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22672026 第3四半期プライムJGAAP

ヤクルト本社(2267) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益19%減

2026年度第3四半期の売上高は3,718億円(前年同期比-3.8%)、営業利益は409.3億円(同-19.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

食品/食料品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3717.8億¥3862.6億−3.8%
営業利益¥409.3億¥507.4億−19.3%
経常利益¥556.6億¥687.5億−19.0%
純利益¥460.1億¥514.6億−10.6%
ROE7.3%8.2%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は減収減益となり、売上減少以上に営業利益が悪化した点が最重要ポイントである。売上高は3717.8億円(前年比-3.8%)、営業利益は409.3億円(同-19.3%)、経常利益は556.6億円(同-19.0%)、純利益は460.1億円(同-10.6%)となった。主因は国内事業の販売不振と全社費用の増加による営業レバレッジの悪化であり、純利益の減少幅が営業利益より小さいのは投資有価証券売却益等の一時的な特別利益が寄与したためである。

業績変動要因

【売上高】売上高は3717.8億円で前年同期比3.8%減。セグメント別では日本が1762.8億円(構成比47.4%、前年比4.9%減)と最大かつ最大の減収要因となった。米州は666.7億円(構成比17.9%、同5.8%減)、アジア・オセアニアは1035.7億円(同1.1%減)、欧州は92.8億円(同2.1%増)と、海外は相対的に底堅かった。

【損益】営業利益は409.3億円(同19.3%減)で、営業利益率は11.0%と前年同期の約13.1%から悪化した。セグメント利益は日本236.4億円(同23.1%減、利益率13.4%)、米州179.1億円(同13.1%減、利益率26.9%)、アジア・オセアニア111.6億円(同1.6%減)、欧州4.3億円(同4.0%減)で、日本の落ち込みが全社減益を主導した。全社費用を含む調整額は▲152.3億円と前年同期比悪化しており、間接費増加も利益を圧迫した。経常利益は556.6億円(同19.0%減)だが、受取利息・配当金等の営業外収益が下支えした。特別利益では投資有価証券売却益77.2億円が計上され、税引前利益は経常利益を上回る625.1億円となった。純利益は460.1億円(同10.6%減)にとどまったが、これは一時的な特別損益の寄与が大きく、営業面の実勢は経常利益・営業利益の減益率で捉えるべきである。結論として、減収減益である。

セグメント別分析

日本事業は売上高1762.8億円(構成比47.4%)、セグメント利益236.4億円(利益率13.4%)で、前年比では売上4.9%減・利益23.1%減と全社の減益の中心である。米州事業は売上高666.7億円(構成比17.9%)ながらセグメント利益179.1億円(利益率26.9%)を確保し、報告セグメント利益合計に対する構成比は31.9%と最大の利益貢献地域である。アジア・オセアニアは売上高1035.7億円、利益率10.8%で相対的に安定している。欧州は売上高92.8億円、利益率4.7%と小規模にとどまる。地域別の利益率格差は大きく、米州の高収益性が連結利益を下支えする構造であり、日本の収益回復が今後の焦点となる。

主要財務指標

【収益性】売上総利益率は59.0%と高水準を維持する一方、販管費率は47.9%に達し、営業利益率は11.0%で前年同期から低下した。純利益率は12.4%と高いが、投資有価証券売却益を含む特別利益の影響を含む点に留意が必要である。【キャッシュ品質】税引前利益625.1億円は経常利益556.6億円を68.5億円上回り、その差は特別利益79.6億円(うち投資有価証券売却益77.2億円)が主因であり、一時的要因を含む。【投資効率】ROEは7.3%で、総資産8813.0億円に対する売上創出効率(総資産回転率)は低水準にあり、資産効率の改善余地がある。【財務健全性】自己資本比率は71.1%と極めて高く、現金及び預金2329.1億円は流動負債1490.5億円を大きく上回り、財務基盤は保守的かつ安定的である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別数値は開示データに含まれないが、貸借対照表の推移からは資金動向を確認できる。現金及び預金は2329.1億円で前年の2690.6億円から減少しており、有形固定資産が2896.2億円から3244.6億円へ増加していることから、設備投資による資金支出が現金水準の低下に影響したとみられる。短期借入金は625.8億円から425.8億円へ減少する一方、長期借入金は241.7億円から512.5億円へ増加しており、資金調達の期間構成を長期化させる動きがうかがえる。自己資本比率は71.1%と高水準を維持しており、資金調達余力を確保しながら投資と財務構成の見直しを進めている状況と解釈できる。

収益の質

当期利益の質を見ると、営業利益・経常利益がともに前年比約19%減少した一方、純利益の減少率は10.6%にとどまっており、両者の乖離は一時的な特別損益に起因する。特別利益79.6億円のうち投資有価証券売却益が77.2億円を占め、税引前利益を経常利益比で68.5億円押し上げた。営業外収益では受取利息73.7億円、受取配当金20.5億円が計上され、事業外の金融収益が経常利益を下支えする構造は前年から継続している。包括利益は424.3億円で純利益460.1億円を下回っており、為替換算調整額が155.2億円のマイナスとなったことが主因である。この乖離は海外子会社の円換算に伴う一時的な会計上の変動であり、事業の実勢キャッシュフローを直接示すものではないが、海外資産の為替感応度の高さを示している。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高4895.0億円(前年比-2.0%)、営業利益485.0億円(同-12.4%)、経常利益670.0億円(同-11.7%)である。累計の進捗率は売上高が76.0%、営業利益が84.4%と、標準的な9か月経過時点の目安75%を上回っており、特に利益面の進捗は高い。通期計画達成には第4四半期に売上高1177.2億円、営業利益75.7億円(同四半期の営業利益率6.4%)が必要となる計算であり、これは累計の営業利益率11.0%を下回る水準のため、計画達成のハードルは相対的に高くないと読み取れる。

株主還元

通期予想配当は70.00円で、第2四半期配当33円を踏まえると期末配当は37円となる計算である。予想EPS158.57円に基づく配当性向は約44.1%であり、配当のみを分子とした水準としては持続可能性の目安を下回る。利益剰余金は5406.3億円、自己資本比率は71.1%と厚く、配当原資の裏付けは確保されている。ただし、通期純利益予想には特別利益等の一時的要因も含まれ得るため、配当性向の評価は経常的な利益水準との対比でモニタリングする必要がある。

リスク要因

  1. 国内事業の収益悪化: 日本セグメントは売上高1762.8億円(前年比4.9%減)、セグメント利益236.4億円(同23.1%減)となり、全社減益の主因である。国内需要・価格改定後の販売数量の動向が連結収益への影響として注目される。

  2. 地域利益の集中: 米州セグメントは利益179.1億円で報告セグメント利益合計の31.9%を占め、連結利益への寄与度が大きい。現地通貨や競争環境、コスト変動が連結利益に与える影響が相対的に大きい構造にある。

  3. 全社費用・調整額の増加: セグメント調整額は▲152.3億円で前年同期の▲143.5億円から悪化しており、報告セグメントに配分されない全社費用の増加が営業利益率の回復を遅らせる可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率11.0%5.0% (4.5%–7.6%)+6.0pt
純利益率12.4%3.9% (2.8%–6.7%)+8.5pt

自社の収益性は業種中央値を大きく上回り、業種内で高収益グループに位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−3.8%3.4% (-0.4%–4.7%)−7.2pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、増収基調の業界内で減収に転じている点が特徴的である。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は11.0%で前年同期から約2.1pt低下しており、売上高減少率3.8%を大きく上回る利益の減少率19.3%は、販管費・全社費用の吸収力低下という営業レバレッジの悪化を示している。

  2. 純利益の減少率が10.6%にとどまった背景には投資有価証券売却益77.2億円を含む特別利益があり、経常的な収益力は営業利益・経常利益の減益率でみる必要がある。

  3. 通期計画に対する営業利益進捗率は84.4%と標準的な進捗を上回っており、第4四半期に必要な営業利益率は6.4%と累計実績を下回るため、計画達成に向けたハードルは相対的に低い水準にある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,949円
base(基準)2,070円
bull(強気)2,070円
算出前提
1株純資産(BPS)2,136円
調整後予想EPS174.4円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向44.1%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.97倍 / 11.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,013円〜2,129円、ω±0.1で 2,067円〜2,071円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(89%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。