- 売上高: 191.12億円
- 営業利益: 14.38億円
- 当期純利益: 7.66億円
- 1株当たり当期純利益: 33.99円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 191.12億円 | 199.06億円 | -4.0% |
| 売上原価 | 141.09億円 | 150.32億円 | -6.1% |
| 売上総利益 | 50.03億円 | 48.74億円 | +2.6% |
| 販管費 | 35.65億円 | 40.49億円 | -12.0% |
| 営業利益 | 14.38億円 | 8.25億円 | +74.3% |
| 営業外収益 | 43百万円 | 29百万円 | +46.0% |
| 営業外費用 | 59百万円 | 46百万円 | +29.3% |
| 経常利益 | 14.22億円 | 8.09億円 | +75.8% |
| 税引前利益 | 11.22億円 | 8.39億円 | +33.8% |
| 法人税等 | 3.57億円 | 3.68億円 | -3.0% |
| 当期純利益 | 7.66億円 | 4.71億円 | +62.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7.57億円 | 4.55億円 | +66.4% |
| 包括利益 | 5.37億円 | 6.27億円 | -14.4% |
| 減価償却費 | 2.48億円 | 2.55億円 | -2.4% |
| 支払利息 | 21百万円 | 16百万円 | +30.0% |
| 1株当たり当期純利益 | 33.99円 | 20.43円 | +66.4% |
| 1株当たり配当金 | 10.50円 | 10.50円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 147.35億円 | 140.69億円 | +6.65億円 |
| 現金預金 | 80.27億円 | 75.94億円 | +4.33億円 |
| 売掛金 | 57.76億円 | 55.46億円 | +2.30億円 |
| 棚卸資産 | 59百万円 | 65百万円 | -6百万円 |
| 固定資産 | 55.52億円 | 58.80億円 | -3.28億円 |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 9.81億円 | 12.58億円 | -2.76億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -13万円 | -6.12億円 | +6.12億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 4.0% |
| 粗利益率 | 26.2% |
| 流動比率 | 139.6% |
| 当座比率 | 139.0% |
| 負債資本倍率 | 1.13倍 |
| インタレストカバレッジ | 69.77倍 |
| EBITDAマージン | 8.8% |
| 実効税率 | 31.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -4.0% |
| 営業利益前年同期比 | +74.2% |
| 経常利益前年同期比 | +75.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +66.5% |
| 包括利益前年同期比 | -14.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 23.89百万株 |
| 自己株式数 | 1.59百万株 |
| 期中平均株式数 | 22.29百万株 |
| 1株当たり純資産 | 426.79円 |
| EBITDA | 16.86億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 10.50円 |
| 期末配当 | 12.50円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 397.50億円 |
| 営業利益予想 | 26.40億円 |
| 経常利益予想 | 26.40億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 16.60億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 74.49円 |
| 1株当たり配当金予想 | 11.50円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のデジタルハーツHDは、売上減少のなかでコスト効率の改善により大幅な利益成長を達成した四半期だった。売上高は191.12億円(前年比-4.0%)と縮小した一方、営業利益は14.38億円(+74.2%)と大きく伸長し、経常利益14.22億円(+75.7%)、当期純利益7.57億円(+66.5%)と各段階で増益を確保した。粗利益は50.03億円で粗利率は26.2%、営業利益率は7.5%まで上昇した。前年同期の推計営業利益率約4.1%から約337bpの改善、純利益率は約2.3%から約4.0%へ約167bp改善した。販管費は35.65億円で、売上高比18.7%と抑制が効き、売上の減少局面でも強い営業レバレッジが発揮された。営業外では受取利息0.15億円、支払利息0.21億円などを計上し、営業外費用が収益をやや相殺したが、インタレストカバレッジは69.8倍と極めて健全。営業CFは9.81億円で、営業CF/純利益は1.30倍と利益の現金裏付けは良好だった。総資産202.86億円、純資産95.17億円、財務レバレッジ2.13倍、総資産回転率0.942、純利益率4.0%の組合せから算出ROEは8.0%と、報告値と整合的。流動性は流動比率139.6%、当座比率139.0%と基準値150%にはやや届かないが、現金80.27億円と売掛金57.76億円で流動負債105.58億円を十分にカバーできる水準。短期借入金は55.00億円と依存度はあるものの、現金超過で実質ネットキャッシュのため満期ミスマッチリスクは限定的。ROICは14.0%と高水準で、資本効率の構造改善が示唆される。配当はXBRL未記載だが、計算上の配当性向は72.6%とやや高めで、キャッシュ創出力とのバランス管理が論点。投資CFの全体像が未記載であるため、FCFの持続性評価には一定の不確実性が残る。総じて、売上の一時的な逆風下でもコスト構造の改善と高い資本効率で増益を達成した点はポジティブで、今後は売上再成長と受注・稼働率の動向、短期借入金のロールや期間長期化が注目材料となる。
ROEは8.0%で、純利益率4.0%×総資産回転率0.942×財務レバレッジ2.13倍の分解と整合する。最も寄与が大きいのは純利益率の改善で、営業利益率が約337bp拡大したことがドライバー。売上が-4.0%のなかで販管費比率の抑制とミックス改善による収益性向上が背景とみられる。営業外の影響は軽微で、事業の稼ぐ力の改善が中心的要因。こうしたコスト規律と単価・ミックス改善は、受注質の向上や高付加価値領域へのシフトが続けば持続可能性は中程度以上と評価する一方、売上基盤の縮小が続く場合は限界利益の薄化で再び逆風となる可能性がある。警戒点として、売上成長率がマイナスの間は販管費成長の再加速(採用・賃上げ等)が利益を圧迫しやすく、稼働率・単価動向のモニタリングが必須。
トップラインは191.12億円(-4.0%)と調整局面だが、営業利益は+74.2%で収益性主導の増益となった。粗利率26.2%、営業利益率7.5%まで改善しており、プロジェクトミックスと稼働最適化の進展が示唆される。今後の持続性は、案件獲得(ゲーム・エンタメ、エンタープライズQA、セキュリティ等)のパイプライン、利用率、価格改定の継続可否に依存。為替影響や大型案件の期ズレによる売上変動には注意が必要。研究開発費・採用費などの成長投資は未記載だが、利益率改善が進む局面では戦略投資の再加速が起こり得る。見通しは、売上回復が確認できれば利益成長の持続可能性は高まる一方、売上のマイナスが長引く場合は再び営業レバレッジが逆回転するリスクがある。
流動比率139.6%、当座比率139.0%で短期支払能力は概ね良好(ベンチマーク150%に若干届かず)。短期借入金55.00億円に対し現金80.27億円、売掛金57.76億円があり、短期負債105.58億円を流動資産147.35億円で十分にカバーしている。負債資本倍率1.13倍、財務レバレッジ2.13倍は過度ではない。満期ミスマッチは、短期借入金偏重ゆえ形の上では存在するが、実質ネットキャッシュで緩和されている。固定負債2.11億円と長期債務は軽微。のれん8.49億円、無形資産16.84億円とM&A関連資産は一定規模で、減損リスクはモニタリングが必要。オフバランス債務の情報は未記載。
営業CF9.81億円に対し当期純利益7.57億円で、営業CF/純利益は1.30倍と十分(>1.0倍)。運転資本の詳細内訳は不明だが、売上減の局面でCFが利益を上回っており、引当・入金条件等の健全性は概ね良好と評価。投資CFは未記載で全体像は不明ながら、設備投資額-1.04億円が示され、参考として営業CF−設備投資=約8.77億円の暫定FCF(投資CFが設備投資に概ね限られる前提)と推計できる。財務CFは-0.00億円で純変動は小さい。運転資本操作の兆候は現時点データからは限定的だが、売掛金57.76億円の回収日数や前受金・未払費用の動向は継続確認が必要。
配当情報は未記載だが、計算上の配当性向72.6%はやや高め(目安<60%)。暫定FCF(営業CF−設備投資)約8.77億円と仮置きした場合、当期純利益7.57億円に対する現金創出力は良好で、平常年の範囲なら配当原資は賄える可能性が高い。一方、投資CF全体の未記載(M&Aや有価証券取得がある場合)や売上減が続く場合にはカバレッジが低下しうる。仮に計算配当性向が維持されると総配当は概算5.5億円規模(7.57億円×72.6%)となり、営業CF対配当の安全域は一定程度ある。方針面では、成長投資と株主還元のバランス管理が重要で、投資加速局面では配当性向の弾力運用が想定される。
ビジネスリスク:
- 売上減少局面での稼働率・単価の低下リスク
- ゲーム・エンタメ案件比率の高さに伴う需要変動(案件期ズレ・発売計画変更)
- 人件費・採用費の上昇によるコスト圧力
- M&A依存度に起因するのれん・無形資産の減損リスク
財務リスク:
- 短期借入金依存によるリファイナンス・金利上昇リスク(現金超過で緩和)
- 売掛金回収の遅延や与信悪化による運転資本膨張
- 配当性向高止まりによるキャッシュアウト増加(投資CF次第でFCF圧迫)
主な懸念事項:
- 売上のマイナス成長が継続した場合の営業レバレッジ逆回転
- 投資CF詳細が未記載のため、FCFの持続性評価に不確実性
- 無形資産比率の上昇に伴う将来の減損リスク増大
重要ポイント:
- 売上-4%でも営業利益+74%と収益性の質的改善が進展
- 営業利益率は約7.5%へ上昇(前年から+337bp)、純利益率も+167bp改善
- 営業CF/純利益1.30倍とキャッシュ創出は良好、暫定FCFも黒字圏
- 短期借入金55億円だが現金80億円で実質ネットキャッシュ、流動性は良好
- ROIC14%・ROE8%と資本効率は目標水準を上回る
注視すべき指標:
- 受注残・稼働率・平均単価(粗利率の先行指標)
- 売掛金回転日数と営業CF/純利益比率の継続性
- 短期借入金のロール状況・金利条件・期間長期化の進捗
- 投資CF(M&A・無形投資)の規模とリターン
- 人件費インフレ下での販管費率のコントロール
セクター内ポジション:
売上の短期的逆風下でもコスト構造の見直しとミックス改善で高い収益性回復を示しており、資本効率指標(ROIC/ROE)も堅調。流動性は十分でレバレッジは管理可能な範囲にある一方、売上トレンドの反転確認と投資CFの可視性向上が次の評価軸となる。
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