| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2795.9億 | ¥2513.7億 | +11.2% |
| 営業利益 | ¥635.5億 | ¥568.3億 | +11.8% |
| 経常利益 | ¥659.0億 | ¥580.2億 | +13.6% |
| 純利益 | ¥505.0億 | ¥429.5億 | +17.6% |
| ROE | 19.5% | 18.2% | - |
2026年3月期決算は、売上高2,795.9億円(前年比+282.2億円 +11.2%)、営業利益635.5億円(同+67.2億円 +11.8%)、経常利益659.0億円(同+78.8億円 +13.6%)、純利益505.0億円(同+75.5億円 +17.6%)と2期連続の増収増益。営業利益率は22.7%(前年22.6%)で横ばい圏を維持し、高収益体質が継続。機能性材料事業の営業利益率31.2%、農業化学品事業27.1%の高マージン事業が牽引し、地域別では中国・韓国・欧米での売上拡大が寄与。ROE19.5%(前年18.7%)は自社過去水準を上回り、総資産の効率的活用が進捗。
【売上高】地域別では日本1,118.4億円(対前年+5.6%)、中国579.5億円(同+21.7%)、韓国274.0億円(同+12.2%)、その他アジア364.2億円(同+8.7%)、欧米等459.8億円(同+15.3%)と全地域で増収。セグメント別構成比は卸売事業46.1%(前年同36.0%)、機能性材料事業40.5%(同29.3%)、農業化学品事業34.4%(同28.1%)で、卸売事業が売上高では最大だが利益率は3.0%と薄利。機能性材料は売上高1,133.8億円(前年比+13.3%)で半導体材料・ディスプレイ材料の需要回復が主因、農業化学品は962.4億円(同+11.6%)で安定的な農薬需要が支え。ヘルスケア事業は52.2億円(同-12.8%)と減収、化学品事業は393.1億円(同+3.9%)と小幅増。
【損益】粗利率46.8%(前年46.4%)は原材料コスト抑制と製品ミックス改善で+0.4pt改善。販管費率24.1%(同23.8%)は+0.3pt上昇し、売上成長に伴う先行費用の増加を反映。営業外収益47.9億円(受取配当金15.8億円、為替差益6.1億円)から営業外費用24.5億円(支払利息4.0億円)を差引き、経常利益659.0億円(前年比+13.6%)。特別利益53.3億円(投資有価証券売却益12.5億円)と特別損失38.8億円(減損損失38.8億円)がほぼ相殺し、税引前利益659.0億円。法人税等154.0億円(実効税率23.4%)控除後、非支配株主帰属利益7.9億円を除く純利益505.0億円。結論として、全地域での売上拡大と高マージン事業の伸長により増収増益を達成。
機能性材料事業は営業利益353.3億円(前年比+20.5%)で利益率31.2%(前年29.3%)と大幅改善。半導体材料・ディスプレイ材料の需要回復と価格改善が主因。農業化学品事業は営業利益260.4億円(同+0.5%)で利益率27.1%(前年27.0%)と微増、安定的な除草剤・殺虫剤需要が継続。卸売事業は営業利益38.1億円(同-6.7%)で利益率3.0%(前年4.1%)と悪化、取扱高拡大も低マージン構造が顕在。化学品事業は営業利益11.1億円(同+200.0%)で利益率2.8%(前年1.0%)と改善、減損処理後の収益性回復を示唆。ヘルスケア事業は営業利益13.5億円(同-30.5%)で利益率25.9%(前年32.5%)と低下、売上減が収益性を圧迫。機能性材料と農業化学品の合計営業利益は全体の94.3%を占め、収益構造の二極集中が鮮明。
【収益性】営業利益率22.7%(前年22.6%)は横ばい圏で高水準を維持。ROE19.5%(前年18.7%)は自己資本比率73.0%の保守的資本構成下でも高リターンを実現。粗利率46.8%は前年比+0.4pt改善し、販管費率24.1%は+0.3pt上昇するも、営業レバレッジは効いた構造。【キャッシュ品質】営業CF641.6億円は純利益505.0億円の1.27倍で良好。ただしOCF/EBITDA(営業利益+減価償却費)は0.81倍(641.6億円÷789.6億円)とベンチマーク0.9倍を下回り、運転資本の滞留が示唆される。売上債権回転日数(DSO)は127日(前年同129日)、棚卸資産回転日数(DIO)は140日(前年同156日)、買入債務回転日数(DPO)は55日(前年同54日)で、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)は212日(前年同231日)と改善傾向だが依然長期。【投資効率】設備投資180.2億円は減価償却費154.1億円の1.17倍で維持的成長投資の範囲。総資産回転率0.79回(売上高2,795.9億円÷総資産3,550.8億円)は前年0.76回から小幅改善。【財務健全性】自己資本比率73.0%(前年71.4%)、流動比率283.5%(前年265.5%)、Debt/EBITDA比率0.25倍((短期借入金+長期借入金+社債104.7億円)÷EBITDA789.6億円)と極めて保守的。有利子負債の98.1%が短期負債(CP79.9億円、短期借入金196.8億円、1年内償還社債3.8億円)に集中するが、現金預金357.3億円で短期負債280.5億円の1.27倍カバーし、流動性リスクは限定的。
営業CFは641.6億円(前年比+8.4%)で、税引前利益659.0億円に減価償却費154.1億円を加え、運転資本増減では売上債権-74.2億円(増加要因)、棚卸資産+39.2億円(減少要因)、仕入債務+20.1億円(増加要因)で運転資本全体は-134.2億円の資金流出。法人税等支払169.8億円控除後、営業CFは641.6億円を確保。投資CFは-211.8億円で、内訳は設備投資-180.2億円、無形資産-16.7億円、投資有価証券購入-2.8億円、子会社株式取得-29.2億円、短期貸付金回収+18.2億円。フリーCFは429.9億円(営業CF641.6億円-投資CF211.8億円)と潤沢。財務CFは-361.6億円で、配当236.4億円(中間配当70円・期末配当132円)、自社株買い105.0億円の合計341.4億円の株主還元を実施。社債発行100.0億円、長期借入金返済-7.2億円、短期借入金増減-1.7億円、CP純増-10.0億円。結果、現金預金は期首274.5億円から期末357.3億円へ+82.8億円増加。営業CF/純利益1.27倍は良好だが、OCF/EBITDA0.81倍は売上債権・棚卸資産の滞留が抑制要因。運転資本効率の改善が進めばキャッシュ創出力は一段と向上する余地。
経常利益659.0億円と純利益505.0億円の比率は76.6%で、特別損益(純額+14.5億円)の影響は軽微。営業外収益47.9億円(受取配当金15.8億円、為替差益6.1億円、持分法投資利益15.1億円)は景気サイクルや為替変動に左右されるが、本業外の利益寄与は経常利益の7.3%で適度。特別利益53.3億円(投資有価証券売却益12.5億円)は一時的要因で、特別損失38.8億円(減損損失38.8億円)も経常収益力を超える規模ではなく、本業の収益性を大きく歪めない。包括利益568.0億円(純利益505.0億円+OCI63.0億円)は、為替換算調整+14.8億円、有価証券評価差額+44.1億円、退職給付調整+3.7億円で構成。有価証券評価差額の拡大は投資有価証券324.8億円(前年243.5億円)の増加と整合し、含み益クッションが純資産を下支え。営業CFは減価償却費前小計775.8億円に対し営業CF641.6億円で、運転資本増減と法人税支払が134.2億円資金流出させたが、本業の現金創出力は堅牢。結論として、経常利益の大半は営業利益由来で収益の質は良好。特別損益の寄与は限定的で、包括利益と純利益の乖離も資産評価変動に伴う健全な範囲。
通期予想は売上高2,897.0億円(前年比+3.6%)、営業利益668.0億円(同+5.1%)、経常利益688.0億円(同+4.4%)、純利益515.0億円。進捗率は売上高96.5%、営業利益95.1%、経常利益95.8%、純利益98.1%で既にほぼ着地圏。次期の増益率は前年比の伸び(営業利益+11.8%)から減速するが、機能性材料・農業化学品の底堅い需要と価格改善を前提に慎重な見通し。配当予想は年間70円で、当期実績202円(中間70円+期末132円)と比較し期末配当の減額を示唆。EPS予想387.11円は当期実績368.26円から+5.1%増を見込む。予想営業利益率23.1%(668.0億円÷2,897.0億円)は当期実績22.7%から+0.4pt改善を織り込み、収益性の微改善が続くシナリオ。売上成長率+3.6%はグローバル需要の減速リスクを織り込んだ慎重ライン。
配当は中間70円、期末132円で年間202円、配当性向55.5%(202円÷EPS368.26円)はレンジ内で持続可能。前年配当70円(中間70円のみ開示)から年間ベースで+132円増配だが、前年の期末配当実績との比較データが不足するため連続増配の判定は保留。自社株買い105.0億円を含めた総還元性向は約69%((配当238.2億円+自社株買い105.0億円)÷純利益505.0億円)で、FCF429.9億円で十分に賄える範囲。株主還元合計343.2億円はFCFの79.8%相当で余力を残し、今後の成長投資と還元の両立が可能。自己株式は期末6.9億株(発行済株式比0.5%)に積み上がり、資本効率改善に寄与。BPS1,903.42円は前年1,711.83円から+11.2%増加し、ROE19.5%の高リターンが株主価値を押し上げる構図。配当政策は明示されないが、配当性向50%台を維持する姿勢が伺える。
運転資本効率の停滞: DSO127日・DIO140日・CCC212日と、運転資本の滞留がOCF/EBITDA0.81倍に抑制。売上債権974.6億円(対売上比34.9%)、棚卸資産569.9億円(同20.4%)の規模が大きく、回収遅延や在庫積み上がりが継続すればキャッシュ転換力が低下するリスク。
短期負債の集中: 有利子負債280.5億円の98.1%が短期借入金・CP・1年内償還社債で構成。現金預金357.3億円でカバー可能だが、金利環境の急変や借換え制約が生じれば資金調達コストが上昇し、財務費用が増加する可能性。
半導体・ディスプレイ材料のサイクル感応: 機能性材料事業は営業利益の55.6%を占め、半導体・ディスプレイ市況の変動に左右される。需要急減や価格下落が生じれば、高マージン事業の収益性が急速に悪化し、全社利益を圧迫するリスク。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 22.7% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +15.0pt |
| 純利益率 | 18.1% | 5.2% (2.3%–8.2%) | +12.9pt |
自社の営業利益率22.7%は製造業中央値7.8%を+15.0pt上回り、業種内トップティアの収益性を実現。機能性材料・農業化学品の高付加価値製品に特化した事業構造が寄与。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 11.2% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | +7.5pt |
自社の売上高成長率11.2%は製造業中央値3.7%を+7.5pt上回り、グローバル展開と高成長セグメントへの注力が奏功。業種内でも上位の成長ペースを維持。
※出所: 当社集計
収益性・ROEは製造業トップティアで持続性が高い。営業利益率22.7%、ROE19.5%は機能性材料(利益率31.2%)と農業化学品(同27.1%)の高マージン事業が牽引し、今後も半導体材料・ディスプレイ材料の需要回復が続けば収益力はさらに向上する余地。自己資本比率73.0%の保守的資本構成でこのROE水準は注目に値する。
運転資本効率がキャッシュ転換の改善余地。CCC212日は前年比-19日改善したがなお長期で、OCF/EBITDA0.81倍を抑制。売上債権974.6億円・棚卸資産569.9億円の回転加速が進めば、営業CFの純利益比は1.27倍から1.5倍超へ上振れる可能性。在庫最適化と回収サイクルの短縮が次の財務改善テーマ。
株主還元は持続可能で、FCFの余力は厚い。FCF429.9億円に対し総還元343.2億円(配当+自社株買い)は79.8%相当で、残り86.7億円は追加還元または成長投資に振り向け可能。配当性向55.5%はレンジ内で安定し、今後も連続増配・自社株買い継続が期待できる水準。短期負債の集中リスクは現金預金でカバーされ、流動性は十分に確保。
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