| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥5970.3億 | ¥5518.8億 | +8.2% |
| 営業利益 | ¥469.2億 | ¥402.0億 | +16.7% |
| 経常利益 | ¥499.1億 | ¥431.1億 | +15.8% |
| 純利益 | ¥271.3億 | ¥245.7億 | +10.4% |
| ROE | 6.4% | 6.5% | - |
2026年3月期決算は、売上高5,970.3億円(前年比+451.4億円 +8.2%)、営業利益469.2億円(同+67.2億円 +16.7%)、経常利益499.1億円(同+68.0億円 +15.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益271.3億円(同+25.6億円 +10.4%)。主力のセキュリティ事業の契約収入積み上げと価格改定、FM工事収入の拡大が増収を牽引し、営業利益率は7.9%(前年7.3%から+0.6pt)へ改善。介護事業の収益性改善と国内事業の効率化により、販管費率は16.1%(前年16.4%から△0.3pt)へ改善、粗利率も24.0%(同23.7%から+0.3pt)へ拡大。経常利益と親会社純利益の乖離は主に実効税率30.8%と非支配株主持分19.5億円によるもので、一時的要因(負ののれん発生益13.6億円、減損損失5.6億円等)の純額影響は限定的。営業CFは537.9億円(前年比+26.1%)とキャッシュ創出力も底堅い。
【売上高】売上高5,970.3億円(+8.2%)の内訳は、契約収入5,030.8億円(売上構成比84.3%、+4.3%)、工事収入397.5億円(同6.7%、+14.1%)、売却収入541.9億円(同9.1%、△1.3%)。セグメント別では、セキュリティ事業4,211.1億円(+7.4%)が全体の70.5%を占め、常駐警備と機械警備の単価改定・契約増加が下支え。FM事業等934.4億円(+16.6%)は工事収入の拡大が寄与し、介護事業552.5億円(+3.5%)も底堅く推移。海外事業279.8億円(+4.3%)は前年から若干回復するも、規模は小さい。地域別は開示されていないが、本邦顧客への売上が連結の90%超と推測され、国内需要の拡大が増収の主因。
【損益】売上原価4,539.7億円(原価率76.0%)に対し、粗利1,430.6億円(粗利率24.0%、前年23.7%から+0.3pt)。販管費961.4億円(販管費率16.1%、前年16.4%から△0.3pt)を吸収し、営業利益469.2億円(営業利益率7.9%)を確保。営業外収益66.6億円(受取配当9.5億円、保険配当金3.0億円、持分法利益28.4億円等)と営業外費用36.6億円(支払利息19.4億円等)の純額+29.9億円により、経常利益499.1億円(経常利益率8.4%、前年7.8%から+0.6pt)。特別利益20.4億円(負ののれん発生益13.6億円、ステップ取得益1.7億円、固定資産売却益0.6億円等)と特別損失11.0億円(減損損失5.6億円、固定資産除却損4.3億円、投資有価証券評価損3.6億円)の純額+9.4億円で、税引前利益508.6億円。法人税等156.4億円(実効税率30.8%)、非支配持分19.5億円を控除し、親会社純利益271.3億円(+10.4%)。結論として増収増益、営業利益率・経常利益率ともに改善し、本業主導の収益拡大を実現。
セキュリティ事業は売上4,211.1億円(+7.4%)、営業利益454.2億円(+12.6%)、利益率10.8%(前年10.3%から+0.5pt)。機械警備と常駐警備の単価改定、契約増加が利益率改善を牽引。FM事業等(ビル総合管理・防災)は売上934.4億円(+16.6%)、営業利益112.8億円(+23.0%)、利益率12.1%(前年11.4%から+0.7pt)。工事収入の拡大と設備管理の効率化が寄与。介護事業は売上552.5億円(+3.5%)、営業利益22.4億円(+49.5%)、利益率4.1%(前年3.1%から+1.0pt)。人員配置効率化と介護報酬改定の効果が顕在化。海外事業は売上279.8億円(+4.3%)、営業損失△11.1億円(前年△5.5億円から悪化)、利益率△4.0%。赤字拡大は立ち上げコストと初期投資負担が主因で、下期以降の損益改善が課題。セグメント利益合計578.2億円に対し、全社費用△109.0億円を控除し、連結営業利益469.2億円。
【収益性】営業利益率7.9%(前年7.3%から+0.6pt)、経常利益率8.4%(同7.8%から+0.6pt)、ROE6.4%(前年7.9%から△1.5pt)。営業利益率の改善は粗利率+0.3pt、販管費率△0.3ptのオペレーティングレバレッジによる。ROE低下は利益成長+10.4%に対し純資産増加+13.5%(評価差益・退職給付再測定益含む)が上回ったため。【キャッシュ品質】営業CF537.9億円は純利益271.3億円の1.98倍で高品質。OCF/EBITDA(のれん償却前営業利益+減価償却=717.3億円)は0.75倍とやや弱いが、運転資本変動(棚卸△15.5億円、売上債権△22.7億円、仕入債務△18.5億円)と退職給付関連のキャッシュ流出が一時的に効いた可能性。営業CF/売上高は9.0%。【投資効率】総資産回転率0.88回(前年0.96回)は設備投資に伴う資産増加で低下。ROIC(NOPAT÷投下資本)は限定的な開示だが、営業利益成長率+16.7%は総資産成長率+17.9%とほぼ釣り合い、資本効率は横ばい。【財務健全性】自己資本比率63.2%(前年65.7%から△2.5pt)、Debt/Equity比率0.11(有利子負債513億円÷純資産4,269億円)で低レバレッジ。流動比率213.5%、当座比率213.5%で流動性は厚い。短期借入金372.3億円(前年124.8億円から+198%)と長期借入金124.1億円(同13.3億円から+835%)が急増したが、Debt/EBITDA0.71倍、インタレストカバレッジ(営業利益÷利払い)24.2倍で、レバレッジは保守的範囲。
営業CFは537.9億円(前年比+26.1%)で、税金等調整前利益508.6億円、減価償却費213.9億円、のれん償却34.2億円等の非現金費用を加算し、運転資本変動(棚卸△15.5億円、売上債権△22.7億円、仕入債務△18.5億円)、年金資産増加△47.9億円、法人税等支払△140.4億円等を控除した結果。投資CFは△392.1億円で、設備投資△353.1億円(前年△148.5億円)が主因。有形固定資産取得が土地+154億円等を含め大幅に増加し、無形資産取得△38.3億円、子会社株式取得△6.7億円、投資有価証券取得△16.7億円等も発生。一方、子会社取得による収入20.3億円と投資有価証券売却5.4億円が一部相殺。フリーCFは145.7億円(営業CF+投資CF)。財務CFは△77.5億円で、短期借入純増額△4.7億円、長期借入調達+145.3億円、リース債務返済△63.1億円、配当支払△135.9億円、自社株買い△150.0億円等が主因。現金は期首600.2億円から期末668.1億円へ+67.9億円増加し、為替影響△0.3億円を考慮した結果、期末残高は777.6億円(現金・預金)+12.5億円(短期有価証券)。営業CF/純利益1.98倍は現金創出の健全性を示す一方、設備投資/減価償却は1.65倍と成長投資色が強く、今後の稼働率・回収期間がキャッシュリターンの鍵。
経常利益499.1億円の主因は営業利益469.2億円で、営業外収益66.6億円(うち持分法利益28.4億円、受取配当9.5億円、保険配当金3.0億円等)は売上高比1.1%と小さく、本業外依存度は低い。特別損益は純額+9.4億円で、負ののれん発生益13.6億円(M&A取得価額が純資産公正価値を下回る一時的利益)、ステップ取得益1.7億円、固定資産売却益0.6億円等の特別利益と、減損損失5.6億円(のれん4.9億円、機械装置0.3億円等)、投資有価証券評価損3.6億円、固定資産除却損4.3億円等の特別損失が相殺され、純利益への一時的影響は限定的。経常利益と純利益の乖離は主に実効税率30.8%と非支配株主持分19.5億円によるもので、課税所得と会計利益の差は許容範囲。包括利益604.3億円は純利益271.3億円に対し、その他包括利益250.1億円(退職給付調整額205.7億円、有価証券評価差額48.6億円、為替換算調整△2.0億円等)が加算され、退職給付の数理差益が包括利益を大幅に押し上げた。当該再測定益は金利・運用環境改善による一時的要素が強く、逆回転リスクを内包。アクルーアル比率は(純利益△営業CF)÷総資産=(271.3△537.9)÷6,750.2=△3.9%とマイナスで、営業CFが純利益を上回る健全な構造。のれん償却34.2億円はEBITDA(営業利益+減価償却+のれん償却=717.3億円)の4.8%と軽微で、JGAAP特有の利益圧縮要因ながら収益の質への影響は限定的。
通期業績予想は売上高6,375.0億円(前年比+6.8%)、営業利益557.0億円(同+18.7%)、経常利益585.0億円(同+17.2%)、EPS予想76.75円、配当予想16.50円。今期実績の営業利益率7.9%に対し、通期予想営業利益率は8.7%(予想営業利益557億円÷予想売上6,375億円)で約+0.8ptの改善を見込む。価格改定の継続、機械警備と常駐警備の効率化、FM工事の採算管理、介護事業の収益性維持、海外事業の赤字縮小が前提条件。進捗率は営業利益469.2億円÷予想557.0億円=84.2%と、通期計画の8割強を消化しており、残り期間で+87.8億円(+18.7%)の積み増しが必要。契約収入の積み上げ(ストック型収益)が下期の安定性を支える一方、海外事業の赤字縮小ペースと人件費インフレが上振れ・下振れ要因。配当予想16.50円は年29.2円から減配となっているが、記載上の齟齬の可能性があり、実績配当29.2円(期末14.6円+中間14.6円)との整合性を確認する必要がある。
年間配当は中間14.6円+期末14.6円=29.2円(前年度は期末12.4円、記念配当1.0円含む)。EPS68.49円に対する配当性向は42.6%。配当金総額は135.9億円(期中平均株式数4.857億株×29.2円)。自社株買いは150.0億円を実施し、総還元額は約286億円、総還元性向は約105%(総還元286億円÷親会社純利益271.3億円)。配当のみの配当性向は50.1%(配当総額135.9億円÷純利益271.3億円)と修正され、総還元性向は約105%が正確。フリーCF145.7億円に対し配当支払135.9億円はFCFで概ね賄えるが、自社株買い150億円を含む総還元は営業CFの53.2%に相当し、低レバレッジのバランスシートに依拠した株主還元姿勢。通期配当予想16.50円との乖離は記載上の不整合の可能性があり、実績ベースで評価。
事業集中リスク: セキュリティ事業の売上構成比70.5%(セグメント利益では454.2億円で全社利益の大半)に依存。常駐警備・機械警備の需要減少、価格競争激化、労働力不足による採算悪化が全社業績を直撃するリスク。人件費インフレが販管費率を押し上げる可能性(販管費961.4億円、販管費率16.1%は前年から△0.3pt改善したが、人件費構成比が高い業態では遅行して顕在化)。
短期負債集中リスク: 流動負債1,395.1億円のうち短期借入金372.3億円、リース債務55.0億円等が急増し、短期負債比率は流動負債/総負債=1,395.1÷2,480.8=56.2%。短期借入金は前年+198%と大幅増で、ロールオーバー・リファイナンス依存度が高まる。現金・短期有価証券790.1億円が短期借入金の2.1倍あり即座の支払能力は高いが、金利上昇局面での借換コスト増加と満期ミスマッチ拡大に注意。
海外事業の赤字拡大と収益構造改善の遅れ: 海外事業は営業損失△11.1億円(前年△5.5億円から悪化)、売上279.8億円に対し利益率△4.0%。立ち上げコストと初期投資負担が続き、来期以降の損益改善が不透明。海外展開の規模拡大に伴い赤字幅が更に拡大すれば、全社営業利益率の押し下げ要因となる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.9% | 8.1% (3.6%–16.0%) | -0.2pt |
| 純利益率 | 4.5% | 5.8% (1.2%–11.6%) | -1.3pt |
自社の営業利益率は業種中央値に対し△0.2ptとほぼ同水準、純利益率は△1.3ptやや下回るが、IQRレンジ内で中位に位置。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 8.2% | 10.1% (1.7%–20.2%) | -1.9pt |
自社の売上成長率+8.2%は業種中央値+10.1%を△1.9pt下回るが、IQRレンジ内で底堅い成長を維持。
※出所: 当社集計
国内セキュリティの安定需要と価格改定による営業利益率改善: 主力のセキュリティ事業は売上4,211億円(+7.4%)、営業利益454億円(+12.6%)で利益率10.8%へ+0.5pt改善。契約収入の積み上げ(ストック型収益)と単価改定が進展し、営業利益率は7.9%(前年7.3%から+0.6pt)へ改善。介護事業も利益率4.1%へ+1.0pt改善し、国内事業の収益性改善トレンドが継続。通期予想では営業利益率8.7%への更なる改善を見込み、ROE押し上げ余地を内包。
キャッシュ創出力の底堅さとFCF黒字維持: 営業CFは537.9億円(純利益の1.98倍)で、営業CF/売上高9.0%と高水準。設備投資353.1億円(前年+137%)を実施しつつもFCF145.7億円を確保し、配当135.9億円はFCFで概ね賄える水準。一方で総還元286億円(配当+自社株買い)は営業CFの53%に相当し、低レバレッジ(Debt/Equity0.11)のバランスシートに依拠した株主還元。OCF/EBITDAは0.75倍とやや弱いが、運転資本と退職給付関連の一時的流出が主因で、構造的なキャッシュ品質劣化ではない。
海外事業の赤字拡大と短期負債偏重への注意: 海外事業の営業損失△11.1億円(前年△5.5億円から悪化)は規模拡大に伴う立ち上げコストが主因で、損益改善の遅れが全社マージンを希薄化。短期借入金372.3億円(前年+198%)の急増により短期負債比率が上昇し、ロールオーバー依存度の高まりに注意。現金・短期有価証券790.1億円で短期返済能力は高いが、金利上昇局面での借換コスト増加と海外事業のキャッシュバーン加速が下振れ要因。設備投資/減価償却1.65倍と投資先行型の資本配分が続く中、稼働率・回収期間のモニタリングが重要。
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