- 売上高: 12,780.80億円
- 営業利益: 1,265.70億円
- 当期純利益: 917.27億円
- 1株当たり当期純利益: 243.90円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 12,780.80億円 | 12,776.64億円 | +0.0% |
| 売上原価 | 7,851.67億円 | - | - |
| 売上総利益 | 4,924.97億円 | - | - |
| 販管費 | 3,510.24億円 | - | - |
| 営業利益 | 1,265.70億円 | 1,394.45億円 | -9.2% |
| 持分法投資損益 | 1.82億円 | - | - |
| 税引前利益 | 1,249.52億円 | 1,395.06億円 | -10.4% |
| 法人税等 | 377.06億円 | - | - |
| 当期純利益 | 917.27億円 | 1,017.99億円 | -9.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 753.65億円 | 832.60億円 | -9.5% |
| 包括利益 | 944.79億円 | 1,241.14億円 | -23.9% |
| 減価償却費 | 556.12億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 243.90円 | 269.45円 | -9.5% |
| 1株当たり配当金 | 55.00円 | 55.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 7,134.71億円 | 6,605.41億円 | +529.30億円 |
| 棚卸資産 | 1,426.46億円 | 1,184.12億円 | +242.34億円 |
| 固定資産 | 14,123.19億円 | 13,974.90億円 | +148.29億円 |
| 有形固定資産 | 4,845.03億円 | 4,819.50億円 | +25.53億円 |
| 無形資産 | 5,346.26億円 | 5,308.86億円 | +37.40億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 1,399.64億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -715.50億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -972.25億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 1,413.35億円 | 1,604.93億円 | -191.58億円 |
| フリーキャッシュフロー | 684.14億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 5.9% |
| 粗利益率 | 38.5% |
| 負債資本倍率 | 0.56倍 |
| EBITDAマージン | 14.3% |
| 実効税率 | 30.2% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +0.0% |
| 営業利益前年同期比 | -9.2% |
| 税引前利益前年同期比 | -10.4% |
| 当期純利益前年同期比 | -9.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -9.5% |
| 包括利益前年同期比 | -23.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 309.00百万株 |
| 自己株式数 | 306株 |
| 期中平均株式数 | 309.00百万株 |
| 1株当たり純資産 | 4,405.48円 |
| EBITDA | 1,821.82億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 55.00円 |
| 期末配当 | 65.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 17,210.00億円 |
| 営業利益予想 | 1,470.00億円 |
| 当期純利益予想 | 1,055.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 845.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 273.46円 |
| 1株当たり配当金予想 | 60.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のサントリー食品インターナショナル(SBF)の業績は、売上高が横ばいの中でコスト高と販促費の重石により営業利益・純利益が減少し、収益性がやや悪化した四半期と評価します。売上高は12,780.8億円(前年比+0.0%)で横ばい、営業利益は1,265.7億円(同-9.2%)、当期純利益は753.65億円(同-9.5%)でした。営業利益率は9.90%で、前年の約10.90%から約100bp縮小したと推計されます(売上横ばい、営業利益-9.2%を前提に算定)。粗利益率は38.5%と引き続き高水準ながら、販管費率は27.5%(販管費3,510.24億円/売上)と重く、マージンの圧縮要因となりました。EBITDAは1,821.82億円、EBITDAマージンは14.3%でキャッシュ創出力は維持されていますが、営業段階のマージンは前年から軟化しています。税引前利益は1,249.52億円、実効税率は30.2%と安定的です。ROEは5.5%で、純利益率5.9%、総資産回転率0.601、財務レバレッジ1.56倍の積に整合しています。営業キャッシュフローは1,399.64億円で、純利益に対する営業CF倍率は1.86倍と高く、利益の質は良好です。フリーキャッシュフローは684.14億円と十分な正値を確保し、配当金支払額(293.54億円)を1.85倍でカバーしています。貸借対照表は自己資本比率58.9%、負債資本倍率0.56倍と保守的で、のれん2,905億円・無形資産5,346億円と無形資産比重は高いものの財務耐性は高い部類です。持分法投資利益は1.82億円と小さく、同社の利益はコア事業の稼働に依存しており、商社型の持分法利益への依存は極めて低い構造です。営業利益の減少は、原材料(砂糖・PET樹脂・アルミ)や物流コスト、販促投資の増加が示唆され、価格改定・ミックス改善の貢献は限定的だった可能性があります。マージン縮小は約100bpと定量化でき、来期にかけて原材料・物流の環境が正常化すれば回復余地はありますが、競争環境下での価格転嫁継続が前提となります。営業CFが純利益を大きく上回っており利益の質への懸念は限定的ですが、運転資本の詳細内訳が未開示のため、持続性の評価には一定の不確実性が残ります。ROICは6.5%と同社が目標とする7–8%に届かず、投下資本効率の改善(マージン回復と資産回転の向上)が中期課題です。総じて、収益性は一時的に毀損したもののキャッシュ創出力と財務基盤は健全で、コスト環境の改善・価格ミックスの定着次第で徐々に持ち直すシナリオが示唆されます。
・ROE分解(デュポン): ROE 5.5% = 純利益率5.9% × 総資産回転率0.601 × 財務レバレッジ1.56倍。・変化の大きい要素: 売上横ばいの中で営業利益が-9.2%となり、純利益率が低下(営業利益率は約100bp縮小)した点がROE低下の主因。総資産回転率(0.601)は資産積み上がりの中で大きくは変わっていないとみられ、レバレッジも0.56倍D/E相当で安定的。・ビジネス上の理由: 原材料(砂糖・PET樹脂・アルミ)や物流費の上昇、販売促進や広告宣伝の戦略的積み増しにより販管費率が上昇、価格改定・ミックス改善の効果が吸収しきれず営業マージンを圧縮。・持続性評価: 原材料・海上運賃などのコストはサイクル性があり次年度以降の正常化が期待できる一方、競争環境下の価格転嫁継続やブランド投資の高止まりは構造的にマージン回復のスピードを鈍らせる可能性。よって純利益率の低下は一部一過性要因(コスト高)と一部構造要因(販促競争)の併存と評価。・懸念トレンド: 売上成長率0.0%に対し販管費の絶対額は3,510億円と高止まり、結果として販管費成長率が売上を上回った可能性が高く(詳細内訳は未開示)、営業レバレッジが逆回転している点は短期的な収益性の重石。
・売上持続可能性: トップラインは12,780.8億円で横ばい。価格改定・ミックスによる下支えが示唆される一方、数量面の伸び悩みや地域ミックスの変化が成長を抑制した可能性。・利益の質: EBITDAマージン14.3%、営業CF/純利益1.86倍でキャッシュ面の質は高いが、営業利益率は約100bp縮小。・見通し: 原材料・物流のピークアウトが進めばマージンは持ち直し余地。継続的なブランド投資・イノベーション新製品、価格ミックス最適化、チャネル別の収益管理が鍵。ROIC(6.5%)を7–8%目標へ引き上げるには、①営業利益率の回復、②在庫回転・固定資産効率の改善、③選択的な投資配分が必要。
・資本構成: 自己資本比率58.9%、負債資本倍率0.56倍と保守的で財務耐性は高い。・流動性: 流動資産7,134.71億円、現金同等物1,413.35億円。流動負債未開示のため流動比率は算出不能だが、手元資金と営業CFの規模から短期資金繰りの余裕は高いと判断。・支払能力: インタレストカバレッジは未算出(支払利息未開示)だが、EBITDA1,822億円に対し財務CFは-972億円(配当・債務返済等)で、返済能力は十分。・満期ミスマッチ: 詳細は不明だが、手元資金と強固な営業CFが短期債務のロールオーバーリスクを緩和。・オフバランス: 特段の示唆なし(N/A多く確認できず)。・警告: 流動比率<1.0またはD/E>2.0には該当せず、明示的警告事項はなし。
・利益の質: 営業CF/純利益=1.86倍と高品質。減価償却費556.12億円がキャッシュ創出を下支え。・FCF分析: 営業CF1,399.64億円−投資CF(設備投資中心)715.50億円=FCF684.14億円と十分な正値。・配当・投資の持続性: 配当金支払額293.54億円に対するFCFカバレッジ1.85倍で余裕。・運転資本: 詳細内訳は未開示だが、営業CFが純利益を大きく上回ることから在庫・売掛の回収が概ね良好か、または前期の積み上がりが解消した可能性。継続性確認のため、在庫回転日数・売掛金回収日数のトレンドモニタリングが必要。
・配当性向(計算値)49.2%はベンチマーク<60%の範囲で持続可能。・FCFカバレッジ1.85倍と余裕があり、現金同等物1,413億円と営業CFで配当余力は高い。・資本配分: 設備投資775.65億円を実施しつつもFCFは正。今後はROIC改善に資する選択的投資と適正な株主還元のバランスが焦点。・方針見通し: 収益性回復が進めば安定配当継続の蓋然性は高いが、コスト環境悪化や大規模M&A・減損が発生した場合は見直し余地。
ビジネスリスク:
- 原材料価格(砂糖・PET樹脂・アルミ)および物流コストの上昇・ボラティリティ
- 価格転嫁・ミックス改善の遅れによるマージン圧迫
- 需要の天候要因・季節性(夏場の気温変動)
- 競争激化による販促費の高止まり・値引き圧力
- 海外売上比率に伴う為替変動(円安/円高)影響
- 健康志向・砂糖税など規制強化による製品ポートフォリオへの影響(業界特有)
- のれん・無形資産の高水準に起因する減損リスク(ブランド・買収案件)
財務リスク:
- 無形資産(のれん2,905億円、無形5,346億円)比重の高さによる資本効率・減損耐性低下
- インタレストカバレッジ未開示に伴う金利上昇局面での利払い負担不確実性
- 流動負債未開示に伴う短期流動性の精緻評価困難
- 為替変動に伴う換算差損益・ヘッジの有効性リスク
主な懸念事項:
- 営業利益率が前年比約100bp縮小し、ROICが6.5%と目標水準(7–8%)に未達
- 販管費の高止まりにより営業レバレッジが逆回転
- データ未開示項目が多く、地域別/チャネル別の収益ドライバーの把握に制約
重要ポイント:
- 売上横ばいの中で約100bpのマージン縮小、短期的に収益性は軟化
- 営業CF/純利益1.86倍、FCF684億円とキャッシュ創出は堅調
- 財務レバレッジは低く、自己資本比率58.9%で耐性高い
- ROIC6.5%は目標未達で、マージン回復と資産効率改善が中期課題
- 持分法利益依存は極小で、コア事業の実力が業績を規定
注視すべき指標:
- 営業利益率と販管費率(売上対比)
- 原材料・包装材・物流コスト指数と価格改定の進捗
- 在庫回転・売掛回収など運転資本指標
- ROICとWACCのスプレッド
- 為替(EUR、USD、アジア通貨)と地域別ミックス
- ブランド投資(広告宣伝費)効率と新製品の販売動向
セクター内ポジション:
グローバル飲料同業と比べ、財務健全性とキャッシュ創出は良好だが、2025年度は売上停滞とコスト高で収益性が一時的に見劣り。中期的なマージン正常化とROIC引き上げのトラックレコードが相対評価の鍵。
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