| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥96.3億 | ¥100.2億 | -3.9% |
| 営業利益 | ¥2.5億 | ¥1.3億 | +99.0% |
| 経常利益 | ¥8.9億 | ¥6.3億 | +42.2% |
| 純利益 | ¥-22.7億 | ¥6.8億 | -28.7% |
| ROE | -4.9% | 1.5% | - |
2026年3月期の養命酒製造は、売上高96.3億円(前年比▲3.9億円 ▲3.9%)、営業利益2.5億円(同+1.2億円 +99.0%)、経常利益8.9億円(同+2.6億円 +42.2%)、純利益▲22.7億円(同▲29.5億円)となった。売上は減少したが、広告宣伝費の大幅削減と固定費圧縮により営業利益は実質倍増。しかし、減損損失30.0億円を含む特別損失35.6億円の計上により最終赤字へ転落した。経常利益は受取配当金5.7億円等の営業外収益が6.7億円(売上高比6.9%)と厚く、金融資産収益への依存度が高い構造が継続している。
【売上高】売上高は96.3億円(前年比▲3.9%)と減収。セグメント別では、主力の養命酒関連事業が82.0億円(▲4.3%)と売上構成比85.1%を占めるが縮小、くらすわ関連事業は14.3億円(+14.2%)と2桁成長したものの全体を補うには至らなかった。粗利率は54.5%(前年57.3%前後)へ約2.8pt低下し、トップラインの縮小と採算性低下の二重圧力が顕在化した。
【損益】営業利益は2.5億円(+99.0%)と実質倍増。販管費は49.9億円(販管費率51.9%)と前年の56.2億円から約11%削減され、とりわけ広告宣伝費を10.0億円(前年16.9億円)へ約41%圧縮したことが増益の主因である。営業利益率は2.6%(前年1.3%)へ+1.3pt改善したが、依然5%を下回る低水準にとどまる。経常利益は8.9億円(+42.2%)へ伸長し、受取配当金5.7億円、有価証券利息0.5億円など営業外収益6.7億円が寄与した。一方、特別損失では減損損失30.0億円、投資有価証券売却益4.1億円を含む特別利益4.2億円を差し引き、税引前利益は▲22.6億円、法人税等0.2億円を計上し純利益▲22.7億円となった。結論として、減収増益(営業段階)だが、一時的な減損計上により最終赤字へ転落した。
養命酒関連事業は売上82.0億円(前年比▲4.3%)、営業利益24.8億円(+5.4%)、営業利益率30.3%と高採算を維持し、減収下でも費用コントロールで増益を実現した。くらすわ関連事業は売上14.3億円(+14.2%)と増収だが、営業損失7.1億円(前年▲6.2億円)と赤字幅が拡大し、マージンは▲49.7%と収益貢献には至っていない。全社費用配賦後の連結営業利益は2.5億円にとどまり、くらすわ事業の構造的赤字と全社管理費負担が収益性の足かせとなっている。
【収益性】営業利益率2.6%(前年1.3%)、粗利率54.5%(前年57.3%前後)、ROE▲4.9%(前年+1.5%)。営業利益率は販管費圧縮で改善したが業界水準(中央値5.0%)を下回り、粗利率低下と営業外収益への依存が継続。【キャッシュ品質】営業CF/純利益▲0.13倍、営業CF/EBITDA 0.27倍と利益の現金転換力が脆弱。在庫日数154日、売上債権回転日数81日、キャッシュコンバージョンサイクル218日と運転資本の滞留が顕著で、キャッシュ創出の構造的課題を示す。【投資効率】総資産回転率0.178回転、ROIC 0.7%と極めて低位。投資有価証券282.0億円(総資産比52.2%)と金融資産が厚く、資産効率の抑制要因となっている。【財務健全性】自己資本比率85.8%、流動比率760.1%、D/Eレシオ0.17倍、インタレストカバレッジ36.54倍と財務基盤は極めて強固。現金預金94.1億円、短期有価証券10.0億円と流動性は潤沢だが、低回転の資産構成が資本効率の課題となっている。
営業CFは2.9億円(前年比▲37.8%)と縮小し、純利益▲22.7億円に対して営業CF/純利益▲0.13倍と品質面で警戒サイン。営業CF小計(運転資本変動前)は▲0.6億円と本業のキャッシュ創出力が弱く、減価償却費8.3億円の非現金費用加算に依存している。運転資本では棚卸資産の増減+0.4億円、売上債権の増減▲0.6億円、仕入債務の増減+0.3億円と小幅な変動にとどまったが、在庫日数154日・DSO81日と高水準の運転資本滞留が常態化しキャッシュ転換を阻害している。投資CFは+24.3億円と大幅流入で、有価証券売却益6.1億円、定期預金解約26.6億円が寄与し、設備投資▲2.7億円を大きく上回った。財務CFは▲6.3億円で、配当支払▲6.2億円、自社株買い微小、短期借入金の増減±6.0億円が相殺された。フリーCFは27.2億円と黒字だが、定期預金解約・有価証券売却など金融取引由来の資金流入が大半を占め、コア事業からのキャッシュ創出は限定的である。利息及び配当金の受取6.4億円が営業CFを下支えするも、本業利益の現金化率向上には在庫・売掛の圧縮と費用効率化が不可欠である。
当期の純利益▲22.7億円は減損損失30.0億円を含む特別損失35.6億円の一時要因による。経常利益8.9億円は受取配当金5.7億円(売上高比5.9%)、有価証券利息0.5億円など営業外収益6.7億円(同6.9%)に大きく依存し、本業の営業利益2.5億円(同2.6%)を3倍以上上回る。経常的な収益基盤としては営業外収益への依存度が高く、本業のEBITマージンは依然脆弱である。営業CFは2.9億円と営業利益2.5億円とほぼ同水準だが、純利益との対比では営業CF/純利益▲0.13倍とアクルーアルの歪みが顕著で、減損を除いた実質利益でも運転資本滞留によりキャッシュ転換力が弱い。投資有価証券売却益4.1億円など一時的利益の計上もあるが、減損損失が大きく、経常利益と純利益の乖離は31.5億円に達する。収益の質評価には、営業利益の持続性、営業外収益の安定性、減損後資産での採算回復度合いの三点が鍵となる。
期末配当は無配とし、当期の現金配当支払は6.2億円(前期6.2億円)。純利益▲22.7億円に対して配当性向は算出不能で、配当原資は過年度利益剰余金となる。2026年4月9日付公表の通り、公開買付け成立により2026年6月18日に上場廃止となる予定であり、配当政策は新オーナーの資本政策に移行する。自社株買いは▲0.0億円と微小で、期中の総還元は実質配当のみ。フリーCF27.2億円は配当支払を十分にカバーするが、営業CFが2.9億円と弱く、金融資産の取り崩しに依存した資金構造であり、持続的な株主還元余力は本業のキャッシュ創出力回復が前提となる。
運転資本効率リスク: 在庫日数154日、売上債権回転日数81日、CCC218日と同業比で高水準の運転資本滞留が常態化しており、販路・需給ミスマッチによるキャッシュ創出の構造的圧迫が懸念される。粗利率低下も併せ、在庫回転と与信管理の改善が急務である。
収益構造の脆弱性リスク: 営業利益率2.6%と業界中央値5.0%を大きく下回り、経常利益8.9億円の7割以上を営業外収益(受取配当金5.7億円等)に依存する。本業利益の薄さと金融収益依存度の高さにより、投資有価証券の評価変動や配当減少が収益を直撃するリスクがある。
減損後の資産効率リスク: 当期減損30.0億円計上により有形固定資産は88.4億円(前年比▲27.4%)へ圧縮されたが、ROIC 0.7%と資本効率は依然極めて低位。減損後の資産ベースでの採算改善が不十分な場合、追加減損や資産入替コストが発生し、収益性のさらなる圧迫が懸念される。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 2.6% | 5.0% (3.3%–8.4%) | -2.4pt |
| 純利益率 | -23.6% | 3.2% (1.9%–6.6%) | -26.8pt |
営業利益率は業界中央値を2.4pt下回り、費用構造の効率化余地が大きい。純利益率は一時的減損の影響で大幅マイナス。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -3.9% | 5.4% (1.0%–8.6%) | -9.3pt |
売上高成長率は業界中央値を9.3pt下回り、トップライン拡大が課題。
※出所: 当社集計
本業利益の質と持続性: 営業利益率2.6%と低水準ながら前年比倍増を達成したが、広告宣伝費の大幅削減(▲41%)が主因であり、中長期のブランド力・需要への影響をモニタリングする必要がある。経常利益8.9億円のうち営業外収益6.7億円と金融資産収益への依存度が高く、本業のEBIT創出力強化が持続成長の鍵となる。
運転資本管理とキャッシュ転換力: 在庫日数154日、DSO81日、CCC218日と同業比で高水準の運転資本滞留が営業CFを圧迫し、営業CF/EBITDA 0.27倍と極めて低い現金転換率を示す。在庫の適正化、売掛金回収の迅速化、仕入債務条件の最適化が、フリーCFの持続的創出とROIC改善に直結する重要論点である。
資産効率と減損後の採算回復: 投資有価証券282.0億円(総資産比52.2%)と金融資産が厚く、総資産回転率0.178回転・ROIC 0.7%と資本効率は極めて低位。当期減損30.0億円計上後の資産ベースでの営業利益率改善度合い、くらすわ事業の構造改革進捗、全社費用配賦の適正化が、減損後の採算回復と追加減損回避の判断材料となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。