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36262026 第3四半期プライムJGAAP

TIS(3626) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益12%増

2026年度第3四半期の売上高は4,363億円(前年同期比+4.7%)、営業利益は548億円(同+12.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

TIS株式会社

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥4362.5億¥4165.6億+4.7%
営業利益¥548.0億¥488.8億+12.1%
経常利益¥557.1億¥505.8億+10.1%
純利益¥396.5億¥359.2億+10.4%
ROE(年換算)15.5%13.5%-

Executive Summary

TISの2026年3月期第3四半期累計は増収増益であり、利益成長が売上成長を上回る収益性改善を伴う決算となった。売上高は4,362.5億円(前年比+4.7%)、営業利益は548.0億円(同+12.1%)、経常利益は557.1億円(同+10.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は381.96億円(同+10.8%)となった。増益の主因は不採算案件の減少と販管費の抑制であり、売上総利益率は28.0%へ改善、販管費率は15.4%へ低下した。通期会社予想(売上5,880億円、営業利益750億円)に対する進捗率は売上74.2%、営業利益73.1%と、標準進捗75%をわずかに下回るが、計画達成には想定内の水準である。

業績変動要因

【売上高】売上高は4,362.5億円で前年同期比+4.7%増加した。主力の広域ITソリューション(+5.2%)、産業IT(+4.6%)、オファリングサービス(+9.0%)が牽引した一方、金融ITは大型開発案件のピークアウトと運用業務終了により▲1.7%の減収となった。決済分野・エンタープライズ系や、サービス・製造・流通業種でのIT投資需要拡大が全体の増収を支えた。

【損益】営業利益は548.0億円(前年比+12.1%)と売上成長率を上回るペースで拡大し、営業利益率は12.6%(前年11.7%)へ改善した。不採算案件の減少(+10.9億円の押し上げ効果)と販管費の伸び抑制(+0.8%増にとどまる)が主因である。経常利益は557.1億円(+10.1%)で、営業外収支は9.0億円の黒字。税引前利益には投資有価証券売却益32.0億円を含む特別利益39.4億円と、減損損失13.9億円を含む特別損失27.0億円が計上されており、これらは一時的要因として区分すべきである。特別損益の純額寄与は12.5億円と税引前利益の2.2%にとどまり、純利益増加の主因は営業利益の増益にある。結論として増収増益。

セグメント別分析

売上構成比が最大の広域ITソリューション(売上1,335.6億円、構成比30.6%)が主力事業であり、営業利益155.8億円(利益率11.7%)で増収増益に寄与した。もっとも利益率が高いのは産業IT(166.3億円、利益率17.0%)で、サービス・組立系製造業のIT投資拡大を背景に営業利益+17.7%と全セグメント中最大の伸びを示し、全社増益の主要因となっている。金融ITは大型案件ピークアウトにより売上が減少したが、モダナイゼーション等高付加価値ビジネスにより営業利益は+5.3%増と増益を確保した。BPMは利益率14.2%と高水準を維持し、営業利益は+23.1%増加した。オファリングサービスは利益率6.7%と5セグメント中最も低く、セグメント間の利益率格差が見られる。

主要財務指標

収益性: ROE(年換算)15.5%、営業利益率12.6%(前年11.7%) キャッシュ品質: 個別の営業CFデータは非開示 投資効率: 個別の設備投資・減価償却データは非開示 財務健全性: 自己資本比率65.1%、流動比率207.2%

キャッシュフロー分析

本決算短信にはキャッシュフロー計算書の詳細項目が開示されていないため、営業CF・投資CF・財務CFの個別評価は困難である。貸借対照表からは現金及び預金802.5億円を保有し、流動負債1,319.3億円に対する現金カバーは0.61倍、短期借入金219.2億円に対しては3.66倍と厚い流動性を確保している。自己株式が前年同期比406.4億円増加しており、株主還元関連の資金支出があったことが示唆される。

収益の質

経常利益557.1億円は営業利益548.0億円を9.0億円上回り、その差は営業外収益23.0億円(受取配当金9.5億円、為替差益4.8億円等)と営業外費用13.9億円(支払利息4.2億円等)の差引によるもので、売上高比0.5%と小さい。税引前利益569.5億円は経常利益を12.5億円上回るが、これは投資有価証券売却益32.0億円を含む特別利益39.4億円と、減損損失13.9億円を含む特別損失27.0億円の純額であり、一時的要因として経常的収益力とは区分すべきである。経常利益と親会社株主帰属純利益(381.96億円)の乖離は31.4%で、法人税等173.1億円と非支配株主帰属利益14.5億円が主因である。

業績予想・ガイダンス

通期予想(売上5,880億円、営業利益750億円、経常利益750億円)は据え置かれている。進捗率は売上高74.2%、営業利益73.1%、経常利益74.3%で、いずれも標準進捗75%をやや下回るが乖離は2pt以内にとどまる。会社側は下期に売上2,995億円、営業利益394億円を見込むが、これは前年下期実績(売上2,961億円、営業利益385億円)をやや上回る水準であり、達成可能性は高いとみられる。受注高は当期累計3,911億円(前年比+2.1%)と緩やかに増加した一方、受注残高は前年同期比で減少しており、将来の売上可視性はやや低下している。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり38.00円、通期予想配当は76.00円である。予想EPS220.70円に基づく予想配当性向は約34.4%で、利益水準に対し配当は保守的な水準にある。自己株式残高は前年同期比406.4億円増加しており、配当に加え自社株買いを実施しているとみられるが、取得額の内訳が開示されていないため総還元性向は算定していない。

カタリスト

【短期】第4四半期における売上高1,517.5億円・営業利益202.0億円の達成状況が通期計画達成の焦点となる。決済分野の先行投資増や公共系案件の収益性動向も注目点である。

【長期】モダナイゼーション等高付加価値ビジネスの拡大、人材投資・研究開発投資による成長基盤強化、受注残高の推移が中期的な成長の持続性を左右する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率12.6%8.3% (3.6%–18.6%)+4.3pt
純利益率9.1%6.1% (2.3%–12.8%)+3.0pt

自社の収益性は業種中央値を上回り、IQR上位に近い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)4.7%10.4% (-0.9%–19.9%)−5.8pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、高収益性と相対的に緩やかな成長という組み合わせが特徴である。

※出所: 当社集計

リスク要因

  1. 売上債権回収の長期化: 売掛金・受取手形は1,329.0億円で、算出されるDSOは約83日と長水準にある。プロジェクト型ITサービスにおける検収・請求タイミングの長期化は運転資本の拘束要因となり得る。

  2. 短期負債構成への依存: 流動負債は総負債の59.9%を占め、短期借入金は219.2億円である。現金及び預金802.5億円・流動比率207.2%が緩和要因だが、資金繰り構成は継続的な確認が必要である。

  3. セグメント別の需要変動: 金融ITは大型案件のピークアウトと運用業務終了により減収となった。公共系案件の収益性悪化や税理士事務所向けシステムの更新サイクル一巡など、案件構成の変化が個別セグメントの業績に影響している。

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は12.6%まで拡大し、前年同期の11.7%から82bp改善した。不採算案件の減少と販管費抑制による効率化が主因であり、業種中央値8.3%を4.3pt上回る水準にある。

  2. 受注高は前年比+2.1%と緩やかに増加した一方、受注残高は前年同期比で減少しており、将来の売上見通しの先行指標としてはやや弱含みである点が確認できる。

  3. 自己株式が前年同期比406.4億円増加し、総資産の約10%に達している。資本効率指標を押し上げる一方、純資産の縮小を伴っており、資本配分方針の推移が今後の観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,741円
base(基準)1,791円
bull(強気)1,853円
算出前提
1株純資産(BPS)1,521円
調整後予想EPS231.4円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向34.4%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.18倍 / 7.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,741円〜1,844円、ω±0.1で 1,785円〜1,801円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。