- 売上高: 83.22億円
- 営業利益: -2.76億円
- 当期純利益: 29百万円
- 1株当たり当期純利益: 1.84円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 83.22億円 | 83.62億円 | -0.5% |
| 売上原価 | 68.24億円 | - | - |
| 売上総利益 | 15.39億円 | - | - |
| 販管費 | 15.63億円 | - | - |
| 営業利益 | -2.76億円 | -23百万円 | -1100.0% |
| 営業外収益 | 1.37億円 | - | - |
| 営業外費用 | 77百万円 | - | - |
| 経常利益 | -1.94億円 | 36百万円 | -638.9% |
| 税引前利益 | 37百万円 | - | - |
| 法人税等 | 8百万円 | - | - |
| 当期純利益 | 29百万円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 21百万円 | 23百万円 | -8.7% |
| 包括利益 | -1.77億円 | 41百万円 | -531.7% |
| 支払利息 | 18百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 1.84円 | 2.00円 | -8.0% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 98.74億円 | 75.94億円 | +22.80億円 |
| 現金預金 | 45.55億円 | 38.47億円 | +7.08億円 |
| 売掛金 | 23.56億円 | 22.63億円 | +93百万円 |
| 固定資産 | 38.47億円 | 41.27億円 | -2.80億円 |
| 有形固定資産 | 20.21億円 | 20.55億円 | -34百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 0.3% |
| 粗利益率 | 18.5% |
| 流動比率 | 227.5% |
| 当座比率 | 227.5% |
| 負債資本倍率 | 0.74倍 |
| インタレストカバレッジ | -15.00倍 |
| 実効税率 | 21.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -0.5% |
| 経常利益前年同期比 | -90.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -7.9% |
| 包括利益前年同期比 | -89.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 11.91百万株 |
| 自己株式数 | 298千株 |
| 期中平均株式数 | 11.61百万株 |
| 1株当たり純資産 | 679.58円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 5.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| ElectronicEquipmentMachineToolsAndOthers | 79.01億円 | -3.16億円 |
| Optoelectronics | 4百万円 | 39百万円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 120.00億円 |
| 営業利益予想 | -3.00億円 |
| 経常利益予想 | -1.80億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 20百万円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 1.72円 |
| 1株当たり配当金予想 | 5.00円 |
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2025年度Q3のYKTは、売上が微減のなかで営業赤字に転落し、非営業収益・特別損益に依存して最終黒字を辛うじて確保した四半期だった。売上高は83.22億円で前年比-0.5%、粗利は15.39億円、粗利率は18.5%と確認できる一方、販管費15.63億円を賄えず営業損失は-2.76億円に拡大した。経常利益は-1.94億円(前年比-90.7%)と大幅悪化し、営業外収益1.37億円と営業外費用0.77億円の差益では赤字を埋め切れていない。税引前利益は0.37億円と黒字に転じており、特別利益の計上(詳細未開示)が寄与した可能性が高い。当期純利益は0.21億円(-7.9%)で、EPSは1.84円にとどまった。営業利益率は-3.3%、経常利益率は-2.3%、純利益率は0.2%と、収益性は大きく低下した。前年の営業・経常マージンは未開示だが、経常利益が-90.7%減であることから、少なくとも経常利益率は大幅に縮小(推定で200〜300bp超)している可能性が高い。粗利率18.5%に対し販管費率は18.8%と粗利を上回っており、固定費吸収不足が営業赤字の主因とみられる。総資産は137.20億円、自己資本は78.89億円で、負債資本倍率0.74倍・流動比率227.5%とバランスシートの流動性は厚い。もっとも、インタレストカバレッジが-15.0倍と、営業損失下で利払い負担をカバーできておらず、資本効率もROIC -3.7%と低水準である。包括利益は-1.77億円の赤字で、その他包括損失(投資有価証券評価差額など)の悪化が示唆される。営業外収入比率が651.1%と極端に高く、非中核収益への依存度が上昇している点は質的にネガティブだ。営業CFが未開示のため利益の現金裏付けは検証不能であり、利益の質には不確実性が残る。配当は未開示ながら、計算上の配当性向283.5%は収益力に対して過大で持続性に懸念が出やすい。将来に向けては、需要回復や粗利率改善に加えて販管費のスリム化による損益分岐点の引下げが喫緊の課題である。短期的には非営業・特別要因に頼らない営業利益の黒字化、年度通期でのROICの5%超回復が重要なマイルストーンとなる。
デュポン分析: ROE(0.3%) = 純利益率(0.2%) × 総資産回転率(0.607) × 財務レバレッジ(1.74倍)。最も毀損が大きいのは純利益率で、営業損失計上により常態的な利ざやが消失し、純利益は特別・非営業要因に依存して辛うじてプラスに留まった。ビジネス上の要因は、(1) 粗利率18.5%に対し販管費率18.8%と固定費過多、(2) 需要軟化や案件遅延に伴う売上微減で営業レバレッジが負に作用、(3) 金利負担増・有価証券評価損等で非営業費用が嵩み、営業外収支の改善余地が限られたこと。これらの変化の持続性については、需要回復や価格転嫁、固定費削減が進めば純利益率は反転可能だが、短期的には案件の期ズレや為替・金利環境に左右されやすく、一時的改善と悪化を繰り返すリスクが高い。総資産回転率0.607は機器・ソリューション商社としては中位で、在庫・売掛の回収改善により引き上げ余地がある一方、案件性の高い商材では季節性と期ズレの影響を受けやすい。財務レバレッジ1.74倍は過度ではないものの、営業赤字局面ではROEのボラティリティを高める。懸念トレンドとして、売上成長率(-0.5%)に対し販管費の伸びが粗利を上回っている兆候(販管費率18.8%>粗利率18.5%)が続けば、営業赤字が固定化しかねない。
売上は-0.5%と横ばい圏で、マクロ需給(機械・半導体関連投資の慎重化)や案件期ズレの影響が示唆される。粗利率18.5%は一定の価格決定力を示すが、売上規模の縮小で固定費吸収が進まず、営業損失-2.76億円に直結した。非営業要因(受取配当0.06億円、受取利息0.04億円等)で下支えはあるが、営業外収入比率651%は本業の弱さの裏返しで持続的成長の証左にはならない。税前黒字0.37億円は特別利益の寄与が大きいとみられ、一過性の可能性が高い。中期的な成長は、(1) 受注残の消化・案件クロージングの正常化、(2) 高付加価値機器・サービス比率の引上げによる粗利率改善、(3) アフターサービス・保守収益のストック化が鍵。24-25年度の金利水準と為替(円安)が売上と調達コストに複合的に作用するため、為替前提と価格転嫁の精緻化が必要。見通しは、Q4に案件計上が偏重するなら通期での営業黒字回復の余地はあるが、現時点の実績だけでは保守的スタンスが妥当。
流動比率227.5%、当座比率227.5%と短期流動性は厚い。運転資本は55.33億円で、短期借入金13.00億円・買掛金12.21億円に対し現金45.55億円・売掛金23.56億円が上回っており、満期ミスマッチリスクは低い。負債合計58.32億円、純資産78.89億円で負債資本倍率0.74倍と保守的な資本構成。長期借入金11.65億円があり、金利上昇局面では利払い負担の増大が懸念される。インタレストカバレッジ-15.0倍は警戒水準で、営業赤字の長期化は財務の柔軟性を削ぐ。オフバランス債務の開示はなく、リース等の潜在債務の有無は不明。自己資本比率は未算出だが、純資産/総資産から概算で約57%と見られ、耐久力は相応。
営業CFは未開示のため、営業CF/純利益やFCFの定量評価は不可。営業損失-2.76億円と利払い0.18億円を踏まえると、営業キャッシュ創出力は短期的に弱い可能性が高い。運転資本では、売掛金23.56億円と現金45.55億円の水準は十分だが、在庫残高が未開示のため在庫増によるキャッシュ吸収の有無は評価不能。非営業・特別要因に依存した税前黒字はキャッシュ創出の再現性が低く、利益の質は慎重評価が必要。投資CF・財務CFが未開示のため、成長投資の規模・資金調達の継続性も不明。総じて、運転資本管理(回収・回転)と固定費の削減が短期のCF改善ドライバーとなる。
年間配当は未開示だが、計算上の配当性向283.5%は現行の利益水準に対して過大で、持続可能性は低いと評価せざるを得ない。FCFカバレッジは未算出のため、配当原資の裏付けは確認できない。営業赤字局面では、安定配当維持には内部留保の取り崩しや非中核資産の売却等が必要となる可能性がある。方針面では、通期利益の着地と営業CFの回復を見極めたうえで、配当性向の平準化(<60%)とキャッシュ優先の資本配分に回帰できるかが焦点。
ビジネスリスク:
- 需要循環リスク:機械・半導体投資サイクルの減速による受注・売上の変動
- 案件期ズレ・検収遅延による収益認識の変動拡大
- 粗利率圧迫:価格競争激化や調達コスト上昇に伴うスプレッド縮小
- サービス・保守のストック収益比率が低い場合の利益ボラティリティ
財務リスク:
- インタレストカバレッジ-15.0倍の継続による利払い負担・金融機関対応の厳格化
- ROIC -3.7%と資本効率の低下による投下資本の回収遅延
- 為替変動(円安/円高)による売上・仕入の評価損益と運転資本への影響
- 特別損益・非営業収益への過度依存による利益の不安定化
主な懸念事項:
- 販管費率が粗利率を上回る構造的赤字体質の兆候
- 営業CF未開示により利益の現金裏付けを検証できない点
- 包括利益-1.77億円と評価性損益の悪化(資本の目減りリスク)
- 在庫残高未開示による在庫評価・陳腐化リスクの把握困難
重要ポイント:
- 売上微減下で販管費が粗利を上回り、営業赤字-2.76億円に悪化
- 経常利益は-1.94億円、税前は特別要因で0.37億円の黒字転換
- インタレストカバレッジ-15.0倍と利払い耐性に警戒
- ROIC -3.7%で投下資本効率が目標レンジ(7-8%)を大幅下回る
- 流動比率227.5%、現金45.55億円と短期流動性は厚いが、利益の質は弱い
- 営業外収入比率651%と本業外への依存が高まる
- 配当性向283.5%相当は持続性に乏しい
注視すべき指標:
- 四半期営業利益と営業利益率(黒字転換タイミング)
- 粗利率と販管費率(損益分岐点の低下状況)
- 受注高・受注残と案件の検収進捗
- 営業キャッシュフローと運転資本回転(売掛・在庫・買掛)
- インタレストカバレッジと金利感応度
- ROICの回復度合い(>5%への復帰)
- 為替感応度(円/米ドル・ユーロ)と価格転嫁状況
セクター内ポジション:
機械・装置系専門商社の中では、バランスシートの流動性は良好だが、今期は営業赤字・低ROIC・非営業依存が目立ち、収益の安定性と資本効率で劣後。需要回復局面でのレバレッジ回復余地はある一方、短期の収益防御力は同業上位と比べて弱い。
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