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28102026 第3四半期プライムJGAAP

ハウス食品グループ本社(2810) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は2,420億円(前年同期比+1.1%)、営業利益は149.4億円(同-15.6%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

食品/食料品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2419.6億¥2393.6億+1.1%
営業利益¥149.4億¥177.0億−15.6%
経常利益¥156.1億¥183.9億−15.1%
純利益¥128.0億¥136.7億−6.4%
ROE4.0%4.2%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計は増収減益となり、営業利益率の低下が最大の特徴である。売上高は2,419.6億円(前年比+1.1%)、営業利益は149.4億円(同△15.6%)、経常利益は156.1億円(同△15.1%)、親会社株主に帰属する純利益は117.5億円(同△3.5%)となった。純利益の減益幅が営業段階より小さいのは、投資有価証券売却益45.0億円を含む特別利益46.4億円が下支えしたためであり、経常的な収益力は営業・経常利益の減益がより実態に近い。

業績変動要因

【売上高】売上高は2,419.6億円で前年比+1.1%の微増収。セグメント別ではスパイス・加工食品(1,008.8億円、構成比41.7%)が最大セグメントで、営業利益95.0億円(利益率9.4%)と収益性の中核を担う。フード・レストラン(485.1億円、構成比20.0%)、海外食品(467.9億円、構成比19.3%)が続き、ヘルシーフード(133.0億円)は利益率13.1%と全セグメント中最も収益性が高い。

【損益】営業利益は149.4億円で前年比△15.6%と減益幅が大きい。売上総利益率は37.0%(前年36.4%から改善)であるものの、販管費率が30.8%(前年29.6%)へ上昇し、粗利改善分を上回る販管費増が営業利益を圧迫した。経常利益156.1億円(同△15.1%)は営業外収支が純額6.7億円の黒字にとどまり、営業段階の減益をほぼ引き継いだ。一方、税引前利益は192.2億円と経常利益を36.1億円上回るが、これは投資有価証券売却益45.0億円を主因とする特別利益46.4億円によるもので、一時的要因である。結論として、増収減益。

セグメント別分析

5セグメント中、スパイス・加工食品が売上高構成比41.7%、営業利益構成比63.6%を占め、利益率9.4%と収益貢献の中核である。ヘルシーフードは売上規模133.0億円と小さいものの利益率13.1%と最も高収益。一方、その他食品関連は売上高408.2億円に対し営業利益7.1億円、利益率1.7%にとどまり、全社利益率6.2%を下押しする要因となっている。海外食品事業も利益率5.5%と全社平均を下回り、コスト吸収力に課題がある。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は6.2%で前年の7.4%程度から低下し、粗利率37.0%の改善にもかかわらず販管費率上昇が利益率を押し下げた。純利益率は4.9%(親会社株主帰属ベース)。ROEは4.0%(自己資本比率74.1%の厚い資本基盤を勘案すると資本効率面で改善余地がある水準)。【キャッシュ品質】税引前利益192.2億円のうち特別利益46.4億円(投資有価証券売却益45.0億円が主因)を含み、経常的な収益力は経常利益156.1億円により近い。【投資効率】総資産4,338.7億円に対し、現金及び預金810.0億円、投資有価証券516.0億円と流動性資産の厚みが目立ち、資産回転率は相対的に低い。【財務健全性】自己資本比率74.1%、流動資産1,870.7億円は流動負債627.2億円の約3.0倍で、財務基盤は保守的かつ安定している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の個別開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を把握できる。現金及び預金は810.0億円で前年の974.8億円から164.8億円減少しており、投資有価証券売却(45.0億円の売却益計上)や自己株式取得(自己株式が130.1億円から206.5億円へ増加)による資金流出が背景にあると考えられる。売掛金・受取手形は663.6億円と前年536.6億円から127.0億円増加しており、売上高の伸び(+1.1%)を上回る増加幅であることから、運転資本の積み上がりが資金効率に影響している可能性がある。有利子負債は短期・長期借入金合計で125.9億円と限定的で、ネットキャッシュ水準を維持している。

収益の質

当期の利益構成には経常的な収益力と一時的要因が混在する。営業利益149.4億円・経常利益156.1億円は事業の実態を反映する経常的な水準である一方、税引前利益192.2億円との差額36.1億円は主に投資有価証券売却益45.0億円によるもので、非経常的な性質が強い。特別損失も減損損失3.6億円、固定資産除却損5.0億円、投資有価証券評価損1.6億円が計上されており、資産の入れ替えに伴う損益が純額でプラスに寄与した形である。包括利益は126.9億円で親会社株主に帰属する当期純利益117.5億円と近い水準だが、為替換算調整額△27.4億円と有価証券評価差額金+30.8億円が相殺し合っており、その他有価証券の含み益変動が包括利益の変動要因となっている。総じて、当期の増益要因の一部は資産売却によるものであり、通期の実力値評価では経常利益ベースでの確認が有用である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高3,215.0億円(前年比+1.9%)、営業利益190.0億円(同△5.0%)、経常利益203.0億円(同△5.1%)である。Q3累計の進捗率は売上高75.3%、営業利益78.6%、経常利益76.9%で、いずれも標準的な75%進捗と同水準かやや先行している。ただし通期予想自体が営業・経常減益を見込んでおり、Q4に前年同期比での収益性改善が実現するかが焦点となる。EPS予想140.68円に対しQ3累計の基本EPS実績(前年126.57円、前年同期比△1.2%)を踏まえると、通期達成には下期の増益が前提となる。

株主還元

通期配当予想は1株当たり48.00円で、第2四半期配当実績は24.00円である。通期予想EPS140.68円に対する予想配当性向は約34.1%であり、現預金810.0億円・自己資本比率74.1%という財務余力を踏まえると、持続可能な範囲にあると考えられる。なお、自己株式は前年130.1億円から206.5億円へ増加しており、配当に加えた株主還元の一環として自己株式取得が実施された可能性がある。

リスク要因

  1. 収益性悪化リスク: 営業利益が前年同期比△15.6%、営業利益率が前年から低下しており、原材料・エネルギー・物流コスト上昇を価格転嫁や製品ミックス改善で吸収できない場合、収益性がさらに圧迫される可能性がある。

  2. 一時的利益への依存: 税引前利益192.2億円のうち投資有価証券売却益45.0億円が含まれ、税引前利益の約23%を占める。この一時的要因を除くと経常的な収益力は経常利益156.1億円に近く、通期評価では両者を区別する必要がある。

  3. 運転資本の増加: 売掛金・受取手形が前年比+127.0億円(+23.7%)と売上高の伸び(+1.1%)を大きく上回っており、回収サイトの長期化や取引条件の変化が運転資本効率に影響する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(food_beverage)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.2%5.0% (4.5%–7.6%)+1.1pt
純利益率5.3%3.9% (2.8%–6.7%)+1.4pt

収益性は業種中央値を上回るが、前年からの低下トレンドを踏まえるとモニタリングが必要な水準である。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)1.1%3.4% (-0.4%–4.7%)−2.2pt

売上成長率は業種中央値を下回り、トップラインの伸び悩みが相対的に目立つ。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. Q3累計は増収減益で、営業利益率は前年から低下した。売上総利益率が改善する一方、販管費率の上昇が利益率低下の主因であり、コスト構造の変化が読み取れる。

  2. 通期営業利益予想に対する進捗率は78.6%と標準を上回るが、通期予想自体が前年比減益を見込んでおり、下期の収益性回復が課題として残る。

  3. 親会社株主に帰属する純利益は投資有価証券売却益45.0億円を含み、経常的な収益力とは区別して評価する必要がある。自己資本比率74.1%、流動比率約298%という保守的な財務基盤は、下方局面での耐性を支える構造となっている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,759円
base(基準)2,808円
bull(強気)2,813円
算出前提
1株純資産(BPS)3,200円
調整後予想EPS154.8円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向34.1%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.88倍 / 18.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,731円〜2,890円、ω±0.1で 2,795円〜2,817円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(90%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。