クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥194.2億 | ¥171.5億 | +13.2% |
| 営業利益 | ¥23.8億 | ¥19.0億 | +25.3% |
| 経常利益 | ¥26.1億 | ¥20.8億 | +25.4% |
| 純利益 | ¥16.8億 | ¥14.2億 | +18.0% |
| ROE | 13.0% | 12.4% | - |
Executive Summary
2026年3月期第3四半期累計決算は、売上高194.2億円(前年比+22.7億円 +13.2%)、営業利益23.8億円(同+4.8億円 +25.3%)、経常利益26.1億円(同+5.3億円 +25.4%)、純利益16.8億円(同+2.6億円 +18.0%)となった。主力の「や台ずし」を中心とした飲食事業において、第1四半期は天候影響が少なく、第2四半期は既存店売上・来店客数が共に前年比100%超、第3四半期は15時営業開始店舗の拡大により既存店売上が好調に推移し、増収増益を達成した。新規出店22店舗(閉店9店舗)により期末店舗数395店舗に拡大、売上総利益率67.0%を維持し営業利益率は12.2%に改善した。
業績変動要因
【売上高】売上高194.2億円(前年比+13.2%)の増収は、既存店売上の堅調推移と新規出店の寄与による。第1四半期は梅雨明けが早く天候影響が少なく既存店が好調、第2四半期は猛暑日続きながら台風等の影響が限定的で既存店売上・来店客数が共に前年比100%超、第3四半期は立地やニーズを考慮した15時営業開始店舗の増加が既存店売上を押し上げた。新規出店は22店舗実施し純増13店舗を確保、店舗数の拡大が売上成長に寄与した。
【損益】営業利益23.8億円(前年比+25.3%)、営業利益率12.2%(前年11.1%から1.1pt改善)は、売上総利益率67.0%の高水準維持と営業レバレッジの効果による。食材価格高騰に対しては地域仕入先ルートの活用と年4回の定期的メニュー変更・価格改定により原価率を維持・改善し、増収による販管費の希薄化で営業利益率が向上した。経常利益26.1億円(前年比+25.4%)は営業利益の増加に加え営業外収益2.4億円の寄与があり、営業利益を2.3億円上回る。純利益16.8億円(前年比+18.0%)は税負担係数0.643(実効税率約35.7%)と税負担がやや高い影響で、経常利益の伸び25.4%に対して純利益の伸びは18.0%にとどまった。特別損益は小幅で経常的要因が業績の中心である。結論として、既存店好調と新規出店による増収、粗利率維持と営業レバレッジによる増益を実現し、増収増益を達成した。
セグメント別分析
飲食事業が単一セグメントであり、主力の「や台ずし」359店舗(全店舗の92%)を中心に展開している。売上高194.2億円、営業利益23.8億円を計上し、営業利益率12.2%を実現した。増収の主因は既存店売上の前年比100%超推移と新規出店22店舗(閉店9店舗で純増13店舗)の寄与である。増益の主因は売上総利益率67.0%の高水準維持と増収による販管費の希薄化による営業レバレッジの効果である。15時営業開始店舗の拡大や接待・インバウンド需要対応の新業態「玉鋼」、M&Aで取得した海老フライ専門店「海老どて食堂」など、顧客ニーズや立地に応じた店舗運営の柔軟性が既存店売上を下支えし、主力の飲食事業が全社業績を牽引した。
主要財務指標
- 収益性: ROE 13.0%(前年12.4%)、営業利益率 12.2%(前年11.1%)、純利益率 8.6%(前年8.3%)
- キャッシュ品質: データなし
- 投資効率: データなし
- 財務健全性: 自己資本比率 72.3%(前年76.8%)、流動比率 319.5%、負債資本比率 0.38倍
- 効率性: 総資産回転率 1.09回(前年1.15回)、売上総利益率 67.0%
キャッシュフロー分析
営業CFデータは開示されていないが、現金預金は119.99億円と前年比+24.28億円(+25.4%)増加し、手元流動性は潤沢である。純利益16.8億円の計上と運転資本の効率化(買掛金の大幅増加+9.56億円、+122.1%)が手元資金の積み上がりに寄与したと推察される。投資CFは有形固定資産が新規出店22店舗により増加したが、グループ建装企業を活用した低コスト出店により投資回収期間は1年から2年と短期である。財務CFは配当14.0円(中間配当実績)を実施したが、利益剰余金は前年比+13.81億円(+12.4%)増加し内部留保は強化された。FCFの詳細データは不明だが、現金創出能力は強いと評価される。
収益の質
経常利益26.1億円に対し純利益16.8億円と、両者の差は主に税負担によるもので、税負担係数0.643(実効税率約35.7%)と税負担がやや高い。営業外収益2.4億円があり、経常利益は営業利益23.8億円を2.3億円上回る。営業外収益の構成詳細は開示されていないが、売上高194.2億円の約1.2%と小幅であり、本業主導の収益構造である。特別損益は小幅で、一時的要因の影響は限定的である。営業CFと純利益の関係は開示データがないが、買掛金の大幅増加と現金預金の増加が同時に発生しており、運転資本の効率化により利益の現金裏付けは良好と推察される。
業績予想・ガイダンス
通期予想は売上高241.84億円、営業利益24.04億円、経常利益26.58億円、純利益18.20億円。第3四半期累計の進捗率は売上高80.3%、営業利益98.8%、経常利益98.2%、純利益92.2%となり、標準進捗75%を大きく上回る。特に営業利益は通期予想に対して既に98.8%達成しており、第4四半期の利益積み上がりは限定的な見込みである。通期売上高の前年比成長率は+5.6%、営業利益は+3.3%、経常利益は+3.9%の見通しで、第3四半期累計の高い進捗率を勘案すると通期目標達成は確度が高い。第4四半期以降も新規出店を継続予定で、契約済み案件として7店舗が開示されており、通期約40店舗の出店計画を下支えする。進捗率が高い背景には天候影響の少なさ、既存店好調、新規出店ペースの順調さが挙げられる。
株主還元
中間配当14.0円を実施済みで、期末配当14.0円を予定し年間配当28.0円を維持する方針である。通期純利益予想18.20億円に基づく配当性向は約17.3%と低水準であり、配当の持続可能性は高い。自己資本比率72.3%と財務健全性が高く、現金預金119.99億円と潤沢な手元資金があるため、配当余力は十分である。自社株買いの開示はなく、株主還元は配当のみで、配当性向は約17.3%にとどまる。利益剰余金は前年比+13.81億円増加しており、内部留保の蓄積と成長投資への再配分余地が残されている。
カタリスト
【短期】第4四半期における新規出店7店舗(契約済み案件)の開店状況と既存店売上の前年比100%超維持。通期営業利益24.04億円の達成確度(第3四半期累計で既に98.8%進捗)。年4回実施する定期的なメニュー変更・価格改定の効果と原価率の維持・改善状況。
【長期】中期目標500店舗・売上高300億円・経常利益率10%超の達成に向けた新規出店ペースの維持と既存店売上前年比100%超の持続。新業態「玉鋼」「海老どて食堂」の収益貢献と横展開。乗降客6千人以上の駅前・中小型直営店舗の低コスト出店による投資回収1年から2年の実現。長期目標3,000店舗・売上高1,800億円に向けた全国展開の進捗と地域リスク分散。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 収益性: ROE 13.0%(業種中央値2.9%、2025-Q3 retail業種16社)で業種内上位に位置。営業利益率12.2%(業種中央値3.9%)、純利益率8.6%(業種中央値2.2%)と共に業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で高水準である。 健全性: 自己資本比率72.3%(業種中央値56.8%)で業種中央値を上回る。流動比率319.5%(業種中央値1.93x)と極めて高く、短期支払能力は業種内でも突出している。 効率性: 総資産回転率1.09(業種中央値0.95)で業種中央値を若干上回る。売上高成長率13.2%(業種中央値3.0%)は業種内上位であり、成長性も高い水準にある。 ※業種: 小売業(16社)、比較対象: 2025年第3四半期、出所: 当社集計
リスク要因
食材価格高騰リスク: 主要原材料である食材の価格上昇は原価率に直結するが、地域仕入先ルートの活用と年4回の価格改定により原価率67.0%を維持している。今後の食材価格動向次第では粗利率が圧迫されるリスクがある。既存店売上維持リスク: 中期目標で既存店売上前年比100%維持を掲げているが、天候・気候変動、消費者支出の減速、競合激化により既存店売上が前年比を下回る場合、増収基盤が揺らぐリスクがある。税負担率の高さ: 実効税率約35.7%と高めで、税負担係数0.643により経常利益の伸びが純利益に十分に反映されない。税負担の変動や税効果の変化が純利益の成長率を左右する要因となる。
決算上の注目ポイント
営業利益率12.2%と純利益率8.6%は小売業種内で高水準にあり、既存店売上前年比100%超の維持と新規出店による増収基盤の強さが収益性を支えている。通期営業利益予想に対する第3四半期累計の進捗率98.8%は標準進捗75%を大幅に上回り、通期目標達成の確度は高い。買掛金の大幅増加(前年比+122.1%)は仕入条件の変化または取引量増加を反映し、運転資本構造の変化として短期的に手元資金の積み上がりに寄与しているが、今後の運転資本動向が営業CFに与える影響を注視する必要がある。配当性向約17.3%と低水準で内部留保余力が大きく、中期目標500店舗・売上高300億円に向けた成長投資の継続と将来的な増配余地が残されている点は注目される。
本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
AI分析(決算説明資料)
PDF決算説明資料のAI分析
サマリー
2026年3月期第3四半期決算は、売上高194.21億円(前年比+13.2%)、営業利益23.75億円(同+25.3%)、経常利益26.09億円(同+25.4%)、純利益16.78億円(同+18.0%)と増収増益を達成。395店舗を展開(ヨシックスフーズ390店、ワンダーフードイノベーション5店)。通期予想に対し売上80.3%、営業利益98.8%、経常利益98.2%、純利益92.2%と進捗良好。既存店売上は前年比100%超で推移。主力業態「や台ずし」を中心に、田舎戦略と老舗理論に基づく出店を継続。中期目標は500店舗・売上高300億円・経常利益率10%超。将来目標は3,000店舗・売上高1,800億円。第41期スローガンは「目的の目的は何だ!~元気を持って帰ってもらう店なんやで~」で、来店満足度の最大化、基本の徹底、価値創造、出店戦略を推進。
主要ハイライト
第1四半期は梅雨明けが早く天候の影響が少なかったため売上高が好調に推移。第2四半期は猛暑日が続いたが台風等の天候影響も少なく既存店売上・来店客数ともに100%超。第3四半期は15時営業開始店舗を増やし既存店売上が好調、立地やニーズを考慮した営業時間の拡大が奏功。新規出店22店舗を実施(や台ずし16店、ひとくち餃子の頂4店、海老どて食堂1店、華花1店)、閉店撤退9店舗。富山県・岩手県・秋田県・北海道への初出店を実現し、地域リスクヘッジを進展。
事業見通し
通期は売上高241.84億円(経常利益率11.0%)、営業利益24.04億円(同9.9%)、経常利益26.58億円、純利益18.20億円(同7.5%)を予想。第4四半期以降、草加駅西口町、諫早駅前町、倉敷駅前店、旭川三条通町、高岡駅前町、岩国駅前店など7店の物件契約済案件を含む新規出店を計画。中期目標500店舗構想の実現に向け、2支社7事業部体制を維持し、田舎戦略と老舗理論の徹底により地域一番店の確立を目指す。
経営ガイダンス
第41期は利益計画・出店計画の達成を最重要目標とし、来店満足度の最大化(中長期的な店舗売上高に大きく影響)、働きたくなる店づくり・基本の徹底(人財の共育、基本理念の全店実践)、時代のニーズに合った新業態の開発、既存エリアの物件洗い直しと新規エリア開拓による確実な新規出店を推進する方針。食材価格高騰に対しては、幅広いエリアの地域仕入先ルート活用により高品質かつ低価格な仕入れに注力し、年4回の居酒屋メニュー変更に伴う価格改定で原価率の維持・改善を図る。
戦略的取り組み
田舎戦略:乗降客6千人以上の駅前かつ1.5等地・2等地に30~40坪程度の中小型直営店を低コスト出店し、地域一番店を目指す戦略。潜在市場規模は2,784億円と試算。老舗理論:大企業のシステム統制と地元個人店の居心地の良さを融合し、競合と異なる隙間を突く差別化戦略。地域リスクヘッジ:2支社7事業部体制(東日本支社:関東第一・関東第二・静岡事業部、西日本支社:中部・関西・中四国・九州事業部)により、広範囲なエリア展開でリスク分散。グループ建装企業(ヨシオカ建装)の有効活用:低コスト出店ノウハウにより固定資産の投資回収期間を1~2年に短縮し、新規出店・撤退の判断を早期化。ワンダーフードイノベーション株式会社の展開:自然薯専門店「華花」を5店舗展開し、駅前立地以外のロードサイド・ショッピングモール・商業ビル等への出店とランチタイム中心のアルコール販売を伴わない売上を獲得。
参考情報(前提条件)
- その他: 通期予想の前提となる為替レート、燃油価格等の具体的な想定値の記載なし。業績見通しは既存店売上100%維持、新規出店40店舗(第3四半期までに22店舗実施済、第4四半期以降7店舗契約済)、家賃比率7%台維持を前提。
開示資料に記載されたリスク
食材価格の高騰リスク:幅広いエリアの地域仕入先ルート活用と定期的な価格改定で対応。人材確保のための人件費や求人採用費の高騰:売上増加で吸収を図る方針。店舗運営に係る水道光熱費等の高騰:増収によるレバレッジ効果で対応。天候リスク:第3四半期は気候の影響が少なかったが、過去に梅雨・台風等の影響で既存店売上が変動した実績あり。既存店売上100%維持の達成リスク:中期目標の前提であり、来店満足度の最大化と基本理念の全店実践徹底で対応。
AI財務分析
総括
2026年度Q3累計は、売上成長に加えて販管費率の低下が寄与し、増収増益となった。売上高は194.21億円で前年同期比13.2%増、営業利益は23.75億円で同25.3%増となった。経常利益は26.09億円で同25.4%増、親会社株主に帰属する当期純利益は16.78億円で同18.0%増である。営業利益の増益率は売上成長率を12.1pt上回り、営業レバレッジが顕在化した。粗利益率は67.0%で、前年同期の67.1%から約10bp低下した。一方、販管費率は54.7%と前年同期の56.0%から約131bp改善した。この販管費率の改善が、営業利益率を前年同期の11.1%から12.2%へ約117bp押し上げた主因である。経常利益率も12.1%から13.4%へ約130bp上昇した。純利益率は8.3%から8.6%へ約35bp改善した。営業外収益は2.39億円で売上高の1.2%にとどまり、経常利益の増加は主に本業の営業増益を反映している。特別利益0.02億円および特別損失0.01億円は軽微であり、純利益に対する一時損益の影響は限定的である。実効税率は35.7%であり、税負担係数は0.643となったため、税引前利益の増加率25.6%に対して純利益の増加率は18.0%にとどまった。年換算ROEは17.3%で、収益性のベンチマークである15%を上回る。年換算総資産回転率1.447回、財務レバレッジ1.38倍という低レバレッジの資本構成下でROEを確保しており、収益性主導の資本効率と評価できる。通期会社予想に対するQ3累計の営業利益進捗率は98.8%であり、標準的な75%を大幅に上回る。第4四半期に必要な営業利益は0.29億円、必要売上高は47.63億円であり、通期予想は保守的な設定、又は第4四半期の費用増加・季節性を織り込む前提とみられる。現金預金119.99億円は総資産の67.1%を占め、流動性は極めて厚い。飲食事業を唯一の報告セグメントとするため、今後は既存店の売上動向、人件費・食材費・出店関連費用が、この利益率改善の継続性を左右する。
収益性分析
デュポン分解では、年換算ROE 17.3%は純利益率8.6%×年換算総資産回転率1.447回×財務レバレッジ1.38倍で構成される。ROEを支える最大の収益ドライバーは、過度な負債ではなく8.6%の純利益率と1.447回の資産回転である。営業利益率は12.2%で前年同期比約117bp改善しており、純利益率の上昇に最も直接的に寄与した。粗利益率は約10bp低下しているため、利益率改善は原価率ではなく販管費率の約131bp低下による。販管費は106.29億円で前年同期比10.6%増にとどまり、売上高の13.2%増を下回ったことから、固定費吸収と店舗運営効率の改善が示唆される。営業利益は23.75億円と売上高増分22.71億円の約21%を利益へ転換しており、増収局面での営業レバレッジは良好である。CFAの5因子ではEBITマージン12.2%、金利負担係数1.099であり、営業外損益は金利負担ではなく純収益として経常利益を補完している。税負担係数0.643は正常の目安である0.70を下回り、実効税率35.7%が純利益の伸びを抑制した。飲食事業の高い粗利益率67.0%は、一般的小売よりもサービス付加価値と店舗オペレーションの影響が大きい業態特性を反映する。もっとも、販管費率54.7%は人件費、賃料、光熱費等の固定費・準固定費への感応度が高いことも意味する。したがって、現時点では販管費の売上比率低下が収益性改善を主導しているが、出店加速や人件費・食材費上昇局面でも同水準を維持できるかが持続性の検証点となる。
成長性評価
売上高は前年同期比13.2%増の194.21億円であり、営業利益の25.3%増を伴うため、成長の採算性は改善している。売上総利益は130.04億円で同13.9%増となり、売上成長をわずかに上回った一方、粗利益率は67.0%で概ね横ばいである。利益成長は粗利率上昇より販管費率低下に依存しており、既存店売上、店舗数の純増、店舗当たり売上および労働生産性の動向が重要となる。唯一の報告セグメントは飲食事業であり、収益源の分散度は相対的に限定される。通期予想は売上高241.84億円、営業利益24.04億円、経常利益26.58億円、親会社株主に帰属する当期純利益18.20億円である。Q3累計の売上高進捗率は80.3%で、標準的な75%を5.3pt上回る。営業利益進捗率は98.8%、経常利益進捗率は98.9%、純利益進捗率は92.2%であり、いずれも標準進捗を上回る。特に営業利益は標準を23.8pt上回るため、会社計画に対する上振れ余地と第4四半期の費用・季節性の両方を確認する必要がある。通期予想達成に必要な第4四半期売上高は47.63億円、営業利益は0.29億円で、必要営業利益率は約0.6%にとどまる。これはQ3累計の営業利益率12.2%を大幅に下回る水準であり、予想の保守性が示唆される一方、年末・年度末に集中する人件費、出店費用、既存店販促費等が生じる場合には利益率低下の可能性も織り込む必要がある。
財務健全性
財務健全性は強固である。流動比率および当座比率はともに319.5%で、一般的な健全水準である150%および100%を大きく上回る。流動資産134.53億円に対し流動負債は42.11億円で、運転資本は92.42億円のプラスである。現金預金は119.99億円で流動負債の約2.85倍、総資産の67.1%を占めるため、短期債務の返済資金には十分な余裕がある。負債資本倍率は0.38倍であり、D/E比率2.0倍超の警戒水準から大きく乖離している。総負債49.58億円は総資産の27.7%にとどまり、純資産129.37億円、自己資本比率72.3%という保守的な資本構成である。前年同期比では買掛金が7.86億円から17.45億円へ9.60億円増加し、122.1%の大幅増となった。買掛金の増加は仕入規模の拡大、支払サイトの変化、又は期末近辺の仕入タイミングの影響を受け得るが、現金保有が厚く、流動性を損なう満期ミスマッチには至っていない。売掛金は1.72億円増の7.36億円、30.4%増であり、売上高の13.2%増を上回る伸びであるため、法人取引・決済構成・回収サイトの推移を確認対象とする。現金預金は24.28億円増の119.99億円、25.4%増であり、利益蓄積を背景に流動性バッファーが拡充した。無形固定資産は0.16億円から0.45億円へ175.5%増加したが、総資産比は0.3%にすぎず、資産価値や減損耐性への影響は軽微である。有形固定資産は32.81億円で総資産の18.3%を占め、飲食店舗ネットワークの維持・拡大に伴う固定資産の収益性が中期的な資本効率を左右する。役員退職慰労引当金5.79億円を計上しているが、純資産および現金残高との比較では支払能力への影響は限定的である。
B/S変動のポイント
買掛金: +9.60億円(+122.1%)- 売上拡大に伴う仕入増加や支払タイミングの変化を示唆する。流動負債は増加したが、現金預金119.99億円が買掛金を大きく上回り、短期支払能力は十分である。売掛金: +1.72億円(+30.4%)- 売上高の+13.2%を上回る伸び。法人取引・決済手段の構成変化又は回収サイトの動向を継続監視する必要がある。現金預金: +24.28億円(+25.4%)- 総資産の67.1%を占める119.99億円まで積み上がり、流動性と出店・株主還元に関する資本配分の選択肢を拡大した。無形固定資産: +0.29億円(+175.5%)- 伸び率は高いが残高は0.45億円、総資産比0.3%であり、無形資産集中や大規模な減損リスクを示す規模ではない。
キャッシュフロー品質
配当持続性
第2四半期配当は1株当たり14.00円であり、Q3累計純利益16.78億円に対する配当性向は8.6%である。この8.6%は中間配当のみを対象とした累計ベースの配当性向であり、自社株買いを含まない配当金のみの指標である。会社の通期配当予想は1株当たり28.00円であり、年間では中間・期末各14.00円を想定している。通期純利益予想18.20億円と期中平均株式数10,242,316株を用いた年間配当性向は約15.8%となる。年間配当性向は60%未満の持続可能性目安を大幅に下回る。現金預金119.99億円と低い負債資本倍率0.38倍は、利益変動時の配当維持余力を補完する。利益剰余金は124.90億円で前年同期比13.81億円増加しており、内部留保の蓄積も進んでいる。したがって、現在の1株当たり28.00円の配当水準は、利益とバランスシートの両面からみて保守的である。配当の将来的な伸びは、飲食事業の既存店収益性、出店投資の規模、および資本配分方針に依存する。
リスク評価
ビジネスリスクとして、高優先度:飲食事業への収益集中。唯一の報告セグメントが飲食事業であるため、外食需要、消費者の節約志向、天候、感染症等による客数変動が連結業績へ直接波及する。、高優先度:人件費、食材費、光熱費および店舗賃料の上昇。販管費率は54.7%と高く、足元の利益率改善は販管費率低下に支えられているため、コスト上昇の価格転嫁が遅れれば営業レバレッジが逆回転する。、中優先度:出店・店舗運営リスク。有形固定資産32.81億円を保有する店舗型事業であり、新店の立ち上がり遅延、立地の選別誤り、既存店とのカニバリゼーションは投資回収を悪化させ得る。、中優先度:外食業界固有の人材確保リスク。労働市場の逼迫は採用費・時給・教育コストを押し上げ、営業時間やサービス品質にも影響し得る。が挙げられます。
財務リスクとしては、低優先度:買掛金が前年同期比122.1%増の17.45億円となった。現金預金119.99億円により資金繰りリスクは低いが、仕入債務の増加要因と支払条件の継続性は確認を要する。、中優先度:売掛金が前年同期比30.4%増と売上成長率を上回った。売上債権の増加が継続する場合、回収期間の長期化が運転資本効率を低下させる可能性がある。、低優先度:税負担係数は0.643、実効税率は35.7%であり、税引前利益の成長が純利益へ転換される比率は相対的に低い。が挙げられます。
主な懸念事項としては、最優先の確認項目は、Q3累計で営業利益が通期予想の98.8%に到達した後の第4四半期の利益率である。通期達成に必要な第4四半期営業利益率は約0.6%であり、計画の保守性と期末費用の双方を見極める必要がある。、販管費率の前年同期比約131bp改善が持続的な生産性向上によるものか、一時的な費用発生時期のずれによるものかが、利益成長の再現性を左右する。、粗利益率は前年同期比約10bp低下しているため、食材コストや値引き・販促の影響が今後も続く場合、販管費効率化だけでは利益率を維持できない可能性がある。が挙げられます。
投資示唆
重要ポイントとして、売上高13.2%増に対して営業利益25.3%増を達成し、営業利益率は12.2%へ約117bp改善した。、年換算ROEは17.3%で、低レバレッジの資本構成を維持しながら15%超の高い資本効率を実現している。、流動比率319.5%、現金預金119.99億円、負債資本倍率0.38倍であり、財務余力は大きい。、通期営業利益予想に対する進捗率は98.8%で、年度末の費用動向を踏まえた計画の着地が短期的な焦点となる。、通期予想配当性向は約15.8%と低く、配当水準には利益・資本面の余力がある。が挙げられます。
注視すべき指標は、既存店売上高、客数および客単価の推移、粗利益率と食材費・光熱費の上昇に対する価格転嫁、販管費率、人件費率および新店関連費用、第4四半期の営業利益率と通期予想の上方修正の有無、買掛金17.45億円および売掛金7.36億円の増加要因と回転状況、出店投資に対する店舗収益性と有形固定資産の回収効率です。
セクター内ポジションについては、営業利益率12.2%は一般的な外食・小売の低マージン業態と比べて良好な水準であり、粗利益率67.0%は専門的なサービス付加価値を持つ飲食モデルを示す。加えて、自己資本比率72.3%と負債資本倍率0.38倍は保守的で、財務レバレッジではなく本業収益性と資産回転によって年換算ROE17.3%を創出している点が特徴である。