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35532026 第3四半期スタンダードJGAAP

共和レザー(3553) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益62%減

2026年度第3四半期の売上高は405.3億円(前年同期比+0.9%)、営業利益は6.2億円(同-62.4%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥405.3億¥401.5億+0.9%
営業利益¥6.2億¥16.5億−62.4%
経常利益¥7.8億¥17.4億−55.0%
純利益¥3.9億¥12.0億−67.1%
ROE(年換算)1.4%4.3%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計は増収減益となり、収益性の悪化が本決算の最重要ポイントである。売上高は405.3億円(前年比+0.9%)と小幅増収を確保したが、営業利益は6.2億円(同-62.4%)、経常利益は7.8億円(同-55.0%)、純利益は3.9億円(同-67.1%)と大幅な減益となった。主因は売上原価の増加率(+3.4%)が売上高の伸びを上回り粗利率が16.4%(前年18.5%)へ低下したことに加え、販管費も+4.1%と増加し固定費吸収力が低下したためである。

業績変動要因

【売上高】売上高は405.3億円で前年同期比+0.9%と小幅増収。単一セグメント(各種合成表皮材の製造・販売)のため事業別の内訳は開示されていないが、増収率は限定的であり、価格・数量両面での大きな伸長は見られない。

【損益】売上原価が338.8億円(+3.4%)と売上高の伸びを上回って増加し、粗利益は66.5億円(前年74.4億円)に縮小、粗利率は16.4%へ約2.1pt低下した。販管費も60.3億円(+4.1%)と増加し、営業利益は6.2億円(-62.4%)、営業利益率は1.5%(前年4.1%)に縮小した。経常利益7.8億円は営業利益を上回るが、これは為替差益1.1億円、受取配当金0.9億円など営業外収益3.5億円に支えられたものであり、本業採算の弱さを補完する形となっている。固定資産除却損0.5億円を含む特別損益は純損失0.5億円弱で、実効税率は約49.6%と高く、純利益は3.9億円(-67.1%)まで縮小した。結論として、増収減益である。

セグメント別分析

当社は各種合成表皮材の製造・販売を主な事業とする単一セグメントであり、セグメント別の売上・損益は開示されていない。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は1.5%で前年の4.1%から大幅に低下し、純利益率も0.8%(前年2.8%)に縮小した。粗利率は16.4%(前年18.5%)で、原材料・製造コストの増加が価格転嫁を上回っている。【キャッシュ品質】経常利益は営業利益を1.6億円上回るが、その差は為替差益や受取配当金など営業外収益への依存によるもので、本業由来の利益と区別して評価する必要がある。【投資効率】ROE(年換算)は1.4%、自己資本比率は62.4%と資本は厚いが、資本効率は低水準にとどまる。【財務健全性】流動資産332.6億円に対し流動負債194.8億円と流動性は十分であり、現金及び預金は72.3億円を確保している。短期借入金は前年の3.9億円から8.1億円へ増加したが、有利子負債水準は総資産に対して小さく、財務基盤は保守的である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の個別データは開示されていないため、BS変動から資金動向を分析する。現金及び預金は72.3億円で前年の82.5億円から減少した一方、建設仮勘定は29.0億円(前年比+66.6%)へ拡大しており、設備投資への資金投下が進んでいる様子がうかがえる。売掛金は126.8億円で前年138.2億円から減少したが、電子記録債権は49.3億円(前年35.8億円)に増加し、営業債権の構成が変化している。短期借入金は8.1億円(前年3.9億円)へ増加し、投資や運転資本需要に対する短期資金調達の活用が進んだとみられる。総じて、投資活動が資金需要の中心にあり、現金水準はやや低下する方向にある。

収益の質

経常利益7.8億円は営業利益6.2億円を1.6億円上回るが、この差は為替差益1.1億円、受取配当金0.9億円などの営業外収益3.5億円に主に起因し、本業の稼ぐ力とは区別して評価すべきである。特別損益では固定資産除却損0.5億円が発生し、固定資産売却益0.06億円との相殺後も純損失となった。実効税率は約49.6%と高く、税引前利益7.8億円から親会社株主帰属純利益3.3億円への転換を大きく抑制している。包括利益は6.6億円で純利益3.9億円を上回り、有価証券評価差額金+4.6億円が寄与しているが、為替換算調整額はマイナス0.9億円となっており、包括利益の内訳にはボラティリティの高い評価要素が含まれている点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する進捗率は、売上高74.4%、営業利益82.8%、経常利益92.2%、親会社株主帰属純利益74.2%である。売上高・純利益は標準的なQ3進捗率(約75%)と概ね整合するが、営業利益・経常利益の進捗率が高いことは、第4四半期の利益計画が低水準(営業利益約1.3億円、経常利益約0.7億円)であることを示唆する。通期予想は売上高545.0億円(前年比-3.4%)、営業利益7.5億円(同-65.0%)、経常利益8.5億円(同-49.4%)で、通期でも大幅な減益が見込まれている。

株主還元

第2四半期配当は1株26.00円であった。通期配当予想は52.00円であり、期中平均株式数23,830,711株から算出した年間配当総額は約12.4億円となる。これを通期親会社株主帰属純利益予想4.5億円で除した予想配当性向は約275%であり、当期利益のみでは配当原資を確保できない水準である。利益剰余金300.5億円、現金及び預金72.3億円という蓄積は短期的な支払い能力を支えるが、現在の低い利益水準が続く場合、配当と成長投資の両立には内部留保の活用余地についての継続的な確認が必要である。

リスク要因

  1. 収益性悪化リスク: 営業利益率は1.5%(前年4.1%)まで低下し、売上原価率の上昇(売上高比+3.4pt程度の伸び)と販管費増加(+4.1%)が売上成長(+0.9%)を上回っている。原材料・エネルギー・加工費の上昇を価格転嫁できるかが今後の焦点となる。

  2. 高税負担リスク: 実効税率は約49.6%と高水準であり、税引前利益7.8億円に対し親会社株主帰属純利益は3.3億円にとどまる。税負担が平常化しない場合、低い営業利益率と重なりEPSの回復を制約する可能性がある。

  3. 配当持続性リスク: 通期予想に基づく配当性向は約275%と、当期利益を大きく上回る水準である。利益剰余金・現金は一定の余力を持つが、低収益局面が継続する場合、配当政策の柔軟性が論点となり得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率1.5%8.6% (4.3%–12.7%)−7.1pt
純利益率1.0%6.4% (2.8%–10.3%)−5.5pt

自社の収益性は製造業中央値を大きく下回り、業種内でも低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)0.9%3.3% (-2.1%–8.9%)−2.4pt

成長率も業種中央値を下回り、IQR下限に近い水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高はほぼ横ばいの増収であるにもかかわらず、粗利率の低下(16.4%、前年18.5%)と販管費増加により営業利益は62.4%減少しており、コスト構造の悪化が業績の質に影響している。

  2. 建設仮勘定は前年比66.6%増の29.0億円に拡大しており、生産設備への投資が進行中である。年換算ROE1.4%という低い資本効率下では、当該投資が稼働後に収益率を改善できるかが構造的な注目点となる。

  3. 通期予想に基づく配当性向は約275%に達しており、利益水準と配当額の乖離が続く場合、内部留保・現金水準(現金及び預金72.3億円、利益剰余金300.5億円)とのバランスが決算上の観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,141円
base(基準)1,146円
bull(強気)1,149円
算出前提
1株純資産(BPS)1,505円
調整後予想EPS20.3円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向100.0%
予想EPSの信頼度調整×1.075(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.76倍 / 56.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,116円〜1,176円、ω±0.1で 1,136円〜1,152円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。