| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥9425.0億 | ¥7576.4億 | +24.4% |
| 営業利益 | ¥1382.4億 | ¥1189.6億 | +16.2% |
| 経常利益 | ¥1248.1億 | ¥1067.4億 | +16.9% |
| 純利益 | ¥829.6億 | ¥749.5億 | +10.7% |
| ROE | 10.3% | 10.0% | - |
2026年3月期決算は、売上高9,425億円(前年比+1,848億円 +24.4%)、営業利益1,382億円(同+193億円 +16.2%)、経常利益1,248億円(同+181億円 +16.9%)、純利益830億円(同+81億円 +10.7%)と増収増益を達成した。トップラインは都市開発(+52.2%)と住宅(+17.6%)が牽引し、3期連続の増収基調を継続。一方、営業利益率は14.7%で前年比-1.0pt低下、純利益率は8.8%で前年比-1.1pt低下と、増収増益下でも利益率の低下が観察される。営業外費用は216億円(前年181億円)と拡大し、支払利息は189億円と金利上昇環境を反映。特別損益は固定資産売却益174億円を含む特別利益195億円と、減損損失201億円を中心とする特別損失348億円が計上され、ネットで-153億円の減益要因。営業CFは449億円と前年比+133.6%で黒字転換したが、営業CF/純利益比率は54.2%にとどまり、利益の現金化は限定的。フリーCFは-142億円で、配当・自社株買いの総還元392億円は借入等の財務CFで賄う構図。ROEは10.3%を維持し、純利益率低下を総資産回転率の改善(0.34倍)と財務レバレッジ3.50倍でカバーした。
【売上高】売上高は9,425億円(前年比+24.4%)と高成長を達成し、都市開発事業と住宅事業が主導した。セグメント別では、都市開発事業が3,248億円(+52.2%)と最大の成長寄与を示し、大型案件の計上進捗が牽引。住宅事業は4,334億円(+17.6%)で売上構成比46.0%を占め、引渡戸数の増加が貢献。運営管理事業は1,299億円(+14.0%)、仲介・CRE事業は644億円(+12.5%)、資産運用事業は163億円(+4.8%)といずれも二桁成長を維持。一方、海外事業は37億円(-60.5%)と大幅減収となり、プロジェクト進捗の遅れと持分売却計上タイミングのずれが影響。トップライン全体の成長性は業種中央値+12.8%を+11.6pt上回り、住宅・都市開発の案件積み上げと多角化が奏功した。
【損益】営業利益は1,382億円(前年比+16.2%)で増収増益を達成したが、営業利益率は14.7%と前年15.7%から-1.0pt低下。売上原価は6,399億円(原価率67.9%)で前年比+1,489億円増加し、原価率は前年64.8%から+3.1pt上昇。販管費は1,643億円(販管費率17.4%)と前年比+167億円にとどまり、売上伸びを下回る増加率でコスト抑制を実現した。セグメント別営業利益では、住宅事業が606億円(利益率14.0%、前年比+26.5%)と最大の寄与、都市開発事業が537億円(利益率16.5%、前年比+30.0%)で続く。資産運用事業は104億円(利益率63.8%)と高収益性を維持。一方、海外事業は-47億円の営業損失(前年17億円の黒字)と大幅悪化し、全社利益率を押し下げる要因となった。営業外損益では、持分法投資損益69億円(前年50億円)の増加があった一方、支払利息は189億円(前年159億円)と+30億円増加し、有利子負債残高と金利上昇の影響が顕在化。経常利益は1,248億円(前年比+16.9%)と営業利益を上回る伸びを示したが、金利負担係数(経常利益/営業利益)は0.90と前年0.90から横ばい。特別損益は減損損失201億円を中心とする特別損失348億円(前年25億円)と、固定資産売却益174億円を中心とする特別利益195億円がネットで-153億円の減益要因となり、純利益は830億円(前年比+10.7%)と営業利益成長率を下回った。結論として、増収増益を達成したが、原価率上昇と金利負担増、海外損失拡大、減損計上による利益率低下が観察され、収益の質には改善余地がある。
住宅事業は売上高4,334億円(前年比+17.6%)、営業利益606億円(同+26.5%、利益率14.0%)と増収増益を達成し、引渡戸数の増加と高収益物件の販売が寄与。利益率は前年11.9%から+2.1pt改善し、案件ミックスの好転が観察される。都市開発事業は売上高3,248億円(前年比+52.2%)、営業利益537億円(同+30.0%、利益率16.5%)と大幅な増収増益となり、大型案件の計上進捗が牽引。利益率は前年19.4%から-2.9pt低下し、案件規模拡大に伴う原価構造の変化が示唆される。資産運用事業は売上高163億円(前年比+4.8%)、営業利益104億円(同+6.8%、利益率63.8%)と高収益性を維持し、フィー収益の安定寄与を確認。仲介・CRE事業は売上高644億円(前年比+12.5%)、営業利益190億円(同+14.5%、利益率29.5%)と二桁成長継続。運営管理事業は売上高1,299億円(前年比+14.0%)、営業利益135億円(同+12.9%、利益率10.4%)と着実な成長を示した。一方、海外事業は売上高37億円(前年比-60.5%)、営業損失-47億円(前年17億円の黒字)と大幅悪化し、プロジェクト遅延と評価損が主因。減損損失は都市開発199億円、住宅2億円で計201億円が計上され、都市開発における資産評価見直しが反映された。
【収益性】営業利益率は14.7%で前年15.7%から-1.0pt低下し、原価率上昇と海外損失が主因。純利益率は8.8%で前年9.9%から-1.1pt低下し、特別損益と金利負担増が影響。ROEは10.3%で前年10.4%から横ばい水準を維持し、純利益率低下を総資産回転率0.34倍(前年0.28倍)の改善と財務レバレッジ3.50倍でカバー。ROA(経常利益ベース)は4.5%で前年4.3%から+0.2pt改善し、資産効率の向上が寄与。EBITは1,382億円、EBITDAは1,676億円(減価償却費294億円を加算)で、EBITDAマージンは17.8%。【キャッシュ品質】営業CF/純利益比率は54.2%で、利益の現金化は限定的。主因は在庫増-404億円と法人税支払-377億円、利息支払-194億円。営業CF小計(運転資本変動前)は926億円で純利益830億円を+11.5%上回り、非現金費用を含めたコア収益性は堅調。営業CF/EBITDAは26.8%で、キャッシュコンバージョン余地が大きい。【投資効率】総資産回転率は0.34倍で前年0.28倍から改善し、売上拡大と資産圧縮が寄与。設備投資は有形・無形合計で692億円、減価償却費294億円の2.4倍で、成長投資を優先する方針。ROICは4.9%(NOPAT/投下資本)相当で資本コストとの乖離が大きく、改善余地を残す。【財務健全性】自己資本比率は28.5%で前年27.9%から+0.6pt改善。流動比率は360%と高水準だが、現預金383億円/短期負債4,572億円=8.4%と手元流動性は薄く、在庫6,616億円への依存度が高い。有利子負債残高(短期借入金1,426億円+CP76億円+1年内償還社債300億円+社債1,670億円+長期借入金12,137億円)は15,609億円でD/E比率2.50倍、Debt/EBITDA9.31倍と高レバレッジ。インタレストカバレッジ(営業利益/支払利息)は7.33倍で利払い耐性は確保。
営業CFは449億円(前年-1,338億円)と黒字転換し、営業CF小計926億円から運転資本-403億円(主に棚卸資産増)、利息配当受取95億円、利息支払-194億円、法人税支払-377億円を経て着地。棚卸資産増は-404億円で、販売用不動産6,616億円への積み上げ継続が反映され、在庫回転の鈍化が営業CF圧迫要因。売上債権-59億円、仕入債務-64億円と運転資本は全体で純流出。営業CF/純利益比率54.2%、営業CF/EBITDA26.8%とキャッシュ転換は弱く、在庫先行と税・利息支払いが主因。投資CFは-591億円で、有形・無形固定資産取得-692億円、投資有価証券取得-487億円の一方、固定資産売却+391億円、リース預り金受取+53億円が一部相殺。フリーCFは-142億円(前年-1,542億円)と赤字幅は縮小したが、依然マイナス圏。財務CFは+156億円で、長期借入による調達+2,398億円、長期借入返済-1,241億円、社債償還-300億円、CP純減-340億円、短期借入純減-252億円の組み合わせ。配当支払-310億円、自社株買い-82億円で総還元392億円を実施し、実質的に借入でファンド。期末現金残高は368億円(前年373億円)と横ばい圏で推移し、手元流動性は限定的。
経常利益1,248億円と営業利益1,382億円の差-134億円は、持分法投資損益+69億円(前年+50億円)と受取利息・配当2.4億円の営業外収益81億円に対し、支払利息189億円を中心とする営業外費用216億円の差。持分法投資損益は海外プロジェクト会社への投資からの寄与が拡大し、経常的収益として評価可能。特別利益195億円(固定資産売却益174億円、投資有価証券売却益9億円等)と特別損失348億円(減損損失201億円等)のネット-153億円は一時的要因で、経常/非経常の区別は明確。減損は都市開発199億円と住宅2億円で、主に都市開発の保有不動産再評価に起因し、非反復的と判断される。包括利益882億円と純利益830億円の差+52億円は、有価証券評価差額+42億円、退職給付調整+47億円、繰延ヘッジ損益-19億円、為替換算調整-0.4億円等のその他包括利益で構成され、評価性資産の含み益増加が寄与。営業CF449億円と純利益830億円の乖離は主に在庫増-404億円と税・利息支払いで、アクルーアル(純利益-営業CF=381億円)は在庫先行による一時的歪みと解釈される。経常利益ベースの収益性は堅調だが、特別損益のボラティリティと在庫積み上げによるキャッシュ品質の弱さが懸念材料。
通期業績予想は売上高1兆800億円(前年比+14.6%)、営業利益1,400億円(同+1.3%)、経常利益1,250億円(同+0.2%)、純利益860億円(同+3.8%)と、増収微増益計画。上期実績に対する進捗率は売上高87.3%、営業利益98.7%、経常利益99.8%、純利益96.5%と、利益面は既にガイダンスの96%超を消化し、下期は実質横ばいの想定。売上増の主因は住宅引渡しと都市開発大型案件の下期計上だが、営業利益増が限定的なことから、下期は原価率上昇や費用増を織り込んだ慎重見通し。EPS予想100.68円に対し上期実績96.69円は既に96.0%に到達し、下期の純利益増は+30億円程度の想定。配当予想は年間22円(上期実績18円+下期予想4円)だが、上期配当18円は実績ベースで既に支払済み(配当総額150億円)のため、下期追加配当4円の計画と推測される(株式分割後ベース)。前期配当40円(分割前)と比較すると実質減配だが、分割調整後の実質配当性向は約44%で前期39.2%から上昇し、還元方針は維持。業績予想の前提は、住宅引渡戸数の計画達成、都市開発大型案件の下期計上、海外事業の損失縮小、金利負担の現状水準維持と推測される。上期進捗率の高さから下期リスクは限定的だが、在庫回転と建設コスト、市況変動が下振れ要因。
年間配当は40円(中間18円、期末22円)、配当総額310億円で配当性向39.2%。前年配当総額も310億円で配当性向39.2%と同水準を維持し、安定配当方針を継続。自社株買いは82億円を実施し、配当と合わせた総還元は392億円、総還元性向は47.3%と株主還元のバランスは良好。配当額40円は株式分割前ベースであり、2025年4月1日付で1株を5株に分割したため、分割後ベースでは1株あたり8円相当。次期配当予想は22円(分割後ベース)で、通期ベースでは前期実質40円(分割前)と比較して実質減配となるが、分割調整後の配当性向は約44%(予想純利益860億円×0.44≒378億円、配当総額は約188億円相当と推計)と前年並み。ただし、フリーCFは-142億円と配当・自社株買いを下回り、実質的に負債増加で株主還元を賄う構図。現預金残高383億円に対し配当支払310億円は大きく、営業CFの改善が配当持続性の鍵。役員報酬BIP信託・株式付与ESOP信託への配当7億円を含む総配当額と自社株買いを合わせた還元は、純利益830億円の47.3%で、資本効率と成長投資のバランスを取る水準。配当性向40%前後の維持方針は、営業CFの黒字化と在庫回転改善が前提となり、金利上昇と投資継続下では慎重なモニタリングが必要。
在庫積上げと販売タイミングリスク: 販売用不動産6,616億円(前年5,274億円、+25.4%)と仕掛不動産3,766億円(前年3,707億円、+1.6%)が総資産の37.0%を占め、在庫増が営業CFを-404億円圧迫。市況悪化や販売タイミングのずれは在庫評価損と流動性悪化のリスク要因。在庫回転日数は推計240日超で業種平均を上回り、販売スピード鈍化の懸念。
高レバレッジと金利負担拡大: D/E比率2.50倍、有利子負債15,609億円、Debt/EBITDA9.31倍と高レバレッジ。支払利息189億円は前年比+30億円増加し、金利1%上昇で年間約156億円の追加負担が見込まれる。インタレストカバレッジ7.33倍は当面耐性を示すが、EBITDAの21%が利払いに充当される構造で、金利上昇と利益率低下の同時進行は財務圧迫リスク。
海外事業の損失固定化: 海外事業は営業損失-47億円と前年17億円の黒字から悪化し、売上も-60.5%減。持分法投資残高2,898億円(総資産の10.3%)はアジア・北米プロジェクトへの投資で、遅延や評価損の追加計上リスクが残存。為替変動(為替換算調整-0.4億円)と地政学リスクも潜在的懸念。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 14.7% | 10.7% (6.8%–17.9%) | +4.0pt |
| 純利益率 | 8.8% | 5.8% (2.5%–11.9%) | +3.0pt |
収益性は業種中央値を上回り、営業利益率+4.0pt、純利益率+3.0ptと上位水準を維持。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 24.4% | 12.8% (4.2%–29.2%) | +11.6pt |
成長性は業種中央値を+11.6pt上回り、住宅・都市開発の案件積み上げが寄与。
※出所: 当社集計
利益率低下トレンドの転換が焦点: 営業利益率は14.7%と前年比-1.0pt低下し、原価率+3.1pt上昇と海外損失拡大が主因。下期ガイダンスは実質横ばい益で、利益率改善には海外事業の立て直しと都市開発案件ミックスの最適化が不可欠。特別損益(減損201億円、固定資産売却益174億円)のボラティリティは純利益の安定性を阻害し、経常利益ベースの収益性モニタリングが重要。
キャッシュ創出力の改善が株主還元の持続性を左右: フリーCF-142億円に対し総還元392億円は実質的に負債でファンドする構図で、営業CF/純利益54.2%の改善が課題。在庫回転の加速と運転資本効率化が進めば、配当性向40%台の維持と自社株買いの継続余地が拡大。ROE10.3%は業種上位だが、ROIC4.9%と資本コストの乖離は大きく、資本効率改善が評価再評価のカタリスト。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。