クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥461.9億 | ¥405.5億 | +13.9% |
| 営業利益 | ¥51.1億 | ¥46.9億 | +9.0% |
| 経常利益 | ¥48.9億 | ¥46.4億 | +5.5% |
| 純利益 | ¥34.4億 | ¥33.1億 | +4.0% |
| ROE | 31.1% | 38.8% | - |
Executive Summary
2026年1月期第3四半期累計決算は、売上高461.9億円(前年比+56.4億円 +13.9%)、営業利益51.1億円(同+4.2億円 +9.0%)、経常利益48.9億円(同+2.5億円 +5.5%)、親会社株主に帰属する純利益34.4億円(同+1.3億円 +4.0%)と増収増益を達成した。売上高は13.9%増と二桁成長を継続しており、営業利益は51億円台まで拡大した。経常利益と純利益の成長率が営業利益を下回るのは営業外費用増加と特別損失計上の影響である。
業績変動要因
【売上高】トップラインは461.9億円で前年比+13.9%増の56.4億円拡大となった。3報告セグメントすべてが増収を達成している。企業・クリエイター5G DX支援事業が180.5億円(+17.4%)と最も高い成長率を示し、5Gインフラ支援事業は88.3億円(+12.7%)、5G生活様式支援事業は210.1億円(+9.6%)となった。セグメント別の売上構成比では5G生活様式支援が45.5%と最大、企業・クリエイター5G DX支援が39.1%、5Gインフラ支援が19.1%を占める。売上総利益は123.6億円で粗利率26.8%を維持している。
【損益】営業利益は51.1億円(+9.0%)で営業利益率11.1%となった。販管費は72.5億円で販管費率15.7%と前年比ほぼ横ばいである。営業外損益では営業外費用が3.1億円計上され、支払利息1.7億円と支払手数料0.9億円が主因である。営業外費用は前年2.0億円から1.1億円増加しており、支払利息が前年0.7億円から1.7億円へ倍増している。この結果、経常利益は48.9億円(+5.5%)と営業利益の伸びを下回った。特別損益では特別利益5.1億円(子会社株式売却益4.3億円等)を計上する一方、特別損失3.1億円(減損損失3.0億円が主因)を計上した。税引前利益は50.9億円で、法人税等16.5億円(実効税率32.4%)を控除後、非支配株主分1.4億円を除いた親会社株主に帰属する純利益は34.4億円となった。非支配株主利益は前年7.8億円から1.4億円へ大幅減少しており、グループ構成変化の影響が示唆される。経常利益と純利益の乖離は+6.5億円で、特別損益の純額(+2.0億円)と法人税等控除・非支配株主調整によるものである。結論として、全セグメント増収により売上高は二桁成長を維持し、営業段階では増益を確保したが、金融費用増加と一時的な減損損失により経常・純利益の成長率は鈍化した増収増益決算である。
セグメント別分析
5G生活様式支援事業は売上高210.1億円(全体の45.5%)で営業利益30.3億円(利益率14.4%)を計上し、最も利益貢献度が高い主力事業である。営業利益は前年比+13.3%増と堅調に拡大した。企業・クリエイター5G DX支援事業は売上高180.5億円(構成比39.1%)で営業利益6.2億円(利益率3.4%)となり、営業利益は前年比-36.5%と大幅減益となった。売上増にもかかわらず利益率が低下しており、案件採算性の悪化や先行投資負担の増加が示唆される。5Gインフラ支援事業は売上高88.3億円(構成比19.1%)で営業利益14.7億円(利益率16.6%)を計上し、営業利益は前年比+39.0%と大幅増益を達成した。セグメント間で利益率差異が顕著であり、インフラ支援事業の高収益性(16.6%)と企業・クリエイター事業の低収益性(3.4%)が対照的である。その他セグメントは営業損失0.2億円で赤字が継続している。
主要財務指標
【収益性】ROE 31.1%(前年比で大幅改善)、営業利益率11.1%(前年11.6%から-0.5pt)、純利益率7.5%(前年6.2%から+1.3pt)。ROEは業種中央値8.3%を大きく上回る水準で、財務レバレッジ3.49倍の効果が寄与している。営業利益率は11.1%で業種中央値8.2%を上回り収益性は良好であるが、前年からは微減している。純利益率は7.5%で業種中央値6.0%を上回る水準を維持している。【キャッシュ品質】現金及び預金186.8億円、短期負債カバレッジ12.3倍で流動性は極めて高い。現預金対流動負債比率は123.4%と厚く、短期支払能力は十分である。【投資効率】総資産回転率1.20倍(業種中央値0.67倍を大幅に上回る)、総資産利益率13.2%(業種中央値3.9%を大幅に上回る)で資産効率は高い。【財務健全性】自己資本比率28.7%(業種中央値59.2%を大きく下回る)、流動比率214.1%(業種中央値215.0%と同水準)、負債資本倍率2.49倍で負債依存度は高い。自己資本比率は業種内で低位にあり、レバレッジ活用型の資本構成である。財務レバレッジ3.49倍は業種中央値1.66倍の2倍超で高レバレッジ経営を示している。
キャッシュフロー分析
現金預金は前年207億円から187億円へ20億円減少したが、依然として高水準を維持している。BS推移から資金動向を分析すると、営業利益51億円と純利益34億円の計上により利益面での資金創出力は確認できる。運転資本では売掛金が前年87億円から93億円へ6億円増加しており、売上増に伴う債権増加と考えられる。売掛金回転日数は約73日で業種中央値61日を上回っており、回収サイトが長期化している。買掛金は前年1億円から2.5億円へ1.5億円増加し、仕入債務の活用が進んでいる。棚卸資産は前年1.4億円から2.4億円へ1億円増加したが、金額水準は小さい。投資活動では有形固定資産が前年28億円から24億円へ4億円減少し、無形固定資産は前年8億円から11億円へ3億円増加した。のれんは前年0.9億円から5.4億円へ4.5億円急増しており、M&Aや子会社取得による計上と推定される。財務活動では長期借入金が前年152億円から114億円へ38億円減少し、有利子負債の返済が進んでいる。純資産は前年85億円から111億円へ26億円増加し、利益剰余金の積み上げ(前年34億円から60億円へ26億円増)が主因である。現金減少は借入返済と投資活動によるものと推測され、営業増益による資金創出力は借入返済と成長投資に充当されている状況である。短期負債に対する現金カバレッジは12.3倍で流動性は十分であり、利払い負担も1.7億円と軽微で営業利益対比3.3%にとどまる。
収益の質
経常利益48.9億円に対し営業利益51.1億円で、営業外純損は2.2億円の減益要因となった。営業外収益0.9億円に対し営業外費用3.1億円で、支払利息1.7億円と支払手数料0.9億円が主な負担である。営業外収益では為替差益0.4億円が計上されており、為替変動の影響を受けている。営業外費用の増加は前年2.0億円から3.1億円へ1.1億円増であり、支払利息が前年0.7億円から1.7億円へ倍増したことが主因である。これは有利子負債水準の高さと金利環境の影響を反映している。特別損益では特別利益5.1億円(子会社株式売却益4.3億円が主)を計上する一方、特別損失3.1億円(減損損失3.0億円が主)を計上しており、一時的要因として純額+2.0億円が当期純利益を押し上げた。包括利益は31.2億円で純利益34.4億円を3.2億円下回っており、その他有価証券評価差額金-3.2億円が主因である。評価損失は保有投資有価証券の時価下落を反映している。営業CFが開示されていないため直接比較はできないが、営業利益51億円と純利益34億円の計上に対し現金預金は187億円と潤沢であり、利益の質は一定水準にあると評価できる。ただし、減損損失や投資有価証券評価損といった非現金費用の計上があり、また売掛金回収の長期化(DSO 73日)が見られるため、今後のキャッシュ創出力の持続性は運転資本管理の改善に依存する。
業績予想・ガイダンス
通期予想は売上高600.0億円(前期比+8.9%)、営業利益61.0億円(同+3.7%)、経常利益57.7億円(同+10.3%)、親会社株主帰属純利益35.0億円で据え置かれている。Q3累計実績の通期予想に対する進捗率は、売上高77.0%、営業利益83.8%、経常利益84.7%、純利益98.3%となっている。標準進捗率Q3=75%に対し、売上は77.0%でほぼ順調、営業利益は83.8%で上振れ、純利益は98.3%と既に通期予想をほぼ達成している。純利益の高進捗率は特別利益(子会社株式売却益4.3億円)の計上が寄与しており、通期予想は保守的な水準と考えられる。営業利益の進捗率が高いことから、Q4の営業段階での上振れ余地があるが、会社は予想を据え置いている。前提条件として業績予想注記には「将来に関する記述は現在入手している情報及び合理的と判断する一定の前提に基づく」とあり、達成を約束するものではないとの留保がある。Q4にかけての季節性や一時的費用の発生可能性を考慮し慎重な見通しとしている可能性がある。進捗率から見ると、売上・営業利益は通期予想達成の蓋然性が高く、純利益は既に達成に近い水準にある。
株主還元
通期配当予想は1株41円が示されている。前期実績の配当は開示されていないため前年比較はできないが、通期予想純利益35.0億円に対し、発行済株式数23,414千株(自己株式控除後21,822千株)ベースで配当総額は約8.9億円となり、配当性向は約25.4%と算出される。配当性向25%水準は配当の持続可能性に問題はなく、内部留保を成長投資に充当する方針と整合的である。現金預金187億円と潤沢な手元流動性、および営業増益によるキャッシュ創出力を考慮すると、配当支払能力は十分である。自社株買いの実績は開示データに含まれておらず、株主還元は配当中心の方針と推測される。総還元性向は配当のみで約25%であり、成長段階にある企業として内部留保を優先する姿勢が見られる。
リスク要因
- 売掛金回収長期化リスク: 売掛金回転日数73日は業種中央値61日を上回り、回収サイトが長期化している。取引先の支払遅延や契約条件の変化により運転資金需要が拡大し、キャッシュフロー悪化や追加資金調達が必要となるリスクがある。売掛金残高93億円は売上高の約20%に相当し、影響は重大である。
- 高レバレッジに伴う財務リスク: 負債資本倍率2.49倍、財務レバレッジ3.49倍と高レバレッジ経営を継続しており、金利上昇局面では利払い負担が増加する。支払利息は前年0.7億円から1.7億円へ既に倍増しており、今後の金利環境次第で収益圧迫要因となる。長期借入金114.5億円の返済スケジュール次第では借換リスクも存在する。
- 減損リスク: のれんが前年0.9億円から5.4億円へ4.5億円急増しており、M&Aや子会社取得による計上と推測される。当期も減損損失3.0億円を計上しており、投資先事業の収益化が想定通り進まない場合、追加減損が発生し純利益を圧迫するリスクがある。無形固定資産も11.4億円と増加しており、償却・減損の動向を注視する必要がある。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)IT・通信業種(2025年Q3時点、104社比較)における同社の相対的位置づけは以下の通り。収益性ではROE 31.1%が業種中央値8.3%を大幅に上回り、高収益企業として位置付けられる。営業利益率11.1%は業種中央値8.2%を上回り、純利益率7.5%も業種中央値6.0%を上回る水準で、収益性は業種内で上位に位置する。成長性では売上高成長率13.9%が業種中央値10.4%を上回り、EPS成長率20.5%は業種中央値22.0%と同等水準にあり、成長企業としてのポジションを維持している。効率性では総資産回転率1.20倍が業種中央値0.67倍を大幅に上回り、資産効率は業種内で優位にある。一方、健全性では自己資本比率28.7%が業種中央値59.2%を大きく下回り、財務レバレッジ3.49倍は業種中央値1.66倍の2倍超で、レバレッジ依存度が高い資本構成である。流動比率214.1%は業種中央値215.0%と同水準で短期流動性は確保されている。売掛金回転日数73日は業種中央値61日を上回り、回収サイトが長めである点は改善余地がある。総合すると、同社は高収益・高成長を実現しているが、高レバレッジによる財務リスクを抱える積極型経営を展開しており、業種内では収益性重視・資本効率重視のポジションにあると評価される。(業種: IT・通信業(104社)、比較対象: 2025年Q3決算期、出所: 当社集計)
決算上の注目ポイント
決算上の注目ポイントは以下3点である。第一に、ROE 31.1%という高い株主資本効率の実現であるが、その要因は財務レバレッジ3.49倍に大きく依存している。自己資本比率28.7%と業種内で低位にあり、負債資本倍率2.49倍という高レバレッジが収益性を押し上げている構造である。営業利益率11.1%という本業の収益力は堅固であるものの、レバレッジ依存度の高さは金利上昇リスクや景気後退時の財務負担増大リスクを内包しており、持続可能性の評価には資本構成の動向注視が必要である。第二に、セグメント間の収益性格差が顕著である点である。5Gインフラ支援(利益率16.6%、営業利益+39.0%)と5G生活様式支援(利益率14.4%、営業利益+13.3%)が高収益で増益基調にある一方、企業・クリエイター5G DX支援は利益率3.4%と低く、営業利益が前年比-36.5%と大幅減益となっている。売上構成比39.1%を占める主要事業の採算悪化は全体の利益率を圧迫する要因であり、当該セグメントの収益性改善が今後の業績持続性の鍵となる。第三に、のれんの急増(前年0.9億円→5.4億円、+4.5億円)と減損損失3.0億円の計上である。M&Aや子会社取得による成長投資が積極化していることが示唆されるが、当期に減損を計上していることから、投資先事業の収益化には不確実性が伴う。無形資産も11.4億円へ増加しており、今後の償却負担や追加減損リスクは利益変動要因として注視が必要である。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
AI財務分析
総括
2026年度第3四半期累計は、売上成長を維持しつつ営業利益も増益となった一方、企業・クリエイター5G DX支援事業の採算悪化と一過性損益の寄与を注視すべき決算である。売上高は461.88億円、前年同期比13.9%増となった。営業利益は51.10億円、同9.0%増である。経常利益は48.93億円、同5.5%増にとどまり、営業増益率を下回った。親会社株主に帰属する四半期純利益は33.03億円、同30.7%増となった。営業利益率は11.1%で、前年同期の11.6%から50bp低下した。売上総利益率は26.8%で、前年同期の29.2%から240bp低下しており、増収に対して売上原価の伸びが相対的に大きい。販管費は72.51億円で前年同期比1.6%増に抑制され、売上成長率を下回ったことが営業レバレッジを支えた。営業外収支は2.18億円の赤字であり、支払利息1.70億円が経常利益の伸びを抑制した。特別利益5.11億円と特別損失3.15億円を計上し、差引1.96億円の特別益が税引前利益を押し上げた。特別損失には減損損失2.99億円が含まれる。従って、親会社株主帰属利益の30.7%増は営業利益の増加に加え、特別損益および非支配株主帰属利益の減少の影響を受けており、経常的な収益力だけを表すものではない。5G生活様式支援事業はセグメント利益30.27億円、連結営業利益への寄与約59%を占める主力事業である。5Gインフラ支援事業は売上・利益ともに力強く伸長した。これに対して企業・クリエイター5G DX支援事業は増収ながら減益となり、全社マージン低下の主因として重要である。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高77.0%、営業利益83.8%、経常利益84.8%、親会社株主帰属利益94.4%である。通期予想を据え置く前提では、第4四半期に必要な営業利益は9.90億円、営業利益率は7.2%となる。資本構成ではD/Eレシオ2.49倍が警戒水準を上回るが、現預金186.85億円は有利子負債117.51億円を上回り、短期流動性は厚い。
収益性分析
年換算ROEは39.8%であり、デュポン3因子では純利益率7.2%×総資産回転率1.594倍×財務レバレッジ3.49倍に分解される。ROEの高さは、良好な総資産回転率に加え、3.49倍の高い財務レバレッジによる寄与が大きい。純利益率は5~10%の良好水準にあるが、営業利益率11.1%は前年同期比50bp低下した。粗利益率が前年同期の29.2%から26.8%へ240bp低下する一方、販管費の対売上比率は17.1%から15.7%へ140bp低下しており、コスト管理が粗利率低下を部分的に相殺した構図である。5因子分解では、税負担係数は0.649、金利負担係数は0.996、EBITマージンは11.1%である。金利負担係数は高水準で、利払いがEBITから税引前利益への変換を大きく毀損していない。もっとも、支払利息は前年同期の0.69億円から1.70億円へ増加しており、金利上昇または資金調達条件の変化に対する感応度は高まっている。セグメント別には、5Gインフラ支援事業の外部売上高は74.50億円で前年同期比18.1%増、セグメント利益は14.68億円で同39.0%増、セグメント利益率は16.6%である。5G生活様式支援事業は外部売上高208.93億円で同9.6%増、セグメント利益30.27億円で同13.3%増、利益率14.4%であり、最大の利益貢献事業である。企業・クリエイター5G DX支援事業は外部売上高178.45億円で同17.6%増ながら、セグメント利益は6.20億円で同36.5%減、利益率も6.4%から3.4%へ約290bp低下した。販管費の増勢は抑制されているため、今後の利益率改善はDX支援事業における売上原価・案件構成・価格規律の改善に大きく左右される。
成長性評価
累計売上高は前年同期比13.9%増で、通期会社計画の増収率8.9%を上回るペースにある。5Gインフラ支援事業と企業・クリエイター5G DX支援事業がそれぞれ二桁増収であり、成長の裾野は一定程度分散している。主力の5G生活様式支援事業は9.6%増収ながら、セグメント利益も13.3%増となり、収益性を維持しながら拡大している。一方、DX支援事業は17.6%増収に対して36.5%減益であり、売上成長の利益転換力が低下している。第3四半期累計の営業利益進捗率83.8%は標準進捗率75%を8.8ポイント上回る。経常利益進捗率84.8%も標準を9.8ポイント上回る。親会社株主帰属利益進捗率94.4%は標準を19.4ポイント上回るが、特別損益差引1.96億円のプラス寄与を含むため、営業面の上振れと同一視することはできない。第4四半期には売上高138.12億円、営業利益9.90億円が通期達成に必要であり、必要営業利益率7.2%は累計11.1%を下回る。したがって計画達成のハードルは累計実績対比で低い一方、通期利益率の着地は第4四半期の案件ミックスおよびDX支援事業の採算に左右される。
財務健全性
流動比率214.1%、当座比率212.5%と流動性は健全である。流動資産324.39億円は流動負債151.54億円を172.85億円上回る。現預金186.85億円だけでも流動負債の1.23倍をカバーし、満期ミスマッチの短期的なリスクは限定的である。有利子負債は117.51億円であるのに対し、現預金は186.85億円であり、差引69.34億円のネットキャッシュである。インタレストカバレッジは30.12倍と強固で、現時点の利払い負担は十分に吸収可能である。一方、品質アラートであるD/Eレシオ2.49倍は2.0倍の警戒水準を超えており、純資産110.79億円に対する負債275.57億円の大きさを示す。これは借入を活用した資本構成であることを意味し、金利上昇、借換条件の悪化、投資回収の遅延が発生した場合には株主資本に対する影響が増幅される。Debt/Capital比率は51.5%で、投資適格の目安とされる40%を上回るが、要注意水準60%は下回る。長期借入金は前年同期の151.58億円から114.51億円へ37.08億円減少した一方、1年内返済予定の長期借入金は52.34億円であり、返済・借換の資金管理は継続的な確認事項である。もっとも、現預金はこの返済予定額の3.6倍であり、流動性面の緩衝力は大きい。のれんは5.40億円、純資産比4.9%、総資産比1.4%であり、のれん残高そのものが財務基盤を大きく左右する水準ではない。のれんは前年同期比4.49億円増、493.6%増であり、取得関連資産の収益化と減損リスクは監視対象である。無形固定資産は11.40億円で前年同期比3.36億円、41.8%増となり、ソフトウェア等の投資拡大が資産構成に反映されている。利益剰余金は60.12億円で前年同期比26.50億円、78.8%増となり、当期利益の蓄積が自己資本の増強を支えた。買掛金は2.53億円で前年同期比1.48億円、141.4%増、棚卸資産は2.37億円で同1.00億円、72.9%増であり、事業規模の拡大に伴う運転資本の変動として推移を確認したい。
B/S変動のポイント
のれん: +4.49億円(+493.6%)- 5.40億円へ増加。純資産比4.9%と規模は限定的だが、取得関連事業の収益化と減損リスクを監視。買掛金: +1.48億円(+141.4%)- 2.53億円へ増加。事業規模拡大に伴う仕入・外注等の決済残高増加とみられ、運転資本の推移を確認。利益剰余金: +26.50億円(+78.8%)- 60.12億円へ増加。利益蓄積が株主資本の増強を支え、前年同期比の純資産増加に寄与。棚卸資産: +1.00億円(+72.9%)- 2.37億円へ増加。総資産比0.6%と小さいが、需要見通しと在庫回転の整合性を継続確認。無形固定資産: +3.36億円(+41.8%)- 11.40億円へ増加。ソフトウェア等の投資拡大を示し、将来の償却負担と投資回収の進捗が論点。長期借入金: -37.08億円(-24.5%)- 114.51億円へ減少。レバレッジ低下に寄与する一方、1年内返済予定の長期借入金52.34億円を含む資金管理が重要。
キャッシュフロー品質
配当持続性
通期予想の年間配当金は1株当たり41.0円である。会社予想EPS160.54円に対する予想配当性向は約25.5%であり、配当のみの還元としては60%未満の持続可能性の目安を大きく下回る。期中平均株式数2,180万株を用いた年間配当総額の概算は約8.94億円である。第2四半期配当は0円であり、年間配当の支払い時期は期末配当に集中する形となる。親会社株主帰属利益の通期予想35.0億円に対して配当総額概算は約8.94億円であり、利益ベースの配当余力はある。
リスク評価
ビジネスリスクとして、高優先度:企業・クリエイター5G DX支援事業は売上高が前年同期比17.6%増である一方、セグメント利益は36.5%減、利益率は約290bp低下した。案件ミックスの悪化、原価上昇、価格競争等が継続する場合、全社マージンの改善を阻害する。、中優先度:5G・通信関連サービスは技術更新、競争環境の変化、顧客のIT投資抑制の影響を受けやすい。特に通信インフラ・DX領域では技術陳腐化と競合による価格圧力が収益性を左右する。、中優先度:5G生活様式支援事業は連結営業利益の約59%を担う主力事業であり、同事業の成長鈍化または収益性悪化は全社業績への影響が大きい。、中優先度:のれんは5.40億円へ増加しており、取得関連事業が計画通りの収益を創出しない場合、将来の減損リスクが生じる。当期にも減損損失2.99億円を計上している。が挙げられます。
財務リスクとしては、高優先度:D/Eレシオ2.49倍は警戒水準の2.0倍を超える。現預金が有利子負債を上回るものの、負債活用度の高さは金利・借換条件の変動時に資本効率とリスクを同時に増幅させる。、中優先度:支払利息は前年同期の0.69億円から1.70億円へ増加した。インタレストカバレッジ30.12倍は十分高いが、借入金利の上昇が続く局面では経常利益への圧迫が強まる。、低優先度:1年内返済予定の長期借入金52.34億円は資金繰り管理上の確認事項である。ただし、現預金186.85億円、流動比率214.1%により、現時点の返済対応力は高い。、低優先度:その他有価証券評価差額等を含むその他の包括利益累計額はマイナス1.87億円であり、市場価格や為替の変動は純資産および包括利益の変動要因となる。が挙げられます。
主な懸念事項としては、最重要監視指標は、DX支援事業のセグメント利益率、全社粗利益率、および第4四半期の営業利益率である。、親会社株主帰属利益の高進捗には特別損益差引1.96億円の寄与があるため、経常利益および営業利益による計画達成度を重視すべきである。、D/Eレシオ2.49倍という品質アラートは、流動性の厚さによって短期的に緩和される一方、中長期の資本配分・借入政策を評価する上では重要である。が挙げられます。
投資示唆
重要ポイントとして、売上高は前年同期比13.9%増、営業利益は同9.0%増であり、増収基調は維持されている。、営業利益率は11.1%と良好な水準だが、前年同期比50bp低下しており、粗利益率の低下を販管費抑制で補う構図である。、5G生活様式支援事業が営業利益の約59%を占める主力事業であり、5Gインフラ支援事業の利益成長も全社を支えている。、DX支援事業の増収減益は、成長の利益転換力に関する最大の事業上の論点である。、通期営業利益計画に対する進捗率は83.8%で、計画達成に必要な第4四半期営業利益率は7.2%である。、D/Eレシオは2.49倍と高いが、69.34億円のネットキャッシュ、214.1%の流動比率、30.12倍の利息カバレッジが短期的な財務余力を支える。が挙げられます。
注視すべき指標は、企業・クリエイター5G DX支援事業のセグメント利益率、全社粗利益率および営業利益率、第4四半期の営業利益9.90億円および営業利益率7.2%の達成状況、支払利息と有利子負債の推移、1年内返済予定長期借入金52.34億円の返済・借換動向、のれん5.40億円および無形固定資産11.40億円の収益貢献・減損動向です。
セクター内ポジションについては、営業利益率11.1%、年換算ROE39.8%は収益性指標として強い一方、ROEは財務レバレッジ3.49倍の寄与が大きい。流動性は同業の健全目安を明確に上回るが、D/Eレシオ2.49倍は保守的な資本構成とは言い難い。IT・通信サービス企業としては、成長率と販管費効率は評価できる一方、DX支援事業の採算回復が利益率の相対的位置を決める。