| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥173.1億 | ¥161.9億 | +6.9% |
| 営業利益 | ¥20.1億 | ¥18.4億 | +9.7% |
| 経常利益 | ¥20.4億 | ¥19.0億 | +7.6% |
| 純利益 | ¥14.0億 | ¥12.5億 | +11.6% |
| ROE | 21.0% | 21.4% | - |
2026年3月期のクロスキャット決算は、売上高173.1億円(前年比+11.2億円 +6.9%)、営業利益20.1億円(同+1.8億円 +9.7%)、経常利益20.4億円(同+1.5億円 +7.6%)、純利益14.0億円(同+1.5億円 +11.6%)と、増収増益を達成した。営業利益率は11.6%で前年11.3%から+0.3pt改善し、純利益率は8.1%(前年7.7%から+0.4pt改善)と収益性の向上が顕著である。営業CFは23.4億円(前年比+238.7%)と大幅に拡大し、売掛金減少と買掛金増加が運転資本改善に寄与した。ROEは21.0%、自己資本比率61.4%と収益性と財務安全性を両立しており、配当性向35.4%で株主還元も継続している。
【売上高】売上高は173.1億円(前年比+6.9%)と堅調に成長した。主要顧客別では富士通向けが34.1億円(全体の19.7%)、NTTデータ向けが24.8億円(同14.4%)と2大顧客で約34%を占め、富士通向けは前年30.6億円から+3.5億円増、NTTデータ向けは前年20.7億円から+4.2億円増と、両社ともに拡大した。国税庁向けは前年度19.4億円計上されたが当期は主要顧客リストから外れており、案件の一巡が示唆される。地域別売上は本邦のみで海外展開は行っていない。情報サービス事業の単一セグメントで運営されており、売上成長は既存主要顧客の深耕と受注案件の着実な遂行が牽引した。
【損益】売上原価は132.4億円(前年123.5億円から+7.2%)で、粗利率は23.6%と前年23.8%から-0.2pt微減した。人件費上昇や外注費増加が原価率を押し上げた可能性がある。販管費は20.6億円(前年20.1億円から+2.7%)で販管費率は11.9%と前年12.4%から-0.5pt低下し、売上増に対する販管費の抑制が営業レバレッジを生んだ。営業外収益は0.7億円(受取配当金0.3億円、補助金収入0.3億円等)、営業外費用は0.4億円(支払利息0.1億円等)で、営業外収支は+0.3億円の貢献となった。特別利益は投資有価証券売却益0.8億円の一時的要因があり、税引前利益は21.2億円、法人税等6.1億円(実効税率28.8%)を計上した。経常利益と純利益の乖離は特別損益と法人税の影響によるもので、構造的な要因は見られない。結論として、増収増益を達成し、販管費率の改善による営業効率向上が利益率向上に寄与した。
【収益性】営業利益率11.6%(前年11.3%から+0.3pt改善)、純利益率8.1%(前年7.7%から+0.4pt改善)と収益性は向上基調にある。ROEは21.0%と高水準を維持しており、純利益率の改善と総資産回転率1.60倍、財務レバレッジ1.63倍の組み合わせが資本効率を支えている。売上高成長率+6.9%は、主要顧客の案件拡大と安定受注の成果である。【キャッシュ品質】営業CF23.4億円は純利益14.0億円の1.67倍で、利益とキャッシュの整合性は高い。営業CF小計29.1億円から法人税等支払5.9億円を差し引いた後も、売掛金減少4.8億円と買掛金増加1.8億円が運転資本改善に寄与し、キャッシュコンバージョンは良好である。フリーCFは20.2億円と潤沢で、配当4.6億円と自社株買い1.4億円を十分にカバーしている。【投資効率】設備投資は0.6億円で減価償却費1.3億円の48%にとどまり、更新投資水準を下回る。労働集約型のITサービス業では資本集約度は低いが、継続的な投資抑制は将来のツールやインフラ更新に影響する可能性がある。無形固定資産は1.5億円(ソフトウェア0.6億円、のれん0.7億円)で、のれん/EBITDA比率は0.03倍と減損リスクは極めて低い。【財務健全性】自己資本比率61.4%(前年55.6%から+5.8pt改善)、流動比率244%、Debt/EBITDA比率0.32倍、インタレストカバレッジ327倍と財務安全性は極めて高い。短期借入金は7.0億円(前年15.0億円から-53%減)と大幅に圧縮され、現金及び預金33.0億円で短期負債を4.72倍カバーしており、流動性に懸念はない。利益剰余金は68.6億円(前年58.1億円から+18.0%増)と内部留保の積み上げが進んでいる。
営業CFは23.4億円と前年6.9億円から+238.7%増となり、キャッシュ創出力が大幅に向上した。営業CF小計29.1億円に対し法人税等支払5.9億円を差し引き、売掛金の減少4.8億円、買掛金の増加1.8億円が運転資本改善に寄与し、棚卸資産の変動はほぼゼロであった。営業CFは純利益14.0億円の1.67倍で利益の質は高く、OCF/EBITDA比率は1.09倍と現金変換効率も良好である。投資CFは-3.2億円で、設備投資0.6億円と無形資産投資0.1億円、投資有価証券の購入3.5億円に対し売却1.0億円を実施した。財務CFは-14.0億円で、短期借入金の返済8.0億円、配当支払4.6億円、自社株買い1.4億円を実行した。フリーCFは20.2億円と潤沢で、配当と自社株買いの合計6.0億円を十分に上回り、株主還元の持続可能性は高い。現金及び預金は期末33.0億円(前年26.8億円から+6.2億円増)と、強固なキャッシュポジションを維持している。
純利益14.0億円に対し営業CFは23.4億円で、OCF/純利益比率1.67倍と利益の質は高い。経常的収益である営業利益20.1億円が利益の中心を占め、営業外収益0.7億円(受取配当金0.3億円、補助金収入0.3億円等)は売上高比0.4%と軽微である。特別利益は投資有価証券売却益0.8億円の一時的要因が含まれるが、税引前利益21.2億円の3.8%にとどまり、本業ベースの収益力が利益の源泉である。包括利益は13.8億円と純利益14.0億円から-0.2億円下振れたが、これは有価証券評価差額金の減少-1.7億円(前年+0.6億円)と退職給付に係る調整額+0.4億円(前年-0.1億円)によるもので、大きな乖離はない。運転資本の変動では、売掛金の減少4.8億円が営業CFを押し上げたが、これは回収サイクルの改善を示唆し、アクルーアルの観点からも収益の質を支えている。営業CF小計29.1億円から運転資本変動後の営業CF23.4億円への差分は運転資本の動きとして合理的であり、利益操作の兆候は認められない。
2027年3月期通期予想は、売上高179.0億円(前年比+3.4%)、営業利益21.5億円(同+6.8%)、経常利益21.9億円(同+7.2%)を見込んでいる。当期実績との対比では、売上高は+5.9億円の増収、営業利益は+1.4億円の増益を計画しており、営業利益率は12.0%と当期11.6%からさらに+0.4pt改善する見通しである。通期予想に対する進捗率は、売上高が96.7%、営業利益が93.6%、経常利益が93.2%と高水準で推移しており、期末に向けた案件進行が順調であれば予想達成は視野に入る。予想配当は未定(0円)とされているが、配当性向35.4%の実績と内部留保の積み上げを考慮すると、増配余地は十分にある。業績予想は主要顧客の発注継続とコスト管理の維持を前提としており、売上成長+3.4%は保守的な水準と評価できる。
期末配当は1株37円で、配当総額4.65億円、配当性向35.4%と安定的な株主還元を実施した。前年配当性向も35.4%で一貫しており、利益成長に応じた配当方針が維持されている。自社株買いは1.4億円を実行し、配当と合わせた総還元額は6.0億円、総還元性向は43.2%となった。フリーCF20.2億円に対する総還元カバレッジは3.4倍と十分な余力があり、還元の持続可能性は高い。現金及び預金33.0億円、利益剰余金68.6億円の厚い内部留保を背景に、今後の増配余地は大きい。自己株式は期末3,010千株(発行済株式数の17.7%)を保有しており、流動性への影響は限定的である。配当政策は配当性向35%前後を基準としている可能性があり、利益成長に応じた段階的な増配が見込まれる。
顧客集中リスク: 富士通向け売上が34.1億円(全体の19.7%)、NTTデータ向けが24.8億円(同14.4%)と上位2社で約34%を占め、特定顧客への依存度が高い。主要顧客の発注方針変更や価格交渉力の行使により、受注減や利益率低下のリスクがある。前年度は国税庁向け19.4億円が計上されたが当期は主要顧客リストから外れており、案件の変動性も示唆される。受注残高や契約負債の開示はなく、将来の受注見通しの透明性に課題がある。
売掛金回収長期化リスク: 売掛金残高45.0億円、売上高173.1億円から算出されるDSO(売掛金回転日数)は約95日と回収サイクルが長い。前年売掛金49.8億円から-4.8億円減少したが、大手顧客向けの案件特性上、検収や支払条件により入金が遅延しやすい構造がある。景気後退局面での信用リスク増大や運転資本圧迫の可能性があり、与信管理と回収状況の継続監視が必要である。
投資不足による競争力低下リスク: 設備投資0.6億円は減価償却費1.3億円の48%にとどまり、更新投資水準を下回る。無形固定資産も1.5億円(前年2.4億円から-0.9億円減)と縮小しており、内製ツールやインフラの老朽化、セキュリティ対策や自動化投資の遅れが懸念される。労働集約型のITサービス業では資本集約度は低いが、継続的な投資抑制は中長期の生産性向上や差別化を阻害し、粗利率改善余地を狭めるリスクがある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 11.6% | 8.1% (3.6%–16.0%) | +3.5pt |
| 純利益率 | 8.1% | 5.8% (1.2%–11.6%) | +2.2pt |
収益性では営業利益率11.6%、純利益率8.1%ともに業種中央値を上回り、IT・通信業界内で上位の収益性を確保している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 6.9% | 10.1% (1.7%–20.2%) | -3.2pt |
売上高成長率は+6.9%と堅調だが、業種中央値10.1%を-3.2pt下回り、成長スピードは業界平均をやや下回る。主要顧客の深耕による安定成長と、新規市場開拓の余地が示唆される。
※出所: 当社集計
営業レバレッジの発現により営業利益率が11.6%(前年11.3%から+0.3pt改善)、純利益率8.1%(同+0.4pt改善)と収益性が向上基調にあり、販管費率の低下(12.4%→11.9%)が利益率改善の主因となっている。ROE21.0%、Debt/EBITDA0.32倍、流動比率244%と収益性と財務安全性を両立しており、営業CF23.4億円は純利益の1.67倍で利益の質は高い。2027年度予想は売上+3.4%、営業利益+6.8%と保守的な増益計画で、主要顧客の発注継続とコスト管理が維持されれば達成確度は高く、内部留保の積み上げに伴う増配余地も大きい。
DSO約95日の回収長期化と設備投資/減価償却比率0.48倍の投資抑制は監視ポイントである。売掛金は前年比-4.8億円減少し、当期は運転資本改善がOCF押し上げに寄与したが、大手顧客向け案件の特性上、検収・支払条件により回収サイクルが長期化しやすい構造がある。設備投資は減価償却費を下回る水準が継続しており、内製ツールやインフラの老朽化、セキュリティ・自動化関連投資の遅れが中長期の生産性や粗利率改善余地を制約する可能性がある。今後の注目指標は、DSOと与信状況、CapEx/減価償却比率、粗利率と人件費率の推移、主要顧客の受注動向である。
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