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40212026 第3四半期プライムJGAAP

日産化学(4021) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益10%増

2026年度第3四半期の売上高は1,954億円(前年同期比+11.8%)、営業利益は449.8億円(同+9.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1954.3億¥1748.3億+11.8%
営業利益¥449.8億¥410.8億+9.5%
経常利益¥465.1億¥433.3億+7.4%
純利益¥356.2億¥317.9億+12.0%
ROE14.5%13.5%-

Executive Summary

増収増益となったが、利益成長率が売上成長率をやや下回り、営業利益率はわずかに低下した。売上高は1,954.3億円(前年比+11.8%)、営業利益は449.8億円(同+9.5%)、経常利益は465.1億円(同+7.4%)、純利益は356.2億円(同+12.0%)となった。増収の主因は農業化学品事業とその他事業の伸長で、機能性材料事業の利益率上昇が増益を牽引した一方、農業化学品事業の減益が全社マージンを下押しした。

業績変動要因

【売上高】売上高は1,954.3億円で前年比+11.8%増収。セグメント別では農業化学品事業が507.8億円(同+19.8%)、その他事業が103.7億円(同+45.2%)と大きく伸長し、卸売事業も716.9億円(同+7.7%)、機能性材料事業も588.1億円(同+6.8%)と増収した一方、ヘルスケア事業は38.8億円(同-10.4%)と減収した。売上構成比では卸売事業が最大の36.7%を占めるが利益率は低い。

【損益】営業利益は449.8億円(同+9.5%)で増収率を下回り、営業利益率は23.0%と前年の23.5%から約50bp低下した。機能性材料事業の利益率が32.3%(前年比+約2pt)へ改善し全社利益を牽引したが、農業化学品事業の利益率は27.6%へ約6.2pt低下し営業利益は同-6.4%となった。経常利益は営業外収益(受取配当金13.4億円、為替差益4.5億円等)の計上で465.1億円、純利益は356.2億円(同+12.0%)と営業利益の伸びを上回った。結論として増収増益。

セグメント別分析

機能性材料事業は売上588.1億円(同+6.8%)、営業利益267.7億円(同+18.9%)、利益率32.3%で全社利益の中核を担い、報告セグメント利益合計に対する寄与率は約54.6%に達する。農業化学品事業は売上507.8億円(同+19.8%)と増収したが、営業利益169.97億円(同-6.4%)、利益率27.7%へ低下しており、増収減益の構図が鮮明である。卸売事業は売上945.2億円と最大規模だが利益率3.1%と低採算、化学品事業も利益率0.8%にとどまる。ヘルスケア事業は売上39.7億円(同-10.4%)、営業利益10.6億円(同-35.8%)と減収減益であった。事業ポートフォリオ全体としては、機能性材料への収益集中と農業化学品の採算変動が全社マージンの変動要因となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率23.0%(前年23.5%)、純利益率18.2%(前年18.2%程度)と高水準を維持しつつも前年からわずかに低下している。粗利率は48.1%で販管費率25.1%を控除した後も高い利益率を確保している。【キャッシュ品質】営業CFは518.2億円で純利益356.2億円の約1.45倍に達し、利益の現金裏付けは良好である。売上債権の減少129.1億円が営業CFを押し上げた一方、棚卸資産の増加38.4億円が資金を拘束した。【投資効率】ROEは14.5%、自己資本比率72.2%という保守的な資本構成のもとで達成されており、レバレッジに依存しない収益効率の高さを示す。【財務健全性】自己資本比率72.2%、有利子負債は社債100億円・長期借入金5.8億円と小規模であり、現金及び預金340.4億円が上回る。財務基盤は総じて堅固である。

キャッシュフロー分析

営業CFは518.2億円で前年比+9.5%増加し、純利益を上回る水準のキャッシュ創出力を確保した。内訳では売上債権の減少129.1億円がプラスに寄与した一方、棚卸資産の増加38.4億円が資金を圧迫し、法人税等の支払165.1億円も控除項目となっている。投資CFは-153.4億円で、うち設備投資が119.6億円を占め、減価償却費110.6億円をやや上回る規模の投資を継続している。財務CFは-314.5億円で、配当金支払236.4億円と自社株買い83.0億円が主因であり、株主還元を積極的に実施している。この結果、フリーキャッシュフローは364.8億円のプラスを確保しており、投資と株主還元をいずれも自己資金で賄える財務余力を示している。

収益の質

営業利益449.8億円に対し経常利益は465.1億円で、差額15.3億円は受取配当金13.4億円や為替差益4.5億円などの営業外収益が主体であり、一時的な特別損益の計上は確認されない。経常利益と純利益の乖離は主に法人税等109.0億円によるもので、実効税率は約23.4%と安定的な水準にある。営業外収支は売上高の1.6%程度にとどまり、本業の営業利益が利益全体を規定する構造は維持されている。包括利益は413.7億円と純利益356.2億円を上回り、有価証券評価差額金33.7億円や為替換算調整額25.4億円のプラスが寄与しており、資産価値の増加も収益の質を下支えしている。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は、売上高71.8%、営業利益76.2%、経常利益78.8%と、売上高進捗はやや標準(75%目安)を下回るものの利益進捗は上回っている。もっとも通期営業利益予想は前年比+3.8%増にとどまり、Q3累計の+9.5%増から減速する計画である。これは通期予想から逆算されるQ4営業利益率が約18.3%と、Q3累計の23.0%を下回る水準であることを示唆しており、農業化学品事業の採算動向や費用増加が今後の焦点となる。

株主還元

中間配当は1株当たり70円、通期配当予想は180円である。通期予想の純利益440.0億円を分母とすると、予想配当性向は約55.4%となる。累計の配当金支払236.4億円に自社株買い83.0億円を加えた総還元額は319.4億円で、親会社株主帰属純利益に対する総還元性向は約91%に達する。フリーキャッシュフロー364.8億円の範囲内で還元は実施されているが、配当と自社株買いを合算した還元水準は高く、今後の運転資本や設備投資の動向によっては還元余力の変化をモニタリングする余地がある。

リスク要因

  1. 運転資本効率の長期化: 棚卸資産624.0億円の増加や売上債権の変動を背景に、在庫・売掛金の回転日数は業界特性を踏まえても長期化傾向にあり、需要変動時には資金拘束や評価損リスクにつながり得る。

  2. 農業化学品事業の採算変動: 売上高は同+19.8%増加した一方、営業利益は同-6.4%、利益率は27.7%へ低下した。農業関連需要や市況、規制変更の影響を受けやすい事業特性がある。

  3. 短期資金への依存: 短期借入金209.3億円は有利子負債の大半を占める。現金及び預金340.4億円が上回り当面の支払能力に問題はないが、資金構成が短期に偏っている点は継続的な確認事項である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率23.0%8.6% (4.3%–12.7%)+14.4pt
純利益率18.2%6.4% (2.8%–10.3%)+11.8pt

自社の収益性は業種中央値を大きく上回り、製造業内でも上位水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)11.8%3.3% (-2.1%–8.9%)+8.5pt

売上成長率も業種中央値を大幅に上回り、増収ペースは業種内で高水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率23.0%、ROE14.5%、自己資本比率72.2%という高収益・低レバレッジの組み合わせは、業種平均を大きく上回る財務基盤を示している。

  2. 機能性材料事業の増益・利益率上昇が全社利益の中核を支える一方、農業化学品事業の減益は事業ポートフォリオ内の収益変動要因として観察される。

  3. 通期営業利益進捗率76.2%は標準的な進捗を上回るが、通期予想はQ4の利益率低下を織り込んでおり、事業構成やコスト動向の変化が今後の実績を左右する。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,272円
base(基準)2,382円
bull(強気)2,494円
算出前提
1株純資産(BPS)1,825円
調整後予想EPS359.0円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向54.8%
予想EPSの信頼度調整×1.091(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.30倍 / 6.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,317円〜2,450円、ω±0.1で 2,369円〜2,402円。

注記:

  • のれん償却 0.9円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。