- 売上高: 136.05億円
- 営業利益: 2.96億円
- 当期純利益: -13百万円
- 1株当たり当期純利益: 27.19円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 136.05億円 | 157.17億円 | -13.4% |
| 売上原価 | 117.72億円 | - | - |
| 売上総利益 | 39.46億円 | - | - |
| 販管費 | 40.32億円 | - | - |
| 営業利益 | 2.96億円 | -86百万円 | +444.2% |
| 営業外収益 | 1.31億円 | - | - |
| 営業外費用 | 3百万円 | - | - |
| 経常利益 | 3.63億円 | 41百万円 | +785.4% |
| 税引前利益 | 65百万円 | - | - |
| 法人税等 | 78百万円 | - | - |
| 当期純利益 | -13百万円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.35億円 | -12百万円 | +2058.3% |
| 包括利益 | 2.18億円 | -19百万円 | +1247.4% |
| 支払利息 | 71万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 27.19円 | -1.46円 | +1962.3% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 62.41億円 | 71.76億円 | -9.34億円 |
| 現金預金 | 31.64億円 | 36.78億円 | -5.14億円 |
| 売掛金 | 22.83億円 | 25.49億円 | -2.66億円 |
| 固定資産 | 10.88億円 | 9.10億円 | +1.78億円 |
| 有形固定資産 | 74百万円 | 67百万円 | +6百万円 |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 1.7% |
| 粗利益率 | 29.0% |
| 流動比率 | 120.6% |
| 当座比率 | 120.6% |
| 負債資本倍率 | 3.18倍 |
| インタレストカバレッジ | 415.15倍 |
| 実効税率 | 119.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -13.4% |
| 営業利益前年同期比 | +811.8% |
| 経常利益前年同期比 | +772.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -23.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 8.87百万株 |
| 自己株式数 | 205千株 |
| 期中平均株式数 | 8.67百万株 |
| 1株当たり純資産 | 202.10円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 0.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 190.00億円 |
| 営業利益予想 | 3.20億円 |
| 経常利益予想 | 4.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 2.70億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 31.15円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のサイオス株式会社は、売上が二桁減収ながら営業黒字を大幅に拡大し、ROEは13.4%と自己資本効率を一定程度確保した四半期でした。売上高は136.05億円で前年比-13.4%、一方で営業利益は2.96億円(+811.8%)と大幅増益、経常利益は3.63億円(+772.5%)でした。営業利益率は約2.2%と推計され、前年は約0.2%とみられるため約+212bpの大幅改善と評価できます。純利益は2.35億円で前年比-23.2%、純利益率は1.7%(前年約1.95%)と約-22bp低下し、最終段階では伸び悩みました。粗利益率は29.0%と一定の収益性を維持する一方、販管費40.32億円が売上総利益39.46億円を上回る構造は依然として重く、営業外収益(1.31億円)の寄与で営業段階を上振れさせた可能性が高いです。営業外収入比率は55.8%と示されており、本業(オペレーション)以外の収益依存が当期利益の変動要因になっています。インタレストカバレッジは415倍と極めて高く、支払利息負担は軽微です。総資産は73.29億円、純資産は17.52億円で、負債資本倍率は3.18倍と高く、レバレッジドな資本構成がROE(13.4%)を押し上げています。流動比率は120.6%(当座比率同値)で短期支払能力は最低限の安全圏ですが、当社ベンチマーク150%には未達です。税前利益0.65億円に対して法人税等0.78億円、最終利益2.35億円という数値整合には不自然さがあり、特別損益や非支配損益の影響、計上区分の差異等が示唆されます(データ制約)。営業キャッシュフローは未開示のため、利益の現金裏付けは検証不能です。ROICは-10.5%と示され、投下資本収益は資本コストを下回っている可能性が高く、事業ポートフォリオの再評価や資本効率改善が課題です。売掛金は22.83億円、現金同等物は31.64億円と流動資産は厚い一方、流動負債51.75億円と満期ミスマッチの管理が重要です。今後は、営業外に依存しない形での営業利益率の安定化、ROICの反転、レバレッジの漸進的な低下が中期的課題となります。足元の減収環境下でもコストコントロールが奏功し営業損益は改善しているため、売上の底打ち・回復とともに利益率改善余地は残ります。もっとも、CF未開示と損益の整合性問題から、短期判断には注意が必要です。
デュポン分析: ROE(13.4%) = 純利益率(1.7%) × 総資産回転率(1.856) × 財務レバレッジ(4.18倍)。最もROEに寄与し、かつリスク要因となっているのは財務レバレッジ(4.18倍)です。売上が前年比-13.4%と縮小する中でも総資産回転率1.856はまだ高水準を維持し、資産効率は相対的に健全と評価できます。一方、純利益率は1.7%と薄く、営業段階の改善(営業利益+811.8%)に対し最終利益は-23.2%と伸び悩み、営業外や税負担・特別要因に揺さぶられています。前年推計の営業利益率約0.2%から当期約2.2%へは約+212bp改善したとみられ、主因は販管費の効率化や費用の一過性減少、営業外収益の上振れです。これらの改善の持続性は、営業外への依存度が高い限り限定的で、来期以降の安定は本業の粗利創出と販管費吸収力の強化次第です。懸念されるトレンドとして、売上減少下で販管費(40.32億円)が売上総利益(39.46億円)を上回る構造が続いており、営業レバレッジが逆回転しやすい点が挙げられます。
売上は136.05億円で前年比-13.4%と二桁減収。既存案件の縮小、価格改定の影響、またはプロジェクトの期ずれが示唆されます。営業利益は2.96億円と大幅改善したが、営業外収益(1.31億円)の寄与もあり、質の面では慎重評価が必要です。純利益は2.35億円で-23.2%と減益、税前利益との整合が弱く、特別項目や非支配損益の影響が疑われます。今後の持続可能性は、(1) 粗利率の安定(29.0%を維持・改善)、(2) 販管費の逓減・変動費化、(3) 需要回復による売上の底打ち、(4) 営業外依存の縮小、に依存します。見通しとしては、費用面の改善余地は残るが、減収環境が続く場合は再び営業レバレッジが逆風となりやすく、売上回復が鍵です。
流動比率は120.6%(当座比率同値)で短期流動性は最低限確保。運転資本は10.66億円、現金31.64億円を保有し、買掛金11.95億円への支払い余力はあります。一方、負債資本倍率3.18倍とレバレッジは高く、明示的に警告が必要な水準(>2.0)。総負債55.77億円のうち流動負債51.75億円と短期依存が大きく、満期ミスマッチリスクは中程度(流動資産62.41億円でカバー可能だが安全余裕は限定的)。有利子負債の内訳は未記載で、短期借入金・長期借入金比率は不明。オフバランス債務の情報はなく、リース負債や保証債務等の潜在債務は確認不能です。
営業CF、投資CF、財務CFはいずれも未記載で、営業CF/純利益やFCFは算定不可です。したがって、利益の現金裏付け(営業CF/純利益>1.0)を検証できず、品質評価には不確実性があります。売掛金22.83億円や流動負債の大きさから、期末時点の運転資本の動きが損益に与えた影響(売上計上と回収・支払いタイミングのギャップ)は読み切れません。配当・設備投資に対するFCFの持続性も評価不能で、次回開示でのCF情報の確認が必須です。
年間配当、配当総額、配当性向は未記載のため定量評価は不可です。現時点の純利益2.35億円と現金31.64億円から、常識的な配当であれば資金面の実行可能性はありますが、FCF情報がないため持続可能性には判断留保が必要です。方針面では、レバレッジ低下やROIC改善を優先すべき局面であり、過度な株主還元はバランスシートの健全性を損なう可能性があります。
ビジネスリスク:
- 減収トレンドの長期化による営業レバレッジ逆風
- 販管費が粗利を上回るコスト構造の固定化
- 営業外収益への依存度上昇に伴う業績変動リスク
- 人件費インフレや採用難による人件費率上昇
- プロジェクト期ずれ・案件採算の悪化(ITサービス業界固有)
財務リスク:
- 負債資本倍率3.18倍に伴うレバレッジリスク
- 流動負債依存度の高さ(51.75億円)による満期ミスマッチ
- ROIC -10.5%に伴う資本コスト未満の収益性リスク
- 営業CF未開示によるキャッシュ創出力の不確実性
- 税前・税後損益の整合性不良による決算の可読性低下
主な懸念事項:
- 最終利益が減益となる一方で営業段階は改善というミスマッチの持続性
- 税金費用と税前利益の逆転等の数値整合性問題(データ制約)
- 本業の収益力に比して営業外収益の寄与が大きい点
- 短期負債の大きさに比べ流動比率が限定的で安全余裕が薄い点
重要ポイント:
- 売上は二桁減だが営業利益は大幅改善、営業利益率は約+212bp改善と推計
- ROE 13.4%は高レバレッジ(4.18倍)と高い資産回転の組み合わせによるもの
- 純利益は-23.2%で鈍化、純利益率は約-22bp低下
- ROIC -10.5%は資本効率面での警戒シグナル
- 流動比率120.6%、負債資本倍率3.18倍でバランスシートの安全余裕は限定的
注視すべき指標:
- 営業CFおよびFCF(利益の現金裏付け)
- 受注残・案件パイプラインと売上ボトムアウトの時期
- 粗利益率の維持・改善と販管費率の推移
- 営業外収益依存度の低下(営業利益の質)
- レバレッジ(負債資本倍率、流動負債比率)とROICの反転
セクター内ポジション:
ITサービス・ソフトウェア中小型の中では、資産回転は良好だが、レバレッジ依存とROICマイナスがボトルネック。短期の損益改善に対し、資本効率とキャッシュ創出の検証が必要なポジション。
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