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256A2026 第3四半期プライムJGAAP

飛島ホールディングス(256A) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は1,009億円(前年同期比+0.6%)、営業利益は52億円(同+27.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1008.9億¥1002.7億+0.6%
営業利益¥52.0億¥40.7億+27.9%
経常利益¥46.1億¥37.1億+24.5%
純利益¥36.0億¥24.5億+47.0%
ROE6.8%4.9%-

Executive Summary

2025年度第3四半期累計決算は、売上高1008.9億円(前年同期比+6.2億円 +0.6%)、営業利益52.0億円(同+11.3億円 +27.9%)、経常利益46.1億円(同+9.0億円 +24.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益36.0億円(同+11.5億円 +47.0%)となった。売上は小幅増収にとどまる一方で、売上総利益率の改善と販管費の抑制により営業利益率は前年3.9%から5.1%へ1.2pt改善した。営業外で金融費用の増加があったものの、経常段階でも2桁増益を確保した。特別損益では投資有価証券売却益や負ののれん発生益が計上され、純利益は47.0%増と高い伸びを示した。

業績変動要因

【売上高】売上高は1008.9億円で前年比+0.6%と小幅増収にとどまった。セグメント別では土木事業450.3億円(前年516.8億円から-12.9%)、建築事業393.5億円(前年371.1億円から+6.0%)、グロース事業等165.0億円(前年114.7億円から+43.9%)と、土木が減収、建築とグロースが増収となった。建設事業全体では前年比-3.6%の減収だが、グロース事業等の連結子会社化(共和成産の2025年4月取得)が全体売上を下支えした。官公庁向けは424.5億円(前年466.3億円から-9.0%)、民間向けは575.3億円(前年528.3億円から+8.9%)と、民需の拡大が官需減を補った。【損益】営業利益は52.0億円で前年比+27.9%と大幅増益となった。売上総利益は122.1億円(粗利率12.1%)で、販管費は70.0億円に抑制された結果、営業利益率は5.1%へ改善した。セグメント利益では土木30.5億円(前年38.2億円から-20.3%)、建築27.4億円(前年17.8億円から+53.9%)、グロース22.8億円(前年9.7億円から+135.5%)と、建築とグロース事業の大幅増益が土木の減益を補い、全社費用28.6億円を差し引いた営業利益が増加した。経常利益46.1億円(+24.5%)は営業利益の増加を主因とするが、営業外で金融費用の増加(支払利息3.8億円で前年2.8億円から+1.0億円)が一部相殺した。【一時的要因】特別利益に投資有価証券売却益および負ののれん発生益1.33億円(共和成産株式取得に伴う)が計上され、純利益を押し上げた。特別損失では固定資産除却損等が計上されたが、純利益段階では前年24.5億円から36.0億円へ+47.0%の大幅増益となった。【結論】土木事業の減収があったものの、建築・グロース事業の増収増益と原価管理の改善により増収増益を達成した。

セグメント別分析

建設事業は土木事業450.3億円(営業利益30.5億円、利益率6.8%)、建築事業393.5億円(営業利益27.4億円、利益率7.0%)で構成され、グロース事業等は165.0億円(営業利益22.8億円、利益率13.8%)となった。全体売上高1008.9億円に対する構成比は土木44.6%、建築39.0%、グロース16.4%である。主力事業は土木事業で売上構成比は最大だが、利益面では建築事業の増益寄与(+9.6億円)とグロース事業の高利益率(13.8%)が全体利益を牽引した。セグメント間の利益率差異では、グロース事業等の利益率13.8%が建設事業(土木6.8%、建築7.0%)を大きく上回り、事業ポートフォリオの高付加価値化が進行している。

主要財務指標

【収益性】ROE 6.8%(前年5.0%から改善)、営業利益率5.1%(前年3.9%から+1.2pt)、純利益率3.6%。【キャッシュ品質】現金預金142.3億円(前年258.4億円から-44.9%と大幅減少)、短期負債460.6億円に対する現金カバレッジ0.31倍で流動性余力は低下。【投資効率】総資産回転率0.61倍(前年0.64倍)。【財務健全性】自己資本比率31.8%(前年32.1%)、流動比率127.1%、D/E比率2.15倍(前年1.97倍へ悪化)、負債資本倍率2.15倍。インタレストカバレッジ13.7倍で利息負担能力は良好だが、短期借入金の急増(220.9億円から404.5億円へ+83.1%)により短期負債比率87.8%と高水準でリファイナンスリスクが顕在化している。

キャッシュフロー分析

現金預金は前年258.4億円から142.3億円へ-116.1億円減少し、短期借入金が220.9億円から404.5億円へ+183.6億円と大幅に増加した。この負債増加は運転資本拡大や設備投資、配当支払の資金需要を補うためと推測される。一方で長期借入金は143.2億円から56.3億円へ-86.9億円減少しており、借入構造が長期から短期へシフトしている。流動資産は前年913.7億円から586.0億円へ増加したが、その内訳として完成工事未収入金926.7億円(前年892.7億円から+34.0億円)と売掛金の増加が資金を固定化させている。運転資本効率では売上債権の増加が営業活動資金を圧迫している可能性が高い。短期負債460.6億円に対する現金カバレッジは0.31倍と低く、流動性リスクに対する耐性は限定的である。純利益36.0億円の改善に対して現金が大幅減少しており、利益の現金化には課題が残る。

収益の質

経常利益46.1億円に対し営業利益52.0億円で、営業外損益は-5.9億円の純減となった。主な内訳は支払利息3.8億円で前年2.8億円から+1.0億円増加し、短期借入金の拡大が金融費用を押し上げた。営業外収益には受取利息や受取配当金、雑収入が含まれるが全体として営業外は小幅なマイナス寄与である。特別利益では投資有価証券売却益や負ののれん発生益1.33億円が計上され、税引前当期純利益は47.1億円へ押し上げられた。特別損失には固定資産除却損等があり、純額で特別損益は+0.95億円のプラス寄与となった。営業CFの開示がないため利益とキャッシュの整合性は直接確認できないが、現金預金の大幅減少と短期借入の増加を鑑みると、営業活動での現金創出力に対する懸念が残る。経常利益ベースでは増益基調が続くが、特別利益の一時性を除いた持続的な収益力の確認が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高1400.0億円、営業利益65.0億円、経常利益58.0億円、純利益39.0億円とされている。第3四半期累計の進捗率は売上高72.1%、営業利益80.1%、経常利益79.5%、純利益92.5%となり、売上は標準進捗75%をやや下回るが、利益は標準進捗を上回る進捗である。特に純利益の進捗率92.5%は高く、特別利益の計上や税率の低下が寄与している可能性がある。第4四半期単独では売上391.1億円、営業利益13.0億円程度を想定しており、例年第4四半期に売上・利益が集中する建設業特有の季節性を踏まえると、通期予想達成の蓋然性は高い。前提条件として為替や資材価格の急変動がないことが含まれると推測される。前年比では売上高+1.3%、営業利益+1.1%、経常利益+1.2%の増収増益見通しで、堅調な成長軌道を予想している。

株主還元

年間配当は1株当たり100円を予定しており、期末配当90円が見込まれる(中間配当の記載なし)。前年配当データは記載されていないが、通期純利益予想39.0億円に対する配当性向は19.1億円(発行済株式数から推定)で約49%となる。配当性向は適正水準であり、配当の持続性は純利益ベースでは確保されている。自社株買いの記載はなく、配当のみでの株主還元である。現金預金が142.3億円まで減少し短期借入金が404.5億円と拡大していることから、配当支払能力の源泉は営業CFの安定性に依存する。営業CF開示がないため配当のキャッシュフロー裏付けは直接評価できないが、インタレストカバレッジ13.7倍と利息負担能力は良好であり、現行配当水準の維持は可能と見られる。

リスク要因

  1. 短期リファイナンスリスク: 短期借入金404.5億円と短期負債比率87.8%の高水準により、1年以内の返済負担が集中する。金利上昇局面や金融市場の流動性低下時に借換えコストが上昇または借換え自体が困難となる可能性がある。現金預金142.3億円は短期借入金の35%に過ぎず、流動性バッファーは限定的である。
  2. 工事債権回収遅延リスク: 完成工事未収入金926.7億円は売上高の91.8%に相当し、回収サイトの長期化や取引先の信用悪化が運転資本を圧迫し資金繰りを悪化させるリスクがある。建設業特有の工事進行基準による売上計上と現金回収のタイムラグが資金需要を増大させる。
  3. 原価上昇リスク: 粗利率12.1%は低水準であり、資材・外注費・人件費の上昇が利益率をさらに圧迫する余地がある。エネルギー価格や鋼材価格の変動、労働市場の逼迫により、工事原価が想定を超過し採算が悪化する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 収益性: 営業利益率5.1%は業種中央値4.1%を1.0pt上回り、ROE 6.8%は業種中央値3.7%を大きく上回る。純利益率3.6%も業種中央値2.8%を上回り、収益性指標では業種内で相対的に良好な水準を示す。 健全性: 自己資本比率31.8%は業種中央値60.5%を大幅に下回り、D/E比率2.15倍は業種の財務保守性と比較して高レバレッジである。流動比率127.1%は業種中央値207%を大幅に下回り、流動性面での脆弱性が確認できる。 効率性: 総資産利益率は算出値2.2%程度で業種中央値2.2%と同水準であり、資産効率は標準的である。 売上成長率: 前年比+0.6%は業種中央値-3.5%と比較すると相対的に堅調であり、業種内の成長性では上位に位置する。 業種: 建設業(4社)、比較対象: 2025年第3四半期決算、出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 財務構造の再バランス注視: 短期借入金の急増と現金減少により、財務レバレッジと流動性リスクが顕在化している。今後の借入金の長期化や資本調達計画、運転資本効率改善策の開示が財務安定性評価の鍵となる。
  2. 高利益率事業の成長持続性: グロース事業等の利益率13.8%は建設事業を大幅に上回り、連結子会社化や事業多角化が利益改善に寄与している。今後のM&A効果の持続性や事業シナジーの実現度合いが注目される。
  3. 工事債権管理とキャッシュ創出力: 完成工事未収入が高水準で推移する中、営業CFの開示と債権回収サイクルの改善が配当持続性と流動性確保の前提となる。第4四半期の現金創出力が通期業績達成と財務健全性維持の試金石である。

本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度Q3累計は、売上高が前年同期比0.6%増の1,008.87億円にとどまる一方、営業利益は同27.9%増の52.05億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同46.4%増の36.09億円となり、利益率主導で増益を達成した。売上総利益は122.05億円と前年同期の109.15億円から11.8%増加した。粗利益率は12.1%となり、前年同期の10.9%から約119bp改善した。営業利益率は5.2%で、前年同期の4.1%から約110bp拡大した。純利益率は3.6%で、前年同期の2.5%から約112bp上昇した。売上原価は886.82億円と前年同期比0.7%減少しており、わずかな増収下でも原価率改善が利益増加の中心となった。販管費は70.00億円と前年同期比2.3%増加し、売上の伸びを上回ったが、粗利の増加がこれを十分に吸収した。建設事業では土木の減収減益を、建築およびグロース事業等の採算改善と増収が補った。主力の土木事業は売上高450.31億円、セグメント利益30.45億円であり、依然として最大の営業利益貢献事業である。建築事業は売上高393.53億円、セグメント利益27.37億円となり、利益率改善が顕著であった。グロース事業等は売上高165.02億円、セグメント利益22.81億円と高成長を示した。もっとも、全社費用を中心とするセグメント調整額は▲28.60億円と前年同期の▲25.02億円から3.58億円悪化しており、連結利益への控除要因となっている。経常利益は46.15億円で営業利益を5.90億円下回り、支払利息3.86億円を含む営業外費用7.36億円が利益を圧迫した。特別利益1.83億円には共和成産の子会社化に伴う負ののれん発生益1.33億円が含まれ、純利益の一部には非経常項目の寄与がある。通期営業利益予想65.00億円に対するQ3進捗率は80.1%で、季節性を考慮した標準的な75%を5.1ポイント上回る。通期純利益予想39.00億円に対する進捗率は92.5%と標準を17.5ポイント上回り、現時点の利益水準は会社計画に対して余裕を持つ。反面、短期借入金へのシフトと現金減少により、資金繰りおよび借換え条件の変化は今後の重要な観察項目である。

収益性分析

デュポン分析では、年換算ROE 9.1%は純利益率3.6%×総資産回転率0.809倍×財務レバレッジ3.15倍で構成される。収益性の改善がROEを支える主因であり、営業利益率は前年同期比約110bp、純利益率は約112bp拡大した。最も変化が大きい収益ドライバーは、売上原価が前年同期比0.7%減少する一方で売上高が0.6%増加したことによる粗利益率の約119bp改善である。建設業では個別工事の採算、工事進捗および原価管理が利益率を左右するため、今回の改善は工事採算の改善を反映している。CFA5因子では、税負担係数は0.767、金利負担係数は0.904であり、税負担は正常圏にある一方、支払利息を含む営業外費用により営業利益から税引前利益への減額が生じている。インタレストカバレッジは13.48倍で、現時点の営業利益による利払い負担の吸収力は十分である。土木事業のセグメント利益率は6.8%で前年同期の7.4%から約64bp低下した一方、建築事業は7.0%で同4.8%から約216bp、グロース事業等は8.0%で同4.2%から約383bp改善した。土木の利益率低下は、主力事業における採算改善の持続性を判断する上で留意を要する。建築およびグロース事業等の利益率上昇は連結収益性を押し上げたが、個別大型案件の進捗・採算変動を受けやすい建設業の特性上、四半期累計の改善幅がそのまま恒常化するかは工事構成に左右される。販管費は前年同期比2.3%増と売上成長率を上回り、販管費率も約12bp上昇しているため、今後は売上拡大に対する本社費用の吸収が必要となる。さらに、セグメント調整額は3.58億円悪化しており、全社費用の増加は営業レバレッジを弱める要因である。

成長性評価

売上高は前年同期比0.6%増と横ばい圏であり、現局面の増益は売上規模の拡大よりも採算改善に依存している。土木事業の売上高は前年同期比12.9%減の450.31億円、セグメント利益は同20.3%減の30.45億円となった。建築事業の売上高は同6.0%増の393.53億円、セグメント利益は同53.8%増の27.37億円であり、建築の増収と収益性改善が土木の弱さを補完した。グロース事業等の外部顧客向け売上高は同43.9%増の165.02億円、セグメント利益は同135.4%増の22.81億円となり、最も高い成長を示した。官公庁向け売上高は424.51億円で前年同期比9.0%減少した一方、民間向け売上高は575.33億円で同8.9%増加しており、売上構成は民間案件へシフトしている。通期売上高予想1,400.00億円に対する進捗率は72.1%で、Q3の標準的な75%を2.9ポイント下回る。これに対して通期営業利益予想65.00億円への進捗率は80.1%、経常利益予想58.00億円への進捗率は79.6%であり、会社計画はQ4の利益率低下または工事進捗の期末偏重を織り込んでいる可能性がある。純利益は通期計画の92.5%まで到達しており、負ののれん発生益1.33億円を含む特別利益の寄与を除いても、利益計画に対する進捗は強い。販売用不動産は51.10億円と前年同期の14.10億円から大きく増加しており、グロース事業等における不動産関連の拡大が今後の売上・利益に寄与し得る一方、販売進捗と在庫回転が成長の持続性を左右する。

財務健全性

流動比率は127.1%、当座比率も127.1%であり、流動資産1,342.79億円が流動負債1,056.71億円を286.08億円上回る。したがって運転資本は正であり、短期債務を流動資産でカバーする基礎的な流動性は確保されている。ただし、品質アラートである負債資本倍率2.15倍は2.0倍を上回っており、負債依存度が高い資本構成として警戒を要する。Debt/Capital比率も46.6%と投資適格の目安である40%を上回る。有利子負債は460.77億円で、そのうち短期借入金が404.48億円、長期借入金が56.29億円を占める。短期負債比率87.8%は40%の警戒水準を大幅に超えており、品質アラートが示すとおり借入期間の短期化に伴うリファイナンスリスクは高い。短期借入金は前年同期比183.59億円増、83.1%増加した一方、長期借入金は86.93億円減、60.7%減少しており、調達構成が短期資金へ大きくシフトした。現金預金は142.33億円と前年同期比116.06億円減、44.9%減少した。現金/短期負債0.35倍は0.5倍を下回る品質アラートであり、短期借入金の返済・更新を手元現金だけで賄う余力は限定的である。建設業では工事代金の回収、前受金、金融機関からの借換えが資金管理の重要要素となるため、短期借入金の更新可能性および完成工事未収入金の回収速度が財務安定性を左右する。完成工事未収入金は926.67億円で総資産の55.7%を占め、流動性の実質的な質はこの大型債権の回収可能性に大きく依存する。インタレストカバレッジ13.48倍は利払い能力の面では強固であり、現時点での金利負担は利益を直ちに制約する水準ではない。無形固定資産は総資産の1.0%にとどまり、のれんの重要な変動もなく、無形資産・のれんに由来するバランスシート上の減損依存度は限定的である。

B/S変動のポイント

短期借入金: +183.59億円(+83.1%)- 404.48億円へ増加。長期借入金の返済・短期化を伴っており、借換え依存度と金利変動への感応度が上昇。長期借入金: ▲86.93億円(▲60.7%)- 56.29億円へ減少。短期借入金の増加と対になっており、負債の満期構成が短期側へ大きくシフト。現金預金: ▲116.06億円(▲44.9%)- 142.33億円へ減少。現金/短期負債0.35倍となり、短期資金の返済・更新に対する流動性バッファーが低下。完成工事未収入金: +109.45億円(+13.4%)- 926.67億円へ増加。総資産の55.7%を占め、出来高請求・検収および債権回収の遅延が資金繰りへ及ぼす影響が大きい。販売用不動産: +37.00億円(+262.4%)- 51.10億円へ増加。グロース事業等の不動産関連投資・事業拡大を示唆し、販売進捗および在庫評価の監視が必要。有形固定資産: +14.01億円(+7.6%)- 198.32億円へ増加。設備・事業基盤への投資拡大を反映する可能性がある。

キャッシュフロー品質

完成工事未収入金は926.67億円と前年同期比109.45億円増加し、売上高の91.9%に相当する。建設業の出来高請求・検収タイミングを反映する可能性はあるものの、利益の現金化と資金繰りを評価する上では、未収入金の回収期間および期末回収の進捗が最重要となる。未成工事受入金は80.14億円で前年同期の89.09億円から8.95億円減少しており、顧客からの前受けによる資金調達効果は前年同期より縮小した。預り金は260.52億円で前年同期比6.06億円減少している。現金預金が116.06億円減少する一方で短期借入金が183.59億円増加しているため、運転資本の増加および事業・投資資金の需要が資金ポジションに影響していることを示唆する。工事損失引当金は1.69億円と前年同期の2.58億円から0.89億円減少しており、損失見込み工事に対する引当負担は縮小した。もっとも、固定価格契約では資材費、労務費および外注費の上昇が将来の工事採算と運転資本を悪化させ得るため、未収債権の回収と工事原価の統制を併せて確認する必要がある。

配当持続性

通期の1株当たり配当予想は100.0円、通期EPS予想は203.62円であり、配当金のみで計算した予想配当性向は49.1%となる。これは配当性向60%未満を持続可能性の一つの目安とする水準に収まる。Q3累計EPS188.45円に対しても年間配当予想100.0円は53.1%相当であり、現時点の利益進捗との比較では配当水準は利益でカバーされている。前年同期の年間配当実績90.0円に対して、今期予想は10.0円、11.1%の増配となる。もっとも、短期借入金の大幅増加と現金預金の減少を踏まえると、配当の持続性は利益水準に加え、完成工事未収入金の回収および短期資金の借換え環境にも左右される。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:土木事業は売上高が前年同期比12.9%減、セグメント利益が同20.3%減であり、最大の利益貢献事業における受注・工事進捗・採算の弱含みが連結業績へ与える影響が大きい。、高優先度:建設業固有の資材価格、労務費、外注費の上昇、技能労働者不足、天候・自然災害による工期遅延は、固定価格工事を中心に工事原価と利益率を圧迫し得る。、中優先度:官公庁向け売上高が前年同期比9.0%減少しており、公共工事の予算執行時期や案件構成の変化が土木事業の稼働率に影響する。、中優先度:民間向け売上高へのシフトは成長機会である一方、不動産市況、民間設備投資および顧客の資金調達環境の変動に対する感応度を高める。、中優先度:販売用不動産が前年同期比262.4%増の51.10億円となっており、販売速度の鈍化は在庫負担および評価リスクにつながり得る。が挙げられます。

財務リスクとしては、高優先度:品質アラートの負債資本倍率2.15倍は2.0倍を超え、負債依存度の高い資本構成を示す。金利上昇や資金調達条件の悪化は株主資本に対する負担を増幅し得る。、高優先度:短期負債比率87.8%は品質アラートの警戒水準40%を大幅に上回る。短期借入金404.48億円への依存は、金融機関の借換え姿勢や市場金利の変化に対する脆弱性を高める。、高優先度:現金/短期負債0.35倍は0.5倍未満であり、現金預金142.33億円だけでは短期負債の返済余力が限定的である。、中優先度:完成工事未収入金926.67億円は総資産の55.7%を占めるため、請求・検収・回収の遅れや顧客信用悪化が流動性へ与える影響が大きい。、中優先度:支払利息は3.86億円と前年同期比35.4%増加している。現状のインタレストカバレッジは13.48倍と十分であるが、短期借入金の増加が継続すれば金利負担の上昇余地がある。が挙げられます。

主な懸念事項としては、低粗利率アラート:粗利益率12.1%は20%未満であり、建設業として原価変動に対する利益のバッファーは厚くない。ただし前年同期比約119bpの改善はポジティブであり、今後は土木事業の採算回復が改善持続の鍵となる。、短期借入金の83.1%増、長期借入金の60.7%減、現金預金の44.9%減という同時進行は、満期ミスマッチと資金繰りリスクを高めるため、最も優先して監視すべき財務上の変化である。、全社費用を主因とするセグメント調整額は前年同期比3.58億円悪化しており、成長事業の収益拡大が本社費用増によって相殺されないかを注視する必要がある。、純利益の増加には負ののれん発生益1.33億円を含む特別利益1.83億円が寄与しているため、通期純利益の進捗を評価する際には営業利益・経常利益を中心に見る必要がある。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、売上高前年同期比0.6%増に対し営業利益同27.9%増となり、原価率改善を起点とする収益性回復が確認された。、年換算ROEは9.1%であり、純利益率3.6%と財務レバレッジ3.15倍がリターンを構成する。利益率改善が続けばROEの改善余地がある一方、レバレッジへの依存度は高い。、建築事業とグロース事業等が増益を牽引した一方、主力の土木事業は減収減益であり、事業ポートフォリオ内の収益格差が拡大している。、通期営業利益予想への進捗率80.1%、純利益予想への進捗率92.5%は計画比で強いが、純利益には特別利益の寄与が含まれる。、資金面では、借入の短期化、現金減少、および大きな完成工事未収入金への依存が、収益改善と並ぶ主要な評価論点である。が挙げられます。

注視すべき指標は、土木事業の売上高・セグメント利益率、および官公庁案件の進捗、建築事業・グロース事業等の利益率がQ4を含めて維持されるか、完成工事未収入金926.67億円の回収進捗と未成工事受入金の推移、短期借入金404.48億円の借換え、長短借入構成、現金/短期負債比率、全社費用を含むセグメント調整額▲28.60億円の改善可否、販売用不動産51.10億円の販売進捗と在庫回転です。

セクター内ポジションについては、営業利益率5.2%は一般的な15%以上の優良基準には届かず、低粗利の建設業として原価管理の重要性が高い。一方で、前年同期からの粗利益率・営業利益率の改善、13.48倍のインタレストカバレッジ、ならびに通期利益計画を上回る進捗は収益面の強みである。対照的に、負債資本倍率2.15倍、短期負債比率87.8%、現金/短期負債0.35倍は、同社の評価において資金調達構造を主要なディスカウント要因とする。