| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥5964.8億 | ¥5716.9億 | +4.3% |
| 営業利益 | ¥762.3億 | ¥690.5億 | +10.4% |
| 経常利益 | ¥765.1億 | ¥705.0億 | +8.5% |
| 純利益 | ¥440.5億 | ¥470.1億 | -6.3% |
| ROE | 13.0% | 13.2% | - |
2026年3月期決算は、売上高5,964.8億円(前年比+247.9億円 +4.3%)、営業利益762.3億円(同+71.8億円 +10.4%)、経常利益765.1億円(同+60.1億円 +8.5%)、純利益440.5億円(同-29.6億円 -6.3%)。営業段階では堅調な増収と二桁営業増益を確保し、営業利益率は12.8%と前年比+0.7pt改善したが、特別損益の悪化(特別利益の縮小と特別損失の拡大)により最終減益。特別利益51.2億円(投資有価証券売却益43.7億円等)は前年95.7億円から減少、特別損失126.8億円(減損28.3億円、投資有価証券評価損12.7億円等)は前年59.3億円から倍増し、税引前利益689.5億円(前年741.5億円)となった。ROEは13.0%、営業CFは814.5億円(前年比+27.8%)と利益の1.85倍を創出し、FCFは505.3億円を確保。559.3億円の自己株買いを実施し、総還元性向は純利益比で約146%と積極的な株主還元姿勢を示した。
【売上高】売上高5,964.8億円(前年比+4.3%)は、Regional IT Solutionsが1,842.4億円(+3.8%)と規模と安定成長を両立、Offering Serviceが1,605.7億円(+10.3%)と高成長を牽引した。Industrial ITは1,334.0億円(+4.1%)、Business Process Managementは440.9億円(+3.4%)と堅調に推移。一方、Financial ITは987.3億円(-1.5%)と微減で、金融業界向けの投資サイクル調整や競合環境の影響が示唆される。セグメント別構成比は、Regional IT Solutionsが30.9%、Offering Serviceが26.9%、Industrial ITが22.4%と多角化が進展。契約負債は378.4億円と前年279.4億円から+99.0億円増加し、受注・前受の積み上がりが将来の売上認識を下支えする先行指標となった。粗利率は28.2%と前年28.0%から+0.2pt改善し、高付加価値案件の比率向上とプロジェクト採算管理の徹底が寄与した。
【損益】営業利益762.3億円(前年比+10.4%)は、売上成長と粗利率改善に加え、販管費の効率的管理によって実現。販管費率は15.4%と前年15.9%から-0.5pt改善し、営業レバレッジが機能した。セグメント別の営業利益は、Regional IT Solutionsが233.3億円(+8.1%)と最大の稼ぎ頭、Industrial ITが225.1億円(+16.4%)と二桁増益、BPMが64.0億円(+20.1%)と大幅増益でマージン14.5%と高収益を維持。Offering Serviceは104.4億円(+5.1%)と増収にマージン向上が追いつかず、マージン6.5%の低位が全社収益性を希釈する構造。経常利益765.1億円(+8.5%)は、営業外収益26.1億円(受取配当9.7億円、為替差益4.3億円等)から営業外費用23.3億円(支払利息6.0億円、持分法損失7.5億円等)を差し引き、営業利益と同水準。純利益440.5億円(-6.3%)は、税引前利益689.5億円から法人税等203.6億円(実効税率29.5%)と非支配株主帰属利益19.7億円を控除し着地。一時的要因として、特別利益51.2億円(主に投資有価証券売却益43.7億円)の前年比縮小と特別損失126.8億円(減損28.3億円、投資有価証券評価損12.7億円)の拡大が最終利益を圧迫した。結論として、増収増益かつマージン改善の営業実態は堅調ながら、特別損益の悪化により最終減益となった。
Regional IT Solutionsは売上高1,842.4億円(前年比+3.8%)、営業利益233.3億円(+8.1%)、マージン12.7%と、規模・収益性・安定成長の三拍子を兼ね備える主力。Industrial ITは売上高1,333.96億円(+4.1%)、営業利益225.1億円(+16.4%)、マージン16.9%と最高益率セグメントで、製造業向け高付加価値案件の積み上がりが利益率向上を牽引。Business Process Managementは売上高440.9億円(+3.4%)、営業利益64.0億円(+20.1%)、マージン14.5%と大幅増益で、効率化・アウトソーシングニーズの拡大を捉えた。Financial ITは売上高987.3億円(-1.5%)、営業利益127.3億円(+3.3%)、マージン12.9%と、減収ながら利益率改善で収益性を維持。Offering Serviceは売上高1,605.7億円(+10.3%)と高成長だが、営業利益104.4億円(+5.1%)、マージン6.5%に留まり、スケールメリットの顕在化と価格改定・ミックス改善が次の課題。その他は売上高104.0億円(+2.7%)、営業利益9.4億円(+7.2%)、マージン9.0%と小規模ながら安定稼働。
【収益性】ROEは13.0%、営業利益率は12.8%と前年12.1%から+0.7pt改善し、粗利率28.2%(前年28.0%)の向上と販管費率15.4%(前年15.9%)の効率化が寄与した。純利益率は7.4%と前年8.2%から-0.8pt低下したが、これは特別損益の悪化によるもので、営業段階の収益性は改善基調。デュポン分解ではROE13.0%=純利益率7.4%×総資産回転率1.082×財務レバレッジ1.63倍で、適度なレバレッジと高回転率がROEを支えた。ROAは8.5%と前年8.4%とほぼ同水準で、資産効率は安定している。【キャッシュ品質】営業CF814.5億円は純利益440.5億円の1.85倍、営業CF/営業利益は1.07倍と利益の現金裏付けは極めて良好。OCF/EBITDAは0.87倍と基準値0.9倍を僅かに下回り、回収サイトや前受金解消のタイミング影響が示唆される。アクルーアル比率は-3.9%と低水準で、利益の質は高い。設備投資201.3億円に対し減価償却178.7億円でキャップレックス/減価償却は1.13倍と、成長投資を継続する姿勢が確認できる。【投資効率】総資産回転率は1.082回転と良好で、売掛金回転日数(DSO)は88日と長めだが、契約負債378.4億円の積み上がりがキャッシュ拘束を相殺する。在庫回転日数は4.7日と極めて短く、SI・サービス業の特性を反映。固定資産回転率は2.33回転と高効率で、データセンター・開発拠点の稼働率は良好。【財務健全性】自己資本比率は61.2%、Debt/Equity比率は0.14倍、Debt/EBITDA比率は0.37倍と、極めて低レバレッジで財務余力は厚い。流動比率は179.8%、当座比率は176.5%と短期支払能力は強固。現金及び預金872.4億円に短期有価証券102.3億円を加えた流動性は974.7億円で、短期借入金213.3億円を大きく上回る。インタレストカバレッジは126.6倍(営業CF/支払利息)で金利耐性は極めて高い。
営業CFは814.5億円(前年比+27.8%)で、純利益440.5億円の1.85倍を創出し、利益の現金裏付けは極めて良好。営業CF小計1,018.3億円から、運転資本変動として売上債権の減少74.2億円(回収進展)、仕入債務の増加7.8億円がプラス寄与し、在庫増加-6.7億円は小幅なマイナス。法人税等の支払-214.6億円を控除し、814.5億円を確保。投資CFは-309.2億円で、設備投資-201.3億円(データセンター・開発環境整備)、無形資産取得-78.8億円(ソフトウェア等)が主な支出。有価証券売却・償還53.8億円、投資有価証券取得-48.1億円はネットで小幅なキャッシュアウト。FCFは505.3億円で、配当163.8億円と設備投資201.3億円を十分に賄い、FCFカバレッジ(FCF/配当)は3.08倍と余力厚い。財務CFは-783.6億円で、自己株買い-559.3億円、配当-170.9億円(親会社株主へ-163.8億円、非支配株主へ-16.4億円)が主因。長期借入107.0億円、返済-130.7億円でネット-23.7億円の返済。現金は期首1,212.9億円から期末937.3億円へ-275.5億円減少したが、潤沤な手元流動性を維持し、低レバレッジと高CFO創出力により、財務柔軟性は依然として高い。
収益の中心は営業利益762.3億円で、全社売上の12.8%と高水準のマージンを確保し、経常性は高い。営業外収益26.1億円は受取配当9.7億円、受取利息6.0億円、為替差益4.3億円等で構成され、売上高比0.4%と小規模で利益構造への依存度は低い。一時的要因として、特別利益51.2億円(投資有価証券売却益43.7億円、固定資産売却益7.2億円)は前年の投資有価証券売却益85.6億円から大幅縮小し、特別損失126.8億円(減損28.3億円、投資有価証券評価損12.7億円等)は前年59.3億円から倍増。この一時項目の悪化が税引前利益を圧迫し、純利益減少の主因となった。営業CFは814.5億円で純利益の1.85倍に達し、アクルーアル比率-3.9%と低水準で、利益の現金裏付けは極めて強固。OCF/EBITDAは0.87倍と基準値0.9倍をわずかに下回り、売掛金回収のタイミング影響が示唆されるが、契約負債の積み上がりと併せて総合的には健全。持分法投資損益は-7.5億円の損失だが、前年は+8.3億円の利益で、関連会社の業績変動が要因。営業段階の収益性は堅調に改善しており、一時項目の変動を除けば、収益の質は高いと評価する。
2027年3月期通期予想は、売上高6,200.0億円(前年比+3.9%)、営業利益810.0億円(+6.3%)、経常利益810.0億円(+5.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益570.0億円、EPS271.7円を見込む。当期実績(売上5,964.8億円、営業利益762.3億円)からの進捗率は、売上96.2%、営業利益94.1%と順調に推移。増収率+3.9%は当期+4.3%からやや減速するが、営業増益率+6.3%は営業レバレッジの持続を示唆し、マージン改善基調の継続を見込む。純利益は前年比+29.4%と大幅増益を計画しており、これは当期の一時損失要因の正常化を前提としている。配当予想は年間45円で、配当性向は約43.4%と前期実績配当性向39.2%から上昇し、増益を株主還元に振り向ける姿勢が確認できる。会社計画は、高収益セグメント(Industrial IT、BPM)の伸長、Regional IT Solutionsの安定稼働、Offering Serviceの採算改善を前提に、堅実な増収増益シナリオを描いている。
年間配当は80円(中間38円、期末42円)で、配当性向は39.2%と持続可能レンジ。前年配当は34円(中間34円、期末は第2四半期時点の開示では未公表)で、実質的な増配姿勢を確認。配当の原資となるFCFは505.3億円で、配当総額163.8億円(親会社株主向け、従業員持株会信託・役員報酬BIP信託分6.2億円+3.9億円含む)を十分にカバーし、FCFカバレッジは3.08倍と余力厚い。当期は自己株買い559.3億円を実施し、配当と合わせた総還元額は約723.1億円、純利益440.5億円に対する総還元性向は約164%と高水準で、バランスシートを活用した積極還元局面。自己株式は期末-312.8億円と前年-119.6億円から大幅増加し、資本効率向上と1株価値押上げに寄与する。2027年3月期配当予想は年間45円で、会社予想EPS271.7円に対する配当性向は約43.4%と前期から上昇し、増益を株主還元に反映する方針。配当は安定的に増配基調、自己株買いは機動的に活用し、ROE水準の維持・向上と株主価値最大化を図る設計が確認できる。
プロジェクト採算・進捗リスク: 大型SI案件の受注損失引当金4.57億円(前年4.87億円)を計上しており、プロジェクト型ビジネスの採算管理が常態的なリスク要因。工期遅延、要件変更、人員不足等により予期せぬ損失計上の可能性があり、営業利益率の変動要因となる。高収益案件の積み上げで平均マージンは改善傾向だが、個別案件の採算悪化が全社収益に与える影響は大きい。契約負債378.4億円の積み上がりは受注好調を示唆する一方、プロジェクトの進捗と収益認識のタイミング管理が重要。
運転資本・流動性リスク: 売掛金1,441.1億円(売上高比24.2%)、DSO88日と回収サイトが長く、運転資本が約1,311億円と総資産の23.8%を占める。顧客の支払遅延や貸倒リスクが顕在化すれば、OCF/EBITDAの低下(現状0.87倍)や流動比率の悪化を招く可能性がある。短期借入金213.3億円に対し現預金872.4億円と流動性は十分だが、短期負債比率61.3%と満期集中の構造があり、借換コストや調達環境の変化が財務に影響する。
特別損益の変動リスク: 当期は特別利益51.2億円(投資有価証券売却益中心)と特別損失126.8億円(減損28.3億円、投資有価証券評価損12.7億円等)を計上し、特別損益のネットで-75.6億円と純利益を圧迫。投資有価証券587.0億円(純資産比17.4%)を保有し、時価変動や売却のタイミングにより純利益が大きく変動する。減損リスクは、のれん79.7億円、無形資産466.7億円(ソフトウェア162.8億円等)に内在し、事業環境悪化や回収可能性の見直しで追加減損の可能性がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 12.8% | 8.1% (3.6%–16.0%) | +4.7pt |
| 純利益率 | 7.4% | 5.8% (1.2%–11.6%) | +1.5pt |
営業利益率12.8%は業種中央値8.1%を+4.7pt上回り、上位四分位レンジに位置。純利益率7.4%も中央値5.8%を+1.5pt上回り、業種内で高収益性を維持している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 4.3% | 10.1% (1.7%–20.2%) | -5.8pt |
売上高成長率4.3%は業種中央値10.1%を-5.8pt下回り、業種内では低成長レンジ。高収益性を維持する一方、成長スピードは業種平均を下回る構造が確認される。
※出所: 当社集計
営業力の堅調と最終利益の正常化期待: 営業利益+10.4%、営業利益率+0.7ptと営業段階の収益性は改善基調で、高収益セグメント(Industrial IT、BPM)の伸長とコスト管理の徹底が奏功。当期の純利益減少は特別損益の悪化(減損28.3億円、投資有価証券評価損12.7億円、売却益縮小)が主因で一過性色が強い。2027年3月期予想は営業利益810.0億円(+6.3%)、純利益570.0億円(+29.4%)と増益計画を掲げ、一時要因の正常化と営業力の持続が前提。契約負債378.4億円(前年比+99.0億円)の積み上がりは受注好調を示唆し、売上認識の先行指標として来期以降の成長をサポートする。
財務健全性と資本効率重視の株主還元: 自己資本比率61.2%、Debt/EBITDA0.37倍と極めて低レバレッジで財務余力は厚く、営業CF814.5億円、FCF505.3億円と潤沢なキャッシュ創出力を維持。当期は559.3億円の大規模自己株買いを実施し、総還元性向約164%と積極姿勢を示した。2027年3月期配当予想45円(配当性向約43.4%)は前期から増配し、FCFカバレッジ3倍超の余力を背景に安定増配の持続性が期待される。ROE13.0%は良好で、自己株買いによる1株価値押上げと資本効率向上が株主価値拡大のドライバーとなる。一方、高い総還元は資本余力とのバランス管理が前提であり、継続可能性は営業CFの持続的拡大とFCFマージンの維持に依存する。
セグメント別収益性の偏在と改善余地: Offering Serviceは売上1,605.7億円(+10.3%)と高成長だが、マージン6.5%と低位で全社収益性を希釈。Regional IT Solutionsの12.7%、Industrial ITの16.9%、BPMの14.5%と比較し改善余地が大きい。スケールメリットの顕在化、価格改定、高付加価値案件へのミックスシフトがレバレッジとなる。運転資本ではDSO88日と回収サイトが長く、OCF/EBITDA0.87倍と基準値0.9倍を僅かに下回る点は、回収管理の強化が課題。短期負債比率61.3%と満期集中構造はリファイナンスリスクとなるが、現預金974.7億円と低レバレッジで緩和される。これらの改善が進めば、ROE15%超への上振れと配当成長の加速が期待される。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。