クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥688.9億 | ¥566.9億 | +21.5% |
| 営業利益 | ¥211.3億 | ¥220.7億 | −4.2% |
| 税引前利益 | ¥209.3億 | ¥221.8億 | −5.7% |
| 純利益 | ¥144.1億 | ¥150.6億 | −4.3% |
| ROE | 23.8% | 24.2% | - |
Executive Summary
売上高が21.5%増と高成長を維持した一方、営業利益は4.2%減となり、増収減益の決算となった。売上高は688.9億円(前年比+21.5%)、営業利益は211.3億円(同-4.2%)、純利益(親会社株主帰属)は143.7億円(同-4.8%)。増収の主因は食べログとインキュベーション事業の増収に加え、求人ボックスの大幅な売上拡大であり、減益の主因は求人ボックスへのブランド投資強化と全社費用の増加である。
業績変動要因
【売上高】売上高は688.9億円で前年比+21.5%と高成長。食べログが+20.5%、求人ボックスが+58.2%、インキュベーションが+26.6%と伸長し、価格.comは金融領域の減収で+1.9%にとどまった。求人ボックスの急拡大がトップライン成長の最大の牽引役となった。
【損益】営業利益は211.3億円で前年比-4.2%、純利益は144.1億円(連結)で前年比-4.3%、親会社株主帰属純利益は143.7億円で同-4.8%。営業費用は478.5億円と前年比+40.6%と売上成長率を上回るペースで増加し、主因は求人ボックスの広告宣伝費増加と全社費用の30.9%増である。前年同期に発生した価格.com事業の減損損失5.9億円は当期に発生していない一時的要因であり、これを踏まえると実質的な減益幅は表面上の数値よりも大きい。税引前利益は209.3億円(前年比-5.7%)、純利益との乖離は法人税等65.2億円(実効税率31.1%)によるもので、経常/一時的の区別に大きな乖離要因はない。結論として増収減益。
セグメント別分析
主力事業は食べログで、売上収益構成比43.1%を占め、営業利益170.3億円(利益率57.4%)と全社利益の中核を担う。同事業は前年比+24.5%の増益となり、増収増益を主導した。価格.comは売上175.6億円、営業利益93.1億円(利益率53.0%)で、成熟事業ながら+12.9%の増益を確保した。一方、求人ボックスは売上144.1億円(前年比+58.2%)と急拡大したが、営業損益は-8.7億円の損失に転落し、前年の営業利益6.8億円から大幅な悪化となった。これがブランド投資強化によるもので、連結営業利益減少の最大要因である。インキュベーションは売上72.5億円、営業利益19.4億円(利益率26.8%、前年比+55.0%)と堅調に成長した。セグメント間の利益率差は大きく、食べログ・価格.comの50%超に対し求人ボックスはマイナスであり、事業ポートフォリオの成熟度による差異が明確に表れている。
主要財務指標
収益性: ROE 23.8%、営業利益率 30.7%(前年38.9%から低下)。 キャッシュ品質: 営業CF/純利益 約1.0倍、フリーCF 37.0億円。 投資効率: 設備投資5.4億円に対し償却費32.2億円程度で、設備投資/減価償却は1.0倍未満と、成長投資は無形資産・M&A中心。 財務健全性: 自己資本比率 71.7%(前年66.1%から改善)。
キャッシュフロー分析
営業CFは144.8億円で純利益比約1.0倍と、利益の現金裏付けは概ね確保されている。ただし前年同期の185.9億円からは22.2%減少し、法人税等の支払増加(97.7億円)と運転資本の悪化が要因。投資CFは-107.7億円で、定期預金預入50億円と子会社取得37.2億円が主因であり、設備投資は5.4億円と軽微。財務CFは-178.0億円で、配当支払158.2億円が中心。フリーCFは37.0億円で、配当支払額を下回っており、当期配当は保有現金の一部を活用して実施された。現金創出評価は標準からやや弱含みで、要モニタリングの水準にある。
収益の質
経常利益概念はIFRS採用企業のため使用せず、税引前利益209.3億円を用いる。税引前利益と純利益(連結)144.1億円の乖離は法人税等65.2億円(実効税率31.1%)によるもので、特別な一時的要因は認められない。金融費用は前年の0.4億円から3.7億円へ増加したが、売上高比では1%未満と限定的。営業CF144.8億円は純利益143.7億円(親会社株主帰属)とほぼ一致し、アクルーアルは小さく、収益の質は概ね良好と評価できる。
業績予想・ガイダンス
通期予想(売上920.0億円、営業利益280.0億円)に対する第3四半期累計の進捗率は、売上収益74.9%、営業利益75.5%で、標準的な75%水準に沿っている。業績予想・配当予想の修正はなく、会社は増収減益を見込む通期計画を据え置いている。求人ボックスは第4四半期が求人市場の最大需要期であり、ブランド投資の集中により一時的な損失拡大が見込まれる点が、通期進捗の背景として示されている。
株主還元
第2四半期配当は1株25.00円、通期配当予想は1株50.00円。予想配当性向(分子: 通期予想純利益、分母: 予想配当総額)は約52.0%で、60%未満の範囲にある。自社株買いの実施は確認されず、株主還元は配当のみであるため「配当性向」の表現を用いる。フリーCF37.0億円は当期配当支払158.2億円を下回り、配当は営業キャッシュ創出に加え保有現金を活用して実施された。
カタリスト
【短期】第4四半期は求人ボックスにとって求人市場の最大需要期であり、ブランド投資集中による損益動向が注目される。食べログの地方都市プロモーション強化の進捗も短期的な注目点。
【長期】求人ボックスとen社のエンゲージ事業子会社化の進展、LiPLUSホールディングス等M&A後のシナジー創出と、のれん・無形資産(前年比+61.5%)の価値評価が長期的な注目テーマ。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(it_telecom)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 30.7% | 8.3% (3.6%–18.6%) | +22.4pt |
| 純利益率 | 20.9% | 6.1% (2.3%–12.8%) | +14.8pt |
自社の収益性は業種中央値を大きく上回り、IT・通信業界内でも高収益グループに位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 21.5% | 10.4% (-0.9%–19.9%) | +11.1pt |
成長率も業種上位に位置し、高収益と高成長を両立している。
※出所: 当社集計
リスク要因
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求人ボックスの投資回収リスク: 売上が前年比+58.2%と急拡大する一方、営業損益は-8.7億円の損失となった。第4四半期はブランド投資集中により損失拡大が見込まれ、損益分岐点到達時期が不透明である。
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のれん・無形資産の増加と評価リスク: のれん及び無形資産は期首比+44.3億円(+61.5%)増加し、LiPLUSホールディングス子会社化等が主因。今後の統合進捗や収益化状況により、将来の減損リスクが存在する。
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キャッシュフローと株主還元のバランス: フリーCFは37.0億円にとどまり、配当支払158.2億円を下回った。営業CFも前年比-22.2%と減少しており、高水準の配当継続には営業キャッシュ創出力の回復が課題となる。
決算上の注目ポイント
-
食べログ・価格.comは営業利益率50%超を維持し、連結収益性の中核として安定的に機能している一方、求人ボックスの損失化により連結営業利益率は前年比825bp低下した。事業間の収益構造の差異が今後の利益率動向を左右する構造的な変化点となっている。
-
自己資本比率71.7%(前年66.1%)、流動比率291.7%相当の高い財務健全性を保持しており、M&Aや先行投資を実施する財務的余力は確保されている。
-
通期進捗率は売上・営業利益ともに75%前後で標準的であり、会社計画(増収減益)と概ね整合的である。第4四半期の求人ボックス投資動向が、通期の利益率トレンドを確認する上での注目点となる。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 511円 |
| base(基準) | 536円 |
| bull(強気) | 567円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 305円 |
| 調整後予想EPS | 100.8円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 52.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.75倍 / 5.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 521円〜551円、ω±0.1で 530円〜545円。
注記:
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。