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36082027 第1四半期プライムJGAAP

TSIホールディングス(3608) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は462.8億円(前年同期比+30.0%)、営業利益は25.1億円(同+65.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/繊維製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥462.8億¥356.1億+30.0%
営業利益¥25.1億¥15.1億+65.8%
経常利益¥33.2億¥19.2億+73.1%
純利益¥21.0億¥19.4億+8.1%
ROE2.3%2.0%-

Executive Summary

増収に加えて営業利益が大きく先行して伸び、営業レバレッジが働いた一方、高税負担により純利益の伸びは相対的に鈍い決算となった。売上高462.8億円(前年比+30.0%)、営業利益25.1億円(同+65.8%)、経常利益33.2億円(同+73.1%)、純利益21.0億円(同+8.1%)。増収の主因はアパレル関連事業の好調とその他事業の高成長であり、税引前利益に対する法人税等の負担(実効税率40.6%)が最終利益の伸びを抑制した。

業績変動要因

【売上高】売上高は462.8億円、前年比+30.0%の増収。セグメント別ではアパレル関連事業が438.1億円(構成比94.3%、YoY+28.3%)と中核を占め、その他事業(販売代行・人材派遣・店舗設計監理・飲食等)が26.5億円(構成比5.7%、YoY+63.3%)と高い伸びを示した。

【損益】営業利益25.1億円(YoY+65.8%)、営業利益率5.4%は前年から改善。経常利益33.2億円は営業利益を8.0億円上回り、受取配当金5.6億円、為替差益1.2億円、持分法損益2.1億円などの営業外収益が押し上げに寄与した。特別利益2.6億円は投資有価証券売却益2.6億円が中心で一時的要因である。税引前利益35.4億円に対し法人税等14.4億円を計上し、実効税率は40.6%と高く、純利益21.0億円(YoY+8.1%)の伸びは営業・経常段階に比べ鈍化した。増収増益の決算だが、営業段階の改善が最終利益に十分転化していない点が特徴である。

セグメント別分析

アパレル関連事業は売上高438.1億円(YoY+28.3%)、セグメント利益25.0億円(YoY+48.8%、利益率5.7%)で連結利益の中心を担う。その他事業は売上高26.5億円(YoY+63.3%)、セグメント利益3.5億円(YoY+135.4%、利益率13.1%)と、規模は小さいものの利益率・成長率ともにアパレル関連事業を上回る。全社費用等の調整額はマイナス3.3億円であり、報告セグメント利益合計28.5億円から連結営業利益25.1億円への差異となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率5.4%、純利益率4.5%で、いずれも前年同期から改善したが、営業利益率は一般的な良好水準とされる8%には未達である。粗利率56.3%は高水準だが、販管費率50.9%がその多くを吸収する構造である。【キャッシュ品質】経常利益には受取配当金・為替差益・持分法損益、税引前利益には投資有価証券売却益2.6億円が含まれ、純利益の一部は非経常的な要因を含む。【投資効率】ROE2.3%は純利益率と総資産回転率の低さを反映した水準にとどまる。EPS36.65円は前年28.45円から+28.8%増加した。【財務健全性】自己資本比率54.9%(前年57.0%)、現金及び預金264.4億円を有し、長期借入金303.1億円を中心とする有利子負債構成である。のれん316.7億円は純資産927.5億円の34.1%を占め、無形資産390.5億円とあわせてM&A・ブランド資産への依存度が相応にある点は留意点である。

キャッシュフロー分析

本開示にはキャッシュフロー計算書の数値が含まれていないため、貸借対照表の推移から資金動向を確認する。現金及び預金は264.4億円で前年の284.8億円から減少しており、棚卸資産は312.5億円と前年の297.2億円から増加している。売掛金・受取手形も148.0億円と前年の138.6億円から増加しており、売上拡大に伴い運転資本(在庫・売掛金)への資金滞留が進んでいる可能性がある。有利子負債は429.9億円で、短期借入金が126.8億円と前年の76.4億円から増加しており、運転資本の増加を短期資金調達で補っている構図がうかがえる。

収益の質

経常利益33.2億円は営業利益25.1億円を8.0億円上回っており、その差の主因は受取配当金5.6億円、為替差益1.2億円、持分法損益2.1億円といった営業外収益である。これらは事業本体の収益力とは性質が異なる項目であり、経常的ではあるものの市況・為替に左右されやすい。さらに税引前利益には投資有価証券売却益2.6億円を含む特別利益2.6億円が計上されており、これを除いた税引前利益は32.8億円となる。実効税率は40.6%と高く、税引前利益の伸びに比べて純利益の伸びが抑制されている。包括利益は12.4億円のマイナスで、純利益21.0億円の黒字とは対照的な結果となっており、その他有価証券評価差額金が33.5億円悪化したことが主因である。保有する投資有価証券244.9億円の時価変動が、会計上の利益とは別に純資産を左右する構造にある。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高2000.0億円(YoY+19.7%)、営業利益75.0億円(YoY+73.4%)、経常利益72.0億円(YoY+32.3%)である。当第1四半期の進捗率は売上高23.1%、営業利益33.5%、経常利益46.1%となっており、営業利益・経常利益は単純な25%基準を上回って推移している。ただし経常利益の高進捗には営業外収益の寄与が含まれており、営業利益ベースの本業の進捗(33.5%)を中心に通期の達成度を評価する必要がある。業績予想・配当予想ともに当四半期の修正はない。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は70.00円である。発行済株式数から自己株式を控除した株式数(約5,617万株)を基にすると、予想配当総額は約39.3億円となり、通期純利益予想77.0億円に対する配当性向は約51.1%と試算される。これは配当のみに基づく配当性向であり、自社株買いを含む総還元性向ではない。利益剰余金731.1億円は厚く、配当原資には相応の余力があるが、配当の持続性は通期利益予想の達成と運転資本(在庫)の増加が営業キャッシュフローを圧迫しないことに依存する。

リスク要因

  1. 在庫滞留リスク: 棚卸資産は312.5億円で流動資産の39.5%を占め、前年から増加している。在庫回転の長期化は値引き販売や棚卸評価損を通じて将来の粗利率を圧迫する可能性がある。

  2. 高税負担による資本効率への影響: 実効税率40.6%は高水準であり、税引前利益の伸び(+74.9%)に対し純利益の伸び(+8.1%)が抑制されている。この構造が継続するとROE改善のペースに影響する。

  3. のれん・無形資産の減損リスク: のれん316.7億円は純資産927.5億円の34.1%、無形資産390.5億円は総資産1688.9億円の23.1%を占める。買収・ブランド投資先の収益力低下時には減損の可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(retail)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率5.4%3.2% (0.7%–7.3%)+2.2pt
純利益率4.5%2.1% (0.4%–5.9%)+2.4pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回り、収益性は業種内で相対的に高い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)30.0%7.7% (1.4%–14.4%)+22.3pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内で高成長に位置づけられる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+30.0%増に対して営業利益は+65.8%増となり、営業利益率は前年から改善した。アパレル関連事業に加え、その他事業(利益率13.1%)の高成長が全社利益率改善に寄与している。

  2. 経常利益の通期進捗率46.1%は高水準だが、受取配当金・為替差益・持分法損益といった営業外収益の寄与を含む。本業の進捗を測る上では営業利益進捗率33.5%がより実態に近い。

  3. 純利益21.0億円に対し包括利益は12.4億円のマイナスであり、その他有価証券評価差額金の悪化が要因である。保有する投資有価証券の時価変動が純資産に与える影響は継続的な確認事項である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,564円
base(基準)1,598円
bull(強気)1,625円
算出前提値
1株純資産(BPS)1,651円
調整後予想EPS142.1円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向53.0%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.97倍 / 11.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,555円〜1,643円、ω±0.1で 1,596円〜1,599円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 純資産に対するのれんの比率が高く、減損が発生した場合は前提が大きく変わります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。