- 売上高: 133.63億円
- 営業利益: 2.40億円
- 当期純利益: 2.42億円
- 1株当たり当期純利益: 70.84円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 133.63億円 | 122.86億円 | +8.8% |
| 売上原価 | 122.84億円 | 112.37億円 | +9.3% |
| 売上総利益 | 10.80億円 | 10.49億円 | +2.9% |
| 販管費 | 8.39億円 | 7.41億円 | +13.3% |
| 営業利益 | 2.40億円 | 3.08億円 | -22.1% |
| 営業外収益 | 1.24億円 | 1.03億円 | +20.0% |
| 営業外費用 | 4百万円 | 4百万円 | +3.2% |
| 経常利益 | 3.59億円 | 4.07億円 | -11.8% |
| 税引前利益 | 3.60億円 | 4.08億円 | -11.7% |
| 法人税等 | 1.18億円 | 1.25億円 | -5.8% |
| 当期純利益 | 2.42億円 | 2.82億円 | -14.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.41億円 | 2.82億円 | -14.5% |
| 包括利益 | 3.40億円 | 10.14億円 | -66.5% |
| 減価償却費 | 7百万円 | 6百万円 | +2.7% |
| 支払利息 | 7万円 | 15万円 | -56.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 70.84円 | 82.93円 | -14.6% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 108.90億円 | 108.26億円 | +64百万円 |
| 現金預金 | 11.89億円 | 19.12億円 | -7.22億円 |
| 売掛金 | 71.82億円 | 64.60億円 | +7.22億円 |
| 固定資産 | 64.73億円 | 62.72億円 | +2.01億円 |
| 有形固定資産 | 1.52億円 | 1.59億円 | -7百万円 |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -100百万円 | -2.08億円 | +1.08億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -6.33億円 | -5.79億円 | -54百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 1.8% |
| 粗利益率 | 8.1% |
| 流動比率 | 165.4% |
| 当座比率 | 165.4% |
| 負債資本倍率 | 0.89倍 |
| インタレストカバレッジ | 3636.36倍 |
| EBITDAマージン | 1.8% |
| 実効税率 | 32.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +8.8% |
| 営業利益前年同期比 | -22.1% |
| 経常利益前年同期比 | -11.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -14.3% |
| 包括利益前年同期比 | -66.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 3.58百万株 |
| 自己株式数 | 155千株 |
| 期中平均株式数 | 3.41百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,676.40円 |
| EBITDA | 2.47億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 39.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 244.64億円 |
| 営業利益予想 | 4.05億円 |
| 経常利益予想 | 5.94億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 4.17億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 122.08円 |
| 1株当たり配当金予想 | 39.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の昭栄薬品は、増収にもかかわらず粗利率の低下と費用負担により利益が減少し、収益品質も営業CFマイナスで弱含みという厳しめの四半期でした。売上高は133.63億円で前年同期比+8.8%と堅調に拡大しました。営業利益は2.40億円で前年同期比-22.1%、経常利益は3.59億円で-11.7%、当期純利益は2.41億円で-14.3%と各段階で減益となりました。粗利益率は8.1%で、低採算の案件比率上昇や仕入価格上昇の転嫁遅れが示唆されます。販管費は8.39億円、売上対比で6.3%と増収に見合うほどの営業レバレッジは働かず、営業利益率は1.8%まで低下しました。営業外収益は1.24億円(受取配当金0.77億円、受取利息0.06億円等)で、経常段階の下支えとなりました。営業外収入比率は51.3%と、利益の構成における非営業依存が高めです。営業利益率は前年比で約69bp低下(2.49%→1.80%)、経常利益率は約62bp低下(3.31%→2.69%)、純利益率は約49bp低下(2.29%→1.80%)と、マージン全般が縮小しました。ROEは2.6%と低位で、ROICは2.0%と資本コストを大きく下回る水準です。営業CFは-1.00億円とマイナスで、純利益2.41億円に対する営業CF/純利益は-0.41倍と収益のキャッシュ化に課題があります。バランスシートは総資産173.63億円、純資産91.65億円、負債資本倍率0.89倍と保守的で、流動比率165.4%と短期流動性は十分です。投資有価証券は57.93億円と大きく、受取配当金依存や市場価格変動の影響が利益・包括利益に及ぶ点は注視が必要です。インタレストカバレッジは3,636倍と金利負担は極めて軽微です。EPSは70.84円、配当性向は計算値で57.9%と一見許容範囲ですが、営業CFマイナスの下での持続性は検証が必要です。総じて、売上伸長に対し収益性とキャッシュ創出力が追随できておらず、ROIC改善と運転資本の効率化が今後の焦点となります。今後は粗利率回復(価格転嫁、商品ミックス改善)、販管費の伸び抑制、運転資本の回収強化による営業CF正常化が鍵です。非営業収益への依存度を低下させ、事業オペレーション由来の利益成長を確立できるかが評価の分水嶺となります。
デュポン分解: ROE 2.6% = 純利益率1.8% × 総資産回転率0.770 × 財務レバレッジ1.89倍。最も変化が大きい要素は純利益率の低下で、増収にもかかわらず粗利率が薄く、販管費率が相対的に高止まりしたことが要因です。ビジネス上の背景としては、化学品等の市況・仕入価格上昇の転嫁遅れ、低採算案件の増加、価格競争激化によるスプレッド縮小が想定されます。総資産回転率0.77倍は卸売業としてはおおむね妥当な水準ですが、売上増に伴う売掛金の増勢が回転を抑制している可能性があります。財務レバレッジ1.89倍は保守的で、ROEを押し上げる効果は限定的です。足元のマージン低下は、市況・価格転嫁のタイムラグ要因が大きければ半期〜通期で一定の巻き戻し余地はある一方、競争要因による恒常的なスプレッド縮小であれば持続的な圧迫につながるため、持続性の判断は中立〜やや慎重です。警戒すべきトレンドとして、売上+8.8%に対し営業利益-22.1%と、販管費や粗利の悪化が売上成長を上回って利益を圧迫している点が挙げられます。
売上は+8.8%と需要は堅調で、既存顧客深耕または単価上昇が寄与した可能性がありますが、粗利率8.1%と低水準で拡大型成長の質は高くありません。利益面は営業-22.1%、経常-11.7%、純利益-14.3%と減益で、成長の転換効率が低い状況です。非営業(配当・利息)1.24億円の寄与が経常段階を下支えしており、事業収益の質という観点では懸念が残ります。短期見通しでは、価格転嫁の進展と商品ミックス改善が実現すれば下期にかけて営業利益率の回復余地がありますが、在庫・売掛の高止まりが続く場合はキャッシュ創出が遅延するリスクがあります。中期的にはROIC 2.0%の改善(価格戦略、案件選別、在庫・与信管理高度化)が不可欠です。
流動比率165.4%、当座比率165.4%と短期的な支払能力は良好です。負債資本倍率0.89倍でレバレッジは抑制的、警告水準(D/E>2.0)には該当しません。短期借入金1.00億円は小さく、金利リスクも限定的です。満期ミスマッチについては、流動資産108.90億円に対し流動負債65.84億円でカバレッジは十分、主要構成が売掛金71.82億円と買掛金61.17億円で、運転資本の需要が資金繰りを左右します。固定負債16.14億円は過大ではありません。投資有価証券57.93億円は大きく、評価変動や減損リスクが資本に影響し得る点を留意。オフバランス債務の情報は未記載のため評価保留です。
営業CFは-1.00億円で、純利益2.41億円に対する営業CF/純利益は-0.41倍と品質面で明確な警告シグナルです。減価償却費0.07億円と非現金費用が小さい一方、売上拡大に伴う売掛金増加等の運転資本流出が主因と推測されます。投資CFの明細は未記載でFCF算定は不可能ですが、財務CF-6.33億円と大きく、配当・自己株取得・借入返済のいずれか(または複合)が示唆されます。短期的には運転資本の回収(回転期間の短縮、与信管理強化)による営業CFの正常化が最優先課題です。運転資本操作の兆候として、売上増に対して営業CFが逆行している点は注意が必要ですが、季節性や半期時点の計上タイミングの影響の可能性もあり、通期での是正が確認ポイントです。
配当性向は計算値で57.9%とベンチマーク上限付近で概ね許容範囲ですが、当期の営業CFがマイナスであるため、キャッシュベースの分配持続性は慎重評価が必要です。FCFと配当金総額が未記載のため、FCFカバレッジは算定不能です。自己資本は91.65億円と厚く、短期的な配当継続余力はある一方、ROIC 2.0%の低迷が継続する場合は、成長投資・株主還元の配分見直しが論点となります。通期で営業CFが1.0倍超(営業CF/純利益>1.0)へ回復するか、投資有価証券からの安定的な配当収入でキャッシュ創出が補完できるかが持続性の鍵です。
ビジネスリスク:
- 粗利率の低下(価格競争、仕入価格上昇の転嫁遅れ)によるマージン圧迫
- 非営業収益(受取配当金等)への依存度上昇に伴う業績ボラティリティ
- 売上拡大に伴う売掛金増加・与信リスクの増大
- 化学品等の市況・原材料価格変動に伴うスプレッド変動
- 為替変動(輸入比率が高い場合の円安コスト増)
財務リスク:
- 営業CF/純利益が-0.41倍とキャッシュ化の遅延
- 投資有価証券57.93億円の市場価格変動・減損リスク
- 包括利益のボラティリティ(有価証券評価差額の影響)
- 運転資本需要の拡大による資金繰り圧迫の可能性
主な懸念事項:
- ROIC 2.0%と資本効率の低迷
- 営業利益率1.8%への低下と営業レバレッジ不発
- 営業CFのマイナス継続リスク(季節性を超える構造的問題の可能性)
- 非営業収益比率の高さによる本業収益力の不透明感
重要ポイント:
- 増収ながらマージン縮小で減益、営業利益率は1.8%まで低下
- 非営業収益の寄与が大きく、事業収益の質に課題
- 営業CF/純利益-0.41倍で収益のキャッシュ化が弱い
- ROE 2.6%、ROIC 2.0%と資本効率は低位
- バランスシートは保守的で短期流動性は十分
注視すべき指標:
- 粗利益率と価格転嫁進捗(四半期推移)
- 販管費率と費用コントロール
- 営業CFと運転資本(売掛・買掛・在庫回転日数)
- 非営業収益依存度(配当・利息の割合)
- ROICと事業別投下資本の効率
- 投資有価証券評価差額と包括利益の変動
セクター内ポジション:
同業の専門商社・化学品卸と比較すると、財務安全性は良好だが、営業利益率・ROICが低く、収益の質(営業CF)も同業上位と比べ見劣りする位置付け。非営業収益の寄与が高い点も本業収益力の観点で保守的評価。
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