- 売上高: 1,827.50億円
- 営業利益: 11.97億円
- 当期純利益: 11.62億円
- 1株当たり当期純利益: 86.57円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,827.50億円 | 1,750.28億円 | +4.4% |
| 売上原価 | 1,732.01億円 | 1,663.37億円 | +4.1% |
| 売上総利益 | 95.48億円 | 86.91億円 | +9.9% |
| 販管費 | 83.51億円 | 78.70億円 | +6.1% |
| 営業利益 | 11.97億円 | 8.21億円 | +45.8% |
| 営業外収益 | 7.80億円 | 6.79億円 | +14.9% |
| 営業外費用 | 1.15億円 | 47百万円 | +144.7% |
| 経常利益 | 18.62億円 | 14.53億円 | +28.1% |
| 税引前利益 | 18.09億円 | 14.76億円 | +22.6% |
| 法人税等 | 6.46億円 | 5.03億円 | +28.4% |
| 当期純利益 | 11.62億円 | 9.72億円 | +19.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11.80億円 | 9.88億円 | +19.4% |
| 包括利益 | 16.58億円 | 23.36億円 | -29.0% |
| 支払利息 | 65百万円 | 23百万円 | +182.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 86.57円 | 72.44円 | +19.5% |
| 1株当たり配当金 | 26.00円 | 26.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,211.26億円 | 1,159.08億円 | +52.18億円 |
| 現金預金 | 31.85億円 | 28.80億円 | +3.05億円 |
| 売掛金 | 765.44億円 | 724.67億円 | +40.77億円 |
| 棚卸資産 | 297.89億円 | 287.96億円 | +9.93億円 |
| 固定資産 | 237.74億円 | 234.10億円 | +3.64億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 0.6% |
| 粗利益率 | 5.2% |
| 流動比率 | 113.9% |
| 当座比率 | 85.9% |
| 負債資本倍率 | 3.48倍 |
| インタレストカバレッジ | 18.42倍 |
| 実効税率 | 35.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +4.4% |
| 営業利益前年同期比 | +45.8% |
| 経常利益前年同期比 | +28.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +19.5% |
| 包括利益前年同期比 | -29.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 14.07百万株 |
| 自己株式数 | 431千株 |
| 期中平均株式数 | 13.64百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,372.05円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 3,640.00億円 |
| 営業利益予想 | 30.94億円 |
| 経常利益予想 | 43.68億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 30.58億円 |
| 1株当たり配当金予想 | 28.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の大木ヘルスケアHDは、売上高の堅調な伸長と販管費の抑制で営業利益が大幅増となり、利益面で改善が進んだ四半期です。売上高は1,827.5億円で前年比+4.4%と着実に拡大しました。売上総利益は95.48億円で、粗利率は5.2%と薄利ながらも安定しています。販管費は83.51億円にとどまり、営業利益は11.97億円(+45.8% YoY)と大幅増益を確保しました。営業外収益は7.80億円と大きく、経常利益は18.62億円(+28.1% YoY)、最終利益は11.80億円(+19.5% YoY)に着地しました。営業利益率は0.655%で、前年の約0.469%から約18.6bp改善したと推計されます。経常利益率は約1.019%で、前年約0.830%から約18.9bp改善しています。純利益率は0.7%(提供値)で、前年約0.564%から約13.6bp改善した計算です。インタレストカバレッジは18.42倍と健全域にあり、利払い耐性は良好です。一方、ROEは3.6%と控えめで、ROICは1.9%と資本コストを大きく下回っており、資本効率の弱さが明確です。財務面では流動比率113.9%、当座比率85.9%と短期流動性は最低限を確保する一方、負債資本倍率(D/E)3.48倍と高レバレッジ体質に警戒が必要です。営業外収入比率が66.1%と高く、コア事業以外への依存度が利益の見通しにブレをもたらす可能性があります。営業CFは未開示のため、利益の質(営業CF対純利益)の検証ができず、利益の現金化に不透明感が残ります。運転資本は147.87億円のプラスで、売掛金765.44億円・棚卸297.89億円・買掛金615.97億円と、卸売業らしい大きな運転資本構造です。短期借入金100.78億円に依存する資金繰り構造は、金利上昇局面では収益圧迫リスクとなります。総じて、売上増と費用効率化で利益率は改善したものの、資本効率とレバレッジ、そして非営業依存の高さが中期の課題です。今後は粗利率の安定、販管費効率、運転資本の回転改善、営業CF創出力の確認が株主価値向上のカギとなります。
デュポン分解: ROE 3.6% = 純利益率0.7% × 総資産回転率1.261 × 財務レバレッジ4.48倍。変動寄与の大きい要素は利益率の改善(営業利益+45.8%、純利益+19.5%)と、引き続き高水準のレバレッジ(4.48倍)です。利益率は販管費の伸び抑制と営業外収益の寄与(7.80億円)で改善し、営業利益率は約18.6bp、経常利益率は約18.9bpの拡大と推計されます。ビジネス上の背景として、ドラッグストア・流通向けの卸売で価格転嫁やSKUミックスの改善、物流効率化が寄与した可能性が高い一方、営業外の配当・利息収入などが利益水準を押し上げています。持続性は、販管費効率化は一定の持続性があるものの、営業外収益の一部は相場・金利環境に左右されやすく変動的です。総資産回転率1.261は卸売業としては標準的ですが、棚卸・売掛の大きさから季節変動と与信管理の影響を受けやすい構造です。懸念トレンドとして、営業外収入比率が66.1%と高く、コア収益力に比べ非コアの寄与が大きい点、またROICが1.9%と資本効率が著しく低い点が挙げられます。
売上は+4.4%増と市場成長に沿った拡大で、既存顧客深耕と新規開拓の両面が示唆されます。営業利益は+45.8%で、売上伸長を上回る増益となり、販管費率の低下と粗利率の僅かな改善が寄与したとみられます。純利益は+19.5%増で、営業外収益7.80億円の寄与が大きく、増益の質は一部で非コア依存の色合いがあります。売上総利益率は5.2%と低い水準で構造的に薄利多売の業態であり、スケールメリットとロジスティクス最適化が成長の主要ドライバーです。営業外収益(受取配当1.27億円、受取利息0.09億円等)の継続性は限定的で、来期以降の増益持続にはコア営業利益の拡大が不可欠です。短期的には価格転嫁の進展、物流費の抑制、与信管理徹底が利益確保に有効です。中期的にはROIC引き上げ(在庫回転改善、低採算案件の見直し、選択と集中)が課題です。データ制約により、部門別・カテゴリ別の成長の内訳や一過性損益の影響度は検証できません。
流動比率113.9%、当座比率85.9%で、短期流動性は最低限を確保するが当座は100%を下回り注意が必要です。負債資本倍率3.48倍はベンチマーク>2.0を上回り、明示的に高レバレッジの警告水準です。総資産1,449.2億円に対し流動資産1,211.26億円、流動負債1,063.39億円と満期ミスマッチは限定的ながら、短期借入金100.78億円依存が残りリファイナンス・金利上昇の感応度が高い構造です。運転資本は147.87億円のプラスで、売掛金765.44億円・棚卸297.89億円・買掛金615.97億円と、売掛・在庫の運転資金需要が大きいです。固定負債62.21億円、長期借入9.59億円と長期デットは小ぶりで、デットの短期偏重が見られます。オフバランス債務は開示なしのため評価不能です。自己資本比率は未算出だが、純資産323.58億円/総資産1,449.2億円を用いると約22%相当と推計され、一定の資本バッファはあるものの、卸売のボラティリティを考慮するとさらなる内部留保の厚みが望まれます。
営業CF、投資CF、フリーCFが未開示のため、利益の現金化やFCFの持続性評価は制約があります。営業CF/純利益の指標は算出不可で、利益の質に関する定量的判定はできません。運転資本構造(高水準の売掛・在庫)は営業CFの変動を大きくしうるため、売上増の局面では運転資本の吸収により営業CFが伸びにくいリスクがあります。短期借入金で運転資本を賄う度合いが高く、金利上昇時にはFCF圧迫要因となります。次報では、営業CF、在庫回転日数、DSO、DPOの開示と、季節性要因の影響を確認したいところです。
配当性向は31.0%(計算値)と保守的レンジにあり、利益水準からみた持続可能性は概ね良好です。ただしFCFデータ未開示のため、配当のキャッシュ裏付け(FCFカバレッジ)は評価不能です。レバレッジが高い(D/E3.48倍)ことから、自己資本の充実と有利子負債抑制を優先する局面では増配余地は限定的となる可能性があります。非営業収益への依存が利益ブリッジに影響するため、安定配当に向けてはコア営業利益の積み上げが重要です。
ビジネスリスク:
- 薄利多売構造による粗利率の低水準(5.2%)と価格競争激化リスク
- 売掛・在庫の増勢に伴う運転資本負担と在庫陳腐化リスク
- 物流コスト・人件費上昇によるマージン圧迫
- 営業外収益依存(営業外収入比率66.1%)の変動リスク
財務リスク:
- 高レバレッジ(D/E3.48倍)による財務柔軟性低下
- 短期借入金偏重(100.78億円)に伴うリファイナンス・金利上昇リスク
- 当座比率85.9%での短期流動性の脆弱性
- 運転資本の拡大に伴う営業CFボラティリティ
主な懸念事項:
- ROIC1.9%と資本コスト割れの持続
- 営業CF未開示により利益の質が検証不能
- コア営業利益の相対的弱さ(非コア依存)
- 与信管理・滞留債権リスクの潜在性
重要ポイント:
- 売上+4.4%、営業利益+45.8%で利益率が改善(営業利益率+約18.6bp)
- インタレストカバレッジ18.42倍と利払い耐性は良好
- D/E3.48倍、ROIC1.9%と資本効率・レバレッジに課題
- 営業外収益比率66.1%と非コア寄与が大きい構造
- 営業CF未開示で利益の現金化に不透明感
注視すべき指標:
- 粗利率と販管費率(四半期ベースのbp変化)
- 在庫回転日数・DSO・DPO(運転資本効率)
- 営業CF/純利益、FCF創出力
- 短期借入金残高と平均金利、利息支払増減
- コア営業利益と営業外収益のブレイクダウン
セクター内ポジション:
同業卸売の中で売上規模は中堅、利益率は低位だが改善基調。財務レバレッジは相対的に高く、資本効率は下位。短期の収益モメンタムは良好だが、中期の資本効率改善が競合比での評価鍵。
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