- 売上高: 1,020.46億円
- 営業利益: 44.12億円
- 当期純利益: 25.76億円
- 1株当たり当期純利益: 85.87円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,020.46億円 | 956.51億円 | +6.7% |
| 売上原価 | 877.93億円 | 830.62億円 | +5.7% |
| 売上総利益 | 142.52億円 | 125.89億円 | +13.2% |
| 販管費 | 98.39億円 | 91.38億円 | +7.7% |
| 営業利益 | 44.12億円 | 34.51億円 | +27.8% |
| 営業外収益 | 7.87億円 | 11.81億円 | -33.4% |
| 営業外費用 | 12.39億円 | 6.02億円 | +105.8% |
| 経常利益 | 39.60億円 | 40.30億円 | -1.7% |
| 税引前利益 | 40.71億円 | 42.47億円 | -4.1% |
| 法人税等 | 14.94億円 | 15.59億円 | -4.2% |
| 当期純利益 | 25.76億円 | 26.87億円 | -4.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 25.73億円 | 26.61億円 | -3.3% |
| 包括利益 | 11.80億円 | 53.68億円 | -78.0% |
| 支払利息 | 4.95億円 | 4.73億円 | +4.7% |
| 1株当たり当期純利益 | 85.87円 | 88.21円 | -2.7% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 85.83円 | - | - |
| 1株当たり配当金 | 32.00円 | 32.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,447.76億円 | 1,443.74億円 | +4.02億円 |
| 現金預金 | 222.52億円 | 187.62億円 | +34.90億円 |
| 売掛金 | 551.70億円 | 574.15億円 | -22.45億円 |
| 棚卸資産 | 448.95億円 | 462.93億円 | -13.98億円 |
| 固定資産 | 533.28億円 | 522.59億円 | +10.69億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.5% |
| 粗利益率 | 14.0% |
| 流動比率 | 135.0% |
| 当座比率 | 93.2% |
| 負債資本倍率 | 1.82倍 |
| インタレストカバレッジ | 8.91倍 |
| 実効税率 | 36.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +6.7% |
| 営業利益前年同期比 | +27.8% |
| 経常利益前年同期比 | -1.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -3.3% |
| 包括利益前年同期比 | -78.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 31.10百万株 |
| 自己株式数 | 1.06百万株 |
| 期中平均株式数 | 29.97百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,342.09円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 32.00円 |
| 期末配当 | 42.00円 |
| セグメント | 売上高 |
|---|
| AluminumAndCopperProducts | 4.98億円 |
| ElectronicAndAdvancedMaterials | 28.80億円 |
| EquipmentAndMaterials | 3.15億円 |
| MetalProcessing | 98百万円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 2,150.00億円 |
| 営業利益予想 | 88.00億円 |
| 経常利益予想 | 82.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 54.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 179.79円 |
| 1株当たり配当金予想 | 42.00円 |
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2026年度第2四半期のアルコニックスは、売上高が増収、営業利益も2桁伸長で堅調だが、営業外費用の増加で経常・最終利益は減益となり、増収増益から増収減益へと評価が揺れる決算だった。売上高は1,020.46億円(前年同期比+6.7%)、営業利益は44.12億円(+27.8%)と営業段階は力強い。営業利益率は4.32%まで上昇し、前年同期推計の3.61%から約+71bp改善した。これに対し経常利益は39.60億円(-1.8%)で、経常利益率は3.88%と前年推計の4.22%から約-34bp縮小した。非営業損益は営業外収益7.87億円に対して営業外費用12.39億円と純マイナスで、特に支払利息4.95億円の負担が重く、営業段階の改善を相殺した。最終利益は25.73億円(-3.3%)で、純利益率は2.52%と前年推計2.78%から約-26bp低下した。粗利率は14.0%で一定の採算改善が見られる一方、金融費用の上昇が利益構造上の制約となっている。総資産は1,981.05億円、総資産回転率は0.515回と効率性は商社水準として中庸だが、ROEは3.7%と低位で資本効率の課題が残る。ROICは3.0%と管理ベンチマークの5%を下回り、投下資本に対する収益性は不十分である。流動比率135%、当座比率93.2%と短期流動性は概ね許容だが、当座比率が100%を下回り、短期借入金314.62億円に対して現金222.52億円とややタイトな構図である。営業CFは未開示で、営業CF/純利益やFCFが不明なため、利益の現金裏付けは判断できない点が品質面の懸念である。配当性向は計算値で89.4%と高水準で、ROE・ROICの低さと併せて持続性に慎重な見方が必要。営業外収入比率は30.6%と非営業項目の比重が高い一方、当期は営業外費用が上回り、金利環境の逆風を受けやすい収益構造が露呈した。商社的ビジネスモデルの特性として持分法投資利益の影響が大きいが、当期は未開示で構成分析に制約がある。総じて、コア事業の採算は改善、しかし資本・資金コスト(利払い)と非営業の逆風が最終段階を圧迫する二面性の決算である。今後は金利負担の低減(デレバレッジ)とROIC改善、ならびに営業CF創出力の実証が評価の鍵となる。
ROE分解(デュポン):ROE 3.7% = 純利益率2.5% × 総資産回転率0.515 × 財務レバレッジ2.82倍。期中の変化ドライバーは利益率の悪化(純利益率が前年推計2.78%→2.52%へ約-26bp)で、営業段階は改善したが、非営業費用(支払利息を中心)が増加し税前利益を圧迫、実効税率36.7%も相まって純利益率の低下がROEの重しとなった。総資産回転率0.515回は販売増に沿っておおむね安定域だが、在庫(448.95億円)・売掛金(551.70億円)の水準からみて運転資本の張り付きが継続しやすく、回転効率の大幅改善余地は限定的。財務レバレッジ2.82倍は高めで、レバレッジ寄与でROEを補っている一方、利払い増を通じて純利益率を毀損する負の側面が顕在化。ビジネス上の理由としては、非鉄金属系の川下・加工・トレーディングの価格転嫁進展で営業利益率が4.32%へ上昇(前年推計比+71bp)した半面、金利上昇局面での短期借入金314.62億円の負担増が響いた。営業利益率の改善は採算管理・ミックス改善が背景で一定の持続性が期待できるが、金利負担は金利環境と負債構成の見直し次第で、短期的には継続しやすい。一方で、販管費の伸びは開示不足だが、売上総利益142.52億円—販管費98.39億円の差し引きで営業改善を確保しており、現時点では販管費の増勢が売上成長を上回るシグナルは確認されない。懸念としては、経常・最終段階で非営業要因がマージンを圧縮するトレンド(経常利益率約-34bp、純利益率約-26bpの縮小)が続く点で、ROEの回復には財務コストの低減またはさらなる営業改善が必須。
売上は+6.7%と堅調で、粗利率14.0%および営業利益+27.8%は価格転嫁・ミックス改善の進展を示唆する。経常・最終は減益で、金利負担等の非営業要因が成長のボトルネック。営業外収入比率30.6%と非営業依存度が相対的に高い構造だが、当期は営業外費用が上回り、非営業のボラティリティが成長の不確実性を高めた。売掛金551.70億円、在庫448.95億円と運転資本は大きく、売上拡大に伴う資金需要は引き続き高い公算。ROICは3.0%と低く、成長投資の資本効率が課題。見通しとしては、(1)金利環境の動向、(2)短期借入の圧縮・条件改善、(3)在庫回転の強化、(4)価格転嫁の継続が利益成長の鍵。持分法投資利益が未開示のため、資源・非資源ポートフォリオによる変動影響は評価に限界がある。
流動比率135.0%、当座比率93.2%で、短期の支払能力は概ね許容ながら当座比率は100%を下回り要注意。D/E(負債資本倍率)1.82倍は業界ベンチマーク(<1.5倍)を上回りやや高めだが、警告閾値の2.0倍は下回る。短期借入金314.62億円に対し現金222.52億円でキャッシュ単独カバーは0.71倍、売掛金・在庫を含めれば流動資産1,447.76億円で流動負債1,072.18億円を十分に賄うが、満期ミスマッチの観点では短期負債のロールオーバー依存が続く。長期借入金140.45億円を含む総有利子負債は概ね455億円規模と推計され、ネット有利子負債は約232億円(有利子負債−現金)で、ネットD/Eは約0.33倍と抑制的。インタレストカバレッジ8.91倍は良好だが、利払い4.95億円が経常段階の重石。のれん8.56億円、無形資産27.98億円は資産全体に占める割合が小さく減損リスクは限定的。オフバランス債務(リース、保証等)は開示不足で判断困難。
営業CF・投資CF・財務CFは未開示で、営業CF/純利益やFCFの算定不可。よって、利益の現金裏付け(営業CF/純利益<0.8のリスク判定)や、配当・設備投資に対するFCFカバレッジの持続性評価に制約がある。売掛金551.70億円、在庫448.95億円と運転資本が厚いため、増収局面では運転資本の増勢が営業CFを圧迫している可能性はあるが、実際の増減は不明。運転資本操作の兆候(売掛・在庫の過大積み上がりや買掛の不自然な伸長)を検証するには前年同期残高や回転日数が必要で、現時点では判定不可。
配当性向(計算値)89.4%はベンチマーク(<60%)を大きく上回り、高い還元姿勢がうかがえる一方で持続性には慎重姿勢が必要。ROE3.7%、ROIC3.0%と資本効率が低位で、内部留保の成長力が限定的。営業CF・FCFが未開示のため、配当のFCFカバレッジは判定不能だが、非営業費用の増加と金利負担が続く前提ではキャッシュ創出に対する配当の重さは増す可能性。安定配当方針の維持には、(1)営業CFの実力確認、(2)運転資本効率化、(3)利払い負担の軽減、のいずれかが必要になる。
ビジネスリスク:
- 価格転嫁遅れ・商品市況変動に伴う粗利率の変動(粗利率14.0%の持続性)
- 需要循環(自動車・電子材料など非鉄関連需要)の減速リスク
- プロジェクト・投資案件のROIC低迷(ROIC 3.0% < 5%)による資本生産性の毀損
- 持分法適用会社の業績変動(未開示のため感応度不明)
財務リスク:
- 金利上昇局面での利払い増(支払利息4.95億円、インタレストカバレッジ8.91倍の低下リスク)
- 短期借入金依存(314.62億円)によるロールオーバー・流動性リスク
- 当座比率93.2%と現金水準(222.52億円)の相対的不足に伴う短期耐性の低下
- 為替変動による評価損益・在庫評価影響(商社型モデル特有)
主な懸念事項:
- 経常・最終段階でのマージン縮小(経常利益率約-34bp、純利益率約-26bp)
- 非営業費用>非営業収益の構図(営業外収入比率30.6%ながら純マイナス)
- ROE 3.7%・ROIC 3.0%の低水準と配当性向約89%のミスマッチ
- キャッシュフロー未開示により利益の質・配当持続性の検証が困難
重要ポイント:
- 営業段階は好転(OP +27.8%、OPM 4.32%)も、非営業費用増で経常・純利益は減益。
- 金利負担増が利益率とROEを抑制、財務レバレッジの正負両面が顕在化。
- ROIC 3.0%は警戒水準で、資本効率改善(在庫回転・選別投資・デレバレッジ)が最重要。
- 流動性は概ね許容だが当座比率<100%・短期借入依存が残る。
- 配当性向約89%は高く、CF裏付け未確認のため持続性は不透明。
注視すべき指標:
- 営業CF・FCF(営業CF/純利益の水準:>1.0を目標)
- 在庫回転日数・売掛回収日数(運転資本効率)
- 金利負担(平均調達金利、インタレストカバレッジの推移)
- レバレッジ(D/E、ネットD/E、短期借入金の縮減進捗)
- ROIC分解(NOPAT、投下資本、事業別ROIC)
- 非営業損益の安定性(持分法投資利益・為替差損益の開示)
セクター内ポジション:
非鉄系の専門商社として営業改善は同業平均に見劣りしないが、金利負担・ROIC低位・高配当性向が相対的な弱点。資本効率と財務コストのコントロールが進めば評価余地。
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