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29222026 第3四半期プライムJGAAP

なとり(2922) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益22%減

2026年度第3四半期の売上高は378.8億円(前年同期比-0.5%)、営業利益は16.8億円(同-22.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 なとり

食品/食料品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥378.8億¥380.6億−0.5%
営業利益¥16.8億¥21.6億−22.2%
経常利益¥17.2億¥22.1億−22.2%
純利益¥12.3億¥15.6億−21.0%
ROE4.5%5.9%-

Executive Summary

当第3四半期累計は減収減益となり、粗利率低下によるコスト吸収力の弱さが利益率悪化の主因である。売上高は378.8億円(前年比-0.5%)、営業利益は16.8億円(同-22.2%)、経常利益は17.2億円(同-22.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は12.3億円(同-21.0%)となった。売上原価率が78.7%と上昇し粗利率が21.3%に低下、販管費率16.9%と合わせて営業利益率は4.4%へ縮小した。

業績変動要因

【売上高】売上高は378.8億円で前年同期比0.5%減とほぼ横ばいだった。セグメント別ではGrocery Manufacturing and Sellingが375.6億円と全体の99.2%を占め、Real Estate Rentは3.2億円にとどまる。主力の食品製造販売事業の減収が全体の減収要因であり、不動産賃貸事業は規模は小さいものの71.0%の高い利益率を維持している。

【損益】売上原価率は78.7%(前年から上昇)、粗利率は21.3%に低下し、粗利は80.8億円(前年83.4億円)と減少した。販管費は64.0億円で前年比微増となり、粗利縮小と販管費負担増の両面から営業利益は16.8億円(前年比-22.2%)へ大きく落ち込んだ。経常利益も17.2億円(同-22.2%)とほぼ同率の減少にとどまり、営業外損益の影響は限定的である。税引前利益17.9億円には固定資産売却益0.8億円を含む特別利益0.8億円が寄与しており、これを除くと本業の利益はさらに弱い。純利益は12.3億円(同-21.0%)で、結論として減収減益である。

セグメント別分析

Grocery Manufacturing and Sellingは売上高375.6億円(構成比99.2%)、営業利益14.5億円、利益率3.9%であり、全社利益率4.4%を下回る主力事業として業績全体を規定している。Real Estate Rentは売上高3.2億円(構成比0.8%)にとどまるが、営業利益2.3億円、利益率71.0%と極めて高収益であり、事業規模は小さいが利益率の押し上げに寄与している。主力の食品事業における粗利率改善が、今後の全社利益率回復の鍵となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は4.4%で前年同期の約5.7%から低下し、純利益率も3.2%へ縮小した。ROEは4.5%で、純利益率の低さが最大の制約要因となっている。【キャッシュ品質】売掛金は122.6億円と総資産の26.4%を占め、回収サイトの長さが運転資本効率に影響し得る水準にある。棚卸資産は14.8億円で総資産比3.2%と限定的である。【投資効率】総資産は464.6億円で前年比+11.8%増加した一方、売上高は横ばいであり、資産効率の改善は限定的である。【財務健全性】自己資本比率は59.4%(前年63.1%)で高水準を維持し、流動資産252.8億円は流動負債152.3億円を上回る。有利子負債は約35.0億円と純資産275.8億円に対し小さく、財務レバレッジは保守的である。

キャッシュフロー分析

CF計算書データは開示されていないため、BS推移から資金動向を分析する。現金及び預金は44.8億円で前年の45.1億円からほぼ横ばいである。売掛金は122.6億円へ前年から大きく増加しており、回収の長期化が運転資本に負担をかけている可能性がある。買掛金は71.8億円へ増加し仕入債務側の資金繰りは緩和されている一方、棚卸資産は14.8億円へ減少した。総資産は464.6億円と前年から約49億円増加し、有形固定資産や投資その他の資産も増加していることから、設備投資や資産取得に資金が向けられたとみられる。有利子負債は約35.0億円と大きな変動はなく、資金調達面では安定している。

収益の質

税引前利益17.9億円には、固定資産売却益0.8億円を中心とする特別利益0.8億円と特別損失0.1億円の純額0.7億円が含まれ、これは純利益12.3億円の約5.7%に相当する一時的要因である。営業外収益は1.0億円(うち受取配当金0.6億円)、営業外費用は0.6億円(うち支払利息0.4億円)で、いずれも売上高比0.3%未満と本業採算への影響は小さい。包括利益は16.8億円で純利益12.3億円を上回り、有価証券評価差額金4.6億円の増加が主因である。特別利益を除いた経常的な収益力でみると、営業利益16.8億円・経常利益17.2億円が実態に近く、当期純利益には一時的な資産売却益の押し上げが含まれる点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する進捗率は、売上高75.8%、営業利益93.2%、経常利益94.0%、純利益96.8%である。売上高進捗は標準的な75%と概ね整合的だが、利益系進捗は大きく上回っており、通期予想(営業利益18.0億円、経常利益18.3億円、純利益12.7億円)は据え置かれたままである。この結果、残る第4四半期の会社計画は営業利益0.2億円、純利益0.4億円という低水準を前提とする形になっており、季節性やコスト動向を保守的に見込んだ計画とみられる。

株主還元

通期予想配当は1株当たり26.00円(第2四半期配当13.00円)であり、通期予想純利益12.7億円と期中平均株式数12,582,511株から算出される予想配当性向は約25.8%である。配当のみを対象とした持続可能性の一般的な目安である60%を大きく下回り、利益剰余金239.9億円や自己資本比率59.4%と合わせて配当継続の財務余力は確保されている。

リスク要因

  1. コスト転嫁力の低下: 売上原価率78.7%、粗利率21.3%という構成は、原材料・包装資材・物流コストの上昇を販売価格へ十分転嫁できていない可能性を示す。営業利益率4.4%はこの構造を反映しており、さらなる低下リスクがある。

  2. 売掛金回収の長期化: 売掛金は122.6億円へ増加し総資産の26.4%を占める。回収サイトの長期化は運転資本を圧迫し、取引先の信用状況にも留意が必要である。

  3. 第4四半期計画の下振れ余地: 通期予想据え置きに伴い、第4四半期の会社計画は営業利益0.2億円という低水準にとどまる。季節要因や原材料コストの変動によって通期着地が左右される可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(food_beverage)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.4%5.0% (4.5%–7.6%)−0.6pt
純利益率3.2%3.9% (2.8%–6.7%)−0.7pt

自社の収益性は業種中央値をいずれも下回り、コスト吸収力の面で業界内では見劣りする位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−0.5%3.4% (-0.4%–4.7%)−3.9pt

売上高成長率も業種中央値を大きく下回り、トップライン面でも相対的に劣後している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は前年同期比0.5%減にとどまる一方、営業利益は22.2%減少しており、決算上の論点は売上規模よりも粗利率・営業利益率の回復力にある。

  2. 通期予想に対する利益進捗率は営業利益93.2%、純利益96.8%と高水準で、通期予想据え置きの背景には第4四半期の保守的な見通しが存在する。

  3. 流動比率166.0%、自己資本比率59.4%、有利子負債の低水準は業績変動に対する財務耐性を支えている一方、売掛金増加に伴う運転資本効率は継続的なモニタリング対象となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,873円
base(基準)1,908円
bull(強気)1,911円
算出前提
1株純資産(BPS)2,192円
調整後予想EPS111.0円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向25.8%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.87倍 / 17.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,855円〜1,963円、ω±0.1で 1,898円〜1,914円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(97%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。