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22822026 第3四半期プライムIFRS

日本ハム(2282) 2026年度第3四半期決算 増収・税前益24%増

2026年度第3四半期の売上高は1兆1,086億円(前年同期比+5.1%)、税引前利益は536.6億円(同+23.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

食品/食料品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥11085.9億¥10550.2億+5.1%
営業利益---
税引前利益¥536.6億¥433.0億+23.9%
純利益¥358.8億¥307.4億+16.7%
ROE(年換算)8.6%7.6%-

Executive Summary

増収に加え利益成長が上回る増収増益決算で、収益性の改善傾向がうかがえる。売上高は1兆1,085.9億円(前年比+5.1%)、純利益(親会社帰属)は335.8億円(同+15.2%)、税引前利益は536.6億円(同+23.9%)となった。主因は食肉事業本部の増収と利益率改善であり、価格転嫁とコスト管理が奏功したとみられる。

業績変動要因

【売上高】売上高は1,108.6億円(前年比+5.1%)。セグメント別では、食肉事業本部が742.8億円(構成比67.0%、YoY+7.4%)と全体を牽引し、ボールパーク事業も24.9億円(同+16.5%)と好調に推移した。一方、加工食品事業は339.6億円(同-0.2%)とほぼ横ばいで推移している。

【損益】連結営業利益(セグメント利益合計)は581.2億円(前年比+45.4%)、税引前利益は536.6億円(同+23.9%)、純利益(親会社帰属)は335.8億円(同+15.2%)となった。利益成長の牽引役は食肉事業本部で、営業利益464.3億円(同+69.0%、利益率6.3%)と大幅に改善した。一方、加工食品事業は69.9億円(同-30.7%、利益率2.1%)と利益率が低下しており、事業間で明暗が分かれる。持分法投資損益は11.1億円の損失となり、税引前利益に対しては軽微な押し下げ要因となった。売上・利益ともに前年を上回る増収増益決算である。

セグメント別分析

食肉事業本部は売上742.8億円(構成比67.0%、YoY+7.4%)、営業利益464.3億円(同+69.0%)と大幅増益し、利益率も6.3%へ改善した。加工食品事業本部は売上339.6億円(構成比30.7%、YoY-0.2%)とほぼ横ばいながら、営業利益は69.9億円(同-30.7%)と減益し、利益率は2.1%まで低下している。ボールパーク事業は売上24.9億円(構成比2.2%)と小規模ながら、営業利益84.0億円、利益率33.7%と高収益セグメントであり、同+44.2%の増益で全体利益に寄与した。セグメント間では食肉事業の量的拡大と価格転嫁、ボールパーク事業の高収益性が連結利益を押し上げた一方、加工食品事業は原価・販管費の増加が利益を圧迫している。

主要財務指標

【収益性】売上総利益率17.8%、営業利益率(セグメント利益ベース)5.2%、純利益率3.0%は前年から改善傾向にあり、税引前利益率は4.8%(前年4.1%)に上昇した。【キャッシュ品質】営業CFは452.2億円で純利益335.8億円の1.35倍に達し、アクルーアル比率はマイナスとなり利益の現金化は良好である。【投資効率】ROE(年換算)は8.6%、総資産回転率は1.10倍で、自己資本比率53.6%と合わせ資本効率と財務健全性のバランスが取れている。【財務健全性】流動比率は約182.8%、負債資本倍率0.81倍、有利子負債合計237.0億円は現金及び現金同等物63.1億円を上回るものの、営業CF創出力からみて過度な負担ではない。

キャッシュフロー分析

営業CFは452.2億円(前年比+40.6%)で、純利益335.8億円に対して1.35倍の水準にあり、利益の現金裏付けは良好である。売上債権の増加が559.7億円の資金流出要因となった一方、仕入債務の増加186.1億円と棚卸資産の減少53.9億円が営業CFを下支えした。投資CFは199.4億円の流出で、主に固定資産取得240.7億円によるものであり、営業CFの範囲内で賄われている。この結果フリーキャッシュフローは252.8億円となった。財務CFは374.1億円の流出で、自社株買い300.0億円と配当支払134.6億円が主因である。現金及び現金同等物は期首から84.5億円減少し631.1億円となったが、営業CF創出力と流動性水準からみて資金繰りに大きな懸念は見られない。

収益の質

税引前利益536.6億円の伸び(前年比+23.9%)は売上成長(+5.1%)を大きく上回っており、主因は食肉事業本部の営業利益改善という経常的な要因である。営業外項目では金融収益29.2億円と金融費用28.8億円がほぼ相殺し、その他の収益120.2億円とその他の費用111.7億円の差額も8.5億円と限定的であり、一時的な特別損益への依存は小さい。持分法投資損益は11.1億円の損失で、前年の7.9億円損失から拡大しており、投資先の業績変動が税引前利益をわずかに押し下げている。営業CFが純利益の1.35倍に達しアクルーアル比率もマイナスであることから、会計上の利益と現金創出力の乖離は小さく、収益の質は総じて良好と評価できる。包括利益は507.1億円と純利益358.8億円を上回っており、為替換算差額91.8億円が押し上げ要因となっている。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想に対する進捗は、売上高が77.0%(予想1兆4,400.0億円)、EPS予想355.76円に対し実績343.14円と、いずれも第3四半期時点の標準進捗率(75%)を上回るペースで推移している。純利益(親会社帰属)予想340.0億円に対する実績335.8億円の進捗率は98.8%に達しており、通期予想達成に向けた進捗は良好である。当四半期において業績予想・配当予想の修正はいずれも行われていない。

株主還元

配当予想は年間160円で、前年配当135円から増配となる見込みである。第3四半期累計の配当支払額は134.6億円で、通期純利益予想340.0億円に基づく配当性向は概算約45.0%である。これに加え、自社株買いを300.0億円実施しており、配当と自社株買いを合算した総還元額は434.6億円となる。当第3四半期累計のフリーキャッシュフロー252.8億円との比較では、総還元額がこれを上回っており、還元姿勢は積極的である。

リスク要因

  1. 原材料・エネルギーコスト変動リスク: 売上原価率は82.2%と高水準にあり、粗利率17.8%の構造下では畜産物・飼料・物流費の上昇が利益率を圧迫しやすい。加工食品事業の営業利益率は2.1%(前年比-30.7%)まで低下しており、コスト転嫁力の差がセグメント間の収益性格差として表れている。

  2. 売上債権増加による運転資本リスク: 営業債権及びその他の債権は559.7億円増加し、営業CFの押し下げ要因となった。売上拡大に伴う債権積み上がりが継続すれば、利益とキャッシュフローの乖離拡大につながる可能性がある。

  3. 株主還元とフリーキャッシュフローの均衡リスク: 配当134.6億円と自社株買い300.0億円を合算した総還元額434.6億円は、当第3四半期累計フリーキャッシュフロー252.8億円を上回っている。同水準の還元を継続する場合、営業CFの維持と運転資本改善が重要となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(food_beverage)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
純利益率3.2%3.9% (2.8%–6.7%)−0.7pt

純利益率は業種中央値をやや下回り、業種内では中位からやや下位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.1%3.4% (-0.4%–4.7%)+1.7pt

売上高成長率は業種中央値を上回り、業種内でも上位のトップライン成長を示している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高5.1%増に対し純利益15.2%増、税引前利益23.9%増となり、増収を上回るペースで利益が拡大している点は収益構造の質的変化として注目される。特に食肉事業本部の利益率改善(6.3%、前年比+69.0%)が全体を牽引している。

  2. 通期予想に対する純利益進捗率は98.8%に達しており、第4四半期に必要な利益はわずかである一方、加工食品事業の利益率低下(2.1%)はセグメント間の収益性格差として継続的な確認が必要な項目である。

  3. 配当と自社株買いを合わせた総還元額434.6億円はフリーキャッシュフロー252.8億円を上回っており、積極的な資本還元姿勢が継続するかは、今後の営業CFと売上債権回収の動向に左右される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)5,150円
base(基準)5,277円
bull(強気)5,288円
算出前提
1株純資産(BPS)5,643円
調整後予想EPS391.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向45.0%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.94倍 / 13.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 5,132円〜5,428円、ω±0.1で 5,264円〜5,285円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(99%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。