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24152026 第3四半期スタンダードJGAAP

ヒューマンホールディングス(2415) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は763.8億円(前年同期比+1.9%)、営業利益は21.9億円(同-2.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥763.8億¥749.3億+1.9%
営業利益¥21.9億¥22.5億−2.7%
経常利益¥24.1億¥23.7億+1.5%
純利益¥14.2億¥14.5億−2.4%
ROE7.6%8.0%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計決算は、売上高763.8億円(前年同期比+14.5億円 +1.9%)、営業利益21.9億円(同-0.6億円 -2.7%)、経常利益24.1億円(同+0.4億円 +1.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益14.2億円(同-0.3億円 -2.4%)。増収減益の構造となり、売上は堅調に拡大するも営業効率の低下が利益を圧迫した。営業利益率は2.9%(前年3.0%)と1年前の水準を維持できず、販管費の増加が主因。経常利益は営業外収益の寄与で前年比プラスを確保したが、純利益は税負担の重さにより微減。

業績変動要因

【売上高】トップラインは763.8億円(+1.9%)と緩やかな増収。セグメント別では人材関連事業(HumanResource)が455.9億円(前年447.4億円、+1.9%)と主力を担い、全体売上の59.7%を占める。教育事業(Education)は194.2億円(前年193.3億円、+0.5%)、介護事業(Care)は97.1億円(前年93.0億円、+4.4%)とそれぞれ前年比プラス。介護事業の伸び率が最も高く、需要の底堅さがうかがえる。その他事業を含む連結売上は前年から緩やかな上昇基調にあり、主力の人材関連と介護の安定成長がトップラインを支えた。【損益】売上原価は569.4億円、売上総利益194.4億円で粗利率25.5%(前年25.3%)とわずかに改善。販管費は172.6億円(販管費率22.6%)で、前年比で増加し営業利益を圧迫した。営業利益21.9億円は前年22.5億円から0.6億円減少し、営業利益率は2.9%にとどまる。営業外では受取利息0.3億円、その他営業外収益0.9億円を含む営業外収益3.1億円に対し、支払利息0.5億円、その他営業外費用0.3億円で営業外費用0.8億円。営業外純増は約2.3億円となり、経常利益24.1億円(前年23.7億円、+1.5%)は営業外収益の寄与で微増。税引前利益22.8億円に対し法人税等8.7億円(実効税率38.0%)と税負担が重く、親会社株主に帰属する四半期純利益は14.2億円(-2.4%)に着地。一時的要因としては特別損失1.3億円に減損損失0.3億円、固定資産除売却損0.1億円が含まれ、介護事業で営業赤字事業所の減損28百万円、その他で撤退拠点の減損0.7百万円が計上された。経常利益と純利益の乖離(約40%の利益減少)は税負担の高さと特別損失によるもの。結論として、増収減益の構造にあり、売上拡大が利益増に直結しにくい状態が継続している。

セグメント別分析

人材関連事業(HumanResource)は売上高455.9億円、営業利益19.2億円で営業利益率4.2%。全社営業利益の87.7%を占め、主力事業として利益の大半を創出している。教育事業(Education)は売上高194.2億円、営業利益0.1億円で営業利益率0.1%。売上規模は全体の25.4%を占めるものの、利益率は極めて低水準にとどまり、前年の営業利益2.8億円(利益率1.4%)から大幅に悪化。セグメント注記によれば、IT事業の吸収合併によるビジネスモデル見直しの影響や、事業所移転・減損4.8百万円が利益を圧迫した。介護事業(Care)は売上高97.1億円、営業利益2.6億円で営業利益率2.7%。前年の営業利益2.0億円(利益率2.2%)から改善しており、介護事業は売上成長と利益率改善の両立が進んでいる。ただし減損28百万円の計上があり、一部事業所の収益性悪化リスクは残る。セグメント間の利益率差異は人材関連4.2%が最も高く、教育事業の低収益性が全社営業利益率を押し下げる要因となっている。

主要財務指標

【収益性】ROE 7.6%(前年7.8%からわずかに低下)、営業利益率2.9%(前年3.0%)、純利益率1.9%(前年1.9%で横ばい)。ROEは業種中央値8.3%を下回り、収益性改善が課題。営業利益率2.9%も業種中央値8.2%を大幅に下回る水準で、販管費の重さが利益創出力を制約している。【キャッシュ品質】現金及び預金300.2億円(総資産の57.7%)で流動性は極めて厚い。短期負債に対する現金カバレッジは1.22倍と十分な余裕を持つ。【投資効率】総資産回転率1.47倍(年換算値)で、業種中央値0.67を大きく上回り、資産効率は高水準。売掛金回転日数は52.6日(業種中央値61.3日を下回る良好な水準)、棚卸資産回転日数は2.5日と極めて短く、在庫保有リスクは限定的。営業運転資本回転日数は88.1日で、業種中央値45.2日を上回るが、人材事業の特性(前受収益や契約負債の存在)を反映している。【財務健全性】自己資本比率36.0%(前年35.7%から微増)で業種中央値59.2%を下回るが、有利子負債71.2億円と負債は抑制的。流動比率174.8%は業種中央値215.0%を下回るものの健全水準にある。負債資本倍率1.78倍、財務レバレッジ2.78倍(業種中央値1.66を上回る)で、レバレッジをやや活用した資本構成。

キャッシュフロー分析

現金及び預金は前年比+12.9億円増の300.2億円へ積み上がり、営業増益と運転資本管理が資金積み上げに寄与したと推定される。運転資本効率では売掛金が前年118.3億円から110.0億円へ8.3億円減少(-7.0%)し、回収効率の改善が確認できる。棚卸資産は5.2億円(前年5.0億円)とほぼ横ばい。買掛金は前年1.2億円から1.8億円へ0.6億円増加し、サプライヤークレジット活用による効率改善の兆候が見られる。契約負債は76.9億円(前年77.4億円)とほぼ前年並みで、前受収益の履行は順調に進行していると推定される。短期負債246.2億円に対し現金カバレッジは1.22倍で流動性は十分。長期借入金71.2億円(前年78.0億円から減少)は順調に返済が進んでおり、財務健全性は向上している。現金保有300.2億円と有利子負債71.2億円の差し引きネットキャッシュは229.0億円のプラスで、実質無借金経営に近い状態にあり、外部ショックに対する耐性は高い。

収益の質

経常利益24.1億円に対し営業利益21.9億円で、非営業純増は約2.2億円。内訳は営業外収益3.1億円(受取利息0.3億円、その他営業外収益0.9億円を含む)から営業外費用0.8億円(支払利息0.5億円、その他営業外費用0.3億円)を差し引いたもので、金融収益と支払利息の差し引きネットで約2.3億円のプラス寄与。営業外収益が売上高の0.4%を占め、その構成は主に受取利息と金融関連収益。営業外費用は売上高の0.1%と小さく、金利負担は軽微。税引前利益22.8億円と純利益14.2億円の差は8.6億円で、法人税等8.7億円がほぼ全体を占める。実効税率38.0%は標準法人税率(30%前後)を上回り、税負担が収益性を圧迫している。特別損失1.3億円には減損損失0.3億円(介護・その他の事業所減損)が含まれるが、純利益への影響は限定的。営業CF開示はないが、現金預金の増加と売掛金の減少から、利益の現金転換は概ね良好と推定される。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する第3四半期進捗率は、売上高73.7%(763.8億円/1036.0億円)、営業利益60.8%(21.9億円/36.0億円)。標準進捗率75%(Q3累計期)と比較すると、売上は進捗やや遅れ(-1.3pt)、営業利益は大幅な遅れ(-14.2pt)。第4四半期に営業利益14.1億円(前年14.8億円)の計上が必要で、前年並みの利益水準を確保できるかが焦点。経常利益は通期予想37.0億円に対し24.1億円(進捗率65.1%)、純利益は通期予想25.0億円に対し14.2億円(進捗率56.8%)といずれも進捗遅れ。予想修正は実施されておらず、会社は第4四半期での挽回を織り込んでいると推定される。人材関連事業の第4四半期の季節性(年度末の採用需要増)や販管費の抑制効果が達成のカギを握る。契約負債76.9億円は年間売上高の約10%に相当し、前受収益の履行が将来の売上を下支えする要因となる。受注残高データの開示はないが、契約負債の積み上がりは一定の売上見通しの可視性を提供している。

株主還元

年間配当予想は72.50円で前年同額。内訳は中間配当0円、期末配当72.50円の予定。第3四半期累計のEPS136.38円に対する配当性向は53.2%(年間配当72.50円/EPS136.38円)。通期EPS予想240.90円に対する配当性向は30.1%で、会社は通期純利益25.0億円の達成を前提に配当方針を維持している。第3四半期時点の実績純利益14.2億円に対する年間配当総額7.5億円(72.50円×1037.8万株)の比率は52.8%と高水準だが、現金預金300.2億円の厚みにより短期的な配当支払余力は十分。自社株買いの記載はなく、株主還元は配当のみで実施されている。配当の持続性については、営業CF開示がないため長期的な現金創出力の確認は限定的だが、ネットキャッシュ229.0億円のバッファーは配当維持を支える要因となる。

リスク要因

主力の人材関連事業における需給変動リスクが最も重大。景気循環や雇用市場の変動により人材紹介・派遣の取引量が減少すれば、売上の約60%を占める同セグメントの収益が大きく影響を受ける。2024年度の同セグメント営業利益18.1億円から2025年度19.2億円へ増加しているが、経済減速局面では逆方向のリスクがある。第二に、教育事業の低収益性と減損リスク。営業利益率0.1%と極めて低く、事業所撤退や減損の継続により赤字転落の可能性がある。過去にも減損4.8百万円が計上されており、事業構造改革の進捗が遅れれば全社利益への下方圧力が継続する。第三に、販管費増加による営業利益率の圧迫。販管費率22.6%(前年23.0%)はわずかに低下したものの、依然として粗利率25.5%に対し高水準で、販管費管理の失敗は営業利益率2.9%をさらに押し下げる。人件費や拠点コストの増加が売上成長を上回れば、増収減益の構造が固定化するリスクがある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)同社の財務指標を業種ベンチマーク(IT・通信業種、2025年Q3時点、当社集計)と比較すると、以下の特徴が確認できる。収益性ではROE 7.6%が業種中央値8.3%を0.7pt下回り、業種内では中位からやや下位に位置する。営業利益率2.9%は業種中央値8.2%を大幅に下回る水準で、収益性の改善が喫緊の課題となっている。純利益率1.9%も業種中央値6.0%を4.1pt下回り、販管費と税負担の重さが利益率を圧迫している。効率性では総資産回転率1.47倍が業種中央値0.67倍を大きく上回り、資産効率は業種内で高位にある。人材・サービス業の特性上、固定資産が軽く高回転が実現されている。売掛金回転日数52.6日は業種中央値61.3日を下回る良好な水準で、回収効率は優れている。健全性では自己資本比率36.0%が業種中央値59.2%を23.2pt下回るが、ネットキャッシュポジションのため実質的な財務リスクは限定的。流動比率174.8%は業種中央値215.0%をやや下回るものの健全水準を維持している。財務レバレッジ2.78倍は業種中央値1.66倍を上回り、レバレッジをやや活用した資本構成にある。成長性では売上高成長率+1.9%が業種中央値+10.4%を大幅に下回り、トップライン成長力は業種内で劣後している。総合すると、同社は資産効率では業種内優位にあるものの、収益性と成長性で業種平均を下回る状況にあり、販管費抑制と事業構造改革による利益率改善が業種内ポジション向上のカギとなる。(業種: IT・通信業種(104社)、比較対象: 2025年Q3決算期、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントとして、第一に営業利益率の構造的低さと改善余地が挙げられる。営業利益率2.9%は過去推移でも低位にあり、業種中央値8.2%との差は5.3ptに達する。販管費率22.6%の抑制が実現すれば、営業利益率5%超への改善余地があり、ROEの向上にも直結する。教育事業の営業利益率0.1%は改善最優先課題であり、事業所統廃合や不採算拠点の撤退完了により利益寄与が期待される。第二に、資産効率の高さと現金創出力の強さ。総資産回転率1.47倍、売掛金回転日数52.6日は業種内で優れた水準にあり、運転資本の効率化が進んでいる。現金預金300.2億円(総資産比57.7%)の厚みは、M&Aや成長投資、株主還元の原資として活用余地が大きい。配当性向53.2%(実績ベース)は高めだが、ネットキャッシュ229.0億円のバッファーにより配当維持は可能と評価される。第三に、通期業績予想達成の蓋然性と第4四半期の挽回力。営業利益進捗率60.8%は標準進捗75%を14.2pt下回り、第4四半期に14.1億円の営業利益計上が必要となる。人材関連事業の季節性(年度末需要)と販管費管理が達成のカギを握り、進捗モニタリングが重要となる。契約負債76.9億円の存在は一定の売上可視性を提供しており、トップラインの下振れリスクは限定的と見られる。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度Q3累計は、売上高が前年同期比1.9%増の763.84億円となった一方、営業利益は同2.7%減の21.86億円となり、増収減益で着地した。売上総利益は194.44億円と前年同期の191.90億円から2.54億円増加した。粗利益率は25.5%で、前年同期の25.6%から約11bp低下した。販管費は172.57億円と前年同期比1.9%増であり、売上高とほぼ同率で増加したが、粗利率低下を吸収できなかった。営業利益率は2.9%と前年同期の3.0%から約14bp縮小し、品質アラートの5%未満という水準にとどまる。経常利益は営業外収支の改善により同1.5%増の24.10億円となった。営業外収益は3.08億円で売上高比0.4%にとどまり、営業利益を補完する規模ではあるものの、収益構造を大きく左右する水準ではない。親会社株主に帰属する四半期純利益は14.15億円で同2.4%減少した。純利益率は1.9%と前年同期の1.9%から約8bp低下した。税引前利益が前年同期比6.5%減少したことに加え、実効税率38.0%が純利益の伸びを抑制した。特別損失1.29億円には事業撤退費用0.77億円、減損損失0.29億円および固定資産除却損0.07億円が含まれ、介護事業の収益不振拠点とその他の撤退拠点に関する費用が計上された。人材関連事業は増収・増益を確保し、連結営業利益の約88%を担う主力事業として収益を支えた。これに対し、教育事業は売上高が横ばいながらセグメント利益が前年同期比94.9%減少しており、全社の利益率低下の主因である。介護事業は増収増益となったが、赤字が継続する一部事業所で減損を実施しており、拠点収益性の改善が課題である。通期会社予想に対するQ3累計の売上進捗率は73.7%で標準的な75%に近い一方、営業利益進捗率は60.7%にとどまる。通期営業利益予想36.00億円の達成にはQ4に14.14億円の営業利益が必要であり、Q3累計平均の四半期営業利益7.29億円を大きく上回る利益創出が必要となる。現金預金300.22億円、流動比率174.8%、インタレストカバレッジ42.31倍は、低い営業利益率に対する財務耐性を提供している。今後は教育事業の採算回復、介護拠点の減損後収益性、人材関連事業の利益率維持、およびQ4の利益改善の実現度が業績評価の中心となる。

収益性分析

年換算ROEは10.1%であり、デュポン3因子では純利益率1.9%×総資産回転率1.956回×財務レバレッジ2.78倍に分解される。ROEの水準は、低い純利益率を高い資産回転率とレバレッジで補う構造である。最も留意すべき要素はEBITマージン2.9%であり、品質アラートが示す通り5%を下回る。前年同期比では売上高が1.9%増加する一方、営業利益は2.7%減少し、営業利益率は約14bp縮小した。粗利益率も約11bp低下しており、売上拡大が利益率改善につながっていない。人材関連事業は売上高455.89億円、セグメント利益19.23億円、利益率4.2%で、前年同期比では売上高1.7%増、利益6.5%増となった。教育事業は売上高194.16億円で同0.2%増にとどまる一方、セグメント利益は0.14億円、利益率0.1%まで低下し、前年同期の2.75億円から94.9%減少した。介護事業は売上高97.09億円、セグメント利益2.59億円、利益率2.7%で、売上高4.4%増、利益28.6%増となった。その他事業は売上高22.44億円、セグメント利益0.93億円、利益率4.2%で、増収増益である。教育事業の急激な採算悪化は一時的な費用要因か構造的な収益性低下かを判定する上で、次四半期以降の利益率回復が重要である。CFA5因子では税負担係数0.620、金利負担係数1.044、EBITマージン2.9%であり、金利負担は軽微である一方、税負担と本業採算が年換算ROEの制約となっている。ROICは年換算で-43.3%との品質アラートが付されており、5%を大幅に下回る。営業利益が黒字であるにもかかわらず当該ROICが著しく低いことは、投下資本に対する収益創出力の評価が厳しいことを示すため、資本配分と事業別の収益改善を継続的に注視する必要がある。

成長性評価

売上成長は前年同期比1.9%で、通期会社計画の前年比3.3%増に対して緩やかな進捗である。主力の人材関連事業は同1.7%増と堅調に拡大し、介護事業も同4.4%増となった。その他事業は同20.9%増であるが、連結売上高に占める規模は2.9%にとどまる。教育事業は同0.2%増と実質横ばいであり、成長性よりも収益性の立て直しが優先課題となる。通期売上高予想1,036.00億円に対する進捗率は73.7%で、標準進捗率75%を1.3ポイント下回るにとどまる。営業利益の進捗率は60.7%で標準を14.3ポイント下回り、経常利益も65.1%で標準を9.9ポイント下回る。親会社株主に帰属する当期純利益の進捗率は56.6%で、標準を18.4ポイント下回る。会社予想に修正はないが、Q4には売上高272.16億円、営業利益14.14億円、経常利益12.90億円、親会社株主に帰属する当期純利益10.85億円が必要となる。Q4に必要な営業利益率は5.2%となり、Q3累計の2.9%を大きく上回るため、教育事業の採算改善と全社費用の抑制が計画達成の前提となる。

財務健全性

流動比率174.8%、当座比率172.7%はともに健全な水準であり、短期支払能力は強い。流動資産430.43億円は流動負債246.22億円を184.20億円上回り、運転資本には余裕がある。現金預金は300.22億円で総資産の57.7%を占め、流動負債を上回る。流動資産のうち売掛金は109.98億円、棚卸資産は5.21億円であり、流動性は現金中心である。有利子負債は71.16億円、純資産は187.30億円であり、有利子負債の対純資産比率は約0.38倍にとどまる。負債資本倍率は1.78倍で2.0倍の警戒水準を下回る。Debt/Capital比率27.5%も40%未満であり、資本構成は過度に負債依存ではない。インタレストカバレッジ42.31倍は支払利息0.52億円に対する営業利益の十分なカバーを示す。長期借入金は71.16億円、1年内返済予定の長期借入金は30.68億円であり、現金預金の厚みが借換え・返済負担を緩和する。契約負債は76.94億円で前年同期の98.64億円から21.70億円減少しており、将来売上への前受け残高の推移として注視を要する。買掛金は前年同期の1.20億円から1.79億円へ49.2%増加したが、増加額は0.59億円、総資産比0.3%と小さい。のれんは0.48億円で純資産比0.3%、無形資産は総資産比3.0%であり、M&A由来の無形資産・のれんへの依存および減損リスクは限定的である。

B/S変動のポイント

買掛金: +0.59億円(+49.2%)- 1.20億円から1.79億円へ増加。ただし総資産比は0.3%にとどまり、単独で資金繰りを左右する規模ではない。契約負債: -21.70億円(-22.0%)- 98.64億円から76.94億円へ減少。前受け残高の縮小として、今後の売上認識ペースおよび受注・契約動向を監視する必要がある。長期借入金: +3.85億円(+5.7%)- 67.31億円から71.16億円へ増加したが、現金預金300.22億円、Debt/Capital比率27.5%および高い利払いカバーにより、現時点の財務負担は管理可能な範囲にある。

キャッシュフロー品質

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり0円である。通期予想の年間配当金は1株当たり72.5円、通期予想EPSは240.9円であり、予想配当性向は配当金のみで30.1%となる。これは60%未満の持続可能性の目安を下回る水準であり、予想利益が達成される場合には利益面からの配当余力は確保されている。自己株式は0.00億円相当であり、総還元性向を押し上げる大規模な自己株式取得は確認されない。通期純利益予想25.00億円に対する年間配当総額は約7.52億円と見込まれ、利益残余を維持する配分となる。もっとも、Q3累計の純利益進捗率は56.6%であり、通期配当の実現可能性はQ4の利益進捗に左右される。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度・高影響:教育事業は売上高194.16億円で前年同期比0.2%増にとどまる一方、セグメント利益は0.14億円と同94.9%減少した。低採算の継続は連結利益率と通期計画の達成確度を直接低下させる。、高優先度・中~高影響:介護事業では一部事業所の営業損失継続を理由に0.28億円の減損損失を計上した。人材確保難、人件費上昇、介護報酬・制度変更への対応が必要な介護業界固有の収益変動リスクがある。、中優先度・高影響:人材関連事業は連結営業利益の約88%を占める主力であるため、企業の採用需要、派遣・人材紹介市場の競争、労働需給の変化が全社利益に与える影響が大きい。、中優先度・中影響:その他事業では撤退決定拠点に関する減損損失0.01億円を計上しており、不採算拠点の整理が追加費用を伴う可能性がある。が挙げられます。

財務リスクとしては、中優先度・中影響:EBITマージン2.9%は品質アラートの通り5%未満であり、売上変動やコスト上昇に対する利益のクッションが薄い。、中優先度・中影響:年換算ROIC -43.3%との品質アラートは資本効率が5%基準を著しく下回ることを示し、投下資本からの収益創出力の改善が必要である。、低優先度・中影響:長期借入金71.16億円を有するが、Debt/Capital比率27.5%、インタレストカバレッジ42.31倍、現金預金300.22億円であり、現時点の利払い・流動性リスクは抑制されている。が挙げられます。

主な懸念事項としては、通期営業利益予想36.00億円に対する進捗率は60.7%で、標準的な75%を14.3ポイント下回る。Q4に営業利益14.14億円、営業利益率5.2%が必要となる。、特別損失1.29億円には事業撤退費用0.77億円と減損損失0.29億円が含まれ、事業ポートフォリオの採算管理が重要である。、契約負債は前年同期比22.0%減の76.94億円であり、前受け残高の減少が今後の売上認識ペースに及ぼす影響を監視する必要がある。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、増収を維持した一方、粗利益率・営業利益率の低下により営業減益となった。、人材関連事業の増益が全社収益を支えるが、教育事業の急減益が利益率改善の最大の阻害要因である。、介護事業は増益ながら減損を伴っており、拠点別採算の持続的な改善が必要である。、高水準の現金保有と健全な流動性は、利益率低下局面での財務的な下支えとなる。、会社計画の売上進捗はおおむね標準的だが、利益計画にはQ4での大幅なマージン改善が求められる。が挙げられます。

注視すべき指標は、連結営業利益率および粗利益率、教育事業のセグメント利益率、介護事業の減損後の拠点収益性、人材関連事業の売上成長率とセグメント利益率、Q4営業利益14.14億円の達成状況、契約負債残高の推移、年換算ROICの改善状況です。

セクター内ポジションについては、年換算ROE10.1%は良好水準の下限に位置する一方、営業利益率2.9%と純利益率1.9%はいずれも要注意水準である。流動比率174.8%、当座比率172.7%、Debt/Capital比率27.5%、インタレストカバレッジ42.31倍は、収益性に比べて財務安全性が強いポジションを示す。