- 売上高: 204.80億円
- 営業利益: 20.21億円
- 当期純利益: 7.32億円
- 1株当たり当期純利益: 379.64円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 204.80億円 | 186.47億円 | +9.8% |
| 売上原価 | 135.83億円 | - | - |
| 売上総利益 | 50.64億円 | - | - |
| 販管費 | 42.02億円 | - | - |
| 営業利益 | 20.21億円 | 8.62億円 | +134.5% |
| 営業外収益 | 3.15億円 | - | - |
| 営業外費用 | 1.04億円 | - | - |
| 経常利益 | 22.09億円 | 10.73億円 | +105.9% |
| 税引前利益 | 10.74億円 | - | - |
| 法人税等 | 3.42億円 | - | - |
| 当期純利益 | 7.32億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 19.14億円 | 7.31億円 | +161.8% |
| 包括利益 | 18.50億円 | 6.66億円 | +177.8% |
| 減価償却費 | 14.52億円 | - | - |
| 支払利息 | 40百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 379.64円 | 145.11円 | +161.6% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 238.89億円 | - | - |
| 現金預金 | 48.68億円 | - | - |
| 売掛金 | 101.10億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 26.57億円 | - | - |
| 固定資産 | 249.51億円 | - | - |
| 有形固定資産 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -14.17億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 38.02億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 9.3% |
| 粗利益率 | 24.7% |
| 流動比率 | 196.7% |
| 当座比率 | 174.9% |
| 負債資本倍率 | 1.10倍 |
| インタレストカバレッジ | 50.58倍 |
| EBITDAマージン | 17.0% |
| 実効税率 | 31.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +9.8% |
| 営業利益前年同期比 | +1.3% |
| 経常利益前年同期比 | +1.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +1.6% |
| 包括利益前年同期比 | +1.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 5.08百万株 |
| 自己株式数 | 32千株 |
| 期中平均株式数 | 5.04百万株 |
| 1株当たり純資産 | 4,753.14円 |
| EBITDA | 34.73億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 70.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 500.00億円 |
| 営業利益予想 | 27.00億円 |
| 経常利益予想 | 30.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 23.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 456.02円 |
| 1株当たり配当金予想 | 70.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
サトウ食品株式会社(29230)の2026年度第2四半期(連結、JGAAP)は、売上高204.8億円(前年同期比+9.8%)とトップラインが堅調に拡大し、営業利益20.21億円(+134.4%)と大幅な増益を確保しました。粗利益は50.64億円、粗利率24.7%で、原材料コストやエネルギーコストの高止まり局面でも改善が進んだ可能性があります。販管費は42.02億円で、販管費率は20.5%と、売上の伸長に対し販管費の伸びを抑制できたことから明確な営業レバレッジが発現しています。営業利益率は9.9%(=20.21/204.80)と、食品セクター内でも良好な水準に回復しています。営業外収益は3.15億円(うち受取配当金0.34億円)で、営業外費用1.04億円を差し引き、経常利益は22.09億円(+105.9%)となりました。一方で、税引前当期純利益10.74億円に対し当期純利益が19.14億円と逆転しており、税効果の影響や特別損益など非経常要因が大きく作用した可能性が高く、当期利益の質には留意が必要です。実効税率は31.8%(=3.42/10.74)と算定される一方、純利益の方が税引前利益を上回る点は、繰延税金や非支配損益、その他包括利益のリサイクリング等、例外的要因の寄与を示唆します。デュポン分析では純利益率9.3%、総資産回転率0.336、財務レバレッジ2.55倍からROEは8.0%で、資本効率は着実に改善軌道にあります。流動比率196.7%、当座比率174.9%と流動性は良好で、短期支払能力に余裕があります。有利子負債は短期36.0億円・長期134.52億円の合計170.52億円、現金48.68億円からネット有利子負債は約121.84億円、ネットD/Eは約0.51倍と資本構成は許容範囲です。ただし、営業キャッシュフローは-14.17億円とマイナスで、利益拡大に対しキャッシュ創出が追随していません。設備投資は14.82億円(マイナス表記は支出)と積極的で、簡易FCF(営業CF-設備投資)は約-28.99億円とマイナス圏です。運転資本は117.46億円、売掛金101.10億円・棚卸資産26.57億円・買掛金9.24億円の構成から、概算のCCCは約114日(売掛約90日、棚卸約36日、買掛約12日)と長めで、営業CFの変動要因となり得ます。財務CFは38.02億円のプラスで、借入等の外部資金によりキャッシュ需要を賄っている構図です。EPS(基本)379.64円、配当性向(計算値)18.6%と株主還元余地はあるものの、当期の利益の質とキャッシュ創出の不一致を踏まえると、増配余地の判断には慎重さが求められます。総じて、価格改定・ミックス改善とコストコントロールにより収益性は大幅回復し、バランスシートも安定的ですが、営業CFの弱さと損益計算書の非経常的な歪みが持続性評価の鍵となります。データには未記載項目が散見され、特に投資CF・配当金支払額・希薄化後EPSなどが不明なため、結論の確度には一定の留保が必要です。
ROE分解: - ROE: 8.0%(報告・計算一致)。- デュポン要素: 純利益率9.3% × 総資産回転率0.336 × 財務レバレッジ2.55倍。- 純利益率: 9.3%は食品セクターとしては良好で、営業利益率9.9%および営業外収支の改善が寄与。税前→純利益での増加は非定常要因の可能性が高く、持続性は要検証。
利益率の質: - 粗利率24.7%(前年比不明)だが、売上+9.8%に対し営業利益+134.4%の伸びから価格転嫁・ミックス改善・効率化が進展。- 販管費率20.5%と抑制が効き、固定費吸収が改善。- 営業外収益3.15億円の貢献は限定的だがプラス要因。- 税前利益10.74億円に対し純利益19.14億円という歪みは一過性の税効果や特別要因の示唆で、純利益率は過大に見える可能性。
営業レバレッジ: - 売上+9.8%に対し営業利益+134.4%と高い弾性を確認。- 減価償却費14.52億円、EBITDA34.73億円(マージン17.0%)から、固定費比率はなお高めだが、増収局面で利益感応度が高い構造。- 先行投資(設備投資14.82億円)との相乗で今後の限界利益率改善余地。
売上持続可能性: - 売上高204.8億円(+9.8%)は数量・価格双方の寄与が想定される。- 主力の米飯・パックご飯は内食需要の粘着性が高く、防御的セクターの特性から中期的に安定した成長が見込まれる。- ただし、国内市場の成熟と競争激化により、2桁成長の継続には新製品・チャネル拡大・値上げの継続が前提。
利益の質: - 営業利益率9.9%まで回復したが、純利益は非経常要因の影響が大きい可能性。- コストサイドでは資材・エネルギーの変動が依然リスクで、値上げ浸透度合いが利益維持の鍵。- 営業CFがマイナスで利益との乖離が見られ、短期的な利益の質は中立~やや弱めの評価。
見通し: - 価格改定定着と生産性改善が継続すれば、営業利益率は高位維持が可能。- CCC長期化によるキャッシュ創出の遅延が続く場合、成長投資や還元政策の裁量に制約。- 投資回収と在庫・債権圧縮の進展が見通し改善の前提。
流動性: - 流動比率196.7%、当座比率174.9%で短期支払能力は十分。- 現金48.68億円、売掛金101.10億円と流動資産厚みがある一方、営業CFがマイナスでキャッシュ創出のタイミングに注意。
支払能力: - 有利子負債170.52億円、ネット有利子負債約121.84億円。- インタレストカバレッジ50.6倍(=20.21/0.40)と利払い負担は軽微。- 負債資本倍率1.10倍、ネットD/E約0.51倍でレバレッジは適正範囲。
資本構成: - 総資産610.33億円、純資産239.73億円で財務レバレッジ2.55倍。- 株主資本比率は未記載だが、計算上約39.3%(=239.73/610.33)と推定され、健全域。- 設備投資の継続により固定資産比率は上昇圧力も、現時点では耐性あり。
利益の質: - 営業CF/純利益比率は-0.74倍で、利益がキャッシュに転化していない。- 売上債権・在庫の積み上がりに伴う運転資金需要が主因と推測。- 税前と純利益の乖離もあり、一部非現金要因の寄与が大きい可能性。
FCF分析: - 営業CF-14.17億円、設備投資-14.82億円から、簡易FCFは約-28.99億円。- 投資CF全体は未記載のため正確なFCFは算出不可。- 財務CF+38.02億円で外部資金によりキャッシュアウトを吸収。
運転資本: - 運転資本117.46億円。- 概算CCC約114日(売掛約90日、棚卸約36日、買掛約12日)と長めで、売上拡大局面では資金吸収要因。- 今後は回収・在庫回転改善が営業CF反転の鍵。
配当性向評価: - 配当性向(計算値)18.6%と低水準で、利益ベースでは支払余力がある。- ただし純利益に非経常要因が含まれる可能性があり、実力ベースの配当余力は慎重評価が妥当。
FCFカバレッジ: - 簡易FCFがマイナスで、上期時点ではキャッシュベースの配当カバレッジは弱い。- 通期で運転資金の季節性が解消すれば改善余地はあるが、現状は借入・手元流動性への依存度が高い。
配当方針見通し: - 低配当性向方針の継続なら安定配は可能。- 増配余地の有無は通期の営業CF改善と投資計画の進捗、ネットD/Eの目標レンジ次第。- 自社株買いは期中-0.00億円と実質ゼロで、当面は配当中心とみられる。
ビジネスリスク:
- 原材料(米、包装資材)およびエネルギー価格の変動
- 国内主力カテゴリーの成熟と価格競争激化
- 小売・PBとの交渉力変動による値上げ転嫁リスク
- 生産能力・設備稼働のボトルネックと品質管理リスク
- 需要季節性と在庫負担増加による販売ミックス悪化
財務リスク:
- 営業CFのマイナス継続による外部資金依存の高まり
- CCC長期化による運転資金拘束と利息負担増リスク
- 非経常損益・税効果の振れによる当期純利益のボラティリティ
- 金利上昇時の借入コスト上昇(有利子負債170.52億円)
- 投資回収遅延による減損リスク
主な懸念事項:
- 税前利益と純利益の逆転現象(利益の質の不確実性)
- 営業CF/純利益が-0.74倍とキャッシュ創出の弱さ
- CCC約114日と長い資金回転
- 積極的な設備投資とFCFマイナスのバランス
重要ポイント:
- 売上+9.8%、営業利益+134%で営業レバレッジが強く発現
- 営業利益率9.9%、EBITDAマージン17.0%と収益性が改善
- ROE8.0%、レバレッジ2.55倍で資本効率は着実に回復
- 流動比率196.7%、当座比率174.9%と短期流動性は良好
- 営業CF-14.17億円、簡易FCF約-28.99億円でキャッシュ面は弱含み
- 税前と純利益の乖離が大きく、当期利益の持続性評価に注意
注視すべき指標:
- 営業CFの反転と営業CF/純利益比率の改善(1.0倍超を目標)
- 売掛金回転日数と在庫回転日数(CCCの短縮)
- 原材料・電力コストと販売価格改定の浸透度
- 設備投資実行額と投資対効果(EBITDA/Capex)
- ネットD/E、インタレストカバレッジの推移
- 特別損益・税効果の発生状況(利益の質の確認)
セクター内ポジション:
国内米飯・パックご飯の大手としてブランド力と価格交渉力を有し、防御的需要に支えられて相対的に景気耐性が高い。一方、CCCの長さと営業CFの弱さは同業他社に比べて短期の資金効率面で見劣りし得る。収益性は足元改善が顕著で、セクター中位~上位水準に回復。
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