賄えるかがポイントです。
配当性向は46.6%と保守的で、一般的な持続可能レンジ(<60%)に収まっています。配当金総額や期中配当は未開示ですが、営業CF30.19億円と簡便FCF約10.2億円から、当面の配当原資は確保されていると評価します。財務レバレッジも低く、必要に応じて機動的に還元と成長投資を両立できる余地があります。留意点は、ROICが6.1%と目標レンジに未達なため、過度な還元よりも投下資本収益性を高める投資とのバランスが重要になる点です。FCFカバレッジの厳密評価は投資CF・配当総額の未開示により制約がありますが、現状の利益・CF水準からは配当の持続性は高いと見ます。
ビジネスリスク:
- 原材料・エネルギー価格変動による粗利率の毀損リスク
- 為替変動による売上・コスト・評価差損益への影響
- 主力エンドマーケット(電子材料、工業用途等)の需要循環による稼働率低下
- 価格転嫁の遅れ・競争激化によるマージン圧迫
- 環境規制や安全規制強化に伴う追加投資・コスト増
財務リスク:
- 短期借入金43.82億円のリファイナンス・金利上昇リスク
- 投資拡大に伴うROIC低下・回収遅延リスク(ROIC 6.1%)
- 投資有価証券34.44億円の評価変動リスク
- 営業外収入(12.6%)の変動による最終利益の振れ
主な懸念事項:
- マージン改善の持続性(約483bpの営業利益率拡大の再現性)
- 外部コスト環境の反転時の感応度(原材料・為替)
- ROICの目標レンジ未達(6.1%)と資本効率の底上げ必要性
- 投資CF内訳未開示によるFCFの精緻評価の不確実性
重要ポイント:
- 売上+3.9%に対し営業利益+68.5%、営業利益率は約7.8%→12.6%へ約483bp改善
- 純利益20.46億円、営業CF30.19億円で営業CF/純利益1.48倍と利益の質は良好
- 流動比率209%、負債資本倍率0.58倍、インタレストカバレッジ46倍と財務は堅健
- ROIC 6.1%で目標レンジ(7–8%)に未達、資本効率の改善余地が残る
- 設備投資20億円実行、簡便FCF約10.2億円を確保しつつ成長投資を継続
注視すべき指標:
- 粗利率と営業利益率の四半期推移(価格転嫁・原材料動向の代理指標)
- 運転資本回転(売掛・棚卸の推移)と営業CFの持続性
- ROIC(NOPAT/投下資本)の7%台回復の可否
- 為替・原材料価格(エネルギー含む)と価格政策の連動度
- 投資CFの内訳(有形・無形・M&A)とFCFカバレッジ
- 借入金の期間構成と金利感応度
セクター内ポジション:
化学・素材セクター内で見ると、同社は低レバレッジと高い流動性による財務安定性が強み。利益率は今期改善が顕著で、営業マージンは同業平均を上回る可能性。一方、ROICはセクター上位に及ばず、資本効率の底上げが課題。外部コスト感応度の管理と高付加価値比率の拡大が差別化のカギ。
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