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21682026 第3四半期プライムJGAAP

パソナグループ(2168) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は2,295億円(前年同期比+0.2%)、営業損失は13.3億円。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2294.7億¥2289.1億+0.2%
営業利益−¥13.3億−¥12.8億−3.8%
経常利益−¥2.9億−¥8.4億+66.0%
純利益−¥15.5億−¥55.7億+72.2%
ROE(年換算)−1.5%−5.3%-

Executive Summary

2026年5月期第3四半期累計は増収ながら営業赤字が続き、収益性改善は限定的だった。売上高は2,294.7億円(前年比+0.2%)、営業利益は△13.3億円(前年△12.8億円から0.5億円悪化)、経常利益は△2.9億円(前年△8.4億円から改善)、純利益は△15.5億円(前年△55.7億円から改善)となった。粗利率は改善したものの、販管費増加がこれを上回り営業赤字が拡大した一方、特別損失の縮小が純損失の改善に寄与した。

業績変動要因

【売上高】売上高は2,294.7億円で前年比+0.2%とほぼ横ばい。主力のBPOソリューション・エキスパートソリューション(構成比86.6%)は1,986.0億円で△0.7%と減収した一方、ライフソリューション(+13.1%)、地方創生・観光ソリューション(+22.4%)、グローバルソリューション(+5.2%)が増収し、全体を下支えした。キャリアソリューションは△2.5%とやや減収。

【損益】売上総利益は515.2億円(粗利率22.5%、前年21.7%から改善)となったが、販管費が528.5億円と前年比+3.7%増加し、粗利改善分を上回った。この結果、営業利益は△13.3億円と前年△12.8億円からわずかに悪化した。営業外収支は10.4億円の黒字(受取利息2.9億円、持分法損益0.9億円等)となり、経常利益は△2.9億円まで縮小した。特別損失は前年29.7億円から12.9億円へ縮小(減損損失1.6億円を含む)し、純利益は△15.5億円と前年△55.7億円から大幅に改善した。結論として、増収ながら営業赤字が拡大しており、増収減益の傾向にある。純損失の改善は主に特別損失の縮小によるもので、営業段階の収益力改善とは区別される。

セグメント別分析

セグメント別では、主力のBPOソリューション・エキスパートソリューションが売上1,986.0億円(構成比86.6%)、営業利益71.6億円(利益率3.6%、前年比+1.5%)と全社利益を支える構造を維持した。キャリアソリューションは売上104.9億円(△2.5%)ながら営業利益31.5億円、利益率30.1%と全社最高水準を保つが、前年比では△16.9%と縮小した。グローバルソリューションは売上5.2%増の84.1億円に対し営業利益は△56.1%の0.8億円にとどまり、増収の利益転換が弱い。ライフソリューションは売上13.1%増、営業利益4.1億円(+484.3%)と小規模ながら改善が顕著である。地方創生・観光ソリューションは売上22.4%増の52.8億円だが、営業損失10.7億円(利益率△20.3%)を計上し、赤字は前年から縮小したものの収益化は途上にある。セグメント合計営業利益97.3億円に対し、グループ管理費用・新規事業インキュベーションコスト等の全社調整額が△110.6億円に達し、全社営業赤字の直接的な要因となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は△0.6%で前年同期の△0.6%から横ばい。粗利率は22.5%と前年21.7%から改善したが、販管費率23.0%が上回り営業赤字が続いている。ROE(年換算)は△1.5%〜△1.9%水準にとどまる。【キャッシュ品質】経常損失2.9億円に対し純損失は15.5億円(連結)、親会社株主帰属では18.9億円であり、法人税等1.6億円と非支配株主帰属利益3.4億円が乖離要因となっている。【投資効率】総資産回転率は概ね1.3倍程度で、営業赤字を背景にROIC・資本効率は資本コストを下回る水準にある。【財務健全性】自己資本比率は58.4%と前年50.9%から改善し、財務基盤は安定している。現金及び預金は718.9億円で前年比528.9億円減少したが、流動負債531.5億円を大きく上回る水準を維持している。

キャッシュフロー分析

CF計算書の詳細開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を分析すると、現金及び預金は718.9億円で前年同期の1,247.7億円から528.9億円減少した。一方、長期借入金は314.5億円と前年比77.8億円増加しており、資金調達を長期化させつつ現金水準を圧縮する動きがみられる。総資産は2,292.8億円と前年比357.6億円減少しており、資産規模の圧縮と現金減少が並行して進んでいる。自己株式は48.4億円と前年比22.7億円増加しており、自社株取得等の資本政策による資金流出も現金減少要因の一つとみられる。営業赤字が継続する中での現金減少は、今後のキャッシュ創出力の回復が資金繰りの安定にとって重要な観点となる。

収益の質

営業損失13.3億円に対し、経常損失は2.9億円にとどまり、営業外収支10.4億円の黒字(受取利息2.9億円、持分法投資利益0.9億円、補助金収入0.6億円等)が損失を圧縮した。税引前損失13.9億円に対し親会社株主帰属純損失は18.9億円となり、法人税等1.6億円および非支配株主帰属利益3.4億円が乖離要因である。特別損益をみると、特別利益1.9億円(投資有価証券売却益1.8億円)に対し、特別損失12.9億円(減損損失1.6億円、固定資産除売却損0.5億円等)を計上しており、前年の特別損失29.7億円からは縮小した。したがって、純損失の前年比改善は経常的な営業収益力の回復ではなく、一時的要因である特別損失の縮小に負う部分が大きく、営業段階での黒字定着が確認されるまでは収益の質の持続的改善とは評価しにくい。

業績予想・ガイダンス

通期売上高予想3,100.0億円に対する進捗率は74.0%で、標準的な進捗率75%とほぼ同水準にある。一方、通期営業利益予想5.0億円に対し累計は13.3億円の営業損失であり、計画達成には第4四半期に18.3億円程度の営業利益が必要となる。通期経常利益予想18.0億円に対しても累計経常損失は2.9億円にとどまり、営業外収支の改善を前提としても大幅な収益改善が求められる。通期親会社株主帰属純損失予想18.0億円に対し、累計純損失は18.9億円とすでに通期予想を上回っており、当四半期に業績予想が修正されている点も踏まえ、第4四半期の収益動向が計画達成の分岐点となる。

株主還元

2026年5月期の期末配当予想は1株75円(普通配当15円、特別配当60円)で、前年の期末配当(普通15円、特別60円)から据え置きとなっている。通期の親会社株主帰属純損益予想は18.0億円の赤字であり、配当性向は利益がマイナスのため算定上意味を持たず、配当は当期利益で賄われる構造にはない。予定配当の大半は特別配当が占めており、利益剰余金1,109.4億円および現金及び預金718.9億円を背景とした資本配分として実施される見込みである。営業赤字と通期純損失予想が続く中、配当の継続性は本業収益の回復状況を含めた財務全体の動向を踏まえてモニタリングが必要である。

リスク要因

  1. 事業集中リスク: BPOソリューション・エキスパートソリューションが売上高の86.6%を占め、同セグメントは前年比0.7%減収となった。人材需給や顧客企業の外注方針の変化が全社業績に大きく波及する構造にある。

  2. 地方創生・観光ソリューションの収益化リスク: 売上高は前年比+22.4%と増収したが、営業損失10.7億円(利益率△20.3%)を計上している。赤字幅は前年から縮小したが、固定費吸収と収益化の進展が引き続き課題である。

  3. 全社管理費・新規事業コストの負担: グループ管理費用及び新規事業インキュベーションコスト等を含む全社調整額が△110.6億円に達し、報告セグメント合計利益97.3億円を上回る。既存事業の利益改善が全社損益に反映されにくい構造となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率−0.6%8.3% (3.6%–18.6%)−8.9pt
純利益率−0.7%6.1% (2.3%–12.8%)−6.8pt

業種中央値と比較して営業利益率・純利益率ともに大きく下回っており、収益性は業種内で低い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)0.2%10.4% (-0.9%–19.9%)−10.2pt

売上高成長率も業種中央値を大きく下回り、成長性の面でも業種内で低位に位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 粗利率は前年比で改善したものの、販管費の増加がこれを上回り、営業赤字は前年より拡大した。増収局面での固定費吸収力が課題であり、営業利益の黒字化には管理費・新規事業コストの抑制が鍵となる。

  2. 純損失は前年から大幅に改善したが、特別損失の縮小が主因であり、営業段階の収益力改善とは性質が異なる。通期営業利益計画5.0億円に対し累計は13.3億円の赤字であり、第4四半期の業績寄与度が計画達成の分岐点となる。

  3. 地方創生・観光ソリューションは増収と赤字縮小が同時に進んでいるが、依然として営業利益率はマイナスであり、収益化の進捗が今後の全社収益性に与える影響が注目される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,532円
base(基準)2,549円
bull(強気)2,565円
算出前提値
1株純資産(BPS)3,583円
調整後予想EPS−47.7円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.000(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,479円〜2,621円、ω±0.1で 2,517円〜2,569円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。