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23762026 第3四半期スタンダードJGAAP

サイネックス(2376) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は124.3億円(前年同期比+5.2%)、営業損失は1.1億円(赤字転落)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥124.3億¥118.2億+5.2%
営業利益−¥1.1億¥0.6億−69.7%
経常利益−¥0.9億¥1.0億−64.5%
純利益−¥0.9億¥0.5億−263.2%
ROE−1.1%0.7%-

Executive Summary

2027年3月期第3四半期累計決算は、売上高124.3億円(前年同期比+6.1億円 +5.2%)と増収となった一方、営業損失1.1億円(前年同期は営業利益0.6億円、差異-1.7億円)、経常損失0.9億円(前年同期は経常利益1.0億円、差異-1.9億円)、親会社株主に帰属する四半期純損失0.9億円(前年同期は純利益0.5億円、差異-1.4億円)と大幅な損益悪化となった。増収ながら赤字転落という構造となり、売上成長が利益に直結していない状況である。

業績変動要因

【売上高】トップラインは124.3億円と前年同期比+5.2%の増収を達成した。セグメント別では、ロジスティクス事業が55.8億円(前年同期比48.3億円から+15.5%)と最大の増収寄与となり、物流需要の拡大が背景にある。情報メディア事業は47.0億円(前年同期49.8億円から-5.6%)と減収、DXサポート事業は16.3億円(前年同期14.7億円から+11.2%)、ヘルスケア事業は7.9億円(前年同期7.6億円から+3.8%)、投資事業は0.9億円(前年同期0.6億円から+45.7%)と推移した。全体として物流事業の成長とDXサポート事業の拡大が増収を牽引した。【損益】売上総利益は41.5億円(粗利率33.4%)と確保されたものの、販売費及び一般管理費が42.7億円と前年同期から約0.6億円増加し、売上総利益を上回る水準となった。セグメント注記によれば、全社費用配賦が7.1億円(前年同期7.0億円)、のれん償却額が0.9億円(前年同期0.4億円から倍増)となり、固定費負担が営業利益を圧迫した。セグメント利益合計は6.8億円と前年同期7.9億円から減少しているが、調整額が-7.9億円(前年同期-7.3億円)とマイナス幅が拡大したため、営業損失1.1億円となった。営業外収益では受取配当金、有価証券売却益、受取利息等で0.5億円を計上し、経常損失は0.9億円まで縮小した。特別損益の記載は見られず、税引前四半期純損失も-0.9億円と経常損失と同水準であり、一時的要因による大きな変動はない。税負担は約0.1億円の税金費用(実効税率約9.1%と低め)となり、最終的な四半期純損失は0.9億円となった。結論として、増収減益(営業赤字転落)の構造であり、売上成長に対して販管費と全社費用の増加が利益を食う状況が確認できる。

セグメント別分析

セグメント別営業損益では、情報メディア事業が営業利益4.8億円(売上高47.0億円、利益率10.2%)と最大の利益貢献であり、主力事業として位置付けられる。DXサポート事業は営業利益0.7億円(売上高16.3億円、利益率4.2%)、ヘルスケア事業は営業利益0.3億円(売上高7.9億円、利益率3.4%)、ロジスティクス事業は営業利益0.5億円(売上高55.8億円、利益率0.9%)、投資事業は営業利益0.5億円(売上高0.9億円、利益率58.8%)となった。売上構成比では、ロジスティクス事業が44.9%と最大だが利益率は0.9%と極めて低く、薄利多売型のビジネスモデルである。一方、情報メディア事業は売上構成比37.8%ながら利益率10.2%と高収益であり、収益性の格差が顕著である。投資事業は売上規模は小さいが利益率が突出しており、有価証券運用益等の特性を反映している。前年同期と比較すると、情報メディアの利益が7.0億円から4.8億円へ-2.2億円減少し、DXサポートが-0.2億円の赤字から0.7億円の黒字へ改善、ロジスティクスは0.6億円から0.5億円へ微減、ヘルスケアは0.2億円から0.3億円へ微増、投資事業は0.3億円から0.5億円へ改善した。主力の情報メディア事業の利益縮小が全体の減益要因となっている。

主要財務指標

【収益性】ROE -1.1%(前年5.8%から大幅悪化)、ROA -0.6%(前年3.5%から悪化)、営業利益率-0.9%(前年0.5%から赤字転落)、純利益率-0.7%(前年0.4%から赤字転落)と全指標で収益性が低下した。【キャッシュ品質】現金及び預金39.4億円(前年46.6億円から-7.2億円減少)、短期有利子負債0.5億円に対する現金カバレッジは78.9倍と極めて高く、即座の流動性不安はない。営業CFのデータは開示されていないため、利益の現金化状況は未確認である。【投資効率】総資産回転率0.88回転(前年0.80回転から改善)で、売上に対する資産効率は向上している。投下資本利益率は営業赤字のため算出不能。【財務健全性】自己資本比率55.6%(前年54.3%から微増)、流動比率283.1%、当座比率279.3%と良好な水準である。有利子負債は26.3億円(短期借入金0.5億円、長期借入金25.8億円)で、Debt/Capital比率は25.0%と保守的な水準にある。インタレストカバレッジは-11.4倍と営業赤字を反映してマイナスとなっており、利払い余力の指標が機能していない状況である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書のデータは開示されていないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は39.4億円と前年同期比-7.2億円減少しており、四半期純損失0.9億円を考慮しても現金流出が発生している。流動資産は126.3億円と前年同期133.1億円から-6.8億円減少し、主に現金減少と受取手形・売掛金の減少(18.2億円→18.2億円とほぼ横ばい)が影響している。流動負債は44.6億円と前年同期44.8億円からほぼ横ばいで、買掛金は8.4億円(前年同期8.8億円)とやや減少している。運転資本効率では目立った変動は見られず、現金減少は営業活動での利益不足と投資または財務活動の資金支出によるものと推定される。固定資産は15.9億円と前年同期15.0億円から微増しており、設備投資や無形資産への投資が継続されている可能性がある。有利子負債は26.3億円と前年同期25.1億円から+1.2億円増加しており、借入れによる資金調達が行われた模様である。短期負債に対する現金カバレッジは78.9倍と極めて高く、流動性は十分に確保されている。

収益の質

経常損失0.9億円に対し営業損失1.1億円で、営業外純益は約0.2億円である。内訳は受取配当金、有価証券売却益、受取利息等の金融収益が主体であり、本業外の収益が損失幅の縮小に寄与している。営業外収益が売上高の約0.4%を占め、その構成は有価証券運用益や金融資産からの収益である。特別損益の記載は見られず、経常利益と税引前利益がほぼ一致していることから、一時的な特別損益の影響は軽微である。営業CFのデータが未開示のため、損益と現金収支の対応関係を直接確認できないが、現金預金が減少していることから、営業赤字に加えて投資や運転資本の変動により資金が流出した可能性がある。のれん償却額が0.9億円(前年同期0.4億円から倍増)と非現金費用の増加が損益に影響しており、現金ベースでの実態はのれん償却分だけ損益よりも良好である可能性がある。収益の質としては、本業の営業赤字を営業外収益で一部カバーする構造であり、経常的な収益基盤が弱まっている状況が確認できる。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高169.0億円、営業利益1.8億円、経常利益2.3億円、親会社株主に帰属する当期純利益0.4億円で据え置かれている。第3四半期累計の進捗率は、売上高73.5%、営業利益-64.2%(赤字のため負値)、経常利益-41.3%(赤字のため負値)、純利益-225.0%(赤字のため負値)となり、標準進捗率75%に対して売上はやや遅れ、利益面は大幅未達である。通期予想達成には第4四半期単独で売上高44.7億円(前年Q4比で増収必要)、営業利益2.9億円、経常利益3.2億円、純利益1.3億円の黒字計上が必要となる。Q4単独での黒字回復は、季節要因やコスト削減施策の効果に依存する。予想修正は行われていないため、会社側はQ4での業績回復を前提としているが、Q3までの累計赤字の深さを考慮すると、達成ハードルは高いと見られる。前提条件の開示はなく、外部環境や事業施策の具体的な変化について追加情報が必要である。

株主還元

年間配当は期末15.0円(中間0円)と会社予想に明記されており、前年実績も年間15.0円であるため配当は据え置きである。第3四半期累計の親会社株主に帰属する四半期純損失が0.9億円であるため、配当性向を計算すると-114.2%と負値となり、赤字下での配当支払となる。配当総額は発行済株式数等の情報から算出すると約0.8億円程度と推定され、現金預金39.4億円に対しては十分なカバーがある。ただし、営業赤字が継続し営業CFが負値であれば、配当原資は既存の現金残高に依存することとなり、持続性には注意が必要である。自社株買いの記載はなく、総還元性向の算出は配当のみで-114.2%である。配当政策の継続可能性は通期での黒字化達成とキャッシュフロー改善に依存しており、Q4の業績回復が配当維持の前提条件となる。

リスク要因

(1)営業損益の悪化と固定費負担リスク:販管費が売上総利益を上回る構造となっており、全社費用配賦7.1億円とのれん償却0.9億円で合計8.0億円の固定費負担が営業損失の主因である。売上成長が鈍化すれば赤字幅が拡大するリスクがある。(2)主力セグメントの収益性低下:情報メディア事業の営業利益が前年7.0億円から4.8億円へ-31.4%減少しており、最大利益源の収益力低下が全社業績を直撃している。顧客ニーズの変化や競合激化が背景にある可能性がある。(3)配当維持と資金流出リスク:赤字下での配当支払により配当性向が負値となり、営業CFが負値であれば現金流出が加速する。現金預金は39.4億円と前年比-7.2億円減少しており、資金繰りへの影響を注視する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)IT・通信業種の2025年Q3中央値との比較では、収益性面で大きく下回る結果となった。営業利益率-0.9%は業種中央値8.0%(IQR: 3.4%〜17.4%)を大幅に下回り、業種内での競争力低下が顕著である。純利益率-0.7%も業種中央値5.6%(IQR: 2.2%〜12.0%)に対して劣後しており、本業の収益基盤が弱い状況が確認できる。ROE -1.1%は業種中央値8.2%(IQR: 3.5%〜13.3%)を大きく下回り、株主資本の活用効率が著しく低下している。一方、財務健全性では自己資本比率55.6%は業種中央値59.5%(IQR: 43.7%〜72.8%)に対してやや低いものの、許容範囲内である。流動比率283.1%は業種中央値213%(IQR: 156%〜358%)を上回り、短期流動性は業種平均以上の水準にある。成長性では売上高成長率+5.2%は業種中央値10.5%(IQR: -1.6%〜20.5%)を下回り、業種内での成長ペースは平均以下である。総資産回転率0.88回転は業種中央値0.68回転(IQR: 0.52〜0.95)を上回り、資産効率は相対的に良好である。総じて、財務健全性と資産効率は業種標準レベルを維持しているが、収益性指標が業種平均を大幅に下回っており、営業赤字という特異な状況が業種内での劣位を鮮明にしている。(業種: IT・通信業種、比較対象: 2025年Q3、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントは以下の通りである。(1)増収下での営業赤字転落という構造変化:売上高は+5.2%増加したにもかかわらず営業損失1.1億円となり、販管費と全社費用の増加が売上成長を上回った。固定費比率の高さとコスト管理の重要性が浮き彫りとなっている。(2)主力セグメントの利益縮小:情報メディア事業の営業利益が前年7.0億円から4.8億円へ-31.4%減少し、最大の利益源が急速に収益力を失っている。事業戦略の再構築が急務である。(3)Q4での大幅黒字化が通期予想の前提:通期予想達成にはQ4単独で営業利益2.9億円の計上が必要となり、Q3までの赤字をカバーする大幅な収益改善が求められる。会社側の予想は維持されているが、Q3時点の実績との乖離が大きく、達成可能性には不確実性が伴う。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.2%増の124.32億円となった一方、営業損益は前年同期の0.61億円の黒字から1.15億円の赤字へ転落した。売上総利益は41.50億円と前年同期の43.91億円から2.40億円減少しており、増収にもかかわらず収益性が悪化した。粗利益率は前年同期の37.2%から33.4%へ377bp低下した。販管費は42.66億円で前年同期比1.4%減少したが、粗利益の減少を補えなかった。営業利益率は前年同期の0.5%からマイナス0.9%へ145bp悪化した。経常損益も前年同期の0.99億円の黒字から0.94億円の赤字となった。親会社株主に帰属する四半期純損益は0.85億円の赤字であり、前年同期の0.52億円の黒字から1.37億円悪化した。純利益率は前年同期の0.4%からマイナス0.7%へ約113bp低下した。セグメント合計利益は6.77億円で前年同期比14.7%減少し、情報メディア事業の減益が主因となった。加えて、全社費用は7.13億円、のれん償却は0.85億円に拡大し、連結営業赤字を形成した。JGAAPののれん償却を戻した営業損益は概算0.30億円の赤字であり、のれん償却だけでは赤字化を説明できず、基礎的な採算悪化が残る。営業外収益0.49億円には受取配当金0.10億円、有価証券売却益0.05億円、受取利息0.06億円などが含まれるが、営業赤字を補う規模には至っていない。通期会社計画に対する売上進捗率は73.6%で標準的な第3四半期進捗の75%に近い一方、営業利益は計画1.80億円に対して累計赤字である。通期営業黒字化には第4四半期に少なくとも2.95億円の営業利益が必要となり、収益性の急回復が前提となる。流動比率283.1%、有利子負債26.32億円、純資産79.10億円という財務基盤は短期流動性を支えるが、低い資本効率と利益回復の確度が当面の評価焦点となる。

収益性分析

デュポン分析では、年換算ROEマイナス1.4%は、純利益率マイナス0.7%、年換算総資産回転率1.166回、財務レバレッジ1.80倍の積で説明される。総資産回転率は一定の売上規模を維持している一方、赤字の純利益率がROEを押し下げる最大要因である。売上高が5.2%増加したにもかかわらず、売上原価は前年同期比11.5%増の82.82億円となり、粗利益が2.40億円減少したことが利益率悪化の直接要因である。粗利益率の377bp低下は、売上ミックス、原価上昇、価格転嫁の不足のいずれか、または複合的な影響を示唆する。販管費は前年同期比1.4%減と抑制されたが、売上原価の増加を吸収するには不十分であった。セグメント利益合計は6.77億円で前年同期の7.94億円から1.16億円減少した一方、全社費用は7.13億円へ0.12億円増加した。のれん償却は前年同期の0.38億円から0.85億円へ0.47億円増加しており、JGAAPにおける買収関連の定額償却が営業利益を継続的に圧迫している。もっとも、のれん償却前でも営業損失であるため、会計上の償却負担のみを原因とみなすことはできない。CFA5因子では税負担係数0.905に対して金利負担係数0.817であり、営業赤字に支払利息0.10億円などが加わり税引前赤字が拡大している。EBITマージンはマイナス0.9%であり、情報・通信分野の事業運営において固定費を回収できていない状態を示す。年換算ROICマイナス2.1%も資本コストを下回る水準であり、利益率の回復が資本効率改善の前提となる。

成長性評価

売上成長はロジスティクス事業およびDXサポート事業が牽引したが、全社としては増収が利益成長へ転化していない。ロジスティクス事業の外部売上高は前年同期比15.7%増の52.79億円、DXサポート事業は同8.3%増の15.75億円となった。ヘルスケア事業も同3.8%増の7.90億円、投資事業も同45.7%増の0.91億円と拡大した。一方、情報メディア事業は同5.6%減の46.97億円であり、従来の最大規模事業の減収が全社売上ミックスに影響している。情報メディア事業のセグメント利益は4.79億円で前年同期比31.3%減となり、同事業の採算回復が全社利益の主要な改善レバーである。DXサポート事業は0.69億円の利益へ黒字転換しており、成長分野の収益化という前向きな変化が見られる。ロジスティクス事業は増収にもかかわらずセグメント利益が17.3%減の0.49億円であり、利益率の低下を伴う成長となっている。第4四半期に通期営業計画を達成するには営業利益2.95億円が必要であり、9カ月累計の営業赤字からみて、原価率の改善、全社費用の抑制、主要事業の利益回復を同時に実現する必要がある。

財務健全性

流動比率は283.1%、当座比率は279.3%であり、短期支払能力は高い。流動資産63.92億円は流動負債22.58億円を41.34億円上回っており、短期負債との満期ミスマッチは限定的である。現金預金39.44億円は短期借入金0.50億円の78.89倍であり、短期借入金への現金カバーは厚い。有利子負債は26.32億円、負債資本倍率は0.80倍、Debt/Capital比率は25.0%であり、レバレッジは過度ではない。長期借入金25.82億円が有利子負債の大半を占めるため、返済負担は主として中長期の収益力に依存する。固定負債には退職給付に係る負債12.02億円も含まれ、長期債務・退職給付債務を支える継続的な収益創出力が重要である。自己資本は79.10億円、自己資本比率は55.6%であり、財務緩衝力は維持されている。もっとも、インタレストカバレッジはマイナス11.43倍で警告水準を大きく下回る。これはEBITがマイナス1.15億円であるためであり、負債残高そのものよりも営業利益が利払いを賄えていないことが根本原因である。現時点では高水準の現金と流動性が緩衝材となるが、営業赤字が継続すれば債務返済余力と資金配分の柔軟性が低下する。

B/S変動のポイント

現金預金: 前年同期末比▲7.13億円(▲15.3%)の39.44億円 - 短期流動性はなお厚いが、営業赤字局面における資金消費の推移を監視。売掛金: 前年同期末比▲1.92億円(▲9.6%)の18.15億円 - 売上高増加にもかかわらず債権残高は低下しており、運転資本の膨張は抑制されている。投資有価証券: 前年同期末比+1.32億円(+18.8%)の8.30億円 - 保有有価証券の構成・評価変動および資本配分への影響を確認する必要がある。仕掛品: 前年同期末比+0.18億円(+68.0%)の0.45億円 - 金額規模は限定的だが、制作・開発案件等の進捗に伴う在庫滞留の有無を監視。賞与引当金: 前年同期末比▲0.74億円(▲43.5%)の0.96億円 - 人件費関連の引当水準が低下しており、費用発生の時期と人員構成の変化を確認する必要がある。

キャッシュフロー品質

売掛金は前年同期末比9.6%減の18.15億円、棚卸資産は同9.4%増の0.87億円であり、売上増加局面で売掛金が膨らんでいない点は運転資本面で相対的に安定的である。現金預金は39.44億円で前年同期末比15.3%減少しており、利益水準の低下と資金配分の推移を継続的に確認する必要がある。投資有価証券は前年同期末比18.8%増の8.30億円となった一方、保有有価証券売却益0.05億円が営業外収益に計上されている。営業外の受取配当金、有価証券売却益、為替差益を含む営業外収益は0.49億円であり、経常損益の改善に寄与するものの、事業キャッシュ創出力の代替にはならない。営業赤字であることから、設備投資および株主還元を持続的に賄うためには、本業の粗利益率と全社コストの改善が優先課題となる。

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり0円である。通期会社予想の年間配当は1株当たり15.0円であり、予想EPS7.13円に対する配当性向は約210%となる。これは配当金のみを用いた配当性向であり、自社株買いを含む総還元性向ではない。通期予想の親会社株主帰属利益0.40億円に対し、期中平均株式数を基準とした年間配当総額は概算0.84億円となり、利益を上回る水準である。利益剰余金は65.45億円、現金預金は39.44億円であり、短期的な配当支払い余力はある。一方、9カ月累計で0.85億円の純損失を計上しているため、計画どおりの通期黒字化と営業収益性の回復が、年間15円配当の持続性を判断する中心条件となる。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:情報メディア事業は外部売上高が前年同期比5.6%減、セグメント利益が31.3%減の4.79億円となった。最大の利益貢献事業であるため、地域情報メディアの需要・広告販促需要・デジタル移行への対応力が全社利益に与える影響は大きい。、高優先度:ロジスティクス事業は売上高15.7%増に対してセグメント利益17.3%減であり、増収に伴う原価上昇や価格競争により採算が悪化している可能性がある。物流業界に固有の人件費、輸配送コスト、労働供給制約への感応度が高い。、中優先度:DXサポート事業は0.69億円の黒字へ転換したが、成長投資と収益化の両立が継続するかが重要である。顧客のIT投資需要、技術変化、人材確保および競争環境が収益の変動要因となる。、中優先度:全社費用は7.13億円、のれん償却は0.85億円に達しており、事業セグメントが生む利益を連結段階で吸収している。固定的な本社コストと買収後の統合効果の実現度合いが営業黒字回復を左右する。が挙げられます。

財務リスクとしては、高優先度:インタレストカバレッジはマイナス11.43倍であり、品質アラートの債務返済警告に該当する。根本原因は支払利息0.10億円に対しEBITがマイナス1.15億円であることで、現金は厚いものの、利益面の利払いカバーが成立していない。、高優先度:年換算ROICはマイナス2.1%、年換算ROEはマイナス1.4%であり、投下資本および株主資本からの収益創出がマイナスである。品質アラートの資本効率警告は、増収下でも利益率が低下したことを反映する。、中優先度:のれんは5.27億円で純資産の6.7%にとどまり、のれん集中度は低い。一方、のれん償却額が前年同期比0.47億円増加しているため、買収先の収益貢献が償却負担を上回るかを監視する必要がある。、中優先度:現金預金は前年同期末比7.13億円減少した。流動比率283.1%と短期流動性は良好だが、営業赤字が続く局面では現金残高の減少速度が資本配分の制約となり得る。が挙げられます。

主な懸念事項としては、最重要懸念は、売上高5.2%増に対し粗利益率が377bp低下し、営業損益が1.15億円の赤字となった収益モデルの悪化である。品質アラートのEBITマージンマイナス0.9%は、5%未満を要注意とする基準を大きく下回る。、通期営業利益計画1.80億円に対して累計営業損失1.15億円であり、第4四半期には2.95億円の営業利益が必要となる。達成可能性は、季節性に加えて原価率改善と費用統制の実現度合いに依存する。、セグメント利益は全社費用配賦前であり、連結利益への転換を判断する際には全社費用およびのれん償却を含めた収益性を重視する必要がある。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、増収にもかかわらず粗利益率が33.4%へ低下し、営業赤字へ転落したため、売上成長の質よりも原価率改善の確認が重要である。、情報メディア事業はセグメント利益の最大貢献事業である一方、前年同期比31.3%減益であり、同事業の回復が連結業績の最大の変数となる。、DXサポート事業の黒字転換、ヘルスケア事業および投資事業の増益は事業ポートフォリオ上の前向きな材料である。、流動比率283.1%、自己資本比率55.6%、Debt/Capital比率25.0%は財務的な耐性を示すが、営業利益による利払いカバーの回復が必要である。、JGAAPののれん償却0.85億円は利益を圧迫するが、償却前でも営業赤字であるため、評価上は本業採算の改善を優先してみる必要がある。が挙げられます。

注視すべき指標は、粗利益率および営業利益率:第3四半期累計の33.4%およびマイナス0.9%からの改善度合い、情報メディア事業の売上高・セグメント利益:第3四半期累計46.97億円、4.79億円からの回復、ロジスティクス事業の利益率:売上高52.79億円に対するセグメント利益0.49億円の改善、全社費用およびのれん償却:第3四半期累計7.13億円、0.85億円のコントロール状況、通期営業利益計画1.80億円に対する第4四半期の営業利益創出、現金預金残高、長期借入金、インタレストカバレッジの推移、年間配当15円に対する通期利益の達成度合いです。

セクター内ポジションについては、短期流動性と資本構成は比較的保守的である一方、営業利益率マイナス0.9%、年換算ROICマイナス2.1%、年換算ROEマイナス1.4%は収益性・資本効率の業界ベンチマークを下回る。現局面では、財務安全性よりも、情報メディア事業の採算回復、物流事業の増収減益是正、全社費用吸収後の連結営業黒字化が相対的なポジション改善の条件となる。