- 売上高: 136.11億円
- 営業利益: 7.66億円
- 当期純利益: 5.29億円
- 1株当たり当期純利益: 53.40円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 136.11億円 | - | - |
| 売上原価 | 103.93億円 | - | - |
| 売上総利益 | 32.18億円 | - | - |
| 販管費 | 24.51億円 | - | - |
| 営業利益 | 7.66億円 | - | - |
| 営業外収益 | 29百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 3百万円 | - | - |
| 経常利益 | 7.91億円 | - | - |
| 税引前利益 | 8.00億円 | - | - |
| 法人税等 | 2.70億円 | - | - |
| 当期純利益 | 5.29億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.28億円 | - | - |
| 包括利益 | 5.33億円 | - | - |
| 減価償却費 | 73百万円 | - | - |
| 支払利息 | 2百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 53.40円 | - | - |
| 1株当たり配当金 | 25.00円 | 25.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 123.04億円 | 121.23億円 | +1.80億円 |
| 現金預金 | 34.75億円 | 40.85億円 | -6.10億円 |
| 売掛金 | 47.38億円 | 44.51億円 | +2.87億円 |
| 棚卸資産 | 12.66億円 | 11.64億円 | +1.02億円 |
| 固定資産 | 36.27億円 | 37.76億円 | -1.49億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -2.32億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -3.92億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 935.95円 |
| 純利益率 | 3.9% |
| 粗利益率 | 23.6% |
| 流動比率 | 235.1% |
| 当座比率 | 210.9% |
| 負債資本倍率 | 0.64倍 |
| インタレストカバレッジ | 424.38倍 |
| EBITDAマージン | 6.2% |
| 実効税率 | 33.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 10.12百万株 |
| 自己株式数 | 214千株 |
| 期中平均株式数 | 9.90百万株 |
| 1株当たり純資産 | 982.81円 |
| EBITDA | 8.39億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 19.00円 |
| 期末配当 | 25.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 282.00億円 |
| 営業利益予想 | 21.00億円 |
| 経常利益予想 | 21.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 12.50億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 126.18円 |
| 1株当たり配当金予想 | 25.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のPCIホールディングスは、堅調な売上に対し営業利益を確保した一方、営業キャッシュフローがマイナスとなり収益の質に課題を残す四半期でした。売上高は136.11億円、売上総利益は32.18億円で粗利率は23.6%を確保しています。販管費は24.51億円、営業利益は7.66億円で営業利益率は約5.6%と、SI/受託開発としては標準的なレンジです。経常利益は7.91億円、当期純利益は5.28億円、純利益率は3.9%に着地しました。EBITDAは8.39億円、EBITDAマージンは6.2%で、減価償却の軽さ(0.73億円)が収益構造の特性を示しています。利益面では、営業外収入(0.29億円)が経常利益をわずかに押し上げていますが、事業の中核は営業利益であり、収益の質は基本的に本業依存です。粗利率23.6%、営業利益率5.6%、純利益率3.9%のスプレッドから、販管費率は約18.0%と推定でき、コストコントロールは概ね良好です。bp単位の前年同期比比較はXBRLで未開示のため算出不可ですが、現状の利益率水準は同業の受託開発/SESミックス型として妥当なレンジにあります。デュポン分解の計算ROEは5.4%(=純利益率3.9%×総資産回転率0.854×財務レバレッジ1.64倍)で、収益率と効率性がバランス良く寄与しています。総資産回転率0.854は、半期ベースの売上規模に対して資産効率が一定程度確保されていることを示唆します。財務面では、流動比率235.1%、当座比率210.9%と流動性は強固で、負債資本倍率0.64倍、Debt/EBITDA 0.30倍、インタレストカバレッジ424倍と保守的なレバレッジです。一方で、営業CFは-2.32億円と純利益5.28億円に対して乖離が大きく、営業CF/純利益比率は-0.44倍と品質警告シグナルが点灯しています。売掛金47.38億円、棚卸12.66億円と運転資本項目の水準が大きく、検収・回収タイミングの影響や案件の前倒し投入がキャッシュを圧迫した可能性があります。近似的なFCF(営業CF-設備投資)は-2.68億円と赤字で、配当継続余力はフリーキャッシュの面からは慎重な評価が必要です。ROICは7.8%と社内・業界の目標レンジ(7-8%)に達しており、投下資本効率は概ね良好です。今後は、売掛回収・在庫回転の正常化と、粗利率の底上げ(高付加価値案件比率の拡大)による営業CFの改善が焦点となります。データ制約により前年比の伸長率・bp変化の精緻な評価はできないものの、現状のPL/BSは安定、CFは要注意という構図が明確です。将来に向けては、労務費上昇下での単価改善、固定価格案件の収益性管理、案件ミックス最適化が重要で、CFの改善がROE・配当持続性の鍵となります。
デュポン分析(Chain-of-Thought):ステップ1:ROE=純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ=3.9%×0.854×1.64≈5.4%。ステップ2:現期は3要素のうち、総資産回転率0.854と財務レバレッジ1.64倍は中立〜穏健、ROEに対する感応度が相対的に大きいのは純利益率(3.9%)と判定。ステップ3:純利益率は粗利率23.6%から販管費率約18.0%と営業外収支(+0.26億円純額)の影響を受けて決定。受託開発・SES主体の事業特性上、稼働率と人月単価、外注比率が粗利率を大きく左右したとみられる。ステップ4:純利益率の水準は、単価改善と要員稼働の管理が効けば持続可能だが、労務費上昇圧力と固定価格案件のコスト超過リスクは恒常的に存在し、上振れ・下振れのブレは一定残ると評価。ステップ5:懸念されるトレンドとして、データ未開示で成長率比較は不能なものの、営業CFがマイナスである点は運転資本の先行投下や検収遅延を示唆し、利益計上と現金化のギャップ拡大は注意が必要。また、販管費率18%は許容範囲だが、売上成長が鈍化した場合にレバレッジ(固定費吸収)が効かず利益率が圧迫されるリスクがある。
売上の持続可能性:受託開発/組込み・社会インフラ系の案件が基盤とみられ、売上136.11億円は規模感として安定的。ただし前年同期データが未開示のため成長率評価は不可。利益の質:営業利益7.66億円、営業外収入0.29億円と本業主導の利益構造だが、営業CFが-2.32億円と純利益5.28億円に対して乖離しており、計上利益の現金化にタイムラグが発生。見通し:高付加価値案件(要件定義~上流、セキュリティ・自動運転/車載、クラウド/運用保守)の比率拡大が粗利率を押し上げうる一方、人件費上昇と人材獲得競争がマージンの逆風。運転資本の正常化(売掛回転の短縮、在庫抑制)が実現すれば、キャッシュ創出力の回復余地は大きい。
流動性・支払能力:流動比率235.1%、当座比率210.9%と強固。短期負債52.33億円に対し、現金預金34.75億円と売掛金47.38億円で十分にカバーし、満期ミスマッチは低い。資本構成:負債資本倍率0.64倍、長期借入金2.50億円、Debt/EBITDA 0.30倍、インタレストカバレッジ424倍とレバレッジは保守的で耐性が高い。自己資本比率は未算出だが、純資産97.38億円と総資産159.31億円からみて実質的に高水準と推定。オフバランス:リース・保証などは未開示で把握不能。警告条件(流動比率<1.0、D/E>2.0)には該当せず、財務健全性は高い。
営業CF/純利益は-0.44倍と品質面で要注意。売掛金47.38億円・棚卸12.66億円の水準から、検収・回収タイミングや仕掛増による運転資本の現金吸収が主因と推定。投資CF総額は未開示だが、設備投資額-0.36億円が示されており、近似的なFCF(営業CF-設備投資)は-2.68億円と赤字。配当・自己株取得の実行余力は、現在のCF状況では内部現金に依存。運転資本操作の兆候として、売上拡大に先行した売掛・在庫の増勢が示唆されるが、四半期比較データがないため定量検証は不可。今後は売掛回転日数短縮、与信・検収プロセスの厳格化、前受金活用がカギ。
配当性向(計算値)は84.4%と高めで、一般的な持続可能レンジ(<60%)を上回る。営業CFがマイナス、近似FCFも赤字(-2.68億円)であることから、短期的な配当維持は手元資金の厚みや期下でのCF反転に依存。配当金総額・実額は未開示でFCFカバレッジは算出不可だが、現金預金34.75億円のバッファはある。持続性向上には、(1) 営業CFの黒字化(売掛回収の改善)、(2) マージンの底上げ、(3) 成長投資と株主還元のバランス最適化が必要。高配当性向は株主還元姿勢を示す一方、利益の現金化が伴わない場合は調整余地が生じやすい点に留意。
ビジネスリスク:
- プロジェクト収益性リスク:固定価格案件の見積り差異・スコープ変更によるコスト超過
- 人件費上昇・採用難:人月単価転嫁が遅れる場合の粗利率圧迫
- 稼働率変動:季節性・検収遅延による売上・利益の期ズレ
- 案件ミックス:下流工程・SES比率上昇時のマージン希薄化
- 顧客集中:大口顧客の投資抑制・内製化動向の影響
財務リスク:
- 営業CFのマイナス継続:運転資本の増勢・回収遅延が続く場合の資金繰り負荷
- 配当性向の高さ:FCF赤字下での還元継続は内部資金の取り崩しを招く可能性
- のれん14.17億円・無形15.14億円:減損リスク(案件失注・シナジー未達)
- 金利上昇耐性:現状レバレッジは低いが、外部資金活用時の資本コスト上昇
主な懸念事項:
- 営業CF/純利益が-0.44倍と収益品質の警告水準
- 売掛金・棚卸の高水準によるキャッシュの一時的滞留
- 高い配当性向とFCF赤字の組み合わせによる還元持続性の毀損リスク
- データ未開示によりYoY成長率・bp変化の把握ができず、トレンド評価の不確実性が高い
重要ポイント:
- 営業利益率5.6%、ROIC7.8%で事業効率は概ね良好
- 流動性・レバレッジは保守的で財務耐性は高い
- 営業CF-2.32億円、OCF/NI=-0.44倍と収益品質に課題
- 近似FCF-2.68億円で配当持続性はCFの反転が前提
- 販管費率約18%は許容範囲、ボリューム維持と単価改善が鍵
注視すべき指標:
- 売掛回転日数・回収進捗(営業CFの黒字化)
- プロジェクト粗利率・外注比率(マージンの質)
- 稼働率と人月単価の改定進捗(労務費インフレ吸収度)
- 受注残・高付加価値案件比率(上流・セキュリティ・車載)
- のれん・無形資産の減損兆候(将来CF見通し変化)
セクター内ポジション:
同業中小型SI/受託開発各社と比べ、BS健全性は優位、利益率は中位、キャッシュ創出は足元で劣後。案件ミックスの質向上と運転資本の正常化が進めば総合的な位置づけの改善余地。
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