- 売上高: 3,044.36億円
- 営業利益: 58.69億円
- 当期純利益: 186.47億円
- 1株当たり当期純利益: -2.85円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 3,044.36億円 | 2,966.64億円 | +2.6% |
| 売上原価 | 2,403.09億円 | - | - |
| 売上総利益 | 563.55億円 | - | - |
| 販管費 | 263.80億円 | - | - |
| 営業利益 | 58.69億円 | 299.74億円 | -80.4% |
| 営業外収益 | 34.70億円 | - | - |
| 営業外費用 | 74.42億円 | - | - |
| 経常利益 | 21.75億円 | 260.03億円 | -91.6% |
| 税引前利益 | 260.03億円 | - | - |
| 法人税等 | 73.56億円 | - | - |
| 当期純利益 | 186.47億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -9.95億円 | 162.59億円 | -106.1% |
| 包括利益 | -17.07億円 | 171.41億円 | -110.0% |
| 支払利息 | 19.01億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | -2.85円 | 46.50円 | -106.1% |
| 1株当たり配当金 | 15.00円 | 15.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 4,170.33億円 | 4,351.43億円 | -181.10億円 |
| 現金預金 | 645.29億円 | 871.81億円 | -226.52億円 |
| 売掛金 | 848.13億円 | 925.49億円 | -77.36億円 |
| 棚卸資産 | 264.64億円 | 257.50億円 | +7.14億円 |
| 固定資産 | 7,255.41億円 | 7,375.40億円 | -119.99億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | -0.3% |
| 粗利益率 | 18.5% |
| 流動比率 | 311.2% |
| 当座比率 | 291.5% |
| 負債資本倍率 | 0.76倍 |
| インタレストカバレッジ | 3.09倍 |
| 実効税率 | 28.3% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +2.6% |
| 営業利益前年同期比 | -80.4% |
| 経常利益前年同期比 | -91.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -72.4% |
| 包括利益前年同期比 | -78.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 350.18百万株 |
| 自己株式数 | 463千株 |
| 期中平均株式数 | 349.71百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,856.99円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 15.00円 |
| 期末配当 | 6.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 4,044.00億円 |
| 営業利益予想 | -42.00億円 |
| 経常利益予想 | -109.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | -169.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | -48.33円 |
| 1株当たり配当金予想 | 10.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のSUMCOは売上高が微増した一方、利益水準は大幅に悪化し、最終損益は赤字転落と厳しい四半期でした。売上高は3,044.36億円で前年同期比+2.6%と持ち直しの兆しを示したものの、営業利益は58.69億円(前年同期比-80.4%)に急減し、営業利益率は1.9%まで低下しました。粗利益は563.55億円で粗利率は18.5%と低水準にとどまり、原価高や稼働率低下(ミックス悪化)を示唆します。販管費は263.80億円で販管費率は8.7%となり、固定費負担が利益を圧迫しました。営業外損益は収益34.70億円に対して費用74.42億円と差し引き▲39.7億円のマイナスで、経常利益は21.75億円まで縮小(前年同期比-91.6%)しました。受取利息16.78億円に対し支払利息19.01億円と金利負担が重く、金利高環境の逆風が顕在化しています。税引前当期純利益は260.03億円と大幅な黒字ですが、特別損益や非継続要素の影響が大きいとみられ、当期純利益は最終的に▲9.95億円と赤字に転落しました。実効税率は28.3%と通常水準に見えますが、税前利益と最終損益の乖離は一過性要因や非支配持分、評価性引当等の影響が混在している可能性を示します。インタレストカバレッジは3.09倍と低下域で、収益力の弱体化に対して有利子負債コストが相対的に重くなっています。バランスシートは総資産11,425.74億円、純資産6,494.14億円、負債合計4,931.59億円で、負債資本倍率0.76倍とレバレッジは中立的です。流動比率311.2%、当座比率291.5%と短期流動性は非常に良好で、満期ミスマッチの顕著なリスクは限定的です。デュポン分解の結果、純利益率▲0.3%、総資産回転率0.266、財務レバレッジ1.76倍から算出ROEは▲0.1%と資本効率は著しく低い状態です。ROICは0.4%と資本コストを大幅に下回り、過剰投下・稼働率低下・市況軟化の三重苦が示唆されます。営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローの開示がなく、利益の質(現金創出力)の点検ができないことは重要な分析制約です。総じて、数量回復の芽はあるものの、価格(ASP)と稼働率の回復が遅れ、金利負担と非継続損益のボラティリティが重石となっています。今後は受注・稼働率の改善、価格交渉力の回復、コストダウン浸透により粗利率の底入れが進むかが焦点です。短期ではインタレストカバレッジ改善とROIC>WACC回復がリラratingの鍵、中期では先端ノード向け・300mmの需要サイクル取り込みと在庫正常化進展が重要です。
デュポン分析: ROE = 純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ = (−0.3%) × 0.266 × 1.76 ≈ −0.1%。変化が最も大きい要素は純利益率の悪化で、営業利益率の急低下(約−700〜800bp規模)に加え、営業外費用超過と一過性損益の振れが重なった点が主因です。ビジネス上の背景としては、半導体サイクル後半の価格プレッシャー、ミックス悪化(先端比率の低下あるいは300mm/200mmの構成変化)、稼働率低下による固定費の非吸収、エネルギー・原材料コスト上昇が想定されます。総資産回転率0.266は依然低く、巨額の固定資産・設備投資が売上の伸びに見合って回転していないことを示唆します。純利益率の低下は市況と稼働率に連動するサイクル要因が大きく、一過性要因(特別損益)も含まれるため、足元は一時的悪化の色彩が強い一方、回復のタイミングは顧客の設備投資・在庫調整の進捗に依存します。懸念されるトレンドとして、販管費率が売上の回復に先行して高止まりしており、売上成長率(+2.6%)に対してコストの硬直性が収益回復を遅らせるリスクがあります。
売上は+2.6%と小幅成長だが、数量回復が限定的またはASP下落が続く可能性があり、持続性には不確実性が残る。営業利益の大幅減から、価格・稼働率・コストの三要素のいずれか(もしくは複合)の悪化が示唆され、中核収益力はまだ底打ち途上。営業外では支払利息負担増が成長の重石で、金利環境の影響も受けやすい。税前利益の大きな黒字は特別要因による可能性が高く、継続的な成長力の指標としては扱いにくい。中期的な需要ドライバー(AI/データセンター・先端ロジック・車載半導体のシリコン需要)は健在で、300mmの回復局面入りが見込まれる一方、顧客の在庫調整と装置投資のタイミングがカギ。利益の質は現時点で弱いと評価(営業CF未開示で裏取り不可)。見通しは、受注の前方指標、稼働率の改善、価格調整の進捗、歩留まり・歩留改善やスクラップ低減などの内製効率化に依存する。
流動性は流動比率311.2%、当座比率291.5%と非常に強固で、短期の支払能力に懸念は小さい。総負債4,931.59億円に対し株主資本5,830.16億円で、負債資本倍率0.76倍と中庸なレバレッジ。短期借入金374.57億円に対して現金預金645.29億円と、短期の満期ミスマッチリスクは限定的。長期借入金3,217.69億円と固定負債が厚く、金利上昇局面では利払い負担の増勢に注意。インタレストカバレッジ3.09倍は警戒域に接近しており、利益回復が遅れる場合は信用コスト・財務柔軟性が低下しうる。オフバランス債務の情報は開示がなく、評価は留保。自己資本比率はXBRL未開示だが、純資産規模から見て資本緩衝は一定程度確保されているとみられる。
営業キャッシュフロー、投資・財務キャッシュフロー、設備投資額が未開示のため、営業CF/純利益、FCF、キャッシュコンバージョンの定量評価は不可。営業CF/純利益が判定不能のため、利益の現金裏付けに関しては分析制約が大きい。運転資本では売掛金848.13億円、棚卸資産264.64億円と規模は適正だが、回転日数・前期比の動態データがなく、運転資本操作の有無は判断できない。配当・設備投資に対するFCFの持続可能性も検証不能で、今期の投資余力評価には留保を付す。
配当金総額・年間配当・FCFが未開示のため、定量的な配当性向・FCFカバレッジ評価はできない。計算上の配当性向(−739.1%)は最終赤字や一時要因の影響で有意味性が低い。今期は利益水準が低く、インタレストカバレッジも3.09倍と低下しているため、原則としてはキャッシュ創出力の回復を待つ慎重な資本配分が望ましい。配当方針の見通しは、稼働率の回復、粗利率の反発、投下資本効率(ROIC)の改善度合いに依存。
ビジネスリスク:
- 半導体サイクルの変動に伴う需要・価格(ASP)下落リスク
- 顧客(ファウンドリ/IDM)投資サイクルに依存した受注変動
- 稼働率低下による固定費の非吸収とマージン圧迫
- 製品ミックス悪化(先端/汎用比率の変化)による粗利率低下
- 歩留まり・品質問題の発生によるコスト増
- エネルギー・原材料コスト上昇の転嫁遅れ
財務リスク:
- 長期借入金中心の有利子負債残高に対する金利上昇リスク
- インタレストカバレッジ低下(3.09倍)による財務柔軟性低下
- 為替変動(主にUSD)による収益・B/S評価への影響
- 一過性損益のボラティリティによる最終損益の振れ
主な懸念事項:
- ROICが0.4%と資本コストを大幅に下回る低資本効率
- 税前利益と最終損益の乖離が大きく、利益の質が不透明
- 営業外費用>営業外収益で金利負担が利益を圧迫
- 営業CF・FCF未開示によるキャッシュ創出力評価の困難さ
重要ポイント:
- 売上は+2.6%も、営業利益▲80%で収益力は大幅悪化
- 粗利率18.5%、営業利益率1.9%と低水準で価格・稼働率が弱い
- 営業外費用超過と金利負担増で経常利益が大きく圧縮
- 税前黒字260億円は一過性要因の可能性が高く、最終は赤字
- ROIC0.4%、ROE▲0.1%と資本効率に深刻な課題
- 流動性は強固だが、インタレストカバレッジ3.09倍は注意域
注視すべき指標:
- 受注動向(ブックトゥビル、受注残)と稼働率
- ASPと製品ミックス(300mm先端比率)の変化
- 粗利率の反発幅(原価低減・歩留改善の進捗)
- 営業CFとFCF、設備投資計画(キャップEX)の実行と抑制
- インタレストカバレッジ、ネット有利子負債/EBITDA
- ROICの改善度合い(>5%回復が当面の目安)
セクター内ポジション:
同業内では財務基盤と流動性は堅い一方、今期の利益率と資本効率はボトム域。サイクル回復の恩恵を受ける余地はあるが、金利負担とミックス改善の速度が同業比での相対位置を左右。
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