- 売上高: 301.45億円
- 営業利益: 48.03億円
- 当期純利益: 26.80億円
- 1株当たり当期純利益: 152.38円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 301.45億円 | 285.93億円 | +5.4% |
| 売上原価 | 175.07億円 | - | - |
| 売上総利益 | 110.86億円 | - | - |
| 販管費 | 79.57億円 | - | - |
| 営業利益 | 48.03億円 | 31.28億円 | +53.5% |
| 営業外収益 | 10.44億円 | - | - |
| 営業外費用 | 1.42億円 | - | - |
| 経常利益 | 57.37億円 | 40.30億円 | +42.4% |
| 税引前利益 | 38.20億円 | - | - |
| 法人税等 | 11.39億円 | - | - |
| 当期純利益 | 26.80億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 48.70億円 | 25.58億円 | +90.4% |
| 包括利益 | 67.87億円 | 31.51億円 | +115.4% |
| 支払利息 | 77百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 152.38円 | 77.87円 | +95.7% |
| 1株当たり配当金 | 50.00円 | 50.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 558.46億円 | 584.37億円 | -25.91億円 |
| 現金預金 | 304.18億円 | 304.19億円 | -1百万円 |
| 売掛金 | 65.48億円 | 85.74億円 | -20.26億円 |
| 棚卸資産 | 58.23億円 | 57.93億円 | +30百万円 |
| 固定資産 | 859.92億円 | 823.48億円 | +36.44億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 16.2% |
| 粗利益率 | 36.8% |
| 流動比率 | 332.9% |
| 当座比率 | 298.2% |
| 負債資本倍率 | 0.52倍 |
| インタレストカバレッジ | 62.38倍 |
| 実効税率 | 29.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +5.4% |
| 営業利益前年同期比 | +53.6% |
| 経常利益前年同期比 | +42.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +90.4% |
| 包括利益前年同期比 | +115.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 35.22百万株 |
| 自己株式数 | 3.57百万株 |
| 期中平均株式数 | 31.96百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,952.58円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Machinery | 62.23億円 | 7.16億円 |
| Pharmaceuticals | 84.13億円 | 8.19億円 |
| RealEstate | 29百万円 | 34.50億円 |
| Textiles | 1百万円 | 4.97億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 407.00億円 |
| 営業利益予想 | 50.00億円 |
| 経常利益予想 | 60.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 49.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 153.65円 |
| 1株当たり配当金予想 | 60.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3の片倉工業は、売上高+5.4%に対し営業利益+53.6%と大幅な営業レバレッジが働き、四半期業績は総じて好調です。売上高は301.45億円、売上総利益110.86億円、営業利益48.03億円、経常利益57.37億円、当期純利益48.70億円と各段階で増益を確保しました。営業利益率は15.9%と推計され、前年同期比で約+499bpの改善と試算されます(前年は売上286.05億円、営業利益31.28億円と逆算)。経常利益率も19.0%と推計され、前年から約+494bp改善しました(前年の経常利益は40.28億円と逆算)。純利益率は16.2%と高水準で、前年から約+721bpの大幅改善と推計されます(前年純利益25.58億円と逆算)。売上総利益率は36.8%で、コストコントロールとミックス改善が示唆されます。営業外収入は10.44億円で売上比3.5%相当、うち受取配当金が8.70億円と非営業寄与が大きく、営業外収入比率は21.4%と高めです。経常から税前にかけては特別損益の影響で57.37億円から38.20億円へ減少しており、非経常項目の振れが大きい決算であることが読み取れます。一方、当期純利益は48.70億円と税前を上回る水準で、税効果や少数株主損益の影響が純利益を押し上げた可能性があります。財務面では、現金預金304.18億円、流動比率332.9%、当座比率298.2%、負債資本倍率0.52倍、インタレストカバレッジ62.38倍と、流動性・耐性は非常に厚いです。総資産1,418.38億円に対し投資有価証券370.13億円を保有しており、投資収益への依存度が一定程度ある一方で、リスク資産の時価変動影響も意識が必要です。ROEは5.2%と資本効率はまだ過渡期で、ROICは4.9%と5%をわずかに下回り、資本コスト対比での価値創造に課題が残ります。営業CFが未記載のため利益の質(キャッシュ創出力)の評価が限定的で、営業CF/純利益やFCFの持続性は今後の開示待ちです。配当性向は計算値で36.2%と保守的レンジにあるものの、FCFカバレッジ不明のため最終的な持続性判断は留保します。総じて、収益性の改善と強固な財務を確認できる一方、非営業・非経常の振れと低ROICが中期課題であり、今後は営業キャッシュ創出の裏付け、資本効率の改善、投資収益の安定性が重要な示唆です。
ステップ1(ROE分解): ROE 5.2% = 純利益率16.2% × 総資産回転率0.213 × 財務レバレッジ1.52倍。ステップ2(変化の特定): 当期は純利益率の改善が最も寄与が大きい(営業利益+53.6%に対し売上+5.4%で、営業利益率は約+499bp改善、純利益率は約+721bp改善)。ステップ3(理由): 粗利率36.8%の確保と販管費抑制により営業レバレッジが発現、さらに営業外収入(配当金8.70億円など)が経常段階を押し上げたことが純利益率を改善。ステップ4(持続性評価): 粗利改善と販管費効率化は一定の持続可能性がある一方、営業外収入や特別損益は変動性が高く、純利益率の過度な上振れは一時的要素を含む可能性。ステップ5(懸念トレンド): 総資産回転率0.213と低く、ROICが4.9%と資本コスト対比で弱い。営業外収入比率21.4%は利益の質を希薄化しうる。販管費の内訳未記載で、販管費の構造的改善の確認が難しい。
売上は+5.4%増の301.45億円で、需要底堅さとミックス改善が示唆されます。営業利益は+53.6%増の48.03億円、経常利益は+42.4%増の57.37億円と、増収以上の増益。営業外収入10.44億円(配当8.70億円中心)が増益に寄与しており、非営業依存の度合いが一定程度あります。税前段階で特別損益の影響により減少(57.37→38.20億円)が見られ、中期的には非経常の振れを抑える運営が成長の安定性に重要です。事業投資の成果(ROIC 4.9%)は未だ十分ではなく、資本回転効率の改善(余剰資産圧縮、低収益資産の再配置)が成長の質を高める鍵です。将来見通しは、営業力・コスト効率の維持に加え、投資収益の安定性と為替・市況要因の影響管理が焦点となります。
流動比率332.9%、当座比率298.2%と非常に健全で、短期支払能力は極めて高いです。負債資本倍率0.52倍、長短借入金合計62.43億円に対し現金預金304.18億円と実質ネットキャッシュ、インタレストカバレッジ62.38倍で金利耐性も十分です。満期ミスマッチは流動資産558.46億円が流動負債167.76億円を大幅に上回り、短期資金繰りリスクは限定的です。固定負債316.14億円の一部は長期借入金34.31億円等で、資本構成は保守的です。オフバランス債務は開示情報からは把握できず、リースや保証等の潜在債務は不明です。
営業CF、投資CF、フリーCFの開示がなく、営業CF/純利益やFCFカバレッジの定量評価は不可です。営業外収入比率が21.4%と比較的高いため、営業キャッシュ創出力との乖離リスクには留意が必要です。運転資本は売掛金65.48億円、棚卸58.23億円、買掛金42.43億円で、在庫・与信の運転資本効率は概ねコントロールされているように見えますが、期中の増減は不明です。投資有価証券370.13億円の規模から、キャッシュフローは市場環境に左右される可能性があり、売却・配当のタイミング次第でFCFのボラティリティが高まる点に注意が必要です。
配当性向(計算値)36.2%は保守的レンジで、利益水準からみる限り短期的な持続性は高いと評価します。もっとも、FCFや営業CFの開示がなく、キャッシュ創出の裏付け確認はできません。ネットキャッシュ基調で流動性は厚く、短期的な配当原資の確保余地は大きい一方、ROICが4.9%と低く資本効率改善の必要性が高いことから、将来的には自己株式取得や事業再構築とのバランスを取りつつ配当方針を機動的に運用する可能性があります。投資収益(配当収入等)依存度が高い局面では市況次第で利益変動があり、安定配当方針の維持には営業CFの強化が重要です。
ビジネスリスク:
- 投資有価証券370.13億円に起因する市場価格変動リスク
- 営業外収入(配当等)への依存度上昇による利益変動リスク
- 特別損益の振れに伴う税前利益のボラティリティ
- 総資産回転率0.213に示される低回転構造による収益性鈍化
財務リスク:
- ROIC 4.9%と資本コスト対比での価値毀損リスク
- 営業CF未開示による利益の質・FCF持続性の不確実性
- 投資有価証券の減損・売却損発生リスク
- 金利上昇局面での評価損拡大(債券保有がある場合)
主な懸念事項:
- 純利益が税前利益を上回る異例の構造で、税効果・少数株主損益・非経常影響の把握が困難
- 営業外収入比率が21.4%と高く、コア収益力の判別が難しい
- ROE 5.2%、ROIC 4.9%と資本効率の改善余地が大きい
- キャッシュフロー開示不足により、配当・投資の持続性評価が制約される
重要ポイント:
- 増収率+5.4%に対し営業利益+53.6%で高い営業レバレッジを確認
- 営業利益率は約15.9%へ上昇(前年比+約499bp)、純利益率16.2%で収益性は大幅改善
- 営業外収入(配当8.70億円など)の寄与が大きく、利益の質の検証が必要
- 財務はネットキャッシュ・高流動で極めて健全
- ROIC 4.9%は警戒域で、資本効率改善(資産の入替・非中核圧縮)が課題
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益(目安>1.0倍)
- FCFと配当・投資のカバレッジ
- 総資産回転率とROICのトレンド(目標>7-8%)
- 営業外収入比率と持分法・配当収益の内訳
- 特別損益の発生頻度と規模
セクター内ポジション:
同業多角化企業と比較して財務安全性は上位、収益性(ROE/ROIC)は中位~下位、非営業・投資収益への依存度はやや高め。
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