- 売上高: 2,040.16億円
- 営業利益: 117.90億円
- 当期純利益: 65.98億円
- 1株当たり当期純利益: 64.98円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,040.16億円 | 2,091.61億円 | -2.5% |
| 売上原価 | 1,533.20億円 | 1,618.92億円 | -5.3% |
| 売上総利益 | 506.96億円 | 472.69億円 | +7.2% |
| 販管費 | 389.05億円 | 403.38億円 | -3.6% |
| 営業利益 | 117.90億円 | 69.31億円 | +70.1% |
| 営業外収益 | 14.60億円 | 16.90億円 | -13.6% |
| 営業外費用 | 31.92億円 | 54.41億円 | -41.3% |
| 経常利益 | 100.58億円 | 31.80億円 | +216.3% |
| 税引前利益 | 70.34億円 | 23.14億円 | +204.0% |
| 法人税等 | 4.36億円 | 1.65億円 | +164.2% |
| 当期純利益 | 65.98億円 | 21.49億円 | +207.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 57.32億円 | 1.14億円 | +4928.1% |
| 包括利益 | 80.41億円 | 20.18億円 | +298.5% |
| 減価償却費 | 118.39億円 | 111.78億円 | +5.9% |
| 支払利息 | 13.91億円 | 9.17億円 | +51.7% |
| 1株当たり当期純利益 | 64.98円 | 1.29円 | +4937.2% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,556.58億円 | 2,674.95億円 | -118.37億円 |
| 現金預金 | 260.44億円 | 285.81億円 | -25.37億円 |
| 売掛金 | 793.41億円 | 925.45億円 | -132.04億円 |
| 棚卸資産 | 668.15億円 | 650.55億円 | +17.60億円 |
| 固定資産 | 3,539.12億円 | 3,503.04億円 | +36.08億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 275.28億円 | 171.00億円 | +104.28億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -129.78億円 | 12.77億円 | -142.55億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 2,253.10円 |
| 純利益率 | 2.8% |
| 粗利益率 | 24.8% |
| 流動比率 | 181.4% |
| 当座比率 | 134.0% |
| 負債資本倍率 | 1.60倍 |
| インタレストカバレッジ | 8.48倍 |
| EBITDAマージン | 11.6% |
| 実効税率 | 6.2% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -2.5% |
| 営業利益前年同期比 | +70.1% |
| 経常利益前年同期比 | +216.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -94.3% |
| 包括利益前年同期比 | +298.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 89.05百万株 |
| 自己株式数 | 803千株 |
| 期中平均株式数 | 88.20百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,660.46円 |
| EBITDA | 236.29億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 40.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| LifeScience | 89百万円 | 1.49億円 |
| RealEstate | 5.76億円 | 9.79億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 4,250.00億円 |
| 営業利益予想 | 230.00億円 |
| 経常利益予想 | 175.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 65.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 73.69円 |
| 1株当たり配当金予想 | 40.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の東洋紡は、減収の中で大幅な増益を達成し、営業段階の収益性改善が鮮明でした。売上高は2,040.16億円で前年同期比-2.5%と縮小した一方、営業利益は117.90億円で同+70.1%と急増しました。結果として当期の営業利益率は5.8%となり、前年の約3.3%から+247bpの改善と推計されます。売上総利益は506.96億円で粗利率24.8%と堅調、販管費は389.05億円(売上対比約19.1%)に抑制され、コスト構造の改善が利益率押し上げに寄与しました。営業外では収益14.60億円に対し費用31.92億円で差引-17.32億円とマイナス、経常利益は100.58億円(+216.3%)まで伸長しました。税引前利益は70.34億円と経常段階から約30億円縮小しており、特別損失等の一時要因が利益を圧迫したとみられます。当期純利益は57.32億円で前年同期比-94.3%と大幅減益ですが、これは前年に多額の一過性利益があった、または当期に一過性損失が発生した影響が大きいと推定されます。EPSは64.98円、計算配当性向は62.1%とやや高めで、低ROE(2.4%)および低ROIC(3.0%)との整合性には課題が残ります。営業CFは275.28億円と純利益の4.80倍で、減価償却費118.39億円や運転資本の解放によりキャッシュ創出力は利益を大きく上回りました。流動比率181.4%、当座比率134.0%と流動性は良好で、インタレストカバレッジ8.48倍と支払余力も十分です。一方、負債資本倍率1.60倍は目安の1.5倍をやや上回り、Debt/EBITDAは6.92倍とレバレッジは中立〜やや高めの水準にあります。デュポン分解では、純利益率2.8%、総資産回転率0.335、レバレッジ2.60倍の積でROEは2.4%にとどまり、資本効率の低さが経営課題です。営業外収入比率25.5%と非連続的要素の影響度も小さくなく、特別損失の発生可能性と併せて利益のボラティリティに留意が必要です。総じて、コア事業の採算改善とコスト効率化が明確化した一方、資本効率(ROE/ROIC)の低位、レバレッジの相対的高さ、一過性損益の振れが今後の評価軸となります。短期的には粗利率の改善持続と運転資本の健全化が追い風ですが、中期的にはROIC引き上げ(7–8%目標ライン)に向けた事業ポートフォリオ見直しや資本配分の最適化が鍵です。営業CFの強さは投資・債務返済・配当原資を支えるものの、FCF情報が未開示のため持続性評価は限定的です。為替・原材料・エネルギー価格など外部環境の変動は引き続きリスクであり、特別損益の発生頻度低下がEPSの平準化に必要です。今後は、利益率の改善幅の維持、非営業・特別損益のコントロール、ROIC/ROEの段階的な改善、レバレッジ低減の進捗が重要なチェックポイントとなります。
ROEはデュポン分解で、ROE(2.4%) = 純利益率(2.8%) × 総資産回転率(0.335) × 財務レバレッジ(2.60)で説明される。今期の改善・悪化の寄与の中で最大のドライバーは純利益率の変動であり、営業利益率の大幅な改善(約+247bp)によりコア収益性が引き上げられた一方、特別損失や非営業費用の増加が純利益率を抑制した。ビジネス面では、粗利率の改善と販管費のコントロールが営業利益率の伸長に寄与したが、非営業・特別損益が経常〜最終利益を希釈した。営業段階の改善は、価格改定、製品ミックスの改善、原燃料コストの安定化・低下や生産性向上の効果が背景と考えられ、短中期的な持続性は一定程度見込める。一方、特別損失は一過性である可能性があるが、構造改革や減損が続く場合は再発リスクに留意が必要。警戒すべきトレンドとして、売上が-2.5%と減収のなかで販管費が依然大きく(売上対比19.1%)、今後売上が鈍化する局面での営業レバレッジの逆回転に注意。さらに、総資産回転率0.335と資産効率が低く、ROIC 3.0%は資本コストを下回るため、低収益資産の圧縮や投下資本の最適化が課題となる。
売上は-2.5%と軟化し、数量・価格・為替のいずれかが影響した可能性が高いが、粗利率改善により減収増益を実現した。営業利益は+70.1%と大幅増で、価格転嫁、コスト低減、ミックス改善の寄与が示唆される。経常利益も+216.3%と大幅増だが、特別損失で税前利益が圧縮され、最終利益は前年の一過性益の反動で大幅減。利益の質は、営業CF/純利益4.80倍、EBITDAマージン11.6%から見て良好で、キャッシュ創出力は改善。ただし、非営業・特別損益の振れが大きく、EPSの持続可能性には不透明感。見通しとしては、コア事業の採算改善が維持されれば営業利益率5–6%台の維持は可能だが、売上の回復と資産効率の改善が伴わない限りROE/ROICの大幅改善は限定的。中期では不採算資産圧縮、選択と集中、価格決定力の強化、固定費最適化が成長と資本効率の両立に不可欠。
流動比率181.4%、当座比率134.0%と短期流動性は健全で、満期ミスマッチは限定的(流動資産2,556.58億円に対し流動負債1,409.52億円)。短期借入金507.28億円はあるが、現金260.44億円、売掛金793.41億円、棚卸資産668.15億円がクッション。負債資本倍率1.60倍は目安(<1.5倍)をやや上回り、レバレッジは中立〜やや高め。長期借入金1,127.48億円と固定負債2,338.45億円は金利上昇局面での財務費用増に注意が必要。インタレストカバレッジ8.48倍と支払余力は現状十分。オフバランス債務の情報は未開示のため評価限定的。自己資本比率は未記載だが、純資産2,347.73億円・総資産6,095.70億円からみて財務基盤は一定の厚みがあると評価できる。
営業CFは275.28億円で純利益57.32億円の4.80倍と高水準で、利益の質は高い。減価償却費118.39億円に加え、運転資本の解放(売上減少に伴う在庫・売上債権圧縮)がCFOを押し上げた可能性が高い。FCF、投資CF、設備投資は未開示のため、投資負担とFCFの持続性評価は限定的。財務CFは-129.78億円で、借入返済や配当支払いによるキャッシュアウトが示唆されるが、配当金額は未開示。運転資本操作の兆候として、CFOがEBITDA(236.29億円)を上回っており、在庫・債権の減少が寄与したと推察されるが、これが一時的要因か持続的な効率化の成果かを継続モニターすべき。
配当性向(計算値)62.1%は目安<60%をやや上回り、ROE 2.4%、ROIC 3.0%という資本効率の低さを踏まえると、やや重い水準。FCF情報が未開示のため、CFOから投資CFを差し引いたFCFによる配当カバレッジは評価不可。参考として、EPS 64.98円×配当性向62.1%から推計されるDPSは約40円、期中平均株式数ベースの総配当は約35〜36億円規模と見積もられる(推計)。現時点の営業CFは潤沢で配当原資を支えうるが、レバレッジがやや高く、特別損益による最終利益の変動もあるため、配当の安定性はFCFとバランスシートのデレバレッジ進捗次第。
ビジネスリスク:
- 原材料・エネルギー価格の変動による粗利率圧迫リスク
- 為替変動(円安/円高)による収益性・在庫評価への影響
- 特別損失(減損・構造改革費用等)の発生による最終利益のボラティリティ
- 需要減速(自動車・電子・フィルム等用途)による稼働率低下
- 製品ミックス悪化時の価格競争激化
財務リスク:
- 負債資本倍率1.60倍、Debt/EBITDA約6.9倍に伴う金利上昇耐性の低下
- 短期借入金507億円依存に伴うリファイナンスリスク(現状は流動性で緩和)
- 非営業・特別損益の振れに伴う信用指標の変動
- ROIC 3.0%と資本コスト乖離による価値毀損リスク
主な懸念事項:
- 営業段階の改善にもかかわらず最終利益が一過性要因で低位にとどまっている点
- 資産回転率0.335と資産効率の低さがROE/ROICを拘束
- 配当性向がやや高く、資本効率・デレバレッジとの両立に課題
- 非営業・特別損失の再発リスク管理(ポートフォリオの整理含む)
重要ポイント:
- 減収下でも粗利率・営業利益率の改善でコア収益性が回復
- 非営業・特別損益が最終利益を希釈し、EPSの平準化が課題
- ROIC 3.0%、ROE 2.4%と資本効率が低位で、投下資本の最適化が不可欠
- 営業CFは純利益の4.8倍と強く、短期的な資金余力は十分
- レバレッジは中立〜やや高めで、金利・リファイナンス環境に敏感
注視すべき指標:
- 営業利益率(5.8%)の維持と粗利率トレンド
- 特別損益の発生頻度と額(税前利益への影響)
- ROICと総資産回転率の改善度合い
- Debt/EBITDA、インタレストカバレッジの推移
- 運転資本回転(在庫・売掛の圧縮継続)とFCF創出
- 配当性向と総還元の持続可能性
セクター内ポジション:
同業内ではコア稼得力は改善しているが、資産効率とROICが低位で、資本配分・ポートフォリオ再編の進捗が相対評価の鍵。レバレッジは同規模メーカー比でやや高めだが、流動性と金利負担耐性は現時点で良好。
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