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24752026 第3四半期プライムJGAAP

WDBホールディングス(2475) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は381.2億円(前年同期比-1.8%)、営業利益は35.5億円(同-12.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥381.2億¥388.4億−1.8%
営業利益¥35.5億¥40.8億−12.9%
経常利益¥36.7億¥41.0億−10.5%
純利益¥24.1億¥24.7億−2.5%
ROE7.2%7.4%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計決算は、売上高381.2億円(前年比-7.2億円 -1.8%)、営業利益35.5億円(同-5.3億円 -12.9%)、経常利益36.7億円(同-4.3億円 -10.5%)、純利益24.1億円(同-0.6億円 -2.5%)となった。主力の人材サービス事業は派遣単価上昇と正社員型派遣の稼働率向上により増収増益を達成した一方、CRO事業が主要顧客の業務内製化と海外不採算事業売却の影響で大幅減収減益となり全社業績を下押しした。営業利益の減少幅に比べ純利益の減少幅が小さいのは、特別項目の影響(特別利益0.46億円、特別損失0.51億円)が相対的に軽微だったことによる。通期予想は売上高511.4億円、営業利益42.3億円、経常利益43.3億円、純利益24.1億円で据え置かれている。

業績変動要因

【売上高】売上高381.2億円(前年比-1.8%)の減収は、CRO事業の売上51.0億円(-15.9%)の大幅減少が主因である。主要顧客が業務を内製化したことと2024年に実施した海外不採算事業の売却が減収要因となった。一方、主力の人材サービス事業は売上330.1億円(+0.8%)と微増を維持した。派遣単価の引き上げと正社員型派遣スタッフの稼働率向上が寄与したが、派遣市場全体の需要鈍化により成長は限定的だった。営業体制強化とシニア層・パートタイム提案の強化が今後の増収に向けた施策として位置付けられている。

【損益】営業利益35.5億円(-12.9%)の減益は、CRO事業の営業利益7.3億円(-40.5%)の大幅減少が主因である。同事業は売上減少の一方で受託業務処理人員を維持したため利益率が14.4%から大きく低下した。人材サービス事業は営業利益33.6億円(+4.8%)と増益だったが、2025年4月実施の派遣スタッフ報酬引き上げによる短期的なマージン圧力と、プラットフォーム開発投資(doconico、ドコ1)に伴う販管費増加が収益性を抑制した。営業利益率は9.3%(前年10.5%)と1.2pt低下した。経常利益36.7億円(-10.5%)、純利益24.1億円(-2.5%)は、営業外収益1.22億円と特別損益がほぼ相殺(特別利益0.46億円、特別損失0.51億円)し、一時的要因の影響は軽微だった。経常利益と純利益の乖離が8.4%となったのは、実効税率34.3%の影響による。結論として減収減益の構造であり、主力事業の増益でCRO事業の減益を補いきれない状況が継続している。

セグメント別分析

人材サービス事業は売上高330.1億円(前年比+0.8%)、営業利益33.6億円(+4.8%)で営業利益率10.2%を達成した。全社営業利益の94.6%を占める主力事業であり、派遣単価上昇と正社員型派遣スタッフ稼働率向上が増益を牽引した。派遣スタッフ報酬引き上げと販管費増加を吸収し、収益性を維持している点が評価できる。CRO事業は売上高51.0億円(-15.9%)、営業利益7.3億円(-40.5%)で営業利益率14.4%(前年21.8%)と大幅低下した。主要顧客の業務内製化と海外不採算事業売却が減収要因となり、受託業務処理人員を維持したため固定費負担が増大した。全社の減収減益は主にCRO事業の利益率悪化によるものであり、主力の人材サービス事業は増益で全社業績を下支えしている構図である。セグメント間利益率はCRO事業14.4%、人材サービス10.2%とCRO事業が依然高いが、前年差ではCRO事業が-7.4pt、人材サービスが+0.4ptと対照的な推移を示している。

主要財務指標

  • 収益性: ROE 6.7%(前年度ROE推移データ未開示、2026年Q3時点)、営業利益率 9.3%(前年10.5%から-1.2pt)、純利益率 6.3%(前年6.4%から-0.1pt)
  • キャッシュ品質: 営業CF/純利益比率は未開示のため算出不可、現金預金166.9億円(総資産の40.1%)
  • 投資効率: 設備投資/減価償却比率は未開示
  • 財務健全性: 自己資本比率 81.0%(前年79.6%から+1.4pt)、流動比率 380.1%(前年376.8%)、当座比率 380.0%
  • 資産効率: 総資産回転率 0.92回転(年換算1.22回転)、売掛金回転日数 60.6日(DSO 60日超の品質アラート)

キャッシュフロー分析

営業CFは未開示のため営業CF/純利益比率による現金裏付け評価は算出不可である。投資CFおよび財務CFの詳細も未開示となっている。現金預金残高は166.9億円(前年166.2億円)とほぼ横ばいで推移しており、総資産の40.1%を占める高水準を維持している。配当支払および設備投資の詳細は不明だが、流動性は極めて高い状態にある。売掛金は63.2億円でDSO 60日超の警告があり、回収遅延が運転資本に与える影響を監視する必要がある。FCFおよび営業CFベースでの配当カバー状況は評価困難であるが、現金保有の厚さから短期的な配当支払能力は十分と判断される。現金創出評価は営業CF未開示のため判定不能だが、流動性は標準以上と評価できる。

収益の質

経常利益36.7億円に対し純利益24.1億円で乖離率は34.3%となっている。この乖離は主に税金等の負担(実効税率34.3%)によるもので、一時的な特別損益は特別利益0.46億円、特別損失0.51億円とほぼ相殺されており経常的収益構造に大きな影響を与えていない。営業外収益は1.22億円と売上高の0.3%にとどまり、本業外収益への依存度は低い。営業利益35.5億円から経常利益36.7億円への+1.2億円の増加は営業外損益の小幅プラスによるもので、本業収益が利益の中核を成している。営業CFが未開示のためアクルーアル(利益と現金の乖離)の評価は困難だが、売掛金DSO 60日超の警告がある点は収益の現金化に一定の遅延リスクが存在することを示唆する。収益の質は概ね経常的であるが、現金転換状況の確認が今後の課題となる。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高511.4億円(前年比0.0%)、営業利益42.3億円(-16.5%)、経常利益43.3億円(-15.0%)、純利益24.1億円(-13.3%)で据え置かれている。第3四半期累計の進捗率は、売上高74.6%(標準75.0%に対し-0.4pt)、営業利益84.0%(標準75.0%に対し+9.0pt)、経常利益84.8%(同+9.8pt)、純利益100.0%(同+25.0pt)となっている。営業利益および経常利益の進捗率が標準を大きく上回る一方、純利益が既に通期予想に到達しているのは、第4四半期に販管費が多く発生する見込みであることと、通期で減益傾向が継続する想定を反映している。予想修正は実施されておらず、経営陣は第4四半期の販管費増加を見込みつつ通期目標達成に向けて推進する方針を示している。進捗率の前倒しは季節性およびコスト構造を考慮した会社想定の範囲内と考えられる。

株主還元

配当は中間24.0円、期末予想38.5円で年間62.5円(会社予想)を予定している。第3四半期時点の年間換算配当性向は55.5%となり、会社方針の配当性向40%基準を上回るものの50-60%の範囲に収まっている。自己株式は前年対比-7.26億円(マイナス計上額の減少=自己株式保有の減少)となっており、自己株式処分または償却が実施された可能性がある。会社方針として自社株買いは流動比率基準との兼ね合いから基本的に行わないとしており、総還元性向の算出には自社株買いを含めない想定が妥当である。したがって株主還元は配当に集中しており、配当性向55.5%が総還元性向に相当する。現金預金166.9億円と配当支払能力は十分だが、営業CF未開示のため現金創出ベースでの配当カバー状況は確認できない。配当方針は「不測の事態でも安定配当を継続できる状態を維持」としており、保守的な財務運営のもとで配当の継続性は高いと評価される。

カタリスト

【短期】第4四半期の販管費動向と通期予想達成の確度、2025年10月実施の本社移転(姫路→神戸)による営業体制強化の効果顕在化、複数派遣会社一元管理システム「ドコ1」の受注拡大ペース、CRO事業における委託範囲・業務工数見直しを補う営業活動の成果。 【長期】プラットフォーム事業(doconico、ドコ1)の普及拡大と収益貢献の本格化、派遣スタッフ報酬引き上げによる人材調達力強化と求職者満足度向上の効果、正社員型派遣の地域限定新卒採用による採用力強化と稼働率向上、CRO事業の利益率改善とメドファイルズの高利益率業務への経営資源集中による受注増加。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 同社の業種分類はサービス業(人材派遣・CRO)だが、比較データはIT・通信業種を参照している点に留意。

  • 収益性: ROE 6.7%(業種中央値8.2%、IQR 3.5-13.3%、n=99)で業種中央値を下回る。営業利益率9.3%(業種中央値8.0%)は中央値を上回り収益性は相対的に良好。純利益率6.3%(業種中央値5.6%)も中央値を上回る。
  • 効率性: 総資産回転率0.92回転(業種中央値0.68回転)で業種平均を上回り資産効率は良好。売掛金回転日数60.6日(業種中央値60.53日)はほぼ中央値並みだが、DSO 60日超の警告がある点は留意。
  • 健全性: 自己資本比率81.0%(業種中央値59.5%、IQR 43.7-72.8%)で業種上位に位置し財務健全性は極めて高い。流動比率380.1%(業種中央値2.13倍=213%)も業種を大きく上回る。
  • 成長性: 売上高成長率-1.8%(業種中央値+10.5%)で業種平均を下回り成長は停滞。EPS成長率は未開示。 (業種: IT・通信業種(99社)、比較対象: 2025年Q3、出所: 当社集計)

リスク要因

  1. CRO事業の収益性悪化リスク: 主要顧客の業務内製化が継続し、受託範囲・業務工数の見直しが進む場合、売上減少と固定費負担により営業利益率が14.4%からさらに低下する可能性がある。CRO事業は全社営業利益の20.6%を占めており、同事業の回復遅延は通期予想未達リスクを高める。
  2. 派遣市場の需要変動リスク: 主力の人材サービス事業(全社営業利益の94.6%)は景気動向や採用市場の影響を受けやすく、企業の派遣利用控えや派遣スタッフ確保難が発生した場合、稼働率低下および派遣単価の下落圧力により増収増益基調が崩れる可能性がある。
  3. 売掛金回収リスク: DSO 60日超の警告があり、回収遅延が運転資本および営業CFに悪影響を与える可能性がある。営業CFが未開示であるため現時点で回収状況の詳細評価は困難だが、売掛金63.2億円は総資産の15.2%を占めており、回収遅延が長期化すれば流動性に影響を及ぼすリスクがある。

決算上の注目ポイント

  1. 主力事業の安定性とCRO事業の回復シナリオ: 人材サービス事業が増益基調を維持し全社利益の9割超を占める構造であり、派遣単価引き上げと稼働率向上による増益モメンタムが今後も継続するかが注目される。一方、CRO事業は営業利益率が21.8%から14.4%へ大幅低下しており、委託範囲・業務工数見直しを補う営業活動および品質向上の取り組みが利益率回復に寄与するか監視が必要である。
  2. プラットフォーム投資と将来収益の基盤構築: プラットフォーム事業(doconico、ドコ1)への継続投資により短期的に販管費が増加し営業利益率を圧迫しているが、複数派遣会社一元管理システム「ドコ1」は順調に受注が進んでおり、将来的な収益貢献と競争優位性確立が期待される。投資の成果が顕在化するまでの期間と収益インパクトが今後の評価ポイントとなる。
  3. 配当政策と財務余力のバランス: 配当性向55.5%と配当は手厚いが、営業CF未開示のため現金創出ベースでの配当カバー状況は確認できない。現金預金166.9億円と自己資本比率81.0%の財務基盤は堅固であり、配当継続能力は高いと評価されるが、今後の営業CF開示と配当原資の持続性確認が投資家の安心材料となる。

本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

第3四半期累計は、売上高が前年同期比1.8%減、営業利益が同12.9%減となり、CRO事業の減収減益が連結収益性を押し下げた。売上高は381.22億円、営業利益は35.54億円、経常利益は36.74億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は22.59億円である。売上総利益は88.01億円と前年同期の90.90億円から2.89億円減少した。粗利益率は23.4%から23.1%へ30bp低下した。販管費は52.47億円と前年同期比4.8%増加し、売上高販管費率は12.9%から13.8%へ86bp上昇した。これにより営業利益率は10.5%から9.3%へ119bp縮小した。経常利益率も10.6%から9.6%へ93bp低下した。一方、親会社株主帰属純利益率は5.8%から5.9%へ12bp上昇した。これは実効税率が前年同期の39.3%から34.3%へ約500bp低下したことが、営業段階の減益を一部相殺したためである。人材サービス事業は増収増益を維持し、CRO事業の不振を部分的に補完した。特にCRO事業は海外会社売上の前年同期比30.5%減が重く、セグメント利益は40.5%減少した。通期会社予想に対する進捗率は売上高74.5%と標準的な75%にほぼ一致する。営業利益の進捗率は84.0%、親会社株主帰属純利益は93.7%であり、利益面では累計時点の達成度が高い。もっとも、会社予想の達成には第4四半期の営業利益が6.76億円にとどまる計算であり、累計の高進捗には下期の保守的な利益計画も織り込まれているとみられる。総資産415.84億円に対して現金預金は166.92億円、純資産は336.77億円であり、財務耐性は高い。今後の焦点は、人材サービス事業の利益率改善の持続性、CRO事業における国内外案件の回復、および増加した持株会社費用の抑制である。

収益性分析

デュポン分析では、年換算ROE 8.9%は純利益率5.9%×年換算総資産回転率1.222回×財務レバレッジ1.23倍で構成される。ROEは、低レバレッジかつ厚い自己資本を背景に、資本効率よりも財務健全性を優先した構造である。利益率面では、最も大きな変化は営業利益率の119bp縮小であり、売上減少に対して販管費が4.8%増加した営業レバレッジの悪化が主因である。売上原価率は76.6%から76.9%へ上昇しており、粗利段階でも30bpの圧迫がみられる。人材サービス事業のセグメント利益率は9.8%から10.2%へ40bp改善した一方、CRO事業は20.3%から14.3%へ594bp低下しており、連結マージン悪化の中心である。CROの利益率低下は、海外売上の急減による固定費吸収の悪化を示唆する。全社費用は3.57億円から5.41億円へ51.3%増加しており、セグメント合計利益が前年同期比7.8%減にとどまる中で、連結営業利益を同12.9%減へ拡大させた。税負担係数は0.616で、実効税率34.3%は前年同期比で低下したものの、税後利益の伸びを恒常的な収益力の改善と評価するのは慎重を要する。金利負担係数は1.032であり、営業外損益が営業利益を上回ることを反映するが、営業外収益は売上高の0.3%にとどまり、営業利益の評価を大きく歪める規模ではない。年換算ROE 8.9%は一般的な8%の要注意水準をわずかに上回るが、利益率の縮小と低い財務レバレッジを踏まえると、ROE改善にはCRO採算の回復と全社費用の規律が重要となる。

成長性評価

連結売上高は前年同期比1.8%減であり、成長の構図は事業別に分かれている。人材サービス事業の外部顧客向け売上高は330.17億円で同0.8%増、セグメント利益は33.62億円で同4.8%増となった。人材派遣売上は325.12億円で同0.7%増、人材紹介売上は5.06億円で同5.2%増であり、人材サービスでは紹介分野が相対的に高い伸びを示した。CRO事業の外部顧客向け売上高は51.05億円で同15.9%減、セグメント利益は7.33億円で同40.5%減となった。CRO事業では国内会社売上が38.34億円で同9.6%減、海外会社売上が12.72億円で同30.5%減であり、海外の減速がより顕著である。通期予想は売上高511.40億円、営業利益42.30億円、経常利益43.30億円、親会社株主帰属純利益24.10億円である。第3四半期累計の通期進捗率は、売上高74.5%、営業利益84.0%、経常利益84.9%、親会社株主帰属純利益93.7%となる。売上高は標準進捗率75%と整合的である一方、純利益は標準を18.7ポイント上回る。会社予想達成に必要な第4四半期の売上高は130.18億円、営業利益は6.76億円であり、売上規模に比べて低い利益水準を前提とする。第4四半期に予定される費用計上や、CROの回復時期の不確実性が、利益予想に織り込まれている可能性がある。

財務健全性

財務基盤は極めて保守的である。流動比率は380.1%、当座比率は380.0%であり、短期債務64.59億円に対する流動資産245.53億円の余力は大きい。運転資本は180.94億円で、満期ミスマッチのリスクは限定的である。負債資本倍率は0.23倍であり、D/E比率2.0倍超の警戒水準から大きく乖離する。総資産の40.1%を現金預金が占め、現金預金166.92億円は負債合計79.07億円を87.85億円上回る。自己資本比率は77.5%で、前年同期の76.4%から改善した。前年同期比では現金預金が38.82億円減少した一方、純資産は4.36億円増加し、自己株式は7.26億円増加して20.03億円の控除となった。自己株式の増加は資本還元または資本政策の実施を示すため、今後は利益剰余金の蓄積とのバランスが注目される。棚卸資産は0.65億円から0.09億円へ86.1%減少したが、総資産に占める比率は極めて小さく、人材サービス・CRO中心の事業構造と整合的である。無形固定資産は1.49億円から0.79億円へ47.0%減少し、総資産比0.2%にとどまるため、無形資産やのれんへの資産価値依存は低い。建物及び構築物は12.19億円から79.84億円へ増加し、建設仮勘定は37.86億円から0.43億円へ減少していることから、建設中資産の竣工・本勘定振替がB/S構成を大きく変化させたとみられる。資産除去債務は2.27億円、退職給付に係る負債は3.85億円、役員退職慰労引当金は5.76億円であり、これらを含めても低負債・高流動性の構造は維持されている。

B/S変動のポイント

建物及び構築物: +67.65億円(前年同期比+555%)- 建設仮勘定の大幅減少と併せ、建設中資産の竣工・本勘定振替を示唆。今後は減価償却費と稼働効率を監視。建設仮勘定: -37.43億円(前年同期比-98.9%)- 大規模な設備・施設投資が完成段階へ移行した可能性があり、投資後の収益寄与が焦点。現金預金: -38.82億円(前年同期比-18.9%)- 現金水準は166.92億円と依然として厚く、負債合計を87.85億円上回る。自己株式: -7.26億円(控除額が前年同期比56.8%増)- 自己株式取得等による資本還元・資本政策を示唆し、配当とは別に総還元の規模を確認する必要がある。棚卸資産: -0.56億円(前年同期比-86.1%)- 総資産に占める比率は極小であり、サービス中心の事業構造に照らして財務影響は限定的。無形固定資産: -0.70億円(前年同期比-47.0%)- 総資産比0.2%に低下しており、無形資産・のれんへの価値依存は限定的。

キャッシュフロー品質

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり25.00円である。通期会社予想の年間配当は62.50円であり、予想EPS122.72円に対する配当性向は約50.9%となる。配当のみを分子とする配当性向は60%未満であり、利益ベースでは持続可能な水準と評価できる。第3四半期累計の親会社株主帰属純利益22.59億円は通期予想24.10億円の93.7%に達しており、現時点の利益進捗は年間配当の裏付けとなる。利益剰余金は321.57億円、現金預金は166.92億円であり、配当支払いに対する財務余力も厚い。自己株式は前年同期比7.26億円増加しているため、追加的な株主還元が行われている場合には、配当性向とは区別して総還元性向での評価が必要となる。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:CRO事業の需要・案件進捗リスク。売上高は前年同期比15.9%減、セグメント利益は40.5%減、利益率は594bp低下しており、回復の遅れは連結利益率に直接影響する。、高優先度:海外CRO事業の変動リスク。海外会社売上は前年同期比30.5%減であり、海外顧客の開発投資、受託案件の検収時期、地域別需要の変動に収益が左右される。、中優先度:人材サービスにおける人材需給・賃金上昇リスク。人材派遣は労働市場の逼迫、派遣スタッフの採用・定着、顧客企業の研究開発投資の変動の影響を受ける。、中優先度:人材派遣・CRO業界固有の規制・品質リスク。労働者派遣制度、医薬品・化学分野の試験品質、個人情報管理に関する規制強化や事故は、案件獲得とブランドに影響し得る。が挙げられます。

財務リスクとしては、低優先度:営業利益率低下リスク。売上高販管費率が86bp上昇し、全社費用も前年同期比51.3%増加しているため、固定費の増加が続く場合は利益の下方弾性が高まる。、低優先度:資本効率低位リスク。年換算ROEは8.9%であり、厚い現金・自己資本は安全性を高める一方、収益性が回復しない場合は資本効率の改善余地が課題となる。が挙げられます。

主な懸念事項としては、CRO事業の売上減少率を上回る利益減少が生じており、固定費吸収の悪化が一時的か構造的かを確認する必要がある。、持株会社に係る全社費用が5.41億円へ増加しており、今後の費用水準と投資対効果が連結営業利益の重要な変数となる。、建設仮勘定から建物及び構築物への大幅な振替後は、減価償却費および施設稼働率が将来の利益率と資本効率に影響する。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、人材サービス事業は増収増益・利益率改善を達成したが、CRO事業の急減速が連結減収減益の主因である。、営業利益率は9.3%で良好レンジを維持する一方、前年同期比119bpの縮小と販管費率上昇は収益性の重要な監視点である。、流動比率380.1%、負債資本倍率0.23倍、ネットキャッシュ87.85億円という強固なB/Sは、業績変動への耐性と資本配分の選択肢を支える。、通期営業利益予想の進捗率は84.0%であり、予想達成のハードルは低い計算だが、第4四半期に低い利益率を見込む背景の確認が重要である。が挙げられます。

注視すべき指標は、CRO事業の国内・海外別売上高成長率、CRO事業セグメント利益率、人材サービス事業の派遣・紹介別売上成長率、全社費用と売上高販管費率、建物及び構築物への振替後の減価償却費と資産稼働効率、年間配当62.50円の維持と自己株式の増減です。

セクター内ポジションについては、収益性は営業利益率9.3%、純利益率5.9%で一般的な良好レンジにあるが、年換算ROE 8.9%は高自己資本・低レバレッジのため突出した水準ではない。財務安全性は現金厚め・低負債で同業内でも保守的とみられる一方、成長性とマージン改善はCRO事業の回復力に大きく依存する。