- 売上高: 259.33億円
- 営業利益: 10.02億円
- 当期純利益: -6.62億円
- 1株当たり当期純利益: -2.39円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 259.33億円 | 259.75億円 | -0.2% |
| 売上原価 | 192.16億円 | - | - |
| 売上総利益 | 67.58億円 | - | - |
| 販管費 | 79.66億円 | - | - |
| 営業利益 | 10.02億円 | -12.08億円 | +182.9% |
| 営業外収益 | 7.20億円 | - | - |
| 営業外費用 | 4.60億円 | - | - |
| 経常利益 | 18.05億円 | -9.47億円 | +290.6% |
| 法人税等 | 6.43億円 | - | - |
| 当期純利益 | -6.62億円 | -26.24億円 | +74.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -3.06億円 | -18.66億円 | +83.6% |
| 包括利益 | 77百万円 | -21.44億円 | +103.6% |
| 減価償却費 | 2.83億円 | - | - |
| 支払利息 | 7百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | -2.39円 | -14.55円 | +83.6% |
| 1株当たり配当金 | 20.00円 | 0.00円 | - |
| 年間配当総額 | 25.67億円 | 25.67億円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 672.67億円 | - | - |
| 現金預金 | 502.50億円 | - | - |
| 固定資産 | 125.37億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 16.41億円 | - | - |
| 無形資産 | 15百万円 | - | - |
| 投資有価証券 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 26.45億円 | 2.37億円 | +24.08億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -32.85億円 | -80.87億円 | +48.02億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -32.32億円 | -8.96億円 | -23.36億円 |
| フリーキャッシュフロー | -6.40億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 3.9% |
| 総資産経常利益率 | 2.3% |
| 配当性向 | -1.4% |
| 純資産配当率(DOE) | 3.5% |
| 1株当たり純資産 | 536.66円 |
| 純利益率 | -1.2% |
| 粗利益率 | 26.1% |
| 流動比率 | 1024.3% |
| 当座比率 | 1024.3% |
| 負債資本倍率 | 0.12倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -0.2% |
| 営業利益前年同期比 | -99.4% |
| 経常利益前年同期比 | -99.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 130.23百万株 |
| 自己株式数 | 1.78百万株 |
| 期中平均株式数 | 128.43百万株 |
| 1株当たり純資産 | 536.70円 |
| EBITDA | 12.85億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 20.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Entertainment | 232.64億円 | -1.80億円 |
| InvestmentDevelopment | 26.68億円 | 11.80億円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
株式会社コロプラ(連結、JGAAP)の2025年度Q4決算は、売上高2,593億円(前年同期比-0.2%)と横ばい推移の一方、営業利益は10億円(-99.4%)と急減し、最終損益は3億円の赤字となりました。粗利益は67.6億円、粗利率は26.1%で前年からの大幅改善は見られず、コスト構造の硬直性が示唆されます。営業利益率は3.9%に低下、経常利益率は6.9%を確保したものの、特別損失の計上が示唆され、税前後の大きなギャップが純損に直結しました。実際、経常利益18.1億円と税負担6.4億円から逆算すると、特別損失純額は約14.7億円規模と推定され、これが当期純損失の主因です。デュポン分析では、純利益率-1.18%、総資産回転率0.342回、財務レバレッジ1.10倍によりROEは-0.44%となり、収益性の低下が自己資本効率を押し下げています。営業キャッシュフローは26.5億円の黒字で、損益との乘離(営業CF/純利益=-8.64倍)は一過性損失・非現金要因の影響が色濃いと解されます。投資CFは-32.9億円の支出、フリーキャッシュフローは-6.4億円で、開発投資や有形・無形投資が資金需要を生んでいます。負債合計は84.2億円、負債資本倍率0.12倍、流動比率1,024%とバランスシートの安全性は極めて高い水準です。インタレストカバレッジは143倍と利払い耐性は十分で、財務リスクは限定的です。営業レバレッジは高く、売上が横ばいでも利益が大きく振れる構造が確認されました。SG&Aは推計575.6億円相当(売上比22.2%)と重く、費用最適化が急務です。収益の質は、営業CF黒字・損益赤字という構図から、キャッシュ創出力は残る一方で、計上利益は一過性の損失に大きく左右されたと評価できます。配当は無配で、FCFが小幅赤字であることからも内部留保・投資優先の方針と整合的です。ゲーム事業特有のヒット依存・寿命短期化の逆風に加え、ユーザー獲得費や減価償却負担の固定費化が利益変動を増幅しています。今後は新作パイプラインのヒット率、既存タイトルのARPU・継続率、及び開発・広告費の弾力的コントロールが鍵となります。総じて、財務健全性は強固ながら、収益性の回復とFCF安定化が中期的な課題です。
ROE分解(デュポン):純利益率-1.18% × 総資産回転率0.342回 × 財務レバレッジ1.10倍 ≈ ROE -0.44%。純利益率のマイナスがROE低下の主因。売上総利益率は26.1%に留まり、コスト改善余地が大きい。営業利益率は3.86%(10.02億円/259.33億円)と低位。経常利益率は6.96%で、営業外収益(純額+8.03億円、売上比+3.1%)が利益を下支え。純損失の背景には約14.7億円の特別損失が示唆され、持続的な収益力は営業段階で評価するのが適切。EBITDAは12.85億円、EBITDAマージン5.0%とキャッシュ創出力は限定的。費用面ではSG&A比率22.2%(≒575.6億円/売上)と高水準で、広告宣伝・開発投資の固定化がマージンを圧迫。営業レバレッジ:売上が-0.2%と小幅減に対し、営業利益が-99.4%と急減しており、固定費比率の高さと収益ミックス悪化(高マージンタイトルの減速など)が示唆される。今後の利益率改善は、(1)タイトルポートフォリオの最適化(収益性の高い運営タイトルのテコ入れ)、(2)UA/広告費のROI管理、(3)開発ラインの選択と集中に依存。
売上は-0.2%と底這いで、既存タイトルの減衰を新作・イベント施策で概ね相殺した可能性。利益の質は、営業外収益で経常段階が底上げされる一方、特別損失で最終損が発生しており、コア事業の持続的成長は営業利益・EBITDAの回復で判断すべき局面。ユーザー動向(MAU、ARPU、課金率)やランキング推移の改善が伴わなければ、売上の持続性は限定的。投資CFが-32.9億円と大きく、タイトル開発・IP投資の継続が示唆され、中期の売上成長オプションは保持。短期見通しは、既存タイトルのイベント施策とコスト抑制によるマージン回復が主軸。中期は新作のヒット有無がKPIを左右し、1~2本のヒットで売上・EBITDAが非線形に改善し得る一方、失敗時はFCFのボラティリティが高まる。収益ミックスの改善(内製比率・自社IPの比重上昇)は構造的な粗利率改善につながる可能性。
流動性は流動比率1,024%、当座比率1,024%と非常に厚く、運転資本607億円で短期支払余力は極めて高い。支払能力は、インタレストカバレッジ143倍と利払い負担が軽微、負債資本倍率0.12倍でレバレッジは低位。総資産757億円に対し負債84億円と保守的な資本構成で、追加調達に依存しない耐性がある。普通株主資本の厚みが自己資本コストを下支えする一方、低ROEは資本効率面の課題。
営業CFは26.45億円の黒字で、損益の赤字と対照的。これは非現金費用(減価償却2.83億円)や運転資本の改善、及び一過性損失の計上による損益・CFの乘離が背景。投資CFは-32.85億円で、無形資産計上・事業投資が主因とみられる。FCFは-6.4億円(営業CF+投資CF)と小幅赤字であり、投資の前倒しが現金流出を押し上げた。営業CF/純利益は-8.64倍で、会計利益よりキャッシュ創出力の方が相対的に良好。運転資本は607億円と潤沢で、短期のタイトル波動に対するクッションを提供。今後は、(1)新作投入時期の投資負担、(2)UA費のキャッシュアウト、(3)運営タイトルの季節性による入金サイクルの変動に留意。
年間配当は0円、配当性向0.0%。FCFが-6.4億円であることを踏まえると、当期の無配は内部投資優先の資本配分方針と整合的。ネットキャッシュ余力と低レバレッジを背景に将来的な株主還元余地はあるが、足元は利益とFCFの安定化が前提。持続可能性の観点では、安定した営業CFとプラスのFCFへの転換が確認されるまでは積極的分配は抑制的となる可能性が高い。
ビジネスリスク:
- ヒット依存・タイトル寿命短期化による売上ボラティリティ
- UA(ユーザー獲得)費の高騰とROI悪化による利益圧迫
- アプリストア規約変更・手数料やプラットフォーム政策の影響
- 開発遅延・品質問題による新作立ち上げリスク
- 為替変動による海外売上・コストへの影響(海外比率次第)
- 競争激化による既存タイトルのアクティブ率・ARPU低下
財務リスク:
- FCFの不安定化(投資CF先行・新作不発時)
- 特別損失の計上による当期純利益の振れ幅拡大
- 資本効率の低下(低ROEの長期化)
- 減損リスク(無形資産・開発資産の回収可能性)
主な懸念事項:
- 営業利益の大幅減少(-99.4%)と固定費比率の高さ
- 特別損失推定約14.7億円による最終赤字転落
- EBITDAマージン5%と低いキャッシュ創出力
- FCF -6.4億円で投資回収の可視性が限定的
重要ポイント:
- 売上は横ばいだが、費用構造の硬直化で利益感応度が高い
- 営業外収益で経常段階は黒字確保も、特損で純損失
- 営業CFは堅調でキャッシュ創出力は残存、FCFは投資先行で小幅赤字
- 財務安全性は高く、低レバレッジ・高流動性が下支え
- 中期の業績回復は新作の成功とコストの可変化が鍵
注視すべき指標:
- 既存タイトルのMAU/ARPU・課金率と上位ランク推移
- 広告宣伝費とLTV/CACのバランス(ROI)
- 開発投資額(投資CF)とプロジェクト本数・進捗
- EBITDAマージンと営業CFのトレンド
- 特別損失・減損の発生動向
- 総資産回転率と運転資本の推移
セクター内ポジション:
国内スマホゲーム専業の中では財務健全性(低負債・高流動性)は上位だが、タイトルポートフォリオのヒット率低下と固定費負担により収益性・資本効率は相対的に見劣り。新作の成功有無でランキングは大きく変動しうる。
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