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27332026 第3四半期プライムJGAAP

あらた(2733) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益13%減

2026年度第3四半期の売上高は7,683億円(前年同期比+1.8%)、営業利益は113.5億円(同-13.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社あらた

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥7682.9億¥7545.0億+1.8%
営業利益¥113.5億¥131.0億−13.3%
持分法投資損益---
経常利益¥117.2億¥137.8億−15.0%
純利益¥77.7億¥94.1億−17.5%
ROE6.4%8.1%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計は増収減益となり、増収がマージン悪化を吸収できなかった点が最大のポイントである。売上高は7,682.9億円(前年比+1.8%)、営業利益は113.5億円(同△13.3%)、経常利益は117.2億円(同△15.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は77.6億円(同△17.4%)となった。粗利率9.8%という薄利構造の中で販管費増加が利益を圧迫し、営業利益率は前年の約1.74%から1.48%へ低下した。

業績変動要因

【売上高】売上高は7,682.9億円で前年同期比+1.8%増加した。単一セグメント(日用品・化粧品等卸売業)であるため事業構成別の内訳開示はないが、通期計画1兆60.0億円に対する進捗率は76.4%と、標準進捗75%をわずかに上回る水準で推移している。

【損益】営業利益は113.5億円で前年比△13.3%減、経常利益は117.2億円で△15.0%減となった。売上総利益750.0億円(粗利率9.8%)に対し販管費が636.4億円(販管費率8.3%)と増加し、粗利増分を吸収した結果、営業レバレッジが逆方向に働いた。営業外収支は3.6億円の黒字(営業外収益11.3億円、費用7.7億円)で経常利益を下支えしたが、特別損益は投資有価証券評価損1.5億円を含み1.8億円の純損失となった。税引前利益115.3億円に法人税等37.7億円を控除し、純利益は77.7億円(同△17.5%)、親会社株主帰属分は77.6億円(同△17.4%)となった。増収減益。

セグメント別分析

当社は日用品・化粧品等の卸売業を主たる事業とする単一セグメントであり、セグメント別の開示は行われていない。

主要財務指標

【収益性】営業利益率1.5%、純利益率1.0%は前年同期のそれぞれ約1.74%、約1.25%から低下しており、粗利率9.8%という薄利多売型の事業構造下で販管費増加の影響を強く受けている。【キャッシュ品質】現金及び預金は239.7億円で前年末比微増、売掛金1,552.9億円・棚卸資産589.4億円は総資産の合計約58%を占め、卸売業として運転資本への依存度が高い。【投資効率】ROE6.4%は自己資本の積み上がり(純資産1,222.3億円、前年1,165.6億円)と減益が同時に進行した結果であり、EPS231.96円は前年280.62円から△17.3%減少した。BPSは3,650.04円と前年3,490.5円から増加している。【財務健全性】自己資本比率33.3%は前年37.4%から低下し、有利子負債は借入金増加により拡大している。流動資産2,841.8億円に対し流動負債1,988.8億円で流動比率は約142.9%を確保している。

キャッシュフロー分析

本資料にはキャッシュフロー計算書の明細データが含まれていないため、貸借対照表の推移から資金動向を確認する。現金及び預金は239.7億円で前年同期末234.3億円から小幅増加した。一方、総資産は3,673.8億円と前年3,117.3億円から大幅に拡大しており、売掛金(1,552.9億円、前年1,239.5億円)、棚卸資産(589.4億円、前年466.0億円)が大きく増加している。買掛金も1,464.2億円(前年1,109.5億円)へ増加しており、運転資本の両建て拡大が資産・負債双方の膨張を伴っている。短期借入金は152.7億円、長期借入金は226.2億円といずれも前年から増加しており、事業規模拡大に伴う資金調達を借入金で補っている様子がうかがえる。

収益の質

営業外収支は3.6億円の黒字であり、受取配当金2.5億円を含む営業外収益11.3億円が経常利益を下支えした一方、これは売上高の0.15%程度にとどまり本業収益力を補う規模ではない。特別損益は投資有価証券売却益0.3億円、固定資産売却益0.3億円という非経常のプラス項目がある一方、投資有価証券評価損1.5億円が発生し、純額で1.8億円の損失となった。包括利益は92.8億円と純利益77.7億円を上回り、その差はその他有価証券評価差額金17.8億円の増加が主因である。純利益と包括利益の乖離は市場性有価証券の評価益によるもので、本業のキャッシュ創出力そのものを示すものではない点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高1兆60.0億円(前年比+2.0%)、営業利益126.0億円(同△15.9%)、経常利益130.0億円(同△16.8%)である。Q3累計の進捗率は売上高76.4%、営業利益・経常利益ともに90.1%、純利益78.4%であり、いずれも標準進捗率(75%)を上回る。ただし通期計画達成には残りQ4で必要な営業利益は12.45億円にとどまり、これはQ4売上高見込み2,377.2億円に対して営業利益率約0.5%相当と、累計の1.48%を大きく下回る保守的な前提である。会社自身も通期で前年比二桁減益を見込んでおり、増収下でのマージン低下が下期にかけて継続する計画となっている。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり56.00円、通期予想配当は112.00円である。予想EPS295.84円に対する予想配当性向は約37.9%であり、配当のみを対象とした指標として持続可能性の目安(60%未満)の範囲内にある。利益剰余金は844.5億円と厚く、配当原資は蓄積されている。自社株買いに関するデータの記載はなく、株主還元は配当を中心とした構成である。

リスク要因

  1. 収益性の薄さ: 粗利益率9.8%、営業利益率1.5%という低マージン構造のため、仕入条件・物流費・人件費・販売構成の小幅な変動が利益を大きく左右する。EBITマージン1.5%は利益バッファーの薄さを示す。

  2. 運転資本膨張: 売掛金1,552.9億円、棚卸資産589.4億円と総資産の合計約58%を占め、前年から大幅に増加している。需要鈍化や在庫評価の悪化が発生した場合、収益性・資金効率を同時に圧迫し得る。

  3. 財務レバレッジと短期負債比率: 自己資本比率は33.3%へ低下し、短期借入金は前年から拡大している。有利子負債は現金及び預金でおおむねカバーされ、インタレストカバレッジも高水準であるため利払い能力自体は安定しているが、借換え環境や金利動向のモニタリングが必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(trading)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率1.5%3.3% (1.8%–5.0%)−1.9pt
純利益率1.0%3.1% (1.4%–6.3%)−2.1pt

自社の収益性は業種中央値を下回り、卸売業内でも相対的に低マージンな水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)1.8%5.2% (-4.1%–8.6%)−3.4pt

売上成長率も業種中央値を下回り、トップラインの伸びは相対的に緩やかである。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収(+1.8%)にもかかわらず営業利益は△13.3%減となり、営業利益率が前年から約25bp低下した。マージン低下が反転するかどうかが今後の焦点である。

  2. 通期営業利益計画への進捗率は90.1%と高いが、これはQ4に約0.5%という低い営業利益率を織り込んだ保守的な計画に基づく。Q4実績の採算動向と計画との乖離が注目点となる。

  3. 自己資本比率は33.3%へ低下し、売掛金・棚卸資産の増加を伴う運転資本の拡大が総資産膨張の主因である。低粗利率事業における運転資本効率の推移がモニタリングポイントとなる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,480円
base(基準)3,510円
bull(強気)3,563円
算出前提
1株純資産(BPS)3,650円
調整後予想EPS306.7円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向37.9%
予想EPSの信頼度調整×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.96倍 / 11.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,414円〜3,611円、ω±0.1で 3,506円〜3,513円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。