記事一覧に戻る
37872026 第3四半期スタンダードJGAAP

テクノマセマティカル(3787) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は5.4億円(前年同期比+94.4%)、営業利益は5,900万円(黒字転換)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥5.4億¥2.8億+94.4%
営業利益¥0.6億−¥2.5億+123.3%
経常利益¥0.8億−¥2.4億+132.8%
純利益¥0.7億−¥2.4億+127.6%
ROE(年換算)4.9%−18.4%-

Executive Summary

売上高の急拡大により固定費吸収が進み、前年同期の営業赤字から黒字へ転換した点が最大のポイントである。売上高は5.4億円(前年比+94.4%、前年2.8億円)、営業利益は0.6億円(前年は2.5億円の赤字)、経常利益は0.8億円(前年は2.4億円の赤字)、純利益は0.7億円(前年は2.4億円の赤字)となった。増収に対し販管費が10.6%減少したことが黒字転換の主因であり、経常利益には有価証券売却益や為替差益も一部寄与している。

業績変動要因

【売上高】売上高は5.4億円で前年同期比+94.4%と急拡大した。前年同期の低水準からの回復を伴うが、増収幅は2.7億円に達し、事業規模が大きく回復した。売上原価は0.3億円にとどまり、粗利率は93.9%(前年90.1%)へ上昇した。

【損益】販管費は4.5億円で前年同期比10.6%減少し、増収と固定費削減が同時に進んだ結果、営業利益は0.6億円(前年△2.5億円)へ転換した。営業外収益0.2億円には有価証券売却益0.16億円と為替差益0.07億円が含まれ、経常利益0.8億円は営業利益を0.2億円上回る。純利益0.7億円は税引前利益0.8億円に対し実効税率15.8%を反映した水準である。増収増益であり、増益の質は営業レバレッジによる部分と非経常的な営業外収益による部分が混在する。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は10.8%(前年△90.7%)、純利益率は12.3%(前年△87.1%)と大幅に改善し、いずれも黒字水準へ転換した。粗利率は93.9%と高水準で、限界利益が高い事業構造を示す。【キャッシュ品質】売掛金は3.1億円(前年比+86.7%)、棚卸資産は0.6億円とほぼ横ばいで、売上急増に対して在庫を積み増していない点は特徴的である。一方で売掛金の回収期間は長期化傾向にあり、利益の資金化面での確認が必要である。【投資効率】ROE(年換算)は4.9%であり、純利益率の改善が寄与した一方、総資産19.5億円に対し投資有価証券8.1億円を保有する資産構成が総資産回転率を抑制している。【財務健全性】自己資本比率は94.3%、流動資産11.0億円に対し流動負債1.1億円と、財務基盤は極めて保守的である。現金及び預金は6.7億円で前年から0.7億円減少したものの、流動性余力は引き続き大きい。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は6.7億円で前年同期の7.4億円から0.7億円減少した一方、投資有価証券は8.1億円へ0.2億円増加しており、資金の一部が金融資産へ振り向けられた可能性がある。売掛金は3.1億円へ1.4億円増加しており、売上拡大に伴う運転資本の増加が資金を圧迫する方向に働いている。棚卸資産は0.6億円で前年からほぼ横ばいであり、在庫増による資金拘束は限定的である。流動負債は1.1億円と低水準にとどまり、負債による資金調達には依存していない。総じて、黒字転換にもかかわらず現金残高が減少している点は、利益の増加が現金の増加に直結していないことを示しており、売上債権の回収状況が今後の資金動向を左右する。

収益の質

経常利益0.8億円は営業利益0.6億円を0.2億円上回っており、この差異は営業外収益に計上された有価証券売却益0.16億円と為替差益0.07億円によるものである。これらは市場環境や売却判断に左右される非経常的な性質を持つため、持続的な収益力の評価は営業利益ベースで行うことが適切である。一方、販管費が前年同期比10.6%減少したことは、増収局面における固定費の抑制効果として経常的な収益改善に寄与している。売掛金が前年比+86.7%と大きく増加している点は、計上された売上と現金回収のタイミングに乖離が生じている可能性を示唆し、発生主義に基づく利益と実際のキャッシュフローとの間に一定の乖離があることを示している。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対し、Q3累計の進捗は売上高が76.6%(予想7.1億円に対し5.4億円)、営業利益は107.3%(予想0.6億円に対し0.6億円)、経常利益は105.3%(予想0.8億円に対し0.8億円)、純利益は111.7%(予想0.6億円に対し0.7億円)である。売上進捗はQ3時点として概ね標準的な水準にとどまる一方、利益面はすでに通期予想を上回っている。利益進捗の先行には固定費抑制に加え、有価証券売却益や為替差益といった営業外収益の寄与が含まれるため、残り四半期の営業利益の動向を注視する必要がある。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり0円であり、通期会社予想の年間配当も0円である。純利益0.7億円に対し配当支出がないため、配当性向は0%である。自己資本比率94.3%、現金及び預金6.7億円という財務余力を踏まえると、無配は資金制約によるものではなく、利益の内部留保による財務基盤強化を優先した結果と観察される。

リスク要因

  1. 売上債権回収リスク: 売掛金は3.1億円(前年比+86.7%)へ増加し、総資産の15.8%を占める。売上拡大に伴う運転資本増加が、利益の現金化を遅らせる可能性がある。

  2. 在庫滞留リスク: 棚卸資産は0.6億円で前年からほぼ横ばいだが、売上規模に対する保有期間の長期化が指摘される。需要変動や仕様変更により、在庫の販売可能性や評価が影響を受ける可能性がある。

  3. 営業外損益の変動リスク: 経常利益0.8億円のうち0.2億円は有価証券売却益と為替差益で構成される。投資有価証券8.1億円は総資産の41.3%を占め、市場価格変動が今後の期間損益に影響しうる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率10.8%8.3% (3.6%–18.6%)+2.5pt
純利益率12.3%6.1% (2.3%–12.8%)+6.2pt

自社の収益性はいずれも業種中央値を上回っており、営業利益率・純利益率ともに業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)94.4%10.4% (-0.9%–19.9%)+84.0pt

売上高成長率は業種中央値を大幅に上回るが、前年同期が低水準であった反動増を含む点に留意が必要である。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高94.4%増と販管費10.6%減の組み合わせにより、前年同期の営業赤字から黒字へ転換した。営業利益率10.8%、純利益率12.3%は業種中央値を上回る水準にある。

  2. 通期会社予想に対し、Q3累計で営業利益は107.3%、純利益は111.7%まで進捗しており、利益面ではすでに通期予想を超過している。ただしこの超過には営業外収益の寄与が含まれる。

  3. 自己資本比率94.3%、流動比率が高水準である一方、売掛金は前年比+86.7%と増加しており、売上拡大に伴う運転資本の動向が今後の資金効率を左右する論点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)562円
base(基準)570円
bull(強気)572円
算出前提
1株純資産(BPS)709円
調整後予想EPS25.4円
株主資本コスト r10.87%(10年国債 2.87% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向0.0%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.80倍 / 22.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 554円〜586円、ω±0.1で 565円〜573円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(112%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-08 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。