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26852026 通期プライムJGAAP

アンドエスティHD(2685) 2026年度通期決算 増収・営業益7%増

2026年度通期の売上高は3,044億円(前年同期比+3.8%)、営業利益は165.2億円(同+6.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

小売/小売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3043.5億¥2931.1億+3.8%
営業利益¥165.2億¥155.1億+6.5%
経常利益¥168.3億¥159.6億+5.4%
純利益¥94.9億¥94.7億+0.2%
ROE11.6%12.3%-

Executive Summary

本業では増収増益となったが、特別損失の拡大により最終利益は前年並みにとどまった。売上高3,043.5億円(前年比+3.8%)、営業利益165.2億円(同+6.5%)、経常利益168.3億円(同+5.4%)となり、営業利益の伸びが売上成長を上回った。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は94.9億円(前年比▲1.2%)と減益で、減損損失36.4億円を含む特別損失47.4億円の計上が主因である。

業績変動要因

【売上高】主力のアパレル・雑貨関連事業が売上高2,896.6億円(前年比+4.0%、構成比95.2%)と全社成長を牽引した。その他事業(飲食)は146.9億円(同+1.1%)にとどまり、成長への寄与は限定的である。

【損益】粗利率は54.6%で前年の約54.7%から微減したが、販管費率が49.1%と前年から改善し、営業利益率は5.4%(前年5.3%)に上昇した。経常利益は168.3億円(+5.4%)と堅調だが、特別利益34.5億円(固定資産売却益中心)に対し特別損失47.4億円(減損損失36.4億円等)を計上し、差引12.9億円の特別損失が税引前利益を圧迫した。結果として純利益は前年比ほぼ横ばい(親会社株主帰属ベースで▲1.2%)となり、増収増益(営業・経常段階)ながら最終減益という構図である。

セグメント別分析

アパレル・雑貨関連事業は売上高2,896.6億円(前年比+4.0%)、セグメント利益(経常利益ベース)173.0億円(同+3.7%)、利益率6.0%と全社利益の実質的な源泉である。その他事業(飲食)は売上高146.9億円(同+1.1%)に対しセグメント損失4.7億円で、前年の損失7.2億円から赤字幅は縮小したものの、利益率はマイナス3.2%にとどまり黒字化には至っていない。なお、セグメント利益は経常利益ベースであり、連結営業利益とは測定基礎が異なる点に留意が必要である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は5.4%で前年の5.3%から改善し、粗利率54.6%(前年比▲0.1pt)を販管費率の低下(49.1%、前年49.4%)が補った形である。純利益率は3.1%で前年3.3%からやや低下しており、特別損益の影響が最終利益率を押し下げている。【キャッシュ品質】営業CFは205.7億円で親会社株主帰属純利益の2.2倍あり、非現金費用である減損損失を含みつつも利益の現金裏付けは強い。【投資効率】ROEは11.6%、総資産回転率は約2.18回であり、資産効率の高さが資本効率を支えている。【財務健全性】自己資本比率は58.6%、流動比率は約154%と健全水準にあり、支払利息負担も軽微でインタレストカバレッジは高い。

キャッシュフロー分析

営業CFは205.7億円で前年の213.7億円から3.8%減少した。減価償却費129.5億円や減損損失36.4億円などの非現金費用の加算がある一方、売上債権12.0億円増・棚卸資産11.8億円増という運転資本の資金需要が営業CFを圧迫した。投資CFは95.2億円の支出で、設備投資94.2億円がその大半を占める。財務CFは74.3億円の支出で、配当金支払や自社株買い6.4億円が含まれる。営業CFから設備投資を控除したフリーCFは110.5億円の黒字を確保しており、配当・自社株買いを賄う水準にある。結果として現金及び現金同等物は前年末比で増加した。

収益の質

経常段階までは本業の増収増益が明確である一方、特別損益の内容から利益の質にはばらつきが見られる。特別利益34.5億円の大半は固定資産売却益(34.5億円)という一過性の要因であり、特別損失47.4億円も減損損失36.4億円と投資有価証券評価損2.6億円という非経常的な項目が中心である。差引12.9億円の特別損失が税引前利益を155.4億円に押し下げ、経常利益168.3億円との乖離を生んでいる。営業外損益は為替差益2.0億円を含む収益8.0億円に対し費用5.0億円と小幅な純収益であり、経常的な収益構造への影響は限定的である。営業CFが純利益の2倍超と現金裏付けは強いものの、減損など非現金費用の加算が寄与している点は考慮すべきである。

業績予想・ガイダンス

次期(2027年2月期)会社予想は売上高3,140.0億円(前年比+3.2%)、営業利益172.0億円(同+4.1%)、経常利益172.0億円(同+2.2%)である。売上・利益とも当期実績からの増収増益を見込むが、増益率は当期の営業利益YoY+6.5%を下回り、成長ペースはやや鈍化する計画である。EPS予想227.63円は当期実績205.86円を上回り、当期に発生した減損等の一時的損失が平常化する前提が織り込まれているとみられる。

株主還元

年間配当は1株90円(中間45円、期末45円)で、前年の80円(中間35円、期末45円)から増配となった。配当性向は43.7%であり、次期も同水準の90円を予想している。自社株買いは6.4億円実施しており、配当と合わせた総還元性向は概算50%台とみられる。フリーCF110.5億円は配当・自社株買いの原資を上回っており、還元の持続性は確保されている。

リスク要因

  1. 在庫滞留リスク: 棚卸資産は305.3億円で前年比+5.7%増加した。在庫回転の鈍化が続く場合、値引き販売や評価損を通じて粗利率を圧迫する可能性がある。

  2. 固定費(賃借料)負担リスク: 賃借料は428.4億円で売上高比14.1%を占める。店舗型小売としての構造的コストであり、既存店売上が鈍化した場合の営業利益率への下方影響が大きい。

  3. 事業ポートフォリオ再編に伴う損益変動リスク: 当期は減損損失36.4億円、投資有価証券評価損2.6億円を計上した。再編が続く場合、特別損益による最終利益の振れが今後も生じ得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率5.4%3.5% (1.1%–7.9%)+1.9pt
純利益率3.1%2.8% (1.0%–6.1%)+0.3pt

収益性は業種中央値を上回り、小売業界内では上位グループに位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)3.8%5.0% (2.0%–13.5%)−1.2pt

売上成長率は業種中央値をやや下回り、業界内では標準的な水準にとどまる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は5.4%と前年から改善し、販管費率の効率化が牽引した。一方、純利益は特別損失(減損36.4億円等)の影響で前年比▲1.2%となり、営業段階の改善が最終利益にそのまま反映されていない点が今回の決算の特徴である。

  2. 在庫回転の鈍化(棚卸資産+5.7%)と賃借料比率14.1%という固定費負担は、アパレル小売業として粗利率・営業利益率の下方感応度を高める構造的要因として観察される。

  3. 年間配当は90円に増配され、フリーCF110.5億円が還元原資を上回る水準にあることから、当期の還元政策には財務面での裏付けがある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,864円
base(基準)1,971円
bull(強気)2,028円
算出前提値
1株純資産(BPS)1,766円
調整後予想EPS243.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向39.5%
予想EPSの信頼度調整×1.028(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.12倍 / 8.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,916円〜2,028円、ω±0.1で 1,966円〜1,978円。

注記:

  • のれん償却 9.6円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。