| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥913.9億 | ¥990.5億 | -7.7% |
| 営業利益 | ¥6.1億 | ¥-85.6億 | +54.7% |
| 経常利益 | ¥-2.8億 | ¥-102.7億 | +97.3% |
| 純利益 | ¥-64.8億 | ¥-145.2億 | +55.4% |
| ROE | -18.6% | -34.9% | - |
2026年3月期決算は、売上高913.9億円(前年比-76.6億円 -7.7%)、営業利益6.1億円(同+91.7億円 +54.7%)、経常利益-2.8億円(同+99.9億円 +97.3%)、純利益-64.8億円(同+80.4億円 +55.4%)となった。売上は減収も、営業段階で黒字転換を達成し、経常および最終段階での赤字幅を大幅に縮小した。営業利益率は0.7%と前年-8.6%から+930bp改善、粗利率は7.9%(前年-2.1%)へと大きく回復した。コークス事業の赤字縮小と燃料・資源リサイクル、総合エンジニアリングの黒字確保が全社営業黒字化を牽引した。経常段階では支払利息8.7億円の金利負担が重く、営業外費用15.1億円が営業外収益6.3億円を上回って赤字計上。特別損失70.6億円(減損44.4億円、固定資産除却損10.9億円、災害損失5.8億円)が最終赤字の主因で、一時的要因の影響が大きい。営業CFは85.1億円と前年比+367.8%で力強く改善し、フリーCFは-1.7億円とほぼ均衡した。総資産1,265.4億円、純資産348.0億円で自己資本比率27.5%、ROEは-18.6%と最終赤字により大幅マイナスだが、事業面ではボトムアウトの兆しが明確である。
【売上高】 売上高は913.9億円(-7.7% YoY)で減収。セグメント別では、コークス事業が561.3億円(-4.4%)で全社売上の61.4%を占めるが、燃料・資源リサイクル事業233.5億円(-14.3%)、総合エンジニアリング事業105.4億円(-10.0%)がともに二桁減収となり、全社の減収を牵引した。その他事業は43.8億円(+1.4%)と小幅増収。売上減少の主因は燃料・資源リサイクル事業における一般炭・石油コークスの販売数量減少と総合エンジニアリング事業の大型案件の剥落である。売上総利益は72.2億円(前年-21.2億円)で粗利率は7.9%と前年-2.1%から+1,000bp改善した。この改善は主にコークス事業の原価低減と収益性改善、エネルギーコストの平準化によるもの。
【損益】 営業利益は6.1億円(前年-85.6億円)で黒字転換、営業利益率0.7%(前年-8.6%)と+930bpの大幅改善を達成した。販管費は66.1億円(販管費率7.2%)で前年64.5億円から+2.5%増加も、売上減少率-7.7%に対し下方硬直性は限定的であった。セグメント別営業損益では、コークス事業が-23.3億円の赤字も前年-123.6億円相当から大幅縮小(+81.2%改善)、燃料・資源リサイクル事業26.3億円(利益率11.3%)、総合エンジニアリング事業14.8億円(利益率14.0%)が黒字確保し、全社営業黒字化を牽引した。その他事業は5.8億円(利益率13.2%)と安定的に寄与。経常利益は-2.8億円(前年-102.7億円)で赤字幅を大幅縮小した。営業外収益6.3億円に対し営業外費用15.1億円(うち支払利息8.7億円)が上回り、金利負担が経常赤字の主因。税引前利益は-71.2億円で、特別損失70.6億円(減損44.4億円、固定資産除却損10.9億円、災害損失5.8億円)が大きく、一時的要因の影響が支配的。法人税等5.6億円(繰延税金資産の取崩等)を経て純利益-64.8億円(前年-145.2億円)となり、減収の中で営業黒字化と一時損失吸収により最終赤字幅を大幅縮小する減収改益の構図となった。
コークス事業は売上561.3億円(-4.4%)、営業損益-23.3億円(前年-123.6億円相当から+81.2%改善)で、原料炭価格と製品価格のスプレッド改善および操業効率向上により赤字を大幅縮小した。利益率-4.1%とマイナスも前年比では構造的改善が進行。燃料・資源リサイクル事業は売上233.5億円(-14.3%)、営業利益26.3億円(利益率11.3%、前年比-5.2%)で、減収も高利益率を維持し全社最大の利益貢献セグメントとして機能。一般炭・石油コークスの販売減が減収要因だが、コールセンター等の付加価値事業が収益を下支え。総合エンジニアリング事業は売上105.4億円(-10.0%)、営業利益14.8億円(利益率14.0%、前年比-28.7%)で、大型案件の剥落で減収減益も高利益率を維持。その他事業は売上43.8億円(+1.4%)、営業利益5.8億円(利益率13.2%、前年比-2.4%)と安定推移。全社ベースでは、非コークス3セグメントが営業利益46.9億円を創出し、コークスの赤字-23.3億円を吸収して全社黒字化を実現した。事業ポートフォリオの分散効果が顕在化し、コークス事業依存からの脱却が進展している。
【収益性】営業利益率0.7%(前年-8.6%)は+930bpの大幅改善で黒字転換達成。粗利率7.9%(前年-2.1%)は+1,000bp改善し、原価構造の正常化が進展。ROE -18.6%は最終赤字により大幅マイナスも、前年-34.8%から縮小。ROA(経常利益ベース)-0.2%は前年-7.9%から改善傾向。EBITDAは66.2億円(営業利益6.1億円+減価償却費60.1億円)で、前年比+181.3%と大幅増加。【キャッシュ品質】営業CF/営業利益は13.97倍で、営業段階での高いキャッシュ転換力を示す。EBITDA比では営業CF/EBITDA 1.29倍と良好。一方、営業CF/純利益は-1.11倍(符号逆転)で、最終損益が一時的損失主導であることを示唆。FCF -1.7億円は営業CF 85.1億円から投資CF -86.8億円を控除したもので、CapEx 79.6億円をほぼ自己資金で賄った。【投資効率】CapEx/減価償却1.33倍は設備更新投資継続を示し、維持投資中心ながら効率化投資も進行。在庫回転日数(DIO)123日は前年同期比+18日で在庫負担が増加、運転資本効率の改善余地が大きい。売上債権回転日数(DSO)36日は安定的。買入債務回転日数(DPO)42日は前年比+8日で与信活用が進展。【財務健全性】自己資本比率27.5%(前年31.8%)は低下傾向で、最終赤字による純資産毀損が要因。D/E比率2.64倍、Debt/Capital 65.9%と高レバレッジ。インタレストカバレッジ(EBIT/支払利息)0.70倍は警戒水準で、経常段階での利払い吸収力が脆弱。流動比率83.2%、当座比率64.0%は短期流動性に課題を残す。短期借入金378.9億円に対し現金63.9億円で現金/短期借入金0.17倍、リファイナンスリスクが存在。
営業CFは85.1億円(前年-31.8億円)と+367.8%の大幅改善で、営業CF小計98.0億円を起点に、棚卸資産の増加-14.9億円、売上債権の減少+30.2億円、仕入債務の増加+19.8億円等の運転資本変動が寄与した。売掛金回収進展と買掛金活用がCF改善を牽引した一方、在庫は増加傾向でDIO 123日と資金拘束が残る。法人税等の支払-3.8億円、利息支払-8.7億円が恒常的にCFを毀損し、支払利息がEBIT 6.1億円を上回る構造が経常赤字の主因。投資CFは-86.8億円で、有形固定資産の取得-79.7億円が主因、投資有価証券の取得-0.1億円と売却+1.2億円は小規模。FCFは-1.7億円とほぼ均衡し、CapExを自己資金で賄う構図。財務CFは14.5億円で、短期借入金が増加+77.8億円、長期借入金の返済-70.8億円と調達+7.0億円の差引-63.8億円、配当金支払-8.7億円を経て純増。現金及び現金同等物は12.8億円増加し、期末残高63.9億円となったが、短期借入金378.9億円に対しては依然脆弱で、リファイナンスと金利負担の軽減が課題。
経常利益-2.8億円に対し税引前利益-71.2億円で、特別損失70.6億円の一時的要因が最終損益を支配した。特別損失の内訳は減損損失44.4億円、固定資産除却損10.9億円、災害損失5.8億円で、資産収益性の見直しと災害影響が集中した。包括利益-68.0億円は純利益-64.8億円に対し-3.2億円小幅悪化で、有価証券評価差額金+3.4億円、退職給付に係る調整額+5.4億円が緩衝も、繰延ヘッジ損益-0.0億円は中立。営業外収益6.3億円(受取配当金0.4億円、補助金収入1.6億円等)に対し営業外費用15.1億円(支払利息8.7億円、その他3.1億円)で、金利負担が営業利益6.1億円を上回り経常赤字の構造的要因となっている。営業CF 85.1億円と純利益-64.8億円の乖離は-149.9億円で、減価償却費60.1億円、減損損失44.4億円等の非資金費用の調整と運転資本改善により説明される。アクルーアルの観点では、営業CF-純利益の差額が大きくプラスで、会計利益以上のキャッシュ創出力を示し、収益の質は高い。ただし最終損益は一時損失主導で持続性に欠け、来期以降の常態化リスクは限定的と見られる。
通期業績予想は売上高1,016.0億円(前期比+11.2%)、営業利益36.0億円(同+491.8%)、経常利益20.0億円(前期-2.8億円から黒字転換)、純利益5.0億円(前期-64.8億円から黒字転換)を計画。進捗率(2Q時点での判断は不可だが通期予想との対比)では、売上は当期913.9億円で予想比89.9%の水準に対し、営業利益6.1億円は予想36.0億円の17.0%にとどまる。コークス事業の収益是正と在庫圧縮、金利負担の軽減が通期達成の前提で、下期の大幅増益を織り込む。営業利益率は予想ベースで3.5%と当期0.7%から+280bpの改善を見込み、コークス事業の黒字化と非コークス事業の拡大が鍵。通期純利益5.0億円は特別損失の常態化回避を前提としており、一時損失の再発なきことが達成条件。売上成長率+11.2%は燃料・資源リサイクルおよび総合エンジニアリングの受注回復とコークス販売数量の安定化を想定、エネルギーコストと原料炭価格のスプレッドが中立〜やや改善のシナリオに立脚する。
当期配当は期末0円、中間0円で無配。前期も無配であり、最終赤字継続下での配当回避は財務保全上妥当。配当性向は0%で、配当可能利益がマイナスのため算出不能。自社株買いの実施は確認されず、総還元性向も0%。来期純利益予想5.0億円の黒字転換計画に対しては、まず負債削減と金利負担軽減、インタレストカバレッジの回復(目標>2倍)を優先し、安定黒字化と財務体質改善の確認後に配当再開を検討する方針と推測される。FCF -1.7億円とほぼ均衡圏で、配当余力は限定的。株主還元は当面見送りが合理的で、資本蓄積とデレバレッジが優先課題。
コークス事業の構造的低採算リスク: コークス事業は売上の61.4%を占め営業損益-23.3億円の赤字で、原料炭価格と製品価格のスプレッド変動に脆弱。前年比では+81.2%改善も依然赤字で、価格転嫁の遅延や原材料高騰が再燃すれば全社収益を圧迫。顧客の鉄鋼業界需給サイクルに連動し、設備稼働率低下時の固定費負担増が利益率を毀損する。
高レバレッジと短期債務偏重による流動性リスク: D/E 2.64倍、Debt/Capital 65.9%の高レバレッジに加え、短期借入金378.9億円が有利子負債の56.3%を占め、現金63.9億円との対比で現金/短期借入金0.17倍と満期ミスマッチが顕著。リファイナンス環境の悪化や与信枠縮小が資金繰りを直撃するリスクがある。インタレストカバレッジ0.70倍は利払い吸収力の脆弱性を示し、金利上昇局面で経常赤字が恒常化する懸念。
在庫過剰と運転資本効率の低下: 在庫回転日数123日(前年比+18日)で在庫が105.0億円に達し、原材料167.4億円、仕掛品11.4億円を含む総在庫283.8億円が運転資本を圧迫。在庫評価損の計上リスクと保管コスト増が粗利率を下押しし、キャッシュフロー拘束が長期化すれば投資余力が減少。燃料・資源リサイクル事業での販売数量減が在庫滞留の主因で、需給環境の悪化が継続すれば陳腐化損失のリスクも残る。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 0.7% | 7.8% (4.6%–12.3%) | -7.1pt |
| 純利益率 | -7.1% | 5.2% (2.3%–8.2%) | -12.3pt |
収益性は業種中央値を大きく下回り、営業利益率・純利益率ともに下位水準。一時損失の影響が大きいが、営業段階でも低マージン構造が顕著。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -7.7% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | -11.4pt |
売上成長率は業種中央値を11.4pt下回り、減収局面で同業他社の成長トレンドに遅れ。燃料・資源リサイクルと総合エンジニアリングの二桁減収が主因で、業種内での相対的劣位が明確。
※出所: 当社集計
営業黒字化と営業CF正常化で事業のボトムアウトが明確化: 営業利益6.1億円への黒字転換、営業CF 85.1億円の大幅改善、コークス事業赤字の+81.2%縮小により、事業基盤の立て直しが進行。非コークス2事業(燃料・資源リサイクル、総合エンジニアリング)が営業利益41.1億円を創出し、ポートフォリオ分散効果が顕在化。営業利益率0.7%は依然低位も、前年-8.6%からの+930bp改善は構造改善の兆候で、来期営業利益率3.5%計画の達成が次の焦点となる。
金利負担と短期債務偏重が経常・最終段階の重石: 支払利息8.7億円が営業利益6.1億円を上回り、インタレストカバレッジ0.70倍と利払い吸収力が脆弱。短期借入金378.9億円が有利子負債の56%を占め、現金63.9億円との対比で流動性リスクが顕在。Debt/EBITDA 10.2倍、D/E 2.64倍の高レバレッジが資本コストを押し上げ、経常段階での価値創出を妨げる。デレバレッジと長期化、金利条件の改善が資本効率向上の鍵で、インタレストカバレッジ>2倍、Debt/EBITDA<6倍への改善が投資テーマの中心。
在庫圧縮とコークス事業黒字化が来期計画達成の前提: DIO 123日(前年比+18日)と在庫負担が増加し、運転資本効率の改善余地が大きい。在庫の圧縮は粗利率の維持とキャッシュフロー創出力の拡大に直結し、DIO 90日未満への改善が望ましい。コークス事業は売上の61%依存で依然-23.3億円の赤字だが、前年比+81.2%改善の趨勢が継続すれば黒字転換が視野に入る。原料炭価格とコークス価格のスプレッド管理、設備稼働率の向上、価格転嫁の進展が黒字化の条件で、来期営業利益36億円計画実現の成否を握る。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。