記事一覧に戻る
33332027 第1四半期プライムJGAAP

あさひ(3333) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益5%減

2027年度第1四半期の売上高は277.9億円(前年同期比+2.5%)、営業利益は31億円(同-5.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社あさひ

小売/小売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥277.9億¥271.0億+2.5%
営業利益¥31.0億¥32.7億−5.3%
経常利益¥31.4億¥34.0億−7.8%
純利益¥21.4億¥23.4億−8.4%
ROE5.1%5.8%-

Executive Summary

当四半期は増収減益で、粗利益率の高さを販管費増が上回り利益率が低下した点が最大のポイントである。売上高は277.9億円(前年比+2.5%)となったが、営業利益は31.0億円(同△5.3%)、経常利益は31.4億円(同△7.8%)、純利益は21.4億円(同△8.4%)となった。営業利益率は11.1%と前年から低下しており、増収が利益成長につながらなかった構図である。

業績変動要因

【売上高】売上高は277.9億円で前年同期比+2.5%増収となった。通期予想862.8億円に対する進捗率は32.2%で、標準的な25%を上回るペースにある。ただし通期計画は売上高+6.0%増を前提としており、当第1四半期の伸び率からは加速が必要となる。

【損益】粗利益率は45.3%と高水準を維持したが、販管費率が34.2%(前年から上昇)となり、営業利益率は11.1%へ低下した。営業外収支は為替差損0.3億円を含み小幅なマイナスで、経常利益は営業利益をやや上回る水準にとどまった。特別損失は0.03億円と軽微で、純利益の水準を大きく歪める要因ではない。売上高の伸びを上回るコスト増が利益を押し下げており、増収減益と結論づけられる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率11.1%、経常利益率11.3%、純利益率7.7%はいずれも前年同期から低下しており、粗利益率45.3%の高さを販管費率34.2%の上昇が相殺した形である。【キャッシュ品質】営業外収益は売上高の0.4%にとどまり、経常利益は営業利益に近い水準で推移しており、営業外要因への依存度は低い。一方で棚卸資産121.9億円は総資産の20.8%を占め、年換算の在庫回転日数は約73日と、資産効率上のモニタリングポイントとなる。【投資効率】ROEは5.1%で、純利益率・総資産回転率・財務レバレッジに分解すると、総資産回転率の低さがROE水準を制約する主因である。【財務健全性】自己資本比率は71.2%、流動資産352.2億円は流動負債155.7億円を大きく上回り、現金及び預金154.6億円は流動負債をほぼ賄う水準にあり、財務基盤は保守的である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の数値は開示されていないため、貸借対照表の変化から資金動向を分析する。現金及び預金は154.6億円で前年の123.0億円から増加しており、資金余力は拡大している。一方で棚卸資産は121.9億円(前年139.9億円から減少)、売掛金は53.3億円(前年39.4億円から増加)となっており、運転資本の構成は変化している。契約負債は43.7億円(前年41.3億円)で、先行受領による資金効果は一定程度継続している。損益面では営業利益30.97億円を主因に利益が生成されており、営業外・特別損益への依存は限定的である。在庫回転日数は約73日と相応の水準にあり、在庫の現金化速度が今後のキャッシュ創出力を左右する点は注視される。

収益の質

当期の利益は主に営業利益(30.97億円)から構成されており、営業外収益は1.05億円、特別損失は0.03億円と小さく、一時的要因による利益の嵩上げ・押し下げは軽微である。営業外収益は受取利息0.15億円など経常的な項目が中心で、営業外費用には為替差損0.34億円が含まれる。経常利益31.4億円と純利益21.4億円の乖離は法人税等9.9億円によるもので、実効税率は概ね32%程度であり、特段の異常値は見られない。棚卸資産121.9億円が総資産・流動資産に占める比重は大きく、在庫評価や販売進捗が今後の利益の質に影響し得る点は、アクルーアルの観点から留意される。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高32.2%、営業利益72.0%、経常利益70.7%、純利益78.4%であり、利益項目は標準的な25%を大きく上回るペースとなっている。もっとも当第1四半期は営業利益・経常利益・純利益がいずれも前年比で減益となっており、進捗率の高さは会社計画自体が保守的に設定されている可能性を示唆する。通期予想では売上高+6.0%、営業利益+9.2%、純利益+20.3%の増収増益を見込んでおり、当四半期の減益基調から通期の増益達成には、下期にかけての利益率回復が前提となる。配当予想の修正は行われていない。

株主還元

通期の配当予想は1株当たり50.00円であり、通期EPS予想104.83円に基づく配当性向は47.7%となる。この水準は一般的な持続可能性の目安とされる60%を下回っており、自己資本比率71.2%、現金及び預金154.6億円という財務基盤を踏まえると、配当予想の維持に大きな懸念は見られない。当四半期に配当予想の修正は行われていない。自己株式取得に関する開示はなく、総還元性向としての評価は行わない。

リスク要因

  1. 在庫滞留リスク: 棚卸資産は121.9億円で総資産の20.8%を占め、年換算在庫回転日数は約73日と小売業の一般的な目安を上回る水準にある。滞留が継続した場合、値下げ販売や粗利率低下、運転資金負担の増加につながり得る。

  2. 利益率低下の継続リスク: 売上高が前年比+2.5%増加した一方、営業利益は同△5.3%減少しており、販管費率の上昇が収益性を圧迫している。通期計画では営業利益+9.2%増を見込むため、下期での利益率回復が達成の前提となる。

  3. 為替変動の影響: 当四半期は為替差損0.3億円を計上しており、金額的影響は限定的だが、輸入仕入等に関連する為替変動は経常利益の変動要因として継続的に留意される。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(retail)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率11.1%3.2% (0.7%–7.3%)+7.9pt
純利益率7.7%2.1% (0.4%–5.9%)+5.6pt

収益性は営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく上回り、高粗利モデルによる収益基盤の強さを示している。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)2.5%7.7% (1.4%–14.4%)−5.2pt

売上高成長率は業種中央値を下回っており、収益性の高さに対して成長スピードは業種内で相対的に緩やかである。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 粗利益率45.3%、営業利益率11.1%は業種中央値を大きく上回る水準にあるが、当四半期は販管費率の上昇により前年から利益率が低下しており、高収益モデルの持続には費用吸収力の回復が鍵となる。

  2. 通期予想に対する利益進捗率は70%台後半に達しているが、当四半期実績は前年比減益であり、会社計画は下期にかけての利益率改善を前提としている点に留意が必要である。

  3. 在庫回転日数は約73日で、棚卸資産が総資産の2割を占める資産構成となっており、在庫消化のペースが今後の粗利率とキャッシュ創出力を左右する構造的な観察点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,423円
base(基準)1,488円
bull(強気)1,491円
算出前提
1株純資産(BPS)1,600円
調整後予想EPS115.3円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向47.7%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.93倍 / 12.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,447円〜1,530円、ω±0.1で 1,484円〜1,490円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(78%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。