- 売上高: 165.66億円
- 営業利益: 2.93億円
- 当期純利益: -43百万円
- 1株当たり当期純利益: 0.25円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 165.66億円 | 70.58億円 | +134.7% |
| 売上原価 | 67.36億円 | - | - |
| 売上総利益 | 3.23億円 | - | - |
| 販管費 | 3.88億円 | - | - |
| 営業利益 | 2.93億円 | -65百万円 | +550.8% |
| 営業外収益 | 26百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 13百万円 | - | - |
| 経常利益 | 2.47億円 | -52百万円 | +575.0% |
| 税引前利益 | -53百万円 | - | - |
| 法人税等 | -10百万円 | - | - |
| 当期純利益 | -43百万円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 10百万円 | -31百万円 | +132.3% |
| 包括利益 | 1.15億円 | -44百万円 | +361.4% |
| 支払利息 | 13百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 0.25円 | -0.89円 | +128.1% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 0.24円 | - | - |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 36.48億円 | - | - |
| 現金預金 | 2.04億円 | - | - |
| 売掛金 | 13.07億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 17.44億円 | - | - |
| 固定資産 | 23.94億円 | - | - |
| 有形固定資産 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 0.1% |
| 粗利益率 | 1.9% |
| 流動比率 | 145.9% |
| 当座比率 | 76.2% |
| 負債資本倍率 | 1.49倍 |
| インタレストカバレッジ | 23.29倍 |
| 実効税率 | 18.0% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +1.3% |
| 営業利益前年同期比 | +5.8% |
| 経常利益前年同期比 | +4.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +2.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 47.38百万株 |
| 自己株式数 | 58千株 |
| 期中平均株式数 | 41.43百万株 |
| 1株当たり純資産 | 62.15円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 0.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 230.20億円 |
| 営業利益予想 | 2.90億円 |
| 経常利益予想 | 2.50億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 57百万円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 1.48円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
新都ホールディングス(2776)の2026年度第3四半期(累計)決算は、売上高が165.66億円(前年比+134.7%)と大幅増収、営業利益2.93億円(+577.0%)と黒字幅拡大で、強い営業レバレッジが確認できる一方、最終利益は0.10億円にとどまり、収益の質と持続性にはなお検証が必要である。売上総利益は3.23億円、販管費は3.88億円で、単純差引では営業赤字となる構造だが、営業利益が2.93億円と大きく上振れていることから、その他営業収益・評価益・補助金等の営業内収益が大きく寄与した可能性が高い。経常利益は2.47億円と堅調だが、税引前利益が-0.53億円まで落ち込んでおり、特別損失約3.0億円が発生したと推定される(-0.53=2.47+特別損益)。結果として当期純利益は0.10億円(+249.2%)にとどまり、EPSは0.25円と薄利である。粗利益率は1.9%と極めて薄く、取扱商材の特性や商流構造から、薄利多売色の強いトレーディング型ビジネスが想起される。営業利益率は約1.8%(=2.93/165.66)と改善したが、特別損失の発生で最終段は脆弱さが露呈した。総資産96.72億円に対し純資産29.41億円、財務レバレッジは3.29倍と、小型ディストリビューション/商社系同業平均と比べてもやや高めの部類である。流動比率145.9%、当座比率76.2%と、短期的な流動性は一応の許容水準にあるが、現金2.04億円に対し有利子負債(推定)20.33億円(短借8.50+長借11.83)でネット有利子負債は約18.29億円に達する。運転資本は11.47億円、棚卸資産17.44億円・売掛金13.07億円・買掛金8.36億円の水準から、キャッシュコンバージョンサイクルは概算で78日前後と推定され、在庫資金拘束が重い。インタレストカバレッジは23.29倍と良好だが、これは営業利益が一時的要因を含む可能性がある点に留意が必要である。自己資本は利益剰余金-45.68億円と累積欠損が大きく、資本剰余金35.28億円により見かけ上の資本厚みを維持している構図で、自己資本の質は必ずしも高くない。デュポン分解では、純利益率0.1%、総資産回転率1.713、財務レバレッジ3.29倍からROEは0.3%にとどまり、資本効率は依然として低い。包括利益1.15億円と純利益との差から、その他包括損益(外貨換算や投有価証券評価等)が一定のプラス寄与を示唆する。配当・営業CF・投資CF・設備投資額の開示がなく、キャッシュ創出力と配当原資の持続性評価には不確実性が残る。総じて、売上拡大と営業段の改善は前向きだが、特別損失の発生、薄利構造、在庫負担、累積欠損の大きさから、収益の質とバランスシートの質に対する慎重なモニタリングが不可欠である。
デュポン分析(ROE=純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ)では、0.1%×1.713×3.29≈0.3%と低水準。純利益率が極小であることがROE低迷の主因で、資産効率(1.713回)は中位、レバレッジ3.29倍はやや高い。営業利益率は約1.8%(2.93/165.66)まで改善したが、粗利率1.9%に対し販管費3.88億円が重く、営業利益の確保にはその他営業内収益の寄与が前提となっている可能性が高い。経常利益率は約1.5%(2.47/165.66)。税前段で特別損失約3.0億円が発生しており、最終利益率を0.1%に押し下げた。営業レバレッジについては、売上+134.7%に対し営業利益+577.0%と、固定費の伸びを売上拡大が大きく上回り、損益分岐点を越えて収益逓増が生じたと推察される。一方で、薄利多売型の粗利率と在庫負担は景気や市況の変動に脆弱で、価格改定力に乏しいとみられる。インタレストカバレッジ23.29倍は現状の金利負担耐性を示すが、営業利益の質(非反復的要因の有無)次第で変動しやすい。
売上は165.66億円(+134.7%)と急拡大し、総資産回転率1.713回に反映されるように資産効率も改善している。成長の質については、粗利率1.9%という極薄マージンのため、単価・ミックス改善よりも取扱量増加が主因と推測され、景気感応度が高い。営業利益の伸長は顕著だが、粗利と販管費の単純差引では赤字であり、営業内のその他収益的項目が寄与している可能性が高い点は持続性の観点で留意点。経常段は黒字だが、特別損失約3.0億円で税前赤字化しており、事業ポートフォリオ再編・評価損・一過性費用等の影響が成長の見かけを削いだ。見通しとしては、在庫回転と回収条件の改善により、成長の現金化(キャッシュコンバージョン)を伴うことが重要。短期的には高い営業レバレッジが続けば増益余地はあるが、価格交渉力・在庫管理・特別損失の再発抑制が成長の持続条件となる。
流動比率145.9%、当座比率76.2%で、短期流動性は最低限の安全圏。現金2.04億円に対し短期借入8.50億円、長期借入11.83億円で有利子負債は合計20.33億円、ネット有利子負債は約18.29億円とみられる。負債資本倍率1.49倍(負債43.73/純資産29.41)は中庸だが、累積欠損(利益剰余金-45.68億円)が大きく、資本の質は脆弱。固定負債18.72億円の存在から、金利上昇や借換環境悪化の影響を受けやすい。自己資本比率は未記載だが、総資産96.72億円に対し純資産29.41億円で約30%台前半と推定される。運転資本11.47億円、棚卸17.44億円・売掛13.07億円・買掛8.36億円の構成から、運転資金需要は高水準。のれん2.24億円・無形2.25億円は純資産比で約15%に相当し、減損リスクは限定的ながら無視できない。
CF計算書は未記載のため定量評価は限定的。損益構造からは、粗利率1.9%に対し販管費が重く、営業利益がその他営業収益に依存している可能性があるため、利益のキャッシュ化には不確実性がある。運転資本面では、売掛回転日数約29日(13.07/165.66×365)、在庫回転日数約95日(17.44/67.36×365)、買掛回転日数約45日(8.36/67.36×365)と試算され、キャッシュコンバージョンサイクルは約78日で在庫負担が重い。営業CF/純利益、フリーCFは算出不可だが、在庫増・売上拡大局面では営業CFが利益に比して伸びにくい傾向が想定される。特別損失(約3.0億円)は非現金要因(評価損)であればCFにはプラス寄与だが、実支出を伴うリストラ・訴訟・プロジェクト損であれば営業・投資CFを圧迫する。短期的なCF改善には在庫適正化と回収条件の厳格運用が鍵。
配当情報・配当金支払額・FCFデータは未記載のため、定量的な配当持続性評価は困難。EPSは0.25円と極薄で、仮に通期で同程度の利益水準が継続する場合、実効配当余力は限定的と思われる。累積欠損(利益剰余金-45.68億円)が大きく、内部留保の厚みは不足。営業CFやFCFの確認ができない状況では、配当実行には財務キャッシュフロー(借入)への依存度が高まる懸念がある。方針面では、まずは収益の質向上と特別損失の抑制、在庫最適化によるFCF創出が先決と考えられる。現時点では配当政策の明確な持続可能性は判断保留。
ビジネスリスク:
- 粗利率1.9%の薄利多売構造による価格競争・市況変動への脆弱性
- 在庫回転日数約95日と高水準の在庫負担による評価損・陳腐化リスク
- 営業利益がその他営業収益に依存している可能性による収益の再現性低下
- 特別損失約3.0億円の発生にみられる一過性損失・再編コストの再発リスク
- 売上成長の質がボリュームドリブンであることによる景気感応度の高さ
財務リスク:
- ネット有利子負債約18.29億円、財務レバレッジ3.29倍による金利・借換リスク
- 利益剰余金マイナス45.68億円による自己資本の質の脆弱性
- 当座比率76.2%と現金2.04億円の薄さに起因する短期資金繰りリスク
- 特別損失発生による債務契約条項(財務コベナンツ)影響の可能性
主な懸念事項:
- 特別損失の内容・頻度・再発可能性
- 営業利益の構成(反復的な粗利 vs 非反復的な営業内収益)の内訳
- 在庫水準の適正化計画と回転改善の実行度
- CF創出力(営業CF・FCF)の実態と有利子負債削減の道筋
重要ポイント:
- 大幅増収により営業レバレッジが顕在化、営業利益率は約1.8%へ改善
- 特別損失約3.0億円で税前赤字化、最終利益は0.10億円と薄利
- 粗利率1.9%・在庫負担大でキャッシュ化が課題、CCC約78日
- ネット有利子負債約18.29億円、負債資本倍率1.49倍でバランスシートの質に課題
- ROE0.3%と資本効率は低位、まずは利益率とCFの質改善が優先
注視すべき指標:
- 特別損益の内訳と再発抑制(四半期ごとの開示)
- 粗利益率と営業利益率のギャップ(その他営業収益の寄与度)
- 在庫回転日数・売掛回転日数・CCCの推移
- 営業CF・フリーCFとネット有利子負債の推移
- 金利負担(支払利息)とインタレストカバレッジの維持
- 資本政策(増資・自己株・配当方針)の変更
セクター内ポジション:
小型のトレーディング/ディストリビューション型企業群と比較すると、売上成長は突出している一方、粗利率は最薄レベル、財務レバレッジはやや高め、在庫負担は高水準。資本効率(ROE)は同業平均を下回り、キャッシュ創出の確実性が相対的に劣る。
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