| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥69.7億 | - | - |
| 営業利益 | ¥0.7億 | - | - |
| 経常利益 | ¥1.2億 | - | - |
| 純利益 | ¥0.8億 | - | - |
| ROE | 2.6% | - | - |
当第3四半期は売上高の進捗は計画に近い一方、営業利益以下の進捗が大きく遅れており、下期での利益積み上げが計画達成の前提となっている決算である。売上高は69.7億円で通期予想95.3億円に対する進捗率は73.1%、営業利益は0.7億円で同進捗率22.8%、経常利益は1.2億円で同32.6%、純利益は0.8億円で同32.4%となった。9か月/12か月の目安である75%と比較すると、売上はほぼ計画線上にあるのに対し、各利益指標はそれを大きく下回っている。背景には粗利率9.5%、営業利益率1.0%という薄い収益構造がある。
【売上高】売上高は69.7億円で、通期予想95.3億円に対する進捗率は73.1%となった。セグメント情報の開示はなく、単体全体としての進捗管理が中心となる。
【損益】売上原価63.0億円を反映し売上総利益は6.6億円、粗利率9.5%にとどまる。販管費5.9億円(販管費率8.5%)を差し引いた営業利益は0.7億円、営業利益率1.0%と薄利構造である。営業外収益0.5億円(補助金収入0.4億円を含む)が加わり経常利益は1.2億円へ拡大し、本業以外の収益が業績を補完する構図となっている。特別利益0.1億円は子会社清算に伴う一時的要因であり、税引前利益1.3億円に対し実効税率40.9%の税負担を経て純利益は0.8億円に圧縮された。売上の計画進捗に対し利益の計画進捗が大きく劣後している点が、当期の損益面の特徴である。
【収益性】営業利益率1.0%、純利益率1.1%、ROE2.6%といずれも低水準で、粗利率9.5%の薄さが起点となっている。【キャッシュ品質】経常利益1.2億円のうち営業外収益0.5億円(主に補助金収入0.4億円)が寄与し、営業利益0.7億円との差の多くが非事業的な収益で構成されている。【投資効率】ROE2.6%、自己資本比率74.1%であり、資本は厚いが利益に結びつく効率は限定的である。【財務健全性】自己資本比率は前年同期の70.9%から74.1%へ+3.2pt上昇し、流動資産31.4億円・流動負債7.3億円から算出される流動比率は431%と高く、現金及び預金は15.7億円を確保している。
キャッシュ・フロー計算書の開示はないため、貸借対照表の変化から資金動向を確認する。現金及び預金は前年同期の18.4億円から15.7億円へ2.6億円(-14.2%)減少し、同時に流動負債は9.1億円から7.3億円へ1.8億円(-19.8%)縮小した。負債側では未払法人税等が1.6億円から0.1億円へ、未払費用性の従業員関連負債(未払賞与)も1.5億円から0.3億円へ大きく減少しており、前期計上分の税金・賞与の支払いが現金減少の主因とみられる。一方で利益剰余金は27.20億円から27.21億円へほぼ横ばいで、当第3四半期までの純利益0.8億円のうち大部分が配当等として流出したことがうかがえる。設備投資面では無形固定資産が0.49億円から0.76億円へ+54.7%増加し、ソフトウェア等への投資が進んだ形跡がある。
経常利益1.2億円と営業利益0.7億円の差0.5億円は主に営業外収益によるもので、その中には補助金収入0.4億円が含まれ、本業の収益力とは区別して捉える必要がある。特別利益0.1億円は子会社清算に伴う一時的な利益であり、継続的な収益力を評価する上では除外して考えるべき項目である。税引前利益1.3億円に対し法人税等0.5億円が計上され、実効税率は40.9%と法定実効税率を上回る水準で、純利益0.8億円を圧縮する要因となっている。営業利益単体で見た本業の収益力は1.0%の利益率にとどまり、経常段階以降の上乗せ分の多くが非経常的・非事業的な項目に依存している点は、収益の質を評価する上での留意点である。
会社は通期売上高95.3億円、営業利益3.2億円、経常利益3.7億円、純利益2.4億円を予想している。9か月累計の進捗率は売上高73.1%、営業利益22.8%、経常利益32.6%、純利益32.4%で、9か月/12か月の目安である75%を売上高はほぼ満たす一方、各利益指標は大きく下回っている。この差は、当第3四半期までの営業利益率1.0%という薄い収益構造を反映したもので、通期計画の達成には第4四半期に利益面での大幅な積み上げが必要となる構成である。
会社は通期配当予想として1株22.00円を開示している。通期純利益予想2.4億円と発行済株式数から自己株式を除いた3,793,193株を用いて算出すると、配当総額は約0.83億円となり、配当性向は約35.1%と計算される。利益剰余金は前年同期比+0.05%(27.20億円→27.21億円)とほぼ横ばいで、当第3四半期までに計上した純利益0.8億円の多くが配当として流出したことが示唆され、前期の年間配当実績を反映した動きと整合的である。現金及び預金15.7億円という厚い手元資金は、当面の配当実施余力を支える要素となっている。
収益構造の脆弱性: 粗利率9.5%、営業利益率1.0%と本業の利益創出力が薄く、経常利益の押し上げは営業外収益(補助金収入等)に一定程度依存している。
売掛金水準: 売掛金・受取手形は14.0億円で、9か月累計売上高69.7億円の約20.1%に相当する規模であり、資金回収状況のモニタリングが重要となる。
通期計画に対する利益進捗の遅れ: 売上高進捗率73.1%に対し営業利益進捗率は22.8%、純利益進捗率は32.4%と大きく劣後し、下期での利益積み上げが計画の前提となっている。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 1.0% | 8.2% (3.6%–18.0%) | -7.1pt |
| 純利益率 | 1.1% | 6.0% (2.2%–12.7%) | -4.9pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回り、収益性は業種内で低位に位置する。
※出所: 当社集計
財務健全性の指標(自己資本比率74.1%、流動比率431%)は良好である一方、営業利益率1.0%と本業の収益力は薄く、経常利益の一部を補助金収入等の営業外収益が補完する構造となっている。
通期進捗は売上高が73.1%に対し営業利益が22.8%と大きく劣後しており、下期における利益面の積み上げの有無が通期計画達成を左右する構図である。
実効税率40.9%という高い税負担が純利益率を圧迫しており、税負担の水準が今後の純利益推移に与える影響は注視に値する。
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