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26702027 第1四半期プライムJGAAP

エービーシー・マート(2670) 2027年度第1四半期決算

2027年度第1四半期の売上高は1,055億円(前年同期比+8.0%)、営業利益は203.2億円(同+8.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

小売/小売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1054.8億¥977.0億+8.0%
営業利益¥203.2億¥187.6億+8.3%
経常利益¥210.3億¥190.6億+10.3%
純利益¥143.5億¥130.1億+10.3%
ROE3.5%3.2%-

Executive Summary

増収増益となり、営業利益・経常利益・純利益ともに売上高の伸びを上回る増益率を確保した。売上高は1,054.8億円(前年977.0億円、YoY+8.0%)、営業利益は203.2億円(同187.6億円、YoY+8.3%)、経常利益は210.3億円(同190.6億円、YoY+10.3%)、純利益は143.5億円(同130.1億円、YoY+10.3%)となった。海外セグメントの採算改善と営業外収益の増加が経常利益以下の増益率を押し上げた。

業績変動要因

【売上高】売上高は1,054.8億円でYoY+8.0%。セグメント別では国内が779.5億円(構成比73.9%、YoY+7.2%)、海外が289.1億円(構成比27.4%、YoY+10.8%)と、海外がやや高い成長率を示した。

【損益】営業利益は203.2億円(YoY+8.3%)で、売上成長率をわずかに上回り営業レバレッジは小幅ながらプラス。国内セグメント利益は189.2億円(利益率24.3%、YoY+7.2%)で前年並みの高収益を維持し、海外セグメント利益は13.9億円(利益率4.8%、YoY+29.1%)と利益率改善が目立った。経常利益は営業外収益8.7億円(受取配当金1.3億円、為替差益0.3億円等)が営業外費用1.5億円を上回り、営業利益を上回る伸び(+10.3%)となった。特別損失1.0億円(減損損失0.4億円、固定資産除却損0.6億円)は一時的要因として利益に軽微な影響を与えたが、純利益は143.5億円(YoY+10.3%)と経常利益とほぼ同水準の伸びを確保した。増収増益。

セグメント別分析

国内セグメントは売上高779.5億円(YoY+7.2%)、営業利益189.2億円(YoY+7.2%、利益率24.3%)と、連結収益の中核として安定した高収益性を維持した。海外セグメントは売上高289.1億円(YoY+10.8%)、営業利益13.9億円(YoY+29.1%、利益率4.8%)で、前年の利益率4.3%から改善した。海外は増収率・増益率ともに国内を上回るが、利益率水準は国内を約19.5ポイント下回り、地域ミックスの変化が連結マージンに与える影響には留意が必要である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は19.3%、純利益率は13.6%、粗利率は51.6%、販管費率は32.3%であり、高粗利を背景に高水準の営業利益率を確保している。【キャッシュ品質】棚卸資産は1,170.7億円で総資産の25.1%を占め、年換算DIOは209日、年換算CCCは204日と長く、運転資本の資金滞留が大きい点が特徴である。買掛金146.1億円と電子記録債務181.0億円が仕入債務として一部相殺するが、在庫拘束を十分には解消していない。【投資効率】ROEは3.5%(四半期実績ベース)であり、Q1純利益を年換算した参考値では約14%相当となる。総資産回転率が低く、豊富な現金預金と在庫が資産効率を抑制する主因である。【財務健全性】自己資本比率は86.6%、現金及び預金は1,921.5億円で、有利子負債34.1億円を大幅に上回る。流動比率は587.7%相当と極めて高く、財務基盤は保守的である。

キャッシュフロー分析

本決算ではキャッシュフロー計算書の直接開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は1,921.5億円で前年の2,007.3億円から減少しており、棚卸資産が1,065.6億円から1,170.7億円へ増加したことが運転資金の拘束要因となっている。年換算DIOは209日、年換算CCCは204日と長期であり、売上の現金化までに相応の資金滞留が生じる構造である。買掛金146.1億円および電子記録債務181.0億円の増加は仕入債務の活用を示すが、在庫増加による資金拘束を十分には相殺していない。自己資本比率86.6%、短期借入金34.1億円という低レバレッジの財務構成が、在庫投資に伴う運転資金負担を吸収できる余力を支えている。

収益の質

純利益の伸び(YoY+10.3%)は経常利益の伸びとほぼ同水準であり、特別損益の影響は限定的である。特別利益はゼロ、特別損失は減損損失0.4億円と固定資産除却損0.6億円の合計1.0億円にとどまり、一時的要因が利益の質を大きく歪めていない。営業外収益8.7億円は受取配当金1.3億円、為替差益0.3億円、その他営業外収益2.9億円で構成され、いずれも経常的な資産運用収益の性格が強い。一方、包括利益は132.4億円と純利益143.5億円を下回り、為替換算調整額のマイナス20.6億円が主因である。これは海外子会社の円換算による評価要因であり、事業の実態収益力とは区別して捉える必要がある。棚卸資産の増加は将来のアクルーアル要因として、粗利率や評価損の推移を注視する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対するQ1進捗率は、売上高26.3%(予想4,008.0億円)、営業利益31.0%(予想656.0億円)、経常利益31.2%(予想674.0億円)となり、いずれも標準的な四半期進捗の目安25%を上回った。特に利益進捗が売上進捗を上回っており、Q1時点では通期計画に対して順調な滑り出しといえる。ただし通期の営業利益成長率予想は前年比+3.7%、経常利益は+0.4%とQ1実績(+8.3%、+10.3%)より緩やかであり、下期にかけて増益率が平準化する前提が織り込まれている。業績予想・配当予想ともに当四半期の修正はない。

株主還元

通期の配当予想は1株当たり80.0円であり、予想EPS187.39円に基づく配当性向は42.7%となる。発行済株式数247,619千株から算定される年間配当総額は概算約198億円で、通期予想純利益464.0億円に対する比率も同水準の42.7%である。現金及び預金1,921.5億円、自己資本比率86.6%という財務基盤は配当の支払い余力を強く支えており、利益剰余金3,307.7億円も配当原資として厚い。当四半期の配当予想修正はない。

リスク要因

  1. 在庫・運転資本効率: 棚卸資産は1,170.7億円で前年の1,065.6億円から増加し、年換算DIOは209日、年換算CCCは204日と長期化している。季節性・多SKU構成を持つ小売業態では、滞留在庫が値引き販売や評価損を通じて粗利率を圧迫するリスクがある。

  2. 地域別収益性格差: 海外セグメントは売上高289.1億円(YoY+10.8%)と成長しているが、利益率は4.8%にとどまり国内の24.3%を大幅に下回る。海外売上比率の上昇は連結利益率の変動要因となり得る。

  3. 為替換算による包括利益の変動: 包括利益132.4億円は純利益143.5億円を下回り、為替換算調整額のマイナス20.6億円が主因である。海外事業拡大に伴い、円換算による評価変動が包括利益に影響する構造が続いている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(retail)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率19.3%3.2% (0.7%–7.3%)+16.0pt
純利益率13.6%2.1% (0.4%–5.9%)+11.5pt

自社の収益性は業種中央値を大幅に上回り、業種内でも高水準の利益率を確保している。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)8.0%7.7% (1.4%–14.4%)+0.3pt

売上高成長率は業種中央値とほぼ同水準であり、業種内では平均的な成長ペースにある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率19.3%、純利益率13.6%という高収益性を、自己資本比率86.6%の低レバレッジ財務構成のもとで実現している点が決算データから読み取れる特徴である。

  2. Q1の営業利益・経常利益・純利益の通期予想進捗率はいずれも約31%であり、標準的な四半期進捗率25%を上回る良好なスタートとなっている一方、通期予想の増益率はQ1実績より緩やかに設定されている。

  3. 棚卸資産の増加に伴う年換算DIO209日・CCC204日という運転資本効率は、高い収益性と裏腹の構造的な論点であり、今後の在庫回転や粗利率の推移が収益持続性の判断材料となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,665円
base(基準)1,751円
bull(強気)1,797円
算出前提値
1株純資産(BPS)1,633円
調整後予想EPS192.5円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向42.7%
予想EPSの信頼度調整×1.028(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.07倍 / 9.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,702円〜1,802円、ω±0.1で 1,748円〜1,755円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。