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38482026 第3四半期スタンダードJGAAP

データ・アプリケーション(3848) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は30.9億円(前年同期比+76.2%)、営業利益は1.3億円(同+45.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥30.9億¥17.5億+76.2%
営業利益¥1.3億¥0.9億+45.2%
経常利益¥1.7億¥1.1億+49.8%
純利益¥1.1億¥0.8億+31.3%
ROE2.1%1.7%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計決算は、売上高30.9億円(前年同期比+13.4億円 +76.2%)、営業利益1.3億円(同+0.4億円 +45.2%)、経常利益1.7億円(同+0.6億円 +49.8%)、当期純利益1.1億円(同+0.3億円 +31.3%)となった。第1四半期におけるデジタルトランスコミュニケーションズ株式会社及び株式会社メロンの連結範囲追加により売上は大幅に拡大したが、営業利益率は4.1%と前年同期5.0%から低下し、連結効果による成長と収益性のトレードオフが顕在化した。

業績変動要因

【売上高】外部売上高30.9億円は前年同期17.5億円から+76.2%増加。第1四半期に連結化した2社の売上寄与が主因で、システムインテグレーション事業が9.2億円、AI関連事業が4.0億円の新規売上を計上した。既存のソフトウエア事業も17.7億円(前年同期17.2億円から+3.0%増)と微増基調を維持した。セグメント別外部売上構成比は、ソフトウエア事業57.3%、システムインテグレーション事業29.9%、AI関連事業12.8%となり、主力のソフトウエア事業が引き続き過半を占めるものの、M&Aにより事業ポートフォリオは多様化した。【損益】営業利益1.3億円は+45.2%増となったが、売上高営業利益率は4.1%と前年同期5.0%から0.9pt低下した。セグメント別利益ではソフトウエア事業が1.2億円の利益(利益率6.8%)を計上した一方、システムインテグレーション事業は0.2億円の利益(利益率2.3%)、AI関連事業は0.2億円の損失(利益率マイナス3.8%)となり、新規連結事業の収益性が全社利益率を押し下げた。経常利益1.7億円は営業外収益の増加により営業利益比+34.6%の上乗せとなり、主に受取利息・配当金や為替差益等が寄与した。当期純利益1.1億円は経常利益比△35.3%の減少で、実効税率約37.9%の税負担が影響した。のれんは3.9億円発生し(システムインテグレーション事業1.7億円、AI関連事業2.2億円)、取得原価配分が暫定段階にあるため、将来の確定値次第で減損リスクを含む。結論として増収増益を達成したが、利益率の低下と新規事業の収益化遅延が課題となっている。

セグメント別分析

ソフトウエア事業は売上高17.7億円(外部売上ベース、構成比57.3%)、営業利益1.2億円(セグメント利益率6.8%)で、主力事業として引き続き利益の過半を創出した。システムインテグレーション事業は売上高9.2億円(構成比29.9%)、営業利益0.2億円(同2.3%)で、第1四半期に連結化したデジタルトランスコミュニケーションズ社の寄与により新規売上が立ち上がったものの、利益率は低水準に留まった。AI関連事業は売上高4.0億円(構成比12.8%)、営業損失0.2億円(利益率マイナス3.8%)で、連結化した株式会社メロンが赤字を計上し、投資フェーズにあることが確認できる。セグメント間の利益率差異は主力ソフトウエア事業の6.8%に対し、システムインテグレーション事業2.3%、AI関連事業マイナス3.8%と大きく、事業ミックスの変化が全社利益率4.1%に影響している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率4.1%(前年同期5.0%から0.9pt低下)、純利益率3.6%(同4.4%から0.8pt低下)で、M&A後の連結効果により利益率は圧縮された。ROE2.1%(前年同期1.6%から改善)は純資産の増加に対し純利益の伸びが上回ったことで向上したが、業種中央値8.2%と比較すると依然低水準。ROA1.4%(前年同期1.2%から改善)も業種中央値3.9%を下回り、総資産効率と収益性の双方で業種平均に劣後。【キャッシュ品質】現金預金42.3億円を保有し、流動負債20.5億円に対する現金カバレッジは2.1倍と十分な流動性を確保。売掛金6.96億円(前年同期3.03億円から+129.6%増)は回転日数約82日で業種中央値62日を上回り、回収期間の長期化が運転資本効率を低下させている。買掛金3.69億円(同0.47億円から+680.7%増)は回転日数約44日で業種中央値35日を上回り、支払サイトの延長または仕入構造の変化が推察される。【投資効率】総資産回転率0.40回(前年同期0.28回から改善)は業種中央値0.68回を下回り、M&Aによる総資産増加(76.7億円、前年同期61.8億円)が回転率を抑制している。【財務健全性】自己資本比率67.1%(前年同期77.4%から10.3pt低下)は業種中央値59.0%を上回り安全圏だが、のれん・無形固定資産の増加(合計11.8億円)により実質的な資本の質は希薄化。流動比率258.6%(前年同期406.4%から低下)は業種中央値213%を上回り流動性は高い。有利子負債2.63億円(自己資本比率換算で負債資本倍率0.05倍)と財務レバレッジは極めて低く、Debt/Capitalは約4.9%に留まる。

キャッシュフロー分析

現金預金は前年同期比+14.1億円増の42.3億円へ積み上がり、増益と連結子会社取得時の現金受入が資金増加に寄与した。運転資本効率では売掛金が+3.9億円増加し回収日数が延長した一方、買掛金が+3.2億円増加し支払サイトの延長効果が資金繰りを一部緩和している。長期借入金は+1.7億円増の2.1億円となり、M&A資金の一部を借入で調達したことが窺える。短期負債に対する現金カバレッジは2.1倍で流動性は十分だが、売掛金回収の遅延は今後の営業キャッシュフローの質に影響するリスクを内包する。

収益の質

経常利益1.7億円に対し営業利益1.3億円で、営業外収益純増は約0.4億円。内訳は受取利息・配当金や為替差益が主であり、営業外収益が売上高の約1.3%を占める。当期純利益1.1億円は経常利益比で△35.3%減少し、税負担が大きく影響した(実効税率約37.9%)。営業キャッシュフロー明細の開示がないため利益の現金裏付けは直接評価できないが、現金預金の増加と売掛金の大幅増を勘案すると、売上増に伴う運転資本増加が一部キャッシュアウトとして作用している可能性が高い。収益の質は、本業利益の伸びが新規連結事業の低収益性に押し下げられる一方、営業外収益で補完される構造となっており、持続的な収益力強化には営業段階での利益率改善が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想に対する進捗率は売上高68.6%、営業利益45.0%(標準進捗第3四半期75%に対し売上は順調、営業利益は遅延)。会社予想では通期売上高45.0億円(前年比+72.6%)、営業利益2.8億円(同△14.9%)を見込んでおり、売上は成長するものの営業利益は前年を下回る前提となっている。進捗率が標準から大きく乖離する背景として、第4四半期に季節性や案件の進捗集中があるか、または新規連結事業の収益化が下期に遅れる可能性が推察される。売上予想に対する進捗率は標準並みだが、営業利益進捗率45.0%は標準75%を大きく下回り、下期に利益率改善が前提となっているものの、現状の利益率水準を考慮すると達成ハードルは高い。

株主還元

年間配当は期末26円の計上により通期予想35円に対する進捗を示すが、第3四半期累計純利益1.1億円(1株当たり換算約23.5円)に対し配当26円を実施すると配当性向は約110.6%となり、通期ベースでの配当性向は通期純利益予想がないため算出できないものの、現時点の純利益水準では配当負担が重い。自社株買い実績の記載はなく、株主還元は配当のみで実施している。配当性向の高さと純利益水準を勘案すると、配当の持続性には内部留保の取り崩しや現金預金の活用が前提となり、今後の利益成長が配当政策の持続可能性を左右する。

リスク要因

M&A統合リスク: 連結化したデジタルトランスコミュニケーションズ社及び株式会社メロンのシナジー創出が遅れ、のれん減損リスクが顕在化する可能性。のれん暫定計上3.9億円は取得原価配分の確定後に増減し、純資産51.5億円の約7.6%を占めるため、減損発生時の資本毀損は無視できない。AI関連事業の収益化遅延リスク: セグメント損失0.2億円を計上するAI関連事業が黒字化せず、全社利益率の改善が遅れるリスク。同事業への投資継続が必要な場合、追加の資金負担が発生する。売掛金回収リスク: 売掛金6.96億円(回収日数約82日)の回収遅延または貸倒が発生し、運転資本の悪化とキャッシュフローの質低下を招くリスク。新規連結事業の取引先信用状況により回収リスクは変動する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)収益性: ROE2.1%は業種中央値8.2%(2025年第3四半期、IT・通信業種N=103社)を大きく下回り、業種内では低位。ROA1.4%も業種中央値3.9%に劣後し、総資産の収益化効率が課題。営業利益率4.1%は業種中央値8.0%(IQR3.6%〜17.4%)を下回り、収益性改善の余地が大きい。健全性: 自己資本比率67.1%は業種中央値59.0%(IQR42.0%〜71.7%)を上回り、財務安全性は相対的に高い。流動比率258.6%も業種中央値213%を上回り、流動性は良好。効率性: 総資産回転率0.40回は業種中央値0.68回を下回り、資産効率が低い。売掛金回転日数約82日は業種中央値62日(IQR47日〜83日)の上限に位置し、回収効率は業種内でも遅い部類。成長性: 売上高成長率76.2%は業種中央値10.4%(IQR△1.3%〜19.7%)を大幅に上回り、M&A効果を含む成長は業種内で突出。一方、EPS成長率の業種中央値は0.25(IQR△0.13〜0.80)に対し、当社の純利益成長率31.3%は業種内では上位に位置するが、売上成長に対する利益成長の遅れが目立つ。(業種: IT・通信業種、N=103社、比較対象: 2025年第3四半期、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

M&A戦略による成長加速と利益率のトレードオフ: 第1四半期の2社連結化により売上は76.2%増と業種内でも突出した成長を遂げたが、営業利益率は前年5.0%から4.1%へ低下し、新規事業の収益化遅延が全社利益率を圧迫している。のれん暫定計上と減損リスクの監視: のれん3.9億円(純資産比7.6%)は取得原価配分が暫定段階にあり、確定後の減損リスクおよび無形資産償却負担の動向が今後の収益と資本に影響する。売掛金回収日数82日と業種比較での遅延: 業種中央値62日を上回る売掛金回収期間は運転資本効率を低下させており、回収管理の強化がキャッシュフロー改善の鍵となる。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、新規連結子会社の寄与を主因に売上高が前年同期比76.2%増の30.87億円となり、営業利益も同45.2%増の1.26億円となった。売上高の増分は13.35億円であり、既存ソフトウエア事業の増収は限定的である一方、システムインテグレーション事業およびAI関連事業の連結寄与が成長を牽引した。売上総利益は前年同期の11.82億円から16.32億円へ4.51億円増加した。もっとも、粗利益率は前年同期の67.4%から52.9%へ1,457bp低下しており、事業構成の変化に伴う収益ミックス悪化が確認される。販管費は前年同期比37.6%増の15.06億円で、売上高の伸びを下回った。販管費率は62.5%から48.8%へ1,374bp改善し、増収による固定費吸収が営業利益の増加を支えた。営業利益率は4.9%から4.1%へ83bp低下し、販管費率の改善を粗利益率の低下が上回った。経常利益は同49.8%増の1.70億円で、営業外収益0.50億円、うち受取配当金0.36億円が営業利益を上回る経常利益の一因となった。親会社株主に帰属する当期純利益は同8.8%増の0.87億円にとどまり、売上・営業利益の伸びに比べて増益率は小さい。親会社帰属純利益率は4.6%から2.8%へ175bp低下した。総資産は76.66億円、純資産は51.45億円となり、自己資本を中心とする資本基盤は厚い。現金預金42.33億円は流動負債20.50億円を大幅に上回り、短期流動性は極めて高い。第1四半期にデジタルトランスコミュニケーションズ株式会社および株式会社メロンを連結したことにより、のれんは前年同期比3.19億円増の5.75億円となった。新規連結事業は売上成長をもたらした一方、AI関連事業は0.15億円のセグメント損失であり、収益化が今後の焦点となる。通期会社予想に対する売上進捗率は68.6%で標準的な第3四半期進捗75%を6.4ポイント下回る。営業利益進捗率は45.0%にとどまり標準比30.0ポイントの未達であるため、通期営業利益予想2.80億円の達成には第4四半期に売上高14.13億円、営業利益1.54億円、営業利益率10.9%が必要となる。したがって、投資判断上は、買収事業の統合による粗利益率改善、AI関連事業の赤字縮小、ならびに第4四半期の大幅な利益率改善の実現度が主要論点となる。

収益性分析

年換算ROEは2.2%であり、デュポン3因子では純利益率2.8%×総資産回転率0.537回×財務レバレッジ1.49倍に分解される。ROEが低位にとどまる最大の要因は、レバレッジではなく純利益率2.8%と資産回転率0.537回の低さである。財務レバレッジ1.49倍は過度でなく、低ROEを負債活用で補う資本構成ではない。営業利益率は前年同期比83bp低下して4.1%となり、業界ベンチマーク上の要注意水準である。粗利益率の1,457bp低下が最も大きい収益性の変化であり、ソフトウエア事業中心の従来構成に、相対的に低採算のシステムインテグレーション事業および赤字のAI関連事業が加わった影響を示す。これに対し販管費率は1,374bp改善しており、連結売上拡大に対して販管費増加を抑えた営業レバレッジは一定程度機能した。ただし、売上高成長率76.2%を販管費成長率37.6%が下回っているにもかかわらず営業利益率が低下しているため、粗利創出力の改善が優先課題である。CFA5因子ではEBITマージン4.1%、金利負担係数1.356、税負担係数0.509である。金利負担係数が1を上回るのは、受取配当金0.36億円を中心とした営業外収益が支払利息0.04億円を上回るためであり、財務負担の重さを示すものではない。品質アラートの高税負担について、親会社帰属純利益0.87億円を税引前利益1.71億円と対比した税負担係数0.509は0.60を下回る。これは非支配株主に帰属する純利益0.18億円を含む利益帰属構造も反映する。税引前利益1.71億円に対する法人税等0.65億円の実効税率は37.9%であり、税コストは親会社帰属利益の伸びを抑制した。受取配当金への依存を除けば、営業利益ベースの収益性はなお薄く、利益率改善の持続性は買収先の統合進捗と売上構成の改善に左右される。

成長性評価

売上高は30.87億円と前年同期比76.2%増加したが、セグメント別には新規連結の寄与が成長の中心である。主力事業は、セグメント利益1.20億円で最大寄与のソフトウエア事業である。同事業の外部顧客向け売上高は17.68億円、前年同期比3.0%増、セグメント利益は1.20億円、同11.1%減となり、利益率は前年同期の7.9%から6.8%へ低下した。システムインテグレーション事業は外部顧客向け売上高9.24億円、セグメント利益0.21億円、セグメント利益率2.3%であり、売上規模は大きい一方で主力ソフトウエア事業より低採算である。AI関連事業は外部顧客向け売上高3.96億円で、前年同期の0.36億円から大幅に拡大したが、セグメント損失は0.15億円である。AI関連事業の損失率は前年同期のマイナス131.5%からマイナス3.4%へ大きく改善しており、規模拡大に伴う収益性改善はみられるが、黒字定着が必要である。デジタルトランスコミュニケーションズ株式会社および株式会社メロンの連結化により、報告セグメントは3区分へ再編された。新規連結は連結売上の拡大と事業領域の拡張に寄与する一方、グループ全体の粗利益率を低下させている。通期売上高予想45.00億円は前年比72.6%増、営業利益予想2.80億円は同14.9%減であり、会社計画自体も売上拡大に対して利益率低下を織り込む。第3四半期累計の売上進捗率68.6%は標準進捗を下回るため、売上計画の達成には第4四半期の大きな売上計上が必要となる。営業利益進捗率45.0%は標準進捗を大幅に下回っており、計画達成には季節性に加え、採算改善または高粗利案件の計上が求められる。

財務健全性

流動比率は258.6%、当座比率も258.6%であり、いずれも健全基準を大きく上回る。運転資本は32.51億円で、流動負債20.50億円に対して流動資産53.01億円を保有する。現金預金42.33億円は流動負債の2.06倍、短期負債比率19.0%に対する現金/短期負債は84.65倍であり、満期ミスマッチのリスクは限定的である。有利子負債は2.63億円にとどまり、Debt/Capital比率4.9%、負債資本倍率0.49倍である。D/Eが2.0倍を大きく下回り、過剰レバレッジに関する警告は不要である。インタレストカバレッジは29.35倍で、支払利息への利益カバーは強固である。純資産は前年同期比3.70億円増の51.45億円となった一方、自己資本比率は77.3%から64.6%へ低下した。これは借入依存というより、新規連結に伴う負債および非支配株主持分の取り込みに加え、資産規模が拡大した影響とみられる。買掛金は前年同期比3.22億円増の3.69億円、長期借入金は同1.68億円増の2.13億円であり、買収後の事業規模拡大に伴う運転資金・資金調達の増加として注視を要する。前受金は12.47億円で前年同期の7.32億円から増加しており、短期負債の一定部分を構成するが、現金預金が十分にこれをカバーする。のれんは5.75億円、純資産比11.2%、総資産比7.5%であり、M&A関連資産としては現時点で過度な水準ではない。無形固定資産は6.01億円、総資産比7.8%であり、資産構成上の集中リスクは限定的である。ただし、取得原価配分が暫定であるため、のれんおよび無形資産の最終配分、将来の償却負担、ならびに減損兆候は継続監視が必要である。

B/S変動のポイント

買掛金: +3.22億円(前年同期比+680.7%)- 新規連結およびSI事業の取引拡大に伴う仕入・外注債務の増加とみられる。売掛金の増加と併せ、運転資本の回転を監視する必要がある。長期借入金: +1.68億円(前年同期比+378.2%)- M&A後の資金調達・資本構成の変化を反映する可能性がある。ただし、有利子負債2.63億円、Debt/Capital 4.9%であり、現時点のレバレッジ負担は小さい。売掛金: +3.93億円(前年同期比+129.6%)- 売上高増加を上回る伸びであり、年換算DSO 62日と合わせて回収効率の改善が課題となる。のれん: +3.19億円(前年同期比+124.7%)- デジタルトランスコミュニケーションズ株式会社で1.68億円、株式会社メロンで2.22億円ののれんが発生した。取得原価配分が暫定であり、統合成果と減損兆候の継続的な検証が必要である。無形固定資産: +3.19億円(前年同期比+113.4%)- 新規連結および買収関連の無形資産増加を反映する。総資産比7.8%と集中度は限定的だが、将来の償却負担が営業利益率に与える影響を確認すべきである。

キャッシュフロー品質

売掛金は前年同期比129.6%増の6.96億円となり、売上高の76.2%増を上回って増加した。品質アラートであるDSO 62日は年換算済みであり、60日超の回収遅延警戒水準にある。これは新規連結による顧客・契約構成の変化を含む可能性がある一方、売上拡大が現金回収に十分転化しているかを確認すべき兆候である。買掛金も前年同期比680.7%増の3.69億円となっており、運転資本の増加圧力の一部を仕入債務の増加で吸収している。前受金12.47億円は受注・契約に伴う資金先行受領の性格を持ち得るため、流動性を補完する要素である。営業利益率4.1%と低いため、運転資本のわずかな変動もキャッシュ創出力に与える影響が相対的に大きい。キャッシュフローの評価では、DSOが60日以下へ改善するか、売掛金の増加率が売上成長率に収れんするか、買掛金および前受金による運転資本支援が継続するかが重要となる。

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり0円である。通期の会社予想配当は1株当たり35.0円であり、期末配当を中心とする還元設計が想定される。親会社株主に帰属する第3四半期累計純利益は0.87億円、基本的EPSは13.84円である一方、通期純利益予想は開示されていないため、予想配当性向の定量評価は行わない。なお、配当性向は配当金のみを純利益で除した指標であり、自社株買いを含める場合は総還元性向として区別すべきである。現金預金42.33億円、有利子負債2.63億円、流動比率258.6%という財務余力は配当支払いの資金面を支える。もっとも、利益率の低下と第4四半期の計画達成難度を踏まえると、配当の持続性は買収後事業の利益・キャッシュ創出力が計画通り拡大するかに依存する。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:新規連結したシステムインテグレーション事業およびAI関連事業の統合・収益化リスク。AI関連事業は売上高3.96億円まで拡大した一方で0.15億円のセグメント損失を計上しており、黒字化の遅延は連結利益率を圧迫する。、高優先度:事業ミックス悪化リスク。粗利益率は前年同期比1,457bp低下して52.9%となっており、低採算のSI案件比率上昇やAI事業の先行費用が継続すれば、売上成長が利益成長へ転化しにくい。、中優先度:ソフトウエア事業の成長鈍化リスク。主力ソフトウエア事業の外部売上高は前年同期比3.0%増にとどまり、セグメント利益は同11.1%減少した。、中優先度:IT・AI業界固有の競争・人材リスク。AI技術の変化、専門人材の採用・定着、案件採算を巡る競争激化は、AI関連事業およびSI事業の利益率に影響し得る。、中優先度:売掛金回収リスク。DSO 62日および売掛金の前年同期比129.6%増は、案件拡大に伴う回収長期化の監視を要する。が挙げられます。

財務リスクとしては、中優先度:通期営業利益計画の未達リスク。営業利益の進捗率45.0%は第3四半期の標準進捗75%を30.0ポイント下回り、計画達成には第4四半期で1.54億円の営業利益が必要となる。、中優先度:のれん・無形資産の価値維持リスク。のれんは5.75億円へ前年同期比124.7%増加し、取得原価配分は暫定である。被買収事業の収益性が計画を下回れば、将来的な減損または償却負担が利益を圧迫し得る。、低優先度:負債増加リスク。長期借入金は前年同期比378.2%増の2.13億円となったが、有利子負債2.63億円、Debt/Capital 4.9%、インタレストカバレッジ29.35倍であり、現時点の返済負担は限定的である。、低優先度:市場価格変動リスク。投資有価証券13.95億円およびその他有価証券評価差額金4.65億円を保有しており、資本および包括利益は市場価格変動の影響を受ける。が挙げられます。

主な懸念事項としては、品質アラートの高税負担:親会社帰属ベースの税負担係数0.509は警戒水準を下回り、親会社帰属利益の増加率を抑えている。法人税等0.65億円は税引前利益1.71億円に対して37.9%に相当する。、品質アラートの営業効率:EBITマージン4.1%は5%未満であり、増収にもかかわらず営業利益率が前年同期比83bp低下した。買収後の売上成長を粗利益および営業利益へ転換できるかが核心である。、品質アラートの売掛金回収:年換算DSO 62日は60日超であり、売掛金の急増と併せて運転資本効率の悪化を示唆する。、取得原価配分が暫定であるため、のれん5.75億円および無形固定資産6.01億円の最終的な認識区分・償却負担は、買収後の利益比較に影響する可能性がある。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、連結売上高は前年同期比76.2%増と高成長だが、主因は2社の新規連結であり、主力ソフトウエア事業の外部売上成長は同3.0%にとどまる。、販管費率の改善を上回る粗利益率の低下により、営業利益率は4.1%へ低下した。、AI関連事業は赤字幅を大幅に縮小したが、なお0.15億円の損失であり、買収後の利益貢献には時間を要する。、流動性、低レバレッジ、利息カバーは強固であり、財務面の耐性は高い。、通期営業利益予想の達成には第4四半期の営業利益率10.9%が必要であり、短期的な業績モメンタムの評価には高い実行ハードルがある。が挙げられます。

注視すべき指標は、第4四半期の売上高14.13億円および営業利益1.54億円という通期計画達成に必要な水準、連結粗利益率および営業利益率の回復度合い、AI関連事業のセグメント損益の黒字化時期、システムインテグレーション事業のセグメント利益率2.3%の改善、ソフトウエア事業の売上成長率およびセグメント利益率、年換算DSO 62日、売掛金6.96億円、買掛金3.69億円の推移、のれん5.75億円の取得原価配分確定、償却負担および減損兆候です。

セクター内ポジションについては、収益性では営業利益率4.1%、純利益率2.8%、年換算ROE 2.2%と、提示ベンチマーク上はいずれも要注意水準である。一方、流動比率258.6%、Debt/Capital 4.9%、インタレストカバレッジ29.35倍は保守的な財務ポジションを示す。したがって、同社の相対的な特徴は、強い財務余力を背景にM&Aで売上規模を拡大している一方、買収後の収益性・資本効率の改善が評価の分岐点となる点にある。