| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥4755.7億 | ¥4583.5億 | +3.8% |
| 営業利益 | ¥91.3億 | ¥89.5億 | +2.0% |
| 経常利益 | ¥111.8億 | ¥105.0億 | +6.5% |
| 純利益 | ¥105.7億 | ¥80.4億 | +31.5% |
| ROE | 8.1% | 6.2% | - |
2026年3月期決算は、売上高4,755.7億円(前年比+172.2億円 +3.8%)、営業利益91.3億円(同+1.8億円 +2.0%)、経常利益111.8億円(同+6.8億円 +6.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益45.9億円(同-24.9億円 -35.2%)。増収・営業段階は堅調だが、減損損失27.2億円を含む特別損失36.7億円の計上により、純利益は大幅減益。売上総利益率は11.1%(前年10.6%から+0.5pt改善)、販管費率は9.1%(同+0.5pt上昇)で、営業利益率は1.9%(同-0.1pt)と横ばい。経常利益は為替差益5.6億円、受取配当3.6億円等の営業外収益により営業段階から+22.3%の押上げ。実効税率72.2%と高水準、非支配株主損益-21.7億円も利益を圧迫し、結果として増収・営業微増益・純利益大幅減益の決算。営業CFは197.5億円(同+39.0%)と堅調で、純利益の4.3倍の現金創出、フリーCF59.9億円は配当40.3億円を1.5倍でカバーし、財務健全性は維持。
【売上高】売上高は4,755.7億円(前年比+3.8%)で3期連続増収。製品別では食肉が1,747.8億円(前年1,607.2億円から+8.7%)、ハム・ソーセージが1,245.8億円(同+5.1%)と伸長、加工食品は1,733.2億円(同-1.7%)と微減。主要顧客セブン-イレブン向け売上は1,065.6億円で全体の約22%を占め、前年1,181.7億円から-9.8%減少。セグメント別では加工食品事業部門(食肉加工・加工食品)が売上3,146.9億円(同+0.4%)と横ばい、食肉事業部門が1,817.2億円(同+9.8%)と拡大。原材料・物流コストへの対応として価格改定を実施し、粗利率は11.1%と前年10.6%から+0.5pt改善したが、販管費率の上昇(9.1%、前年8.6%から+0.5pt)により営業利益率は1.9%と小幅低下。
【損益】売上原価は4,230.0億円で原価率88.9%、前年89.4%から-0.5pt改善。販管費は434.4億円(同+9.9%)で売上成長率(+3.8%)を上回る伸びとなり、物流・人件費の恒常的上昇が利益を圧迫。営業利益91.3億円(同+2.0%)、営業利益率1.9%(同-0.1pt)。営業外収益24.2億円(為替差益5.6億円、受取配当3.6億円、その他8.0億円含む)から営業外費用3.7億円(支払利息1.8億円含む)を差引き、経常利益は111.8億円(同+6.5%)。特別利益11.5億円(投資有価証券売却益2.3億円等)に対し特別損失36.7億円(減損損失27.2億円、固定資産除却損6.6億円)を計上、税引前利益は86.7億円(同-20.6%)。法人税等62.6億円で実効税率72.2%と高水準、非支配株主損益-21.7億円も加わり、親会社株主に帰属する当期純利益は45.9億円(同-35.2%)。結論として増収・営業微増益・経常増益だが、特別損失と高税負担により純利益は大幅減益。
加工食品事業部門は売上3,146.9億円(前年比+0.4%)、営業利益79.3億円(同+0.1%)、営業利益率2.5%。ハム・ソーセージと加工食品の合計で売上の約66%を占める主力部門だが、価格転嫁と原材料コスト増が拮抗し利益は横ばい。食肉事業部門は売上1,817.2億円(同+9.8%)、営業利益19.3億円(同+60.4%)、営業利益率1.1%。食肉相場の安定と調達最適化で大幅増益だが、依然薄利構造。その他(理化学機器等)は売上9.4億円(同+28.1%)、営業利益2.9億円(同-3.6%)。加工食品が全社営業利益の約87%を占め、食肉は収益性改善の余地大。セグメント資産では加工食品が1,618.9億円、食肉が457.3億円で、加工食品の資本効率が相対的に高い。のれんは加工食品・食肉ともに減損計上により期末残高ゼロ。
【収益性】営業利益率1.9%(前年2.0%から-0.1pt)は食品業界内で低位。純利益率2.2%(前年1.8%から+0.4pt)は特損影響で伸び悩み。粗利率11.1%(前年10.6%から+0.5pt)は価格改定効果、販管費率9.1%(前年8.6%から+0.5pt)は物流・人件費上昇。ROE8.1%はXBRL記載値だが親会社株主帰属純利益45.9億円÷親会社株主持分1,116.7億円で算出すると約4.1%水準(デュポン分解:純利益率1.0%×総資産回転率1.97×レバレッジ1.98)。ROA(経常利益ベース)4.7%は前年4.3%から改善。【キャッシュ品質】営業CF197.5億円は純利益105.7億円の1.9倍、親会社純利益45.9億円の4.3倍で現金創出力は強固。営業CF/EBITDA(EBITDA=営業利益91.3億円+減価償却118.1億円=209.4億円)は0.94倍と高水準、アクルーアル比率-6.3%で利益の質は良好。【投資効率】ROIC(NOPAT÷投下資本)は営業利益91.3億円×(1-実効税率72.2%)÷(自己資本1,305.4億円+有利子負債142.4億円)で約1.8%と低位。総資産回転率1.97回(前年約1.91回)は在庫圧縮で改善。【財務健全性】自己資本比率54.1%(前年49.8%から+4.3pt)、流動比率121.5%、当座比率91.4%で短期流動性は許容範囲。有利子負債142.4億円、ネット有利子負債約44.7億円、Debt/EBITDA0.68倍、インタレストカバレッジ50.5倍でレバレッジ耐性は良好。
営業CFは197.5億円(前年142.1億円から+39.0%)で、税引前利益86.7億円に対し減価償却118.1億円、減損損失27.2億円等の非資金費用を加算、運転資本は売上債権増-8.2億円、棚卸資産増-1.6億円、仕入債務増+2.1億円で合計-7.7億円のマイナスだが限定的。法人税等の支払-33.3億円後、小計221.3億円から運転資本変動等を調整し最終197.5億円。投資CFは-137.6億円で、設備投資-101.5億円、無形資産取得-70.9億円と積極投資、投資有価証券売却+4.4億円は部分的な資金回収。フリーCFは59.9億円(前年6.4億円から+837%)で、設備投資抑制と営業CF拡大が寄与。財務CFは-63.8億円で長期借入返済-47.5億円、配当支払-40.3億円、長期借入調達+30.0億円と保守的。現金同等物は前期62.7億円から59.2億円へ-3.5億円減少、期末残高97.6億円(うち短期性預金等含む)で、手元流動性は維持。営業CF/EBITDAは0.94倍と優良域、営業CF/純利益は4.3倍で利益の現金裏付けは厚い。
経常利益111.8億円の内訳は本業営業利益91.3億円と営業外収益24.2億円(為替差益5.6億円、受取配当3.6億円、受取利息3.3億円等)で、営業外収益の依存度は売上高の約0.5%と限定的。特別損益はネット-25.1億円(特別利益11.5億円-特別損失36.7億円)で、減損損失27.2億円、固定資産除却損6.6億円が一時的費用、投資有価証券売却益2.3億円、保険金収入2.7億円が一時的利益。経常利益111.8億円に対し税引前利益86.7億円と-22.4%乖離、税引前利益86.7億円に対し法人税等62.6億円で実効税率72.2%と高水準、純利益105.7億円と親会社株主帰属純利益45.9億円の差-59.8億円は非支配株主損益-21.7億円と包括利益調整等。営業CF197.5億円に対し営業利益91.3億円+減価償却118.1億円=209.4億円で営業CF/EBITDA=0.94倍、アクルーアル比率(純利益-営業CF)/総資産=-6.3%と良好。経常的な収益基盤は本業営業利益91.3億円と営業外収益24.2億円で安定、一時的な減損・除却損36.7億円と高税率が純利益を圧迫。来期は特損の反動と税率正常化により純利益の改善余地。
会社計画は通期売上高5,000.0億円(前年比+5.1%)、営業利益110.0億円(同+20.5%)、経常利益120.0億円(同+7.3%)、親会社純利益75.0億円を見込む。営業利益率2.2%(今期1.9%から+0.3pt)と収益性改善を想定、特別損失の縮小と税率の正常化を前提とする。DPS40円は年間80円の半期分で安定配当スタンス。進捗率は通期見通し対比で営業利益83.0%、経常利益93.2%と概ね順調だが、純利益は特損影響で下振れ。コスト最適化、価格改定の継続、食肉相場の安定が計画達成の前提。原材料・エネルギーコストの再上昇、主要顧客取引の変動がリスク要因。
年間配当80円(中間40円、期末40円)を実施、配当総額40.3億円。親会社株主帰属純利益45.9億円に対する配当性向87.8%と高水準だが、フリーCF59.9億円に対する配当カバレッジは1.5倍で現金収支面の持続性は確保。前年も配当性向56.8%(実績では約57%)で、利益水準に応じた配当性向の変動が見られる。自社株買いは実施せず(財務CF▲0.0億円)。来期会社計画のEPS149.22円・DPS40円(開示値)からは少なくとも減配志向は見られず、利益水準の回復(特損縮小・税率正常化)とキャッシュ創出の継続により安定配当は維持可能。将来的な増配余地は営業利益率の改善と資本効率向上の進捗に依存。
低収益構造の固定化リスク: 営業利益率1.9%、粗利率11.1%と業界比で低位。価格転嫁の遅れと物流・人件費の恒常的上昇(販管費率+0.5pt)により、負の営業レバレッジが顕在化。販管費成長率+9.9%が売上成長率+3.8%を大幅に上回り、価格決定力の欠如が構造要因。加工食品のPB比率の高さ(主要顧客コンビニ向け約22%)と食肉卸の価格競争が持続。
特別損失の再発と高税率リスク: 減損損失27.2億円(加工食品23.5億円、食肉3.7億円)、除却損6.6億円で特損合計36.7億円、前年22.7億円から+61.7%増加。無形資産残高220.7億円(前年142.5億円から+54.9%)と積み増しており、将来の減損・償却リスクが拡大。実効税率72.2%(前年34.7%)は繰延税金資産取崩し等が要因で、税率の変動性が純利益を不安定化。
顧客・セグメント集中リスク: 主要顧客セブン-イレブン向け売上1,065.6億円(全体の約22%)と高依存、前年1,181.7億円から-9.8%減少で取引条件の変動が業績を左右。加工食品が営業利益の約87%を占め、食肉は薄利構造(利益率1.1%)で、セグメント分散が不十分。食肉相場・為替のボラティリティが利益を圧迫、調達最適化の遅れが顕在化すれば食肉事業の収益性がさらに悪化。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 1.9% | 5.0% (3.3%–8.4%) | -3.1pt |
| 純利益率 | 2.2% | 3.2% (1.9%–6.6%) | -1.0pt |
営業利益率は業種中央値を-3.1pt下回り、下位四分位を下回る低収益性。粗利率11.1%と原価構造の制約が主因。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 3.8% | 5.4% (1.0%–8.6%) | -1.6pt |
売上成長率は業種中央値を-1.6pt下回り、主要顧客向け減少と加工食品横ばいが成長鈍化の要因。
※出所: 当社集計
キャッシュ創出力と財務健全性の強固さ: 営業CF197.5億円、営業CF/EBITDA0.94倍、フリーCF59.9億円は配当を1.5倍でカバーし、有利子負債比率も低位(Debt/EBITDA0.68倍、インタレストカバレッジ50.5倍)。投資有価証券の圧縮(-57.9%)と無形資産の積極投資(+54.9%)で、長期的な資本効率改善と効率化投資が進展。財務基盤は堅牢で、配当の持続性と成長投資の両立が可能。
低収益構造と特損変動の構造課題: 営業利益率1.9%(業種中央値-3.1pt)、粗利率11.1%と低位で、販管費率上昇(+0.5pt)により負の営業レバレッジが顕在化。減損損失27.2億円と高税率(72.2%)で純利益は大幅減益、ROE4.1%水準と資本効率は低迷。来期は特損縮小と税率正常化により純利益改善余地があるが、本業収益性の抜本改善(価格決定力強化、ミックス改善)が持続的なROE向上の鍵。主要顧客依存(約22%)とセグメント集中(加工食品が利益の87%)の分散も中長期課題。
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